舌診(04)
舌苔について整理する
【苔色】
白苔
表証を示し、傷寒の太陽病や温熱病の衛分証でみられる。
黄苔
熱証を示す。表に熱が留まったり、邪熱が裏に入ったり。
化熱もあり表寒化熱や陽虚の水湿不化をあらわす。
灰苔
裏証を示し、裏熱・痰飲・寒湿などでみられる。
黒苔
裏証を示し、熱極か陽虚寒盛など病変の重篤な段階でみられる。
緑苔
瘟疫や湿温などであらわれ、湿熱・痰飲などの化熱が考えられる。
霉醤苔
紅・黒・黄の混ざった苔で、湿濁が長期にわたって化熱を示す。
【参考文献】
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
良かった感覚
面白い体験が出来た。
できる限り沈んだ感覚で相手を感じれた。
その時は問診で特に何も聞いてなかったのですが、患部側の反応が大きかったので感じる事が出来た。
一連の流れから明らかにおかしくなってる箇所があって、そこで自分の気が当たるとバチバチバチ!となる。
イメージ的には
ーーーーーーーーー物質ーーーーーーーーーーーーーー
この何かが流れを止めていて、その箇所に症状が出ていたイメージ。
良い状態で入れたので、自分と相手の境界線がなく、相手の事が自分の事の様に感じれた。
その時の自分の心の状態のイメージはどんよりした暗さではなく、澄んだ暗さのイメージだった。
どこかの鍼灸師さんの話で男性でも女性の生理痛がわかるって話を聞いた事があるけど、あの感覚なんだろうか。
こう言ったことをもっと探って理論化して治療に役立てていく様にしたい。
中国の思想(05)
老子
六十六章 統治者はへりくだらねばならぬ
江海所以能為百谷王者、以其善下之。
故能為百谷王。
是以欲上民、必以言下之、欲先民、必以身後之。
是以聖人、処上而民不重、処前而民不害。
是以天下楽推而不厭。
以其不争故、天下莫能与之争。
江海のよく百谷の王たるゆえんは、その善くこれに下るをもってなり。
故によく百谷の王たり。
ここをもって民に上たらんと欲すれば、必ず言をもってこれに下り、
民に先んぜんと欲すれば、必ず身をもってこれを後る。
ここをもって聖人は、上に処るも民は重しとせず、前に処るも民は害とせず。
ここをもって天下推すことを楽しみて厭わず。
その争わざるをもっての故に、天下よくこれと争うことなし。
(引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P105~P107)
《私議》
以前、会社員をしていた時は『人・物・金』を管理するのが仕事でした。
その時の上司からよく言われたのが「頭を垂れる稲穂かな」。
経験豊富な年功を積まれた方々の立ち居振る舞いをみて、
内心『流石!』と思う事は本当によくありました。
今は臨床に立っておりますが、患者さんを目の前にして思う事もあり、
繊細さも難しさも感じます。
【参考文献】
『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店
相反①
先日診せていただいた患者様の状態がとても勉強になったと同時に少し嫌な気持ちにもなった。
対症療法ばかり行って正気を虚損させて戦う元気もなくなり症状が治ったと豪語する。
自身の体験も含め好きではない治療法です。
さらにそこに作用の反する薬を飲んでカバーしてもプラスマイナスゼロにしているだけで何もなっていない。
やっている事はトリカブト保険金殺人事件と同じだと思う。
この事件、大体の内容としては
「トリカブト(附子)の毒が入ったカプセルを飲ませパートナーに保険金をかけ手に掛ける。」
といったもの。
しかし附子を服用すると普通5分そこら早い時間で亡くなる。
現場には死亡推定時刻の1時間前くらいに前まで一緒にいた加害者が急用でいなかったのでアリバイがある。
しかし怪しい。
するととある魚関係の業者から連絡があり、
