医古文の学習(1)
一鍼堂(大阪本院)で行われる「素問を読もう!」(木曜日)に参加しています。
【黄帝内経素問】
《上古天眞論篇第一》
昔在黄帝.生而神靈.弱而能言.幼而徇齊.長而敦敏.成而登天.
廼問於天師曰.余聞上古之人.春秋皆度百歳.而動作不衰.今時之人.年半百.而動作皆衰者.時世異耶.人將失之耶.
岐伯對曰.
上古之人.其知道者.法於陰陽.和於術數.食飮有節.起居有常.不妄作勞.故能形與神倶.而盡終其天年.度百歳乃去.
今時之人不然也.以酒爲漿.以妄爲常.醉以入房.以欲竭其精.以耗散其眞.不知持滿.不時御神.務快其心.逆於生樂.起居無節.故半百而衰也.
(読み下しや翻訳に関しては、沢山の先生方が訳した書物がありますので割愛させて頂きます。)
黄帝を表して
生 弱 幼 長 成
神靈 能言 徇齊 敦敏 登天
五進法から始まってます。「このリズムでいきますよ。」と感じます。
当時の発音も解れば、より以上感ずることも多いのかと、、残念な思いと探究心が交錯しますが。
法 和 節 常 不作
陰陽 術數 食飮 起居 妄勞
「昔の人は偉かった」との話の中に一つのモデルケースが示されています。
ここの”陰陽”をとってみても、具体的に話しているようで総論的な意味合いも含んでいるように思えます。
素問全体を通して理解が進む事を期待しつつ進んでまいります。
漿 常 入房 竭精 耗散 不知 御 快 逆 無節
酒 妄 醉 欲 眞 滿 神 心 生樂 起居
今度は”今時の人”のダメ出しパターン。
倍の10件も記されています。説教が長い・・・タイプのようです。
エジプトのピラミッドを作った労働者の落書きに「最近の若者はダメだ」とあったように聞いたことあります。
大古の昔より、「変わらぬものは変わらない」と感じた記憶があります。
医古文もまた共通の不変性を示しているように思います。
年を重ねて分かるからこそ、伝えるべき”無駄”を伝えようとしているように感じるのですが、
どうなのでしょうか?
参考文献
「現代語訳 黄帝内経素問 上」東洋学術出版社
「重廣補注 黄帝内経素問」天宇出版社
稲垣英伸
肺・大腸
9/26
大腸兪に1cm刺入するという授業があった。
そこまで刺すとやはりどうしても強刺激になりやすく、自身の体には負荷が大きい。
ただ良くなるだけが勉強ではないと思ったし、その時の変化を追うにはいい穴なんだろうなと思ったので状態を探ってみた。
まずはざっくり感じた変化は左半身。
左だけ2回刺入したという事もあるし、ビン!といった感覚を覚えたのも左だったからか左半身に反応が出る。
左扶突、天鼎あたりにスッと清涼感がきて自汗があった。
仕事終わり院でバイトだったので、到着して汗が引いたくらいのタイミングで左右触ってみるが左のみ汗が引きにくい。
左膝がバキ!と音がなったがあれが何を指すのかはまだ分からない。
原穴を探ってみると合谷が冷えて左の方が発汗が強い。
また大腸経を一連の流れで広く探ると合谷あたりに出やすいが、そこに限った話でもないんだなと感じた。
力のない咳が数回でるといった症状もあった。
表裏関係にある肺にきたのかと思って太淵を探ると同じような感じでした。
また、気虚症状も伴い、倦怠感も発生。
精神変化としては、憂が近い感じがする。
とりあえずフ〜といった感じで、少なくともいつもに比べて元気な精神!って感じではない。
じゃあ帰宅して自身に鍼でカバーと行きたいところだけれども、その技術もないし明日治療して頂ける日なのでそこは触らなかった。
ただこういった時は冬虫夏草と黄耆を使えばある程度良くなる事は患者さんで経験した事があるので、
自宅にある冬虫夏草と黄耆建中湯(メーカーの考え?で膠飴の入っていないもの)を使うと幾分かマシになりました。
9/27
大腸の反応が昨日より広がっている気がする。
朝から泄瀉で少し口渇がある。
大腸の穴埋めをしないといけないな。
右足の上巨虚にひんやり感があるのだけど使えるんだろうか。
生薬では止瀉薬である山薬や肉荳蔲を使うシーンな気がする。
異名同穴④
腧穴(しゅけつ)とは、いわゆる「つぼ」と呼ばれるものの総称である。
腧穴には、十四経脉上(正経十二經脉・督脈・任脈)にある「經穴(正穴)」、経脉に所属せず治療効果から発生し名称と部位が定まっている「奇穴」、奇穴の中でも1901年以降になってから定められた「新穴」、押すと心地がよかったり、圧痛を感じたりするが、名称も部位も定まっていない「阿是穴(天応穴、圧痛点)」などが含まれる。
經穴(正穴) : 十四經脉上にあり名称、部位が定まっている。
奇穴 : 十四經脉上になく名称、部位、主治症が定まっている。
(新穴 : 1901年以降に定められた奇穴)
阿是穴(天応穴、圧痛点): 名称や部位は定められていないが、病態と深く関わって出現したり、治療点となる部位がある。
④4つの異名のあるもの
穴名 異名
陰交穴 : 少関穴、横戸穴、丹田穴、小関穴
陰都穴 : 食呂穴、食宮穴、石宮穴、通関穴
横骨穴 : 下極穴、屈骨穴、曲骨穴、下横穴
