Blog

東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

東洋医学探訪(02)

鍼灸学生の授業の一環で解剖実習があります。 東洋医学を学ぶ者として 『太古の医家達も、間違いなく解剖実習で学んでいるだろうな』 と考えておりました。 京都で医学史の1ページに触れてまいりました。 山脇東洋觀臓之地 ーーーーーーーー碑文ーーーーーーーーー 近代医学のあけぼの 観臓の記念に 1754年 宝暦4年閏2月7日に 山脇東洋(名は尚徳 1705~1762)は所司代の官許をえて この地で日本最初の人体解屍観臓をおこなった。 江戸の杉田玄白らの観臓に先立つこと17年前であった。 この記録は5年後に『藏志』としてまとめられた。 これが実証的な化学精神を医学にとり入れた成果のはじめで 日本の近代医学がこれから めばえるきっかけとなった東洋の この一業をたたえるとともに 観臓された屈嘉の霊をなぐさめるため ここに碑をたてて記念とする。 1976年3月7日 日本医師会 日本医史学会 日本解剖学会 京都府医師会 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 六角獄舎跡は二条城の南の因幡町にあります。 跡地は集合住宅であり、石碑のみの設置でした。  
早朝の東の空 冬

【用語集】大腸湿熱

大腸湿熱 湿熱の邪が大腸に鬱積することで生じる。 梅雨時期などに生じやすい湿邪や暑熱の邪が合して大腸に侵襲したり、 飲食の不摂生や、甘いものや脂っこいものの偏食により、 湿熱が大腸に鬱滞することが原因となる。 湿熱が大腸に影響した結果、 気血の鬱滞や、大腸の伝導機能(※1)を低下させる。 ※1大腸の伝導 →食物の残渣物である糟粕を最終的に糞便へと変化させ、 肛門から排出させる機能を指す。 『黄帝内経素問』霊蘭秘典論篇には、 “大腸者、伝道之官、変化出焉” (訳:大腸は伝道の官、変化ここに出ず) とある。 湿熱の邪が腸道に影響すると脈絡を損傷し下痢となり、 また邪熱の勢いが強いと 「裏急(りきゅう:腹痛があり、排便に間に合わず漏らすなどの切迫した状態)」をおこす。 また湿熱が結して気の流れを滞らせると、腹痛がおこる。

湿が熱化することについての疑問点

湿熱証は湿と熱が合わさった状態で人体に入り、病になっている。 湿や熱が蘊結(こもって停滞する)、薫蒸(いぶすこと)して起こる。 湿も熱も気の1つ(?)で口鼻から人体へ侵入する。 前回のブログを書いた時には皮毛から湿邪が侵入するという風に書いてあるのを読みましたが、口鼻から侵入する湿、熱と、湿邪は別物なのか? 湿邪が体内でこもって停滞し熱が生まれることと、脾胃の湿から熱が生じるというのは、 前者は外からの要因によるもの、後者が内からの要因によるもの、という認識でいいのか。それともどちらも体内で起こっていることで、単純に湿→停滞→湿を解消するために熱化する、ということなのか。 熱化することで、体内に分散させて湿をなくそうとしている、ということなのか。 (でも熱化することで、津液が少なくなる、臓腑の機能が失調する、などの問題も生じれば、熱化は身体にとっては良くないことになってしまうような気も・・・) 湿熱証の性質は「湿」ではなく「熱」という記載もあり、2つが合わさっているのに性質が熱というのは、熱の方が湿より強い、ということなのか? 確かに湿のことだけを考えていると湿が強くなることで熱化し、熱が発生してから熱が弱から強に変化していくようなイメージになってしまって湿と熱を同列にしているとやはり変な感じもあります。 【memo】 ・〇湿が熱化→湿熱に転じる ・脾胃だけで熱化を考える ・熱の影響

