【用語集】肝鬱気滞
肝鬱は
肝気鬱もしくは、肝気鬱結の略称であり、
肝気が滞ることをあらわす。
気滞は、その名の通り、
常に循環しているはずの「気」の流れが「滞」っている状態をあらわす。
肝気の特徴として、
樹木がなんの制約も受けず、
ただのびのびと枝を伸ばしていく様を「条達」。
縦横無尽に全身を動き回ることを「疏泄」と表現する。
精神的な負担などがかかることで
肝気が伸びやかに巡らなくなり、
肝気が鬱屈した状態、すなわち「肝鬱」となる。
参考文献:
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 神戸中医学研究会
『中国医学辞典』 たにぐち書店
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
国試終わって、景岳全書。
標本論
『病気の本は一つであり、隠れて明らかにし難い。
病変は非常に多く、表面に現れているため明らかにし易い。
そのため最近の治療家には、本末を理解できないまま、ただ目前に現れている症状を根拠にして治療している者が、多いのである。』
『浅い部分を見て深い部分を洞察し、近くを見て遠くを察知する、
これを摽と本として語るなら納得できるが、市井に言われている摽と本はこの足元にも及ぶものではない。』
張景岳は周辺の医家の治療方針に警鐘をならしているようです。
本(病気の源)と摽(病変)を分割してとらえて、本から標に対しての繋がりに希薄な施術家への注意喚起を発しているように思います。
『標本が理解できないために、ただその肉体を見るばかりで、その七情を見ることができない。
緩急が理解できないために、急性の症状があっても、それが生命に関わっているものであるかどうかが理解できないのである。
このためにいつまでたっても標を見ながら本とし、緩を見ながら急として治療しているため完全に混乱し、摽・本・緩・急という四者の意義を全く失ってしまうのである。』
同じ過ちを犯さないためには、四診における正確な情報の取得から、標の奥にある本を逃さない様にすることの様に思います。
正確に本をターゲットと捉える事が出来るようになるのが、治療する上での核のような気がして、修行の重要な課題に思えます。
景岳全書を読んでいると張景岳の力強さを感じますが、万尚志先生の訳にも手助けされているのでしょうか。原文の探求の必要も感じました。
【参考文献】
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
切脈一葦 上巻1
こんにちは、大原です。
前回まで、『切脈一葦』の序文を
2回に分けて読んでいきました。
前回の記事 (切脈一葦 序文2)
今回から、上巻を読んでいきます。
切脈一葦 巻の上
常陽 中茎謙 著
脈位
寸口の脈は、顕然として見(あらわ)る処なり。
故に上古より今に至る迄、
動脈の流行をここに診して。
血気の盛衰をうかがうこと何の時より始めと云うことを。
明らかにせずといえども、古書に脈を論ずるときは、
必ず寸口を主とするを以て考えるときは
上古の脈位なるこを疑いなし。
寸尺は、人の体より出(いで)たる者にて、説文に、
「周制の寸尺(すんしゃく)咫(し)尋常の諸度量は、皆人体をもって法と為す」と。
の語あり。
家語に、
「指を布(し)き寸を知る。
手を布(し)き尺を知る。
肘を舒(の)ばし尋(ひろ)を知る、の語あり」。
素問に、
「尺内の両傍はすなわち季肋なり」の語あり。
また、寸尺按じるの語あり。
霊枢に、「尺を調う」の語あり。
これらの語を合わせて考えるときは、人の体を指して尺と称すること、見るべし。
尺は度量の統名なるをもってなり。
調尺の尺は広く人身を指し、
尺内の尺は腹を指す。なお腹内というが如し。
尺寸の尺は手を指す。
寸に対するをもってなり。
寸口は尺を診するところなるをもって名づけ、
尺沢は尺より寸に、血脈の流行する処をもって名づけたる者なり。
動脈の見る処多しといえども、
その著名なる者は、寸口を第一とす。
人迎趺陽は、これに次ぐ者なり。
人迎は常に寸口より大く、
趺陽は、常に寸口より小なる者は、脈道に本末あるをもってなり。
これ仲景氏の寸口人迎趺陽をもって三部と為すといえども
その大ならず。
小ならざる所の寸口を主として、人迎趺陽を参考に備えるゆえんなり。
虛里少陰膻中も、また其の著名なる者なり。
故にその証によって、参考に備えることあり。
寸口は手の掌の後、高骨の側に見る動脈なり。
人迎は、結喉の両傍に見る動脈なり。
結喉は喉嚨なり。頤(あご)の下に高く尖りたる骨をいう。
趺陽は趺の上に見る動脈なり。足の跗の上、大指と次指との両骨の間を上へ去ること五寸、
動脈手に応ずる所なり。
虛里は左の乳下に見る動脈なり。
少陰は足の内踝の後ろ、陥なる中に見る動脈にして、
いわゆる少陰の道、是なり。
臍中はいわゆる腎間の動、是なり。
(続く)
参考文献
『切脈一葦』(京都大学附属図書館所蔵)
画像は京都大学デジタルアーカイブより
臓腑生理の学習
皆さまこんにちは、鍼灸学生のイワイです。
東洋医学概論の臓腑生理について復習している中で、分からなかった問題について調べてみました。
【問題】情報伝達に関与する働きを持つのは、どの臓腑によるものか?
