施術日記(05)
T.I 先生との治療練習5回目。
舌診での、軸を作りたいと考えて継続しております。
脉や腹診も含めて考察いたします。
舌診の鍛錬
【目的】
① 同經への刺鍼であるが、経穴を変更してみる。
② 舌の理解の為に、脉や腹診との共通項を考える。
問診にて「少々、お疲れ」との事。
この先生がダメージを体に受けている場合には、
舌の右への偏向がみられるようです。
ついでにいえば舌だけに限らず、
立ち居振る舞いにも、ある動きにも特徴が出てきます。
また、脈診においても右腕の脈に特徴を診ました。
舌尖の赤みはあるにせよ、舌辺の赤い斑点はかなり少なくなっています。
ただ、歯痕の凸凹が強く感じられました。
(左)地機:0番鍼にて置鍼(5分)
今回は(04)回までの経穴ではなく、別の経穴を試しました。
切経において、昔の教科書の取穴と現在の教科書の取穴の違いを
議論しながらの刺鍼となりました。
右脚と左脚の経穴を診た感じ、左の地機の方がウブな感じを受けたので、
刺鍼を試します。
舌の出し方が穏やかになり、正中線上に近くなりました。
歯痕も少なくなっております。
今回、特徴的だったのは写真では表現できていないかもしれませんが、
舌に溢れんばかりの潤いが出てきました。
おおよそ、水が引く事のイメージをもっていたので、少し驚いております。
腹診においては前回の治療(04)回と同じように
刺鍼後になってから、脾募へ特徴的な何かを感じました。
ミルフィーユのように階層があるようにも思え、
何かをどかしたら、何かが見えるようになった。のでしょうか。。
今後も経過を見てみたいと思います。
国試終わって、景岳全書。
標本論
『病気の本は一つであり、隠れて明らかにし難い。
病変は非常に多く、表面に現れているため明らかにし易い。
そのため最近の治療家には、本末を理解できないまま、ただ目前に現れている症状を根拠にして治療している者が、多いのである。』
『浅い部分を見て深い部分を洞察し、近くを見て遠くを察知する、
これを摽と本として語るなら納得できるが、市井に言われている摽と本はこの足元にも及ぶものではない。』
張景岳は周辺の医家の治療方針に警鐘をならしているようです。
本(病気の源)と摽(病変)を分割してとらえて、本から標に対しての繋がりに希薄な施術家への注意喚起を発しているように思います。
『標本が理解できないために、ただその肉体を見るばかりで、その七情を見ることができない。
緩急が理解できないために、急性の症状があっても、それが生命に関わっているものであるかどうかが理解できないのである。
このためにいつまでたっても標を見ながら本とし、緩を見ながら急として治療しているため完全に混乱し、摽・本・緩・急という四者の意義を全く失ってしまうのである。』
同じ過ちを犯さないためには、四診における正確な情報の取得から、標の奥にある本を逃さない様にすることの様に思います。
正確に本をターゲットと捉える事が出来るようになるのが、治療する上での核のような気がして、修行の重要な課題に思えます。
景岳全書を読んでいると張景岳の力強さを感じますが、万尚志先生の訳にも手助けされているのでしょうか。原文の探求の必要も感じました。
【参考文献】
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
舌診(02)
舌象について整理する
【舌神】
有神
生き生きとして生気があり、運動性も十分なもの。
疾病に罹患しても有神であればよい兆候。
無神
乾枯して硬く光沢もなく、生気がなく、運動性も悪い。
危急の可能性。
【舌色】
淡白舌
陽虚の為に営血不足により舌体を充養できず淡い色調となる。
紅舌
舌体の脈絡が充盈している。
絳舌
紅絳舌
営血が熱の煎熬を受け、濃縮されている為に絳舌となる。
紫舌
熱盛傷津や陰虚で気血の壅滞、陰寒での凝滞により紫色となる。
青舌
陰寒の邪により陽気凝滞し血行の瘀滞による。
【参考文献】
