以前いた職場にはうつ病や心の不安を抱える1020代の子たちが沢山いました。

寄り添うことしかできず、相談に乗っている時、背中がふと空虚な感じがして撫でた時、「なんだか安心してスッとしました」と言う子がいました。

鍼灸学校に入り、その場所が身柱穴や神道穴と知りました。

私の背中もそうですが、体表観察でもこの辺りが大きく落ち込んだり、なだらかでない時は気鬱が関連していると思います。

私自身10年前にうつ病になりました。
その頃は鍼灸が治療の第一選択となるとは知らず、抗うつ剤をメインに対処療法として鍼灸治療を受けていました。
なぜ自分がそうなったのか、なぜこんなにもうつ病が多いのか、東洋医学を学びルーツを辿っています。

 

「脾」=後天の元気を生み出す
「腎」=先天の元気を生み出す
とされるが、最終的な生死は「胃の気=脾の臓」によって決まる。
臓腑経絡学 藤本蓮風著』


つまり、自殺念慮が起きることは、脾が密接に関わるということだと思います。
(五志病機については今勉強中なので、またいずれ


【脾胃なるもの、倉廩の官、五味出づ】
五味とは気血化生の源である。臓腑と全身を栄養するエネルギーを輩出する大本。
臓腑経絡学 藤本蓮風著』

 

営衛気血を生み出す脾胃の失調すると、あらゆる臓腑に影響し、うつ病や精神疾患においても食欲減退は真気(元気の根本)が作れないということになります。


【脾は四肢を主る】
手足を動かす事で脾胃の働きがよくなる。
逆に脾の働きが弱ってくると手足の働きも鈍ってきたり
臓腑経絡学
藤本蓮風著』

 

気鬱の時は体を動かす=疏肝の効果があると思います。
しかし、気鬱が進み動けなくなるということは臓腑の力も衰弱しており、しっかり治療して脾胃の力を立て直さなくてはなりません。

 

うつ病の発症基礎は、肝失疏泄による肝気鬱結である。
『「証」の診方・治し方実例によるトレーニングと解説–  呉澤森著


気鬱の病理は肝、心との関係が最も密接である。
『中医病因病機学』


とありますが、自殺念慮やうつ病など精神疾患になるまでには、それ相応の時間経過があり、久病になればなる程「生命の根本」に立ち帰らねばならないと思います。


脾を補うに腎を補うにしかず。腎を補うに脾を補うにしかず。

脾の臓が弱っている場合に脾の臓を補う事もいいけれど、同時に命門の火・腎の働きを強化する。
臓腑経絡学 藤本蓮風著』

 

生命の根本、脾、腎を立て直すことが重要であると考えます。

 

 

今日は寄り添う立場から、治療家になるために、患者さんと接するための大切な心掛けも院長からお話しいただけました。

 

「うつ病や自殺念慮の治療として、鍼灸治療は第一選択になることができる」

という院長の言葉が心強かったです。

副薬しなくても自分自身の臓腑の力と鍼灸で治せる。
それが1日でも早くスタンダードになるために、私も治療家となるべく多くの人の力になりたいです。

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