先日、武田薬品工業(株)京都薬用植物園の『初秋の研修会』に行ってまいりました。
東洋医学の理解の為に、漢方の勉強の一環です。
ガイドの案内で植物園を一周します。
管理する研究員の方々は展示に趣向を凝らしていました。
「麻黄は砂漠に生息しているので、砂漠を模したスペースを造園中です」との事。。
『中薬学』などで、麻黄の効能(辛温解表薬・・)などについて書物の中を散策する事はありましたが、その植物の生息環境を考える事はありませんでした。
その気づきを頂いただけでも行った甲斐はあったように思います。
実際には麻黄の種類も豊富で砂漠のみの生息ではないようですが、基本的には乾燥した地域に生息するようです。
”乾燥した地域に生息し、解表薬となる”
この自然環境が導き出した答えに、探求心が沸き起こります。
水の上限で潤いの必要な華蓋に対して、効能のある植物が乾燥した地域に生息し、成分を蓄える・・
私は中国で砂漠となると、思いつくのがタクラマカン砂漠でした。ゴビ砂漠もあり、砂漠は実際には複数存在します。
解表、皮毛、肺、砂漠・・西?、金の相生⇒水
『五行大義』
金居少陰之位。西方成物之所。物成則凝強。少陰則清冷。故金以強冷為體、従革為性。
現在は『五行大義』をよく読みますが、面白いルールが隠れていうように思えて仕方がありません。
【参考文献】
中薬学(東洋学術出版社)
方剤学(東洋学術出版社)
五行大義(明德出版社)
記事拝見しました。お疲れ様です。
書いて頂いた内容について読み違えないように確認したいのですが、
次のような理解で良いでしょうか?
「麻黄は、砂漠などの乾燥した地域に生息するので五行では燥→『金』であり、
華蓋である肺は潤いが必要であり、かつ水の上限であることから、五行の『水』であるとすると、
『金生水』の相生関係からも、麻黄は肺を助けるということがいえる」
お疲れさまです。
私が言いたかったことは、大原先生の理解された内容でいいかと思います。
麻黄の生息している環境が肺(金)を助ける成分を育成している。
植物の不思議に興味をひいたので、ブログにさせて頂きました。
返信ありがとうございます。
乾燥地に生息している生薬だからこそ
肺気を助けるという仮説、面白いですね!
もう一歩踏み込んで、
他の解表薬はどうでしょうか?
たとえば代表的な解表薬となる桂枝湯ですが、
主成分である「桂枝(ケイシ)」は
湿潤な熱帯地方に生息していると思います。
ちなみに麻黄、桂枝それぞれの効能を
中薬学の本で確認すると、
麻黄は
「発汗解表」「宣肺平喘」「利水消腫」
とありますが、
桂枝に関しては
「発汗解肌」「温通経脈」「温陽化気」
とあります。
返信、アドバイスありがとうございます!
解表薬といっても様々な植物があり、一つ一つを調べる楽しさがありそうですね。
植物の生息環境を、陰陽や五行で考えた場合に共通項があると感動します。
探求を深めたいと思います。