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
方剤学(02)
ニンニクを多めに食しました。
私自身の二便について変化がありましたので、備忘録として。
疲労回復や滋養強壮などをイメージするニンニクですが、主に作用する臓腑や経絡が『胃』や『大腸』との事で調べてみました。
『中医臨床のための中薬学』においては分類として”駆虫薬”の章に配置されております。
大蒜(蒜頭、葫)
ニンニクは生薬名として、大蒜(たいさん)、蒜頭(さんとう)、葫(こ)等という。
〈性味〉
辛、温。小毒。
〈帰経〉
胃・大腸。
〈効能と応用〉
1:殺虫
鈎虫、蟯虫に対して用いる。
2:止痢
細菌性下痢に、単味を服用
3:止咳
肺結核(肺瘻)の咳嗽、百日咳(頓咳)などに用いる。
4:治瘧
瘧疾に用いる。
5:解毒消腫
皮膚化膿症の初期に用いる。
肺疾患や皮膚疾患にも応用があるところが、興味深く思います。
肺の”水の上源”、胃の”喜湿悪燥”など一定の水分量を共通にするところが気になるところです。
【参考文献】
『中医臨床のための中薬学』東洋学術出版社
『大漢和辭典』大修館書店
(葫:第九巻802頁)
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
先週の患者さん
先週の患者さん
以前見たことのある空気感だった。
脾虚がベースにあり気遣いをされる方。
ストレスを受けていてもどこか他に気を使われている。
ストレスを受けたとしても体質や本人の処理の仕方で傷つく臓腑は違う。
また、自身がここが気になると先生に報告した穴で治療するとどうなるか。
以前別の患者さんで聞いた話を思い出した。
匙加減を間違うときっと暴発してしまう。
直接的、表裏と二つの側面から難しいのかと想像。
フットサル
鍼灸とは全く別の話です。
フットサル選手の感覚を知りたくて、
「ガチガチの個サルより緩い個サルの方がドリブルが難しくないか?」と聞いてみた。
帰ってきた答えがブレースピードが早すぎると相手によっては反応できないから、そういう時は自身のプレースピードも下げてプレーするらしい。
ガチガチならガチガチ、小学生なら小学生とそこに応じたスピードでプレーすると上手くいく。
とは言ってもやはり自身に近い方が楽で、小学生相手が一番難しいらしいです。
色々役立てそうな感覚だと感じました。
手
手で覚える。
この事を明日はより強く意識いこうと思います。
その為にもきちんと集中します。
周辺
どんな状況でも周りへの意識を忘れずに。
そこが抜けた瞬間治療どころでは無くなる。
気遣い
受付をしていて、診察券を返すときに予約時にメールアドレスを伝える。
その時に自身が不親切な案内だった。
その事実が自身の課題を表していると思った。
改めるべき点。
優しくないといけない。
六經病機(02)
太
(01)はなはだしい。
(02)とおる。
(03)おおきい。
(04)尊稱に用いる。→太后、太君など
(05)秦・大に通ず。
(06)夳に同じ。
(07)姓。
明
(01)あきらか。あかるい。
(02)あきらかにする。
(03)あきらかに。はっきりと。
(04)あける。夜がしらむ。
(05)よあけ。あけがた。
(06)あけて。つぎ。
(07)ひる。日中。
(08)あかるみ。
(09)おもて。そと。うわべ。
(10)ほがらか。
(11)おこる。ひらく。
(12)大きい。
(13)さかん。
(14)陽。陰の對。
(15)雄。雌の對。
(16)有形。
(17)この世。現世。
(18)かみ。神靈。
(19)日。月。星。
(20)天。
(21)賢人の述作をいう。
(22)よく治まる。ひらけた國。
(23)視力。
(24)たぐふ。
(25)水道。水の流れみち。
(26)ちかう。盟に通ず。
(27)萌に通ず。
(28)孟に通ず。
(29)猛に通ず。
(30)望に通ず。
(31)朝代の名。朱元璋が元を滅ぼし建てた國。
(32)諡。
(33)姓。
(34)眞言の異名。
