自身に降りかかった病について~

以前に目の病気を患いました。
正に、お先真っ暗・・の感がありました。
当時の健康状態では、肝臓が極めて悪い状態。
(現在は問題なく完治しております。)

【五行】
・五蔵  肝、心、脾、肺、腎
・五官  目、舌、口、鼻、耳

東洋医学の道に入り”肝”と”目”の繋がりを学ぶにつれ、感嘆します。

肝を傷る原因とは・・

【内因】
〇七情
・怒   気機を上昇させる    肝
・喜   気機を緩ませる     心
・思   気機を鬱結させる    脾
・憂   気機を鬱滞させる    肺
・悲   気機を消耗させる    肺
・恐   気機を下降させる    腎
・驚   気機の乱れを起こす   腎

当時の年月を思い出せば、”怒”というのが日常であったように思います。
肝の持ってる昇発という特性が過度となり、蔵を損傷させていたのでしょうか。

鶏が先か?卵が先か?
肝を損傷したので、易怒となるのか・・
易怒となったので、肝を損傷するのか・・
デフレスパイラルの様に悪循環に陥った先に”病”があるように思います。

〈肝火上炎〉
肝気鬱が火に変化し、気と火が上逆したために起きる事多い。
肝火の病変としては、火熱の気が肝経の経脈に鬱滞して上昇し、頭側部を攻撃するものが殆どである。
肝は目に開竅し、その経脈と督脈が頭頂部で出会うからである。

”経絡経穴概論”の現在の授業では一つ一つの経穴の暗記に重点が置かれており、
体内流注への着目が少ない事に少々寂しさを感じていますが。。

《足の厥陰肝経》
足の厥陰肝経は、足の少陰胆経の脈気を受けて足の第1指外側端に起こり、
足背、内果の前、下腿前内側を上がり、脾経と交わり、腋窩内側、大腿内側に沿って、陰毛の中に入り、
生殖器をめぐって下腹に至り、側腹部を経て、胃をはさんで肝に属し、胆を絡う。
さらに、横隔膜を貫き季肋に広がり、食道・気管、喉頭、目系(眼球、視神経)につらなり、
額に出て、頭頂部[百会]で督脈と交わる。
目系から分かれた支脈は、頬の裏に下り唇の内側をめぐる。
肝から分かれた支脈は横隔膜を貫いて肺を通って、中焦に至り、手の太陰肺経とつながる。

病因を受けて、人体に起きてくる変化を考えると、
治療する側の立場としては、
人に対し、七情をもって気機を過度に動かす様な事は、注意しなくはならないのだと感じます。


参考文献
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
『新版 経絡経穴概論 第2版』医道の日本社
『中医病因病機学』東洋学術出版社
『やさしい中医学入門』東洋学術出版社

稲垣英伸

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