「草河豚を大量に買った人がいた。」
との事。
そこで容疑者の自宅を捜索すると大量の草河豚が見つかった。
何故草河豚を使ったのか。
後から調べると実は
附子毒(アコニチン)と河豚毒(テトロドトキシン)はどちらも神経毒だが全く逆の働きをする。
具体的にはアコニチンはナトリウムチャネル活性化、テトロドトキシンは不活性化。
これを一つにまとめたカプセルを飲むとどうなるか。
アコニチンとテトロドトキシンが拮抗している内は毒と毒が相殺され生きています。
しかし代謝時間の差でテトロドトキシンの効果が無くなるとアコニチンが効いて結局死に至ります。
加害者はアリバイ時間を作る為にその二つが入ったカプセルを飲ませたのでした。
恐らくこの仕組みを昔の中国人は経験から理解していたのか
国訳本草綱目 10巻 P603
「荊芥、菊花、桔梗、甘草、附子、烏頭と相反し…」
相反とは作用が逆で拮抗することなので、打ち消し合う関係。
実際、
同書籍 P603
「物類相感志には「凡そ河豚を煮るには、荊芥と共に煮て五七沸して水を換える。かくすれば毒が無くなる。」とある。これは二説しているように見えるが、実は河豚の毒は荊芥に入るから毒がなくなるのではないか。」
荊芥で無毒化していましたが、これを附子で行っただけの様に思えます。
私はこの内容、臨床にとても関係すると思っています。
このテトロドトキシンがナトリウムチャネルを不活性化する働き、心療内科やてんかんなどの薬で同じ働きをするものが多いからです。
薬剤師で漢方メーカー東洋薬行の社長である惠木弘先生は
著書「体がよろこぶ!「効く」漢方の正体」P 57、58で
「向精神薬というのはすべて体を冷やす作用があり、その結果、腎のエネルギーが一気に失われて落ち込んだ気分がますます落ち込むことになるのです。気分が躁状態なら向精神薬で一定の効果は期待できますが、うつの場合は逆効果。「死にたい」という気持ちを強くしかねません。これは東洋医学の「心肝気虚」という状態で、悲観傾向をますます助長してしまうのです。」
と書かれています。
私もてんかんと診断されてテグレトール(カルバマゼピン)を10年ほど飲んでいた時は最悪な気分でした。
その様な時は四逆湯など逆の作用をする薬を飲むと低体温と共に気持ちも上がり、いろいろ楽になりました。
こういった薬はミトコンドリア機能も低下させるので染色体異常による不妊症、成長期おいては身長が伸び辛くなる、アトピー性皮膚炎を招くなど症状をとる為にさまざまな事を知らず知らず犠牲にしがちだと思っています。
そんなこんなでどんな薬を飲んでいるか、この前診せて頂いた患者様からとても大切なことだと思いました。
他の先生方も学んだ事を生かして治療しているので人の治療批判は良くないと思うのですが、元患者側からすると複雑な気持ちです。
参考資料
「国訳本草綱目 第十冊」 春陽堂
「体がよろこぶ!「効く」漢方の正体」 草降社 惠木弘著
客氣の”客”
景岳全書 伝忠録
夏月伏陰續論
『主氣と異なるものとして、客氣がある。天は五氣を周らし、地は六氣を備えている。・・
・・この客氣は冬であろうと夏であろうと、その季節とは異なる氣を引き起こして、人々を病気にさせる氣である。・・』
『夏期になると陰気は伏して内にある。これは本来、天地の間における陰陽消長の理である。・・』
の冒頭から始まるこの篇ですが、
朱丹溪との陰陽の考え方の違いを解説し、張景岳の持論を展開している章になります。
この章を咀嚼した内容は別の機会に上げさせて頂くとして、
ときおり出てくる”客”が気になりましたので、調べてみる事としました。
【客氣(かくき)】
1⃣一時のから元気。血氣の勇。假(仮)勇。
2⃣其の歳の運を動かす外部から來る運気。主気に對(対)していふ。
客
①よせる。よる。身を寄せる。
②まらうど(客人)。主の對。
③上客。一座の尊敬する人。
④かかり人。
