近頃、切経を学んでいると、
高校でやっていたことに似ているなと思う。

デッサンでひたすら軽く腕を動かし、
極々白に近い灰色を描く練習をしていた。

ティッシュ、木、石、レンガ、瓶、おたま、布、長靴、林檎、ハンマー、フランスパン
描きながらモチーフを執拗なくらい触って

寒熱燥湿軽重硬柔、形状や密度、奥行きを
手に染み込ませた。

なぜその形になったのか、
なぜそんな手触りなのか、
考えながら描いていた。

デッサンなんか修行みたいで好かんと思っていたけれど、段々と瞑想チックな面白いゾーンになってくる。

意識の持っていき方が
望経や切経もよく似ているのかもしれない。

でも、人体デッサンでは、モデルさんの身体に直接触れることは御法度だった。
鍼灸学校に入学するまで人体の感触は未知のゾーン。

 

鍼灸学校に入学した頃、
ある先生が「手を作りなさい」と仰った。

身体を切経していると色んな感触に出会う。


「あなたの肌肉は硬いね」
とある先生が仰り、初めて自分の肌は硬いのかぁと自覚した。

他の先生は、
「キメが細かいからあなたは感受性が高いね」「乾燥しているね」
と仰った。

なぜ、そんな風になるのか、
東洋医学を勉強し始めてから少し見えてきたと思う。

〇〇さんはプラスチックみたいやなぁ
〇〇さんは部分的に紙みたいなところがあるなぁ
〇〇さんはお腹だけ黄色いなぁ

肌肉の感触や色を捉えることに注力してみると、何が悪いかよくわからないけど、
直感的におや?っと思うことがある。
そして、似たような身体に出会うことがある。
共通する何かがあるのかもしれない。

 

ある日、TVで地形の成立ちみたいなものを観て、
肌肉=土なんだし、身体も地形みたいなものがあるのかもしれないなぁ
と思うようになってきた。


下野先生も、身体を大きく地形を捉えてみるのも良いですよ、と教えてくださった。

身体は面白い。

なぜこんな形になるのか?
なぜこんな感触なのか?
そこまで書いてる本はあるのかな?
あれば興味があるけど、
手を作りながら自分で考えていくのも面白そうだ。

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