脾の生理作用、運化について あらためて。

運は運ぶ、化は変化させるの意味。
ここでは特に消化・吸収を指し、具体的には
飲食物を水穀の精微に変化させて吸収し(①)
心や肺に運ぶ作用(②)をいう。


胃と小腸が関わる。
水穀の精微は、気や血となり脈中を流れて全身を巡る。
気や血に転化しない精微は五臓に配分され、その余剰分は腎に精として貯蔵される。


脾の、上へと向かう気機がベースになる。
その特性から、生理物質を上昇させる昇清作用がはたらき、水穀の精微を心や肺に送る。
(そして、気・血・津液・精となり全身をめぐり、生命活動が維持される。)

運化の失調から、消化や吸収が阻害されて、食欲不振のほか
気や血、精の不足から、息切れや倦怠感、眩暈、不眠などの症状をもたらす。
また、運化は飲食物中の水液を津液として吸収する面を含むため、
その失調は水の停滞を生じさせ、痰湿の原因となる

*脾が受け持つふたつの運化
 運化水穀
 運化水液(運化水湿)
 …からだ中に巡る水液のつくり出すのに加えて、余った水液を肺や腎へ送る
 (余分な水は、肺から皮膚をへて汗として、腎から膀胱をへて尿として排出)
  ことをして、水の流れの調節を主る。

梅雨が明けて季節が変わり、からだの重たさから一部開放されて、
一新されるような感覚がうれしく、脾についてまとめておきたくなりました。

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【参考文献】
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
『中医学ってなんだろう』東洋学術出版社

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