少
(01)すくない。すこし。
(02)すこしく。わずか。やや。
(03)すくなしとする。不足に思う。
(04)そしる。かろんずる。
(05)しばらく。しばらくする。
(06)おとる。
(07)かすか。おとろえる。
(08)へる。
(09)かく。
厥
(01)石を発掘する。
(02)ほる。
(03)つくす。つきる。
(04)つく。突きたてる。
(05)病名。のぼせ。足が冷え、頭がのぼせる。
(06)その。それ。
(07)の。
(08)句調を調へる助辭。
(09)みじかい。又、尾の短い犬。
(10)石の名。
(11)ゆれ動くさま。
(12)蹶に通ず。
(13)橛に通ず。
(14)古は氒につくる。
(15)姓。
【参考文献】
『大漢和辭典』大修館書店
(太:第三巻763頁、明:第五巻763頁、少:第四巻89頁、厥:第二巻659頁)
『中医病因病機学』東洋学術出版社
胞宮
髄海と同じく、奇恒の腑である胞宮について。
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女子胞は通常子宮のことを指すが、機能的には卵巣や輸卵管を含めた生殖器全体を統括するものと考えられ、胞宮・子宮・血室とも呼ばれる。
心・肝・脾・腎および衝脈(十二経脈の血が集まるところで十二経の海・血海と称される)・任脈・督脈と関連し、月経・妊娠・出産に関与する。
衝脈・任脈・督脈ともに胞中より起こる。
〈月経〉
月経は衝脈を通じて胞宮から出る血液であり、天癸の働きにより衝脈が盛んになり、心の推動と肝の疎泄によって暢行になった血が下泄して月経が来潮し、脾の統血によって月経が停止するので、定期的な月経になる。
健康な場合は、血の量も十分であるため症候として現れないが、血虚や気血両虚の場合、症状の出現や憎悪が起こる場合がある。
また、肝の疎泄は、衝脈・任脈に流れる血を女子胞に送り出す役割を担っているため、月経が近付くと疎泄が変動しやすい状態となる。肝鬱気滞や肝陽上亢の場合、頭痛・急躁・不安感・乳房の脹痛・眩暈などの症状が出現または憎悪しやすくなる。
また、精の不足や腎陽の虚損、脾気の虚損によっても、月経異常が起こる。
〈妊娠〉
女子胞は、懐妊後は胎児を保護し発育させる。
胎児が女子胞の中にいる間の栄養供給は、衝脈・任脈によって行われる。
妊娠の有無に関わらず、女子胞の機能維持には肝・腎の機能が正常であることが必要であり、肝・腎に何らかの機能失調が起こると、不妊症となる場合がある。また、肝・腎の機能失調により精血が不足すると、衝脈・任脈の機能が低下し、女子胞を滋養・固摂することができなくなり、流産する場合がある。
妊娠時は、胎児に精血を供給しているために、母体は精血の不足が起こりやすい。また、胎児は陽盛であるため、母体も陽に編盛しやすい傾向にある。
出産は、正常分娩であっても少なからず生理物質を消耗するため、正気の不足を招くことが多い。そのため、出産の回数が多い、堕胎の既往がある、出産後の養生が不十分であることなどは、気・血・精の不足が起こり疾病の原因となり得る。
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胞宮=子宮、不妊=腎虚といったような認識しかほぼなかったので... 調べていて合点いくことも多く、面白かったです。
『新版 東洋医学概論』医道の日本
『やさしい中医学』関口善太
『基礎中医学』神戸中医学研究会
西
背中
ありがたい事に最近人の背中を触らせて頂く機会が増えてきました。
しかし現状として捉えることが出来ていない。
正直な感想としてはどうしたものか。
手が重いと仰って頂く事が多い。
ベターって感じで触ってしまっているのかな。
そんな感じなので何とか手を軽くする様に訓練しないといけないなと思っています。
前に脈診の際に教えて頂いた体勢も意識してみよう。
患者側が体験出来たことも勉強になりました。
なかなか人に背中を触られる経験ってしないので、触られたら嫌な部分ってあるんだと知れました。