客主人穴 : 上関穴、客主人穴、客王穴、太陽穴
曲地穴 : 鬼臣穴、陽沢穴、鬼臣穴、鬼腿穴
頬車穴 : 機関穴、鬼牀穴、曲牙穴、鬼林穴
曲骨穴 : 尿胞穴、屈骨穴、曲骨端穴、回骨穴
三陰交穴 : 承命穴、太陰穴、下三里穴、女三里穴
心兪穴 : 背竅穴、俉焦の間穴、心の兪穴、背兪穴
上脘穴 : 上管穴、上紀穴、胃脘穴、胃管穴
衝陽穴 : 会原穴、趺陽穴、会湧穴、会骨穴
神門穴 : 兌衝穴、中郄穴、鋭中穴、兌骨穴
身柱穴 : 知利気穴、散気穴、塵気穴、知利毛穴
臑会穴 : 顴髎穴、臑交穴、臑輸穴、臑兪穴
太谿穴 : 昌細穴、照海穴、陰蹻穴、大系穴
中府穴 : 膺中兪穴、肺募穴、府中兪穴、膺兪穴
中極穴 : 気原穴、玉泉穴、膀胱募穴、気魚穴
瞳子髎穴 : 太陽穴、前関穴、後曲穴、童子髎穴
命門穴 : 属累穴、竹杖穴、石門穴、精宮穴
腹結結 : 腹屈穴、腸結穴、腸屈穴、陽屈穴
陽関穴 : 関陽穴、寒府穴、陽陵穴、関陵穴
湧泉穴 : 地衢穴、地衝穴、蹶心蹶、涌泉穴
労宮穴 : 五里穴、鬼路穴、掌中穴、鬼窟穴
【参考文献】
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
『鍼灸医学事典』医道の日本社
臓腑生理の学習
皆さまこんにちは、鍼灸学生のイワイです。
東洋医学概論の臓腑生理について復習している中で、分からなかった問題について調べてみました。
【問題】情報伝達に関与する働きを持つのは、どの臓腑によるものか?
これに関して、当初は心の働きだと思っていましたが、どうやら心ではなく、奇恒の腑の一つである「脈」の働きだったようです。
(寄り道しての復習です↓)
奇恒の腑とは?
水穀と直に接することない密閉した中腔器官であるとともに、精気を蔵するという機能も持っている。
胆、脳、脈、骨、髄、女子胞
話を戻しますと、脈は奇恒の腑の中でも心と関係があるというわれており、
脈は血脈、血府ともいわれ、生理物質が運行する通路であり、全身に分布し、臓腑と直接連絡しています。
脈の主な機能は、
①生理物質の運行 ②情報の伝達 です。
ここでは、上記の問に対して
②情報の伝達 について学んだことを記します。
【生理】脈は、臓腑の機能や病態を反映するため、気血などは生理物質を通じて、情報の伝達に関与している。
また、脈は経絡の概念に内包された組織、器官であり、経絡の機能である情報伝達に関与する。
奇恒の腑の働きについて触れることが少なかったので、この機会に学べて良かったです。
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【参考文献】
「新版 東洋医学概論」東洋療法学校協会 編
第五回 一般向け東洋医学講座
こんにちは!
明日、2月11日は
「第五回 一般向け東洋医学講座」
が開催されます。
第一回から「春」「夏」「秋」「冬」と
それぞれの季節をテーマにして
巡って参りましたが今回は再び、
それを踏まえてもう一度、
「春」の講座を開催します。
東洋医学から見た「春」の
さらに奥深いところを聞けるかも
知れません。
もちろん
初めての方も大歓迎であります。
今回の講師の下野先生は
古典をよく読まれる方なので
一緒に東洋医学の歴史も
合わせてお話ししてくださるようです。
「すべての歴史は現代史である」
と言ったのは
イタリアの哲学者・クローチェですが
歴史の中にはまさに現代を読み解く
ヒントが隠されているのかも知れません。
新たな気づきがあるのかも!?
乞うご期待です!
背中・寺
姉の身体を触らせて貰いました。
気になったのは右の腎兪のあたりのエリアが落ち込んでいると思った。
お腹を向けてもらうと夢分流腹診の表で左の腎に当たるエリアが右に比べて力がなく柔らかかった。
実際のところ背中の臓腑の反応は腹とリンクするのか、またリンクするとしたらそこに規則性はあるのか気になります…。
腹、背中と触っていたら左の踵が痒いと掻き始めたのでこれも何なのか考えてみます。
また、背候診とは別件ですが、先日京都の法然院に行ってきました。
銀閣寺から哲学の道をしばらく歩いていった場所にあるお寺なのですが、行ってみると観光客もおらずゆっくり見て周ることが出来ました。
静かなのでセミや鳥の鳴き声、水の音などをじっくり聴け、生えている苔などもとても綺麗でいい場所でした。
また気が向いた時に行こうと思います。
写真撮影可能なお寺でしたのでアイキャッチ画像に設定しています。
大宇陀町。
店先のワゴンで販売されている処分品をよく目にします。
商店街を歩いていると、目に飛び込んで来たのは、
古本屋のワゴンの中に居た『大宇陀町史(資料編 第3巻)』。
こういった書物は、町役場や図書館などでめにする事はあっても、市中では珍しいのではないでしょうか。
思わず買ってしまいました。
鍼灸学生時代の探索の一つに、奈良県の宇陀市にある薬草園に行った事がありました。
ここには、日本最古の薬草園である『森野旧薬園』や