⑤外來人。
⑥あひて。
⑦たびびと。
⑧たび。
⑨居處(いどころ)の定まらない者。
⑩人。士。
⑪とくい。得意。顧客。
⑫來しかた(過ぎ去った時)。過去
⑬姓。
この夏月伏陰續論の客氣に関していえば、主たる氣とは別の
「病をもたらす得体の知れない氣」といったところでしょうか。
景岳全書の後の章、「命門余義」の中には
『・・三焦の客熱として邪火がある場合も火が原因となっているのであり、・・』
とあります。この客熱もまた、主体の火化とは異質の火に感じられます。
經穴では、
小陽胆経の經穴で上関穴を別名:客主人といいますが、この場合は
「頬骨弓を挟んだ、下関穴の相手方」という意味として、鍼灸学校で教えて頂きました。
その意味合いだけなのかどうか、今後の新たな発見を目指したいと思います。
【参考文献】
『大漢和辞典』大修館書店
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
自分の確認手段など
週末
先週の週末くらいですが、学校での様子をみると全体的にイライラしている様子の人が多かった気がします。
こちらから話を振る訳でもなく、久しぶりに昔出ていた症状が出てきたなど会話で出てきた。
そういう時期だったのかなと勉強になりました。
肝火の人は目と喋り方が爆発的な特徴を持つ気がします。
自分の確認手段
最近自分のどんな状態が良くて、どんな状態が良くないか前よりは実感できる様になってきた気がします。
良くない状態を作ってしまっている時、現実に存在する音、匂いなどに対する取りこぼしが多く、みるものの視点が近い。
その状態になっている時を確認すると変な没頭の仕方をしてしまっている事が多い。
改善方法としては、今に集中したら状態は良くなる。
もっと受動的に。
要らないものが多すぎる。
もっと自分と周りの環境を一致させたいな。
場所によって
小腸経の切経を行う時、相手の顔近くに手を置いてもらうやり方で労宮でみようとすると物理的に距離感が近くなりやすい。
最近は手の指でもみれたらいいなと思い、指先でも軽く触れるよう色々指先で触る訓練中です。
流れ
細かい部分を見るのはいいけども、そこに囚われた瞬間他の情報との関連を切ってしまっているので別物になる。
診断時、そうならないためにもサッパリ生きなきゃなと思います。
脈
脈(奇恒の腑)は血脈・血府とも言われる。
脈は主に気血などの生理物質を運搬し、心の機能により送り出された後、肺や肝の機能により推動され全身をめぐり、組織・器官を滋養している。
生理物質および各臓腑の状態を表すだけでなく、内外の環境や病因の特性を反映するため、脈診によって臓腑の機能失調および内在する病態を推察することが可能となる。
ーーーーーーーーーーー
五臓の働きや生理物質の種類・作用に関して、
異なる臓器や生理物質なのに同じような働きを持っているように見えたり、
一つの生理物資の代謝にいくつかの臓器が関与していたりで、
入り組み過ぎてそれぞれを独立して認識しづらかったため、五臓のことは横目で見つつ
イメージが付きやすい奇恒の腑について学んでました。ですが
「中医学において、生理代謝の中心は五臓六腑にあり、その生理活動をみていくと
ただ1つの臓器が中心となって行っているものがあったり、2つの臓器が関与して行っているものや、さらには3つ以上の複数の臓器が関与しているものもある。
そして生理活動の中では、関与する臓器の数が多いものほど重要度が高くなっている。
このことは気・血・津液の代謝がどれも3つ以上の複数の臓器が協調して行っていることからも分かる」
ということで、複雑に絡み合ったままでもいいんだなと分かったので、
引き続き進めていきます
「新版 東洋医学概論」医道の日本
「やさしい中医学入門」関口善太
西
現代語訳 景岳全書
現代語訳 景岳全書 伝忠録
著:張景岳 訳:伴尚志