また背候診と繋がるかは分かりませんが、自分の身体で食事を変えたら何か変化あるのかなと思って一回の食事量と肉をだいぶ減らして変化を追ってみています。
感覚の部分はあまり感じれていませんが、肉食の人の肌のキメが荒いということと筋肉が硬くなるという事は体感する事が出来ました。
なんの役に立つか分かりませんがせっかくやってみたので書いて残させていただきます。
中国の思想(08)
老子
六十三章 聖人は大をなさず
為無為、事無事、味無味。
大小多少、報怨以徳。
図難於其易、為大於其細。
天下難事必作於易、天下大事必作於細。
是以聖人終不為大。
故能成其大。
夫軽諾必寡信、多易必多難。
是以聖人猶難之。
故終無難矣。
無為をなし、無事を事とし、無味を味わう。
小を大とし少を多とし、怨みに報ゆるに徳をもってす。
難きをその易きに図り、大をその細になす。
天下の難事は必ず易きより作り、天下の大事は必ず細より作る。
ここをもって聖人はついに大をなさず。
故によくその大を成す。
それ軽諾は必ず信寡く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。
ここをもって聖人すらなおこれを難しとす。
故についに難きことなし。
(引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P101~103)
” 怨みに報ゆるに徳をもってす。”
解説の中には「大戦後の蒋介石による対日政策の基調をこの言葉に置いたのを
民族の総意の表現だったと見られる。」とある。
中国大陸に残留孤児が多かったのを
民族性と連ねる説を読んだことがあり、符合するように思います。
その地域性を感じる事ができたようで、面白く思いました。
そして日々の生活の中で
決して偉そうにしない”立場ある人”と出会う度に、
丁寧に一つ一つを対応される姿をみて感心することがあります。
この延長線上に大事ができるのだろうな、、と思います。
先ずは、小さな事をおろそかにしないように心がけたいと思います。
【参考文献】
『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店
病因について(1)
人が病を持つに至る過程について考えたいと思います。
健康な状態からどの様に悪化していき病に至るのか?
いわゆる病因について・・
---病因の分類---
〇三因方(三因極一病源論粋)
・外因 六淫、疫癘
・内因 七情
・不内外因 飲食不節、労逸、房事過多、外傷
〇現在
・外感病因 六淫、疫癘
・内傷病因 七情、飲食不節、労逸、房事過多
・病理産物その他の病因 淡湿、瘀血、内生五邪、外傷
現実の病因については複合的に絡みあい、時間軸も重ねれば、
外因、内因など複数の要因が影響し合っているように思います。
病証から考えれば、キッチリと分ける事は出来無いのかもしれません。
人は思っているより強く、我慢や対処を常にされているのだと思います。
そして、悩みを持つに至るのかと・・
そこで、気になったのですが親からの影響は無いのか?
『素問 奇病論篇第四十七』
帝曰.人生而有病巓疾者.病名曰何.安所得之.
岐伯曰.
病名爲胎病.
此得之在母腹中時.其毋有所大驚.氣上而不下.精氣并居.故令子發爲巓疾也.
人、生まれながらにして巓疾(てんかん)を病む者あり、病名を何と言うか?
いずこの所に之を得たるか?
病名は胎病となす。
此れ之を母の腹中に在りし時に得たるなり。
その母大いに驚く所ありて、気上がって下がらず、精気屏居(集中)す。
故に子をして発して巓疾とならしむ。
病因についての理解を時間軸で考えた場合に、今までより以上に長軸で考える必要がありそうです。
参考文献
『素問』明・顧従徳本
『図説 東洋医学〈基礎編〉』学習研究社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
稲垣英伸