これに関して、当初は心の働きだと思っていましたが、どうやら心ではなく、奇恒の腑の一つである「脈」の働きだったようです。
(寄り道しての復習です↓)
奇恒の腑とは?
水穀と直に接することない密閉した中腔器官であるとともに、精気を蔵するという機能も持っている。
胆、脳、脈、骨、髄、女子胞
話を戻しますと、脈は奇恒の腑の中でも心と関係があるというわれており、
脈は血脈、血府ともいわれ、生理物質が運行する通路であり、全身に分布し、臓腑と直接連絡しています。
脈の主な機能は、
①生理物質の運行 ②情報の伝達 です。
ここでは、上記の問に対して
②情報の伝達 について学んだことを記します。
【生理】脈は、臓腑の機能や病態を反映するため、気血などは生理物質を通じて、情報の伝達に関与している。
また、脈は経絡の概念に内包された組織、器官であり、経絡の機能である情報伝達に関与する。
奇恒の腑の働きについて触れることが少なかったので、この機会に学べて良かったです。
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【参考文献】
「新版 東洋医学概論」東洋療法学校協会 編
脈診(04)
瀕湖脉学七言訣(二十、弱脉)
弱来無力按之柔、
柔細而沈不見浮。
陽陥入陰精血弱、
白頭猶可少年愁。
弱脉は力無く来て、按じても柔、
柔は沈にして細、浮では見られず。
陽は陥入し、陰精血は弱、
白頭(老人)は考えられるが、少年なら愁う。
脉が骨周辺まで沈む理由が何なのか..
自問自答してみる。
年老いて骨が弱くなり営気を必要としているから、
骨への栄養補給の為に沈下する?
いや、肌肉の中空を維持出来ない為に沈む?
衛気が衰えて、エマージェンシー発生の為に
脉が皮毛に栄養補給にやってくるのが浮脈?
