こんにちは。寺子屋生の水上です。
本日から数回に分けて、臓腑それぞれについて学んだことをまとめます。
自身のアウトプット作業として「覚え書き」程度の簡単なまとめになり、読みづらさは多々あると思いますがご容赦ください。
第一回 「肝」
中焦に属する 胆と表裏をなす
生理機能
・疎泄
=全身の気機を調整し、生理物質を円滑に行き渡らせる機能
情志・気機・月経の調節、脾胃の補助に関連する
脾における「運化」との違いとしては、運化は「水穀の精微」が主体となる点である。「飲食物から水穀の精微を生成し、それを心や肺に届けること」を運化という。運化には疎泄も関わるが、同義ではない。
・蔵血
=血の貯蔵と血液量の調節をする役割
昼間、精神活動や身体活動のために肝は血を身体中へ分布させる。休息時や睡眠時には血は肝へ戻り、貯蔵される。
生理特性
・昇発
「上」と「外」。気機における方向性の表現
・条達
生理物質を隅々まで行き渡らせる、疎泄作用の特性のこと
古人は肝気を「樹木の成長が盛んで枝葉を茂らせる様子」に例えた。
肝気は春に旺盛になる。
関連領域
目、涙、筋、爪、怒、酸、春など
・目を滋養するのは肝血である。血量の調節を行う肝の作用が失調すると、目のかすみ・かわき、充血などがおこる。
・肝血は筋も滋養する。爪は筋の余りと呼ばれる。失調すると引き攣り、しびれ、運動障害が起こる。肝風内動ではふるえ、けいれん、後弓反張を引き起こす。(風についてはまたの機会にまとめることにする)
肝はアクセルの働きをもつ臓器であり、ラジエーターによる冷却がしっかり機能していればエンジンが暴走することはない。肝血(陰)が不足すると、肝陽を抑えることができなくなり、上記のような症状が現れる。
・肝の作用により気が昇りすぎると「怒」が現れる。急激・長時間の怒は肝を傷める。
<参考文献>
神戸中医学研究会(1995)『基礎中医学』株式会社燎原
関口善太(1993)『やさしい中医学入門』東洋学術出版
高金亮(2006)『中医学基本用語辞典』東洋学術出版