今の自分のレベルを考えたら、”原文からのディテールの正確さ”よりも
精度が落ちたとしても全体像の把握を優先したいと考え、
たにぐち書店さんの景岳全書を選択しました。拝読いたします。
いきなり、劉河間や朱丹溪をディスっているので、
何故そういう考えに至ったのか・・理由を知りたいと思います。
【参考文献】
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
相手
リアルタイム
腹がリアルタイムで変化を表す場所だという事が実感できました。
場所的に当たり前ですが、逆にそこまで臓腑との結びつきが強い場所であれば腹診時は少し怖いものがあります。
気をつけたいと思います。
また、先日学校の授業で神門へ灸を受けたのですが、似たような場所の腹の変化が見られました。
脈も心の原穴にやられたからと言って寸に反応が出る訳ではない現象も見られて勉強になりました。
脈
お腹も変化していましたが、あの時脈はどう変わったのか。
今まで似た体質のお二人を見せて頂いたので、整理して治療のイメージができればなと思います。
労宮
ここでみる様にしていたのですが、この前の当て方はきちんと当たっていないというか、自分が良いなと思っていた時に感じた当て方とズレていました。
手で探る様な仕草に近づいている印象があったので改善します。
また、右手の方が感度が低いので普段から合掌して変化しないかやってみます。
案内
最初に先生に案内の仕方を教わった時、患者さんの歩くペースに合わせる事を教わりました。
意識はしていたのですが、そこの意識が甘い事に気付かされました。
改善します。
鍼灸師
きちんと人を治せる様になるために足りないものが多すぎる。
できていないことだらけですが、頑張って出来る様になりたいと思います。
相手があっての事ですが、最終的には全て自己責任。
変わるも変わらないも崩れないも自分次第。
全部受けとり、向き合い、幅広く合わせられる様に努力します。
また、本に全てを頼る訳ではありませんが、必要性を感じたので論語の勉強もやっていきます。
変わらなければいけないきっかけにまた遭遇できて本当に良かったなと思います。
気を引き締めて頑張ろう!
痰飲(02)
脾虚湿盛
脾陽不足の為に運化機能が働くなった為に、水湿が停滞する病気変化。
食生活の不摂生や冷たいものばかりを飲む、寒湿を感受する、雨に濡れる、
湿潤な土地に長く住むなどすれば、寒湿の邪が表から理に入り込むので、脾陽不足となる。
【病理】
1、寒湿困脾
寒湿を外感したり、食生活の不摂生、生ものや冷たいものを好んで食べたりすれば脾陽を痛める。
運化機能が失調し寒湿の停滞により寒湿困脾という病理が起きる。
2、寒陰内停
寒湿の邪が脾を傷り、陽気を損傷するために湿が集まって陰となり中焦に停滞する。
3、湿聚生痰
湿が集まり痰になれば、様々な疾患を誘発する原因となる。
4、脾虚水泛
脾が虚して湿を制御することが出来ないという病理。
湿濁が中焦に塞がって痰飲となるが、悪化すれば蓄積した水湿が皮膚に溢れ浮腫となる。
漢方薬
【和解剤】
・当帰芍薬散(金匱要略)
効能:補血調肝、運脾除湿
主治:肝氣乗脾(肝血虚、脾虚湿滞)
【補益剤】
・参苓白朮散(和剤局方)
効能:益氣健脾、慈補脾陰、渗湿止瀉
主治:脾氣陰両虚、脾虚湿盛
瀕湖脉学四言訣
滑脉と渋脉の主病
滑脉主痰、或傷於食。
下為畜血、上為吐逆。
渋脉少血、或中寒湿。
反胃結腸、自汗厥逆。
滑脉は痰をつかさどり、あるいは食において破る。
下りて畜血をなし、上がりて吐逆をなす。
渋脉は少血なり、あるいは寒湿にあたる。
胃に反し便秘をなし、自汗し胸腹激痛に両足冷え苦しく食事もできない。
【参考文献】
『中医病因病機学』東洋学術出版社
『中医臨床のための 方剤学』医歯薬出版株式会社
『中医脉学と瀕湖脉学』たにぐち書店