気になった事を色々と

  《標本》 色んなパターンを思考してみる。   例えば、方剤では「芍薬甘草湯が腓返りに効く」とされる。   以前勤めていたところは整形外科の処方箋がバンバン来るので反応聞いてみると確かに症状は緩和されている。   しかし、効かない人やいつまでも服用する人も発生する。   全く効かない一つのパターンとして存在したものが「脾胃が弱って痩せ細っている人」   《現代語訳 黄帝内経素問 P375》 「食物が胃に入って消化されると、一部分の精微な気は肝臓に送られ、そこで浸みこみ溢れた精気は筋に滋養を与えます。」   ここから脾胃の弱りから肝が関わる腓返りが発生すると想像すると、じゃあ※太衝を使って肝血を増やしたとする。   でも発生した肝血虚が副次的なもの何だったら繰り返し起こる事になる。   方剤でも抑肝散の構成をみると 〈柴胡・甘草・川芎・当帰・白朮・茯苓・釣藤鈎〉   説明では、 《中医臨床のための方剤学 P428》 「健脾薬の配合は、脾の健運を通じて肝の陰血を補充し、柔肝する目的である。」   元々脾胃が未成熟である乳幼児の処方であった事を考えると、本は脾胃であると考えられる。   ※まだ刺して治した経験がないので、穴性学の知識で仮定しています。     《自身の治療変化》   ここ最近の治療で体がまた変わってきた事を感じる。   自身がほんのり感じていた右の違和感に変化あり。   治療後の自分のお腹を触る。   右の邪が溜まっている部分が熱くなっている。   きっとしっかり治っていってるんだなと嬉しくなる。   そういえば、臍の形も変わったな。   変化を感じた箇所   太白周辺が赤みを帯びている   何か走ったなと思う箇所の付近にある経穴 腎経…兪府 胆経…京門、風市、帯脈、環跳、頭臨泣 脾経…血海、三陰交、商丘、大包、四白 肝経…曲泉   色々あるが使われた手数はとても少ない。   《電車の中で》 電車に乗っていると こちらが逃げたくなる様なかなりの圧を感じる人がいる。   おそらく警戒心の様なものなのかな。   自身が投影されている部分もあるのかも…   患者さんの体を触るときも気をつけたい。   《臍》 神厥で起こる様な変化は果たして神厥に限った話なのかな。   他の経穴にも起こるのかもしれない。   そうなってくるときっと本に乗っていない様な色んな見方ができる様になるかもしれない。   それが合っているかどうかはまずはきちんと診れる様になった先にある話だけれど。   参考資料 「中医臨床のための方剤学」    東洋学術出版社 神戸中医学研究会著 「現代語訳 黄帝内経素問 上巻」 東洋学術出版社 南京中医学院編  
苔を育成中

胖嫰舌の表裏から考察します。

  舌質・舌苔 淡白舌・嫰・胖大・歯痕・点刺 薄白苔が全体的にありますが、 舌根には白膩があるようにみえます。 舌裏 舌下静脈に怒張・蛇行はみられずに ぼんやりとしています。 外側には暗いところがみられます。 舌面の中央が凹んでいるのが特徴的と思いました。 胖嫰舌のうえに、舌を出すのに力がない為に 凹んでいるのだろうと考えています。 口の開け方にも力強さを感じません。 舌に赤みが少なく、 全身に栄養が行き届いているのか?と心配されます。 舌裏に暗いところがあり、滞りも感じます。 全体的にのっぺりしておりしているのが印象的で 気・血ともに、か細く感じております。 仮説として 裏に虚があり血の停滞がおこり、その表現として舌裏に 血の滞りがあらわれているように思います。 そこが原因となって水分が均等に末端まで届かずに 舌全体に溢れているのでは?と考えます。 原因は同じくして気の停滞もおこり、 力強さを得ることが出来ていないと考えます。 この湿が下焦に累積されていかないかと危惧されます。 舌のみで、想定を考えてみました。 今後も考察を深めたいと思います。  

福音

こんにちは、高山です! 先日、数少ない仲のいい友人から嬉しいお知らせが届きました! 大学受験に合格しました! 3年間の受験勉強の末、医学部受験に合格したみたいです。 彼とは、16歳の時に修学旅行でバスの席がずっと一緒で、意気投合して仲良くなりました。 話に毒とクセがあって面白い奴で、気弱でちょっと変な ところも、自分と似ていて、いいやつです。 共通点は自然と生き物が好きというところ。 その後も、一緒に山や川、池に行って虫取り網を持って 生き物取りをしました。いい思い出です。 卒業後の進路は医学部を目指すと言って、その後は 連絡をとらなくなり、成人式にも来ませんでした。 そして、去年の夏休み、インスタグラムで連絡が取れて、 久しぶりに遊ぼうって事で、滋賀の山奥にザリガニ取りに行きました。 相変わらず面白いやつで安心しました。笑 終始、話で爆笑していました。 見送る際、「今年は絶対合格できる」って後押ししました。 そして先日、彼から「終わったー、受かった!」って連絡がきて 自分のことのように嬉しくて、そして、賞賛しました。 血の滲むような努力、絶え間ない時間、親からの期待、 いつ終わるのかという恐怖、が言わなくても感じ取れました。 彼の姿は、これから、自分が目指すべきものの励みになりました。 彼は西洋医学で、自分は東洋医学を極めようと語りました。 受験に終わりがあっても、 東洋医学に終わりはあるのかは正直わかりませんが、 絶えず、勉学と新しい発見に 向き合おうと思いました。