現象に対しての理由は多々ありそう。
【参考文献】
『中医脉学と瀕湖脉学』(株)谷口書店
五行大義(1)
第二辨體性
體者以形質爲名。性者以功用爲義。以五行體性資益萬物。故合而辨之。
木居少陽之位、春氣和、煦温柔弱。火伏其中。故木以溫柔爲體、曲直爲性。
火居大陽之位、炎熾赫烈。故火以明熱爲體炎上爲性。
土在四時之中、處季夏之末。陽衰陰長。居位之中、總於四行、積塵成實。
積則有間。有間故含容。成實故能持。故土以含散持實爲體、稼穡爲性。
金居少陽之位。西方成物之所。物成則凝强。少陽則淸冷。故金以强冷爲體、従革爲性。
水以寒虛爲體。潤下爲性。
洪範云、木曰曲直、火曰炎上、土曰稼穡、金曰従革、水曰潤下。是其性也。
淮南子云、天地之襲精爲陰陽。陰陽之専精爲四時、四時之散精爲萬物。
積陰之寒氣、反者爲水、積陽之熱氣、反者爲火。
水雖陰物、陽在其内。故水體内明。
火雖陽物、陰在其内。故火體内暗。
木爲少陽、其體亦含陰氣。故空虛、外有花葉。敷榮可觀。
金爲少陰、其體剛利、殺性在外、内亦光明可照。
土苞四德。故其體能兼虛實。
体は形式を以て名となす。性は、功用を以て義となす。
五行の体性を以て、万物を資益す。故に合してこれを弁ず。
木は少陽の位に居り、春氣和し、煦温にして柔弱なり。
火その中に伏す。故に木は、温柔を以て体となし、曲直を性となす。
火は大陽の位に居り、炎熾にして赫烈なり。
故に火は、明熱を以て体となし、炎上を性となす。
土は四時の中に在り、季夏の末に処り、陽衰へ陰長ず。
位の中に在り、四行を総じ、塵を積みて実を成す。積れば則ち間あり。
間あり、故に容を含む。実を成す、故に能く持す。
故に土は、含散・持実を以て体となすし、稼穡を性となす。
金は、少陽の位に居る。四方は物を成すのところ。物成れば、則ち凝強す。
少陽は則ち清冷なり。故に金は、強冷を以て体となし、従革を性となす。
水は、寒虚を以て体となし、潤下を性となす。
洪範に云う、木に曲直といい、火に炎上といい、土に稼穡といい、
金に従革といい、水に潤下というと。これその性なり。
淮南子に云う、天地の襲精は陰陽となり、陰陽の専精は四時となり、四時の散精は万物となる。
積陰の寒気、反する者を水となし、積陽の熱気、反する者を火となす。
水は陰物と雖も、陽その内に在り。故に水の体は内明らかなり。
火は陽物と雖も、陰その内に在り。故に火の体は内暗し。
木は、少陽たり。その体、また陰気を含む。故に内空虚にして、外花葉あり。敷栄して観るべし。
金は少陽たり。その体剛利にして、殺生外に在り、内また光明ありて照すべし。
【参考文献】
『五行大義』明德出版社
京都薬用植物園の麻黄
先日、武田薬品工業(株)京都薬用植物園の『初秋の研修会』に行ってまいりました。
東洋医学の理解の為に、漢方の勉強の一環です。
ガイドの案内で植物園を一周します。
管理する研究員の方々は展示に趣向を凝らしていました。
「麻黄は砂漠に生息しているので、砂漠を模したスペースを造園中です」との事。。
『中薬学』などで、麻黄の効能(辛温解表薬・・)などについて書物の中を散策する事はありましたが、その植物の生息環境を考える事はありませんでした。
その気づきを頂いただけでも行った甲斐はあったように思います。
実際には麻黄の種類も豊富で砂漠のみの生息ではないようですが、基本的には乾燥した地域に生息するようです。
”乾燥した地域に生息し、解表薬となる”
この自然環境が導き出した答えに、探求心が沸き起こります。
水の上限で潤いの必要な華蓋に対して、効能のある植物が乾燥した地域に生息し、成分を蓄える・・
私は中国で砂漠となると、思いつくのがタクラマカン砂漠でした。ゴビ砂漠もあり、砂漠は実際には複数存在します。
解表、皮毛、肺、砂漠・・西?、金の相生⇒水
『五行大義』
金居少陰之位。西方成物之所。物成則凝強。少陰則清冷。故金以強冷為體、従革為性。
現在は『五行大義』をよく読みますが、面白いルールが隠れていうように思えて仕方がありません。
【参考文献】
中薬学(東洋学術出版社)
方剤学(東洋学術出版社)
五行大義(明德出版社)
【学生向け勉強会】「はじめから素問を読もう!」のお知らせ(4月10日(火)19時〜)
こんにちは、一鍼堂の大原です。
鍼灸学生の皆さんへお知らせです。
下記の通り、黄帝内経 素問の勉強会を開催いたします!
