脾と腎に弱りがある患者さんでしたが、弱りがあるからといって、すぐに補えば良いわけではありません。
腹診で下焦に湿や瘀血(畜血)が停滞し、脈や舌からも邪気が強く滞っている状態が確認できる場合は、まずその邪を取り除くことが優先になります。
このような状態で先に腎を補うと、邪気を抱え込んでしまい、かえって症状が悪化することがあります。
まずは湿や瘀血を動かして気血の巡りを整え、その上で不足している腎気や脾気を補うことが大切です。
治療は「何を補うか」だけでなく、「どの順番で行うか」が重要です。邪実を見落として補法を行うと、治療効果が得られないばかりか、症状を悪化させることもあるため注意が必要です。
加えて、穴の選択する際にも、何が不足しているのか、どの穴の性質が今の病態に合うのかを見極めることが大切です。適切な穴を適切な順番で用いることで身体の巡りが整い、本来の回復力が発揮されていきます。