花粉症

今年の花粉量は去年の10倍以上の量みたいです。 花粉症ってほんとに辛いですよね。 医学用語では「季節性アレルギー鼻炎」というみたいです。 今の時期はスギとヒノキがきついようです。 症状はくしゃみ、鼻水、目の痒み、喉の痒み、鼻詰まりなど 個人差はありますが、単独の症状であったり、複数の症状であったり。 ではなぜこのような症状が出てくるのでしょう。 考えられるのが 一つ目、水液の代謝異常です。 身体が刺激に反応して、余分な水が体内から出てしまっているのか、それとも必要な水が鼻から排出してしまっているのか? 水液の代謝で言うと、脾と腎が直接関わってくるのではないでしょうか? 腎は水液代謝や水液を体内に散布する作用があるので、もしこの機能が失調すると水身体にが溜まったり、溢れ出したりします。 それがなんらかの影響で上に昇ればサラサラした鼻水や 鼻づまりといった症状が現れるのではないでしょうか? 脾に関しては、運化機能の失調によって、水湿が停滞し、それがなんらかの影響で上に昇り症状が出ているのかもしれません。 また、刺激に過度に反応する点に置いては、 身体の防衛機能をもつ衛気に弱りがあるのかもしれません。 鼻や目、喉などは衛気がほかの部位よりも働きが弱かったり、衛気が薄かったりするのかもしれません。 花粉症は色々な原因が重なって発症していたり、個人によって症状の出方や、大元の原因が異なっていたり、 複雑な病気だなと感じました。 そのため、治療方針も患者さんによって異なる点も難しいイメージです。 脾から治すのか、腎から治すのか、それとももっと違う場所から直していくのか? 花粉症を考える余地がまだまだあるとかんしまし

督脈

背中で診断する際、督脈と臓腑の関係が少し整理できそうです。   中医臨床 臨床経穴学 P729 第15章 督脈 「本経経穴の効能面では、各経穴ともその経穴の所在部位とその近隣の局部の病証、穴下にある関連臓腑・器官の病証を治療することができるという共通性がある」   つまり膀胱経だけではなく督脈の経穴もしっかり臓腑の状態が反映するので診なければいけないし、そちらを治療穴にする場合があるので確認する必要があることがわかりました。 先週の記事で書いた疑問を少し深掘りできた気がします。   現代語訳 奇経八脈考 P194 「各陽脈はすべて足太陽に従属し、足太陽は督脈と連係しているので、各経の陽気を主治することができるのである。足太陽と督脈の作用を、明確に分けることは非常に難しい。 例えば古代に経穴画「十二人図」を作った際に、督脈は足太陽に入れ、任脈は足少陰に入れているが、これは両者の関係が密接なことの反映である。」   ここからも何か学べる気がしますが、まだ掴めないのでとりあえずメモとして残させて頂きます。   参考資料 「中医鍼灸 臨床経穴学」 東洋学術出版社 李世珍著 「現代語訳 奇経八脈考」 東洋学術出版社 李時珍著 現代語訳・和訓 勝田正泰

痰

今日は痰について書いていこうと思います。 痰は津液が濃密になり、粘ることにより形成されるものだそうです。 ネバネバ、ドロドロしたイメージです。 津液はサラサラした水のイメージです。 ではなぜサラサラしたものがドロドロに変わってしまうのでしょうか? 津液というのは飲食物が水穀の精に変化してそれが津液に変わる また、気が津液の元という考えもあります。 つまり、津液を作る過程でなんらかの異常があり、痰ができてしまうのでしょうか? あるいは、津液がなにか不純物が混ざってドロドロになってしまうのか。 あるいは、熱で津液が焼かれてドロドロになってしまうのか。 何が原因で痰が形成されてしまうのかが疑問です。 津液を形成するのは基本的には脾の役割で、つまり脾の失調によって痰が形成されてしまう。 そして、痰は気に従ってあらゆるところへ留まるとあるので、痰による症状は様々です。 肺に行けば痰や咳嗽が出る 脾に行けば胸焼け 経絡上に留まればあらゆる部位の疼痛、など症状は多岐に渡ります。 そして、気の流れを止めれば、気鬱、気滞が起こり、万病の元です。 脂肪は痰という考えにも至るのでしょうか? つまり、太り過ぎの方は脾の働きが悪く、 正常に運化が出来なくて、食べてもお腹が減り、 水穀が正常に気化されず痰になって、脂肪として体の周りに痰がついているという考えも一つあるかも知れません。 痰がどのようなことが原因で形成されてしまうことについてよく考えたいと思います。

仕事の帰りに少彦名神社

少彦名神社 【御鎮座】 道修町には、明暦四年(1658)頃から薬種商が集まっており、享保七年(1722) 124軒が幕府より道修町薬種中買仲間として公認された。 この仲間が生命に関する薬を神の御加護のもとに間違いなく取り扱えるよう、中国の薬祖神・神農氏と共に、 安永九年(1780)京都・五条天神から少彦名命をお招きして、仲間会所(現在地)におお祀りした。(引用:神社の案内より) (´ー`) 仕事の帰りに足を延ばし、少彦名神社に参拝に行ってきました。 御鎮座より今年で240年という事で、お薬と大阪との長い付き合いを感じます。 学生時代より度々お参りに来ておりますが、卒業後では初めて来させて頂き、試験合格のお礼をさせて頂きました。 卒業し、鍼灸師となった立場で神様に手を合わすというのは違った思いがあります。 本日は梅雨時の隙間、暑さは止みませんが、良い風が吹いていたように思いました。