前回の続きです。

中医鍼灸 臨床経穴学 P25
「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調)
症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。
処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」

残りは風門・大椎の意味を考えてみます。

この組み合わせは風寒外束時によくセットで使われている様です。

差別化してみると、

同書籍 P335

「効能鑑別 風門、大椎、列欠、外関、合谷

この5穴には、ともに解表の効があるが、格穴それぞれに固有の特徴がある。

①風門:去風疏衛解表、宣肺の効がある

②大椎:宣陽退熱解表、項背部の表邪を解表する効がある

③列欠:疏衛解表、宣肺、止咳、平喘の効がある

④外関:清熱解表、上焦の熱を清熱する効がある

⑤合谷:去風疏衛、清熱解表、宣肺、清肺の効がある」

 

穴性学ハンドブック

風門は風類腧穴に分類され、効能では瀉で疏衛宣肺(+灸で祛風散寒)

大椎は寒類腧穴に分類され、効能では瀉で宣陽解表(+灸or焼山火or吸角で解表散寒)

 

→ともに解表作用ではありますが、風門は去風、大椎は散寒解表に重きを置いている印象を受けました。もう少し掘り下げてみます。

 

中医鍼灸学の治法と処方 P259

宣肺止咳法「風門:風門は熱府といい、足太陽膀胱経と督脈の会であり、風寒邪が侵入する門戸である。同穴と大椎を合用すると、疏風散寒・発汗解表が可能となる。」

→逆に言えば、風門は大椎と合わせないと疏風散寒・発汗解表が可能でない状態なのだと思いました。

 

一方、大椎から考えてみると、

中医鍼灸臨床経穴学 P751

「列欠(瀉)を配穴すると、発汗解表、宣肺平喘の作用が生じる。同作用は湯液における麻黄湯(「傷寒論」方)の効に類似している。」

→つまり風門の代用が列欠でも務まるのだと感じました。

 

もう一度P 25に戻ると

①風門:去風疏衛解表宣肺の効がある

②大椎:宣陽退熱解表、項背部の表邪を解表する効がある

③列欠:疏衛解表宣肺、止咳、平喘の効がある

④外関:清熱解表、上焦の熱を清熱する効がある

⑤合谷:去風疏衛、清熱解表、宣肺、清肺の効がある

 

→つまり大椎+疏衛解表、宣肺の作用があれば、大椎+風門と同じことが再現できるのではないか?と思いました。

 

大椎はこう言った状況で変えの効かないものなのか、

また探してみて見つかればなと思います。

 

参考文献:

中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社

穴性学ハンドブック たにぐち書店 P131、182

中医鍼灸学の治法と処方 東洋学術出版社

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