こんな人にオススメです↓↓
「黄帝内経を読んだ方が良いと言われたけれど、どうやって読んだら良いか分からない」
「自分一人では勉強がなかなか続かない」
「将来は、東洋医学の伝統的な考えに基づく鍼灸治療を行っていきたい」
「土日は忙しくて勉強会に参加できない」
概要は以下の通りです。
<「はじめから素問を読もう!」勉強会>
【日時】:2018年4月10日(火)19時〜 (1時間半〜2時間程度)
【場所】:一鍼堂 大阪本院内(「緑地公園」駅から徒歩3分ほど)
【対象】:鍼灸学生の方
【内容】:黄帝内経 素問を読んでいきます。
具体的には
・素問の歴史や、漢文の文法について
・上古天真論篇(第1)
・四気調神大論篇(第2)
(内容は、時間の都合等で変更になる場合もございます。御了承ください)
今回の内容は、
現在進行中の「素問を読もう!」勉強会の、
これまで行ってきた内容と同じです。
ですので
○今までの講座に参加できなかったという方
○この4月から勉強を開始したいという方
は、この機会を逃さず、ぜひエントリーください!!
(現在進行中の「素問を読もう!」の告知はこちら→https://toyoken.org/504/)
【参加費用】一回につき2,500円
参加希望・お問い合わせはこちらへ↓
学生向け勉強会フォーム
↑「エントリーしたい議題」の欄に、「4月10日素問」とご記入ください。
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今回だけでなく、その後も週1回ペースで
素問を読んでいくことで、
半年後には漢文を読めるようになることを
目標にしたいと思います。
興味がありましたらぜひお問い合わせください!
エントリーされる方はこちらへ↓
学生向け勉強会フォーム
↑「エントリーしたい議題」の欄に、「4月10日素問」とご記入ください。
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【最後に】
新2、3年生の鍼灸学生さんは
色々な技術を習得していく中で、
将来自分が進むべき道というのが
少しずつ見えて来たかも知れません。
また新たに鍼灸学生さんになる方は
夢を持ってこの業界に進もうと
思っておられると思います。
ですが、伝統的な鍼灸をやってみたいが
古典を学ぶ場所が無いという声を聞きます。
そんな皆さんの為に、継続して学習していく
勉強会を開催することとなりました。
このような週1ペースの勉強会は初の試みですので
正直どのようになるか分かりませんが、
参加者の方と一緒に勉強させていただく気持ちを忘れず、
共に学んでいけたらと思います。
一定数に達した場合は
定員とさせていただきますので、
ご容赦下さいませ。
(前日までに人数が集まらない場合は
中止とさせて頂きますので
ご了承くださいますようお願いします。)
【講師】一鍼堂 大原
学生向け勉強会フォーム
↑「エントリーしたい議題」の欄に、「4月10日素問」とご記入ください。
一鍼堂
夙川にて
図書館、公民館など、外で勉強する事が殆どです。
好きな場所で、夙川沿いの静かなところに”西宮市立中央図書館”があります。
休憩に川沿いで新鮮な空気を吸うのですが、ふと思い出した事がありましたので。
以前に、六甲山からの鉄砲水で犠牲者が出たことがありました。
その時に『山上が曇れば大蛇が通る』という伝承を知ります。
古人が鉄砲水を大蛇に例えて後世に伝えやすくしたのだと思います。
それをきっかけとして、スサノオノミコトがヤマタノオロチ退治を
”治水対策の比喩”であるとの仮説にも出会う事になりました。
クラスメイトが話の中で「東洋医学=スピリチュアル」との認識に違和感を覚えたのを覚えています。
東洋医学を学ぶという事は災害の地に建つ石碑のように、
古人が未来へ向けた思いに耳を傾ける事のように思います。
とか、思い出しながら国家試験に向けての勉強の年末です。
食事制限など
空気感
自身の出す空気がいい状態の時はキチンと周りを見れている。
悪い状態の時は何か引っ掛かりがあってそこに引っ張られている。
自分をしっかり持つ。
それしか解決策はなさそうです。
腹の陰圧
体の使い方で自分の中で大きな発見があった。
自分の身体は片方の腹筋が弱い。
特に陰圧をかける動作を怠っていた様で、そこが原因で側面の筋肉や腰に負担をかけていた。
過度な食事制限
長期的に続くと脾胃飲みではなく腎も痛める。
すると志も傷つくので継続する事が難しくなり、パニックも起こしやすくなるし、記憶への影響も現れる。
拒食症の方は何人か出会った事がありますが、深いものになると中々治療が難しそうだなと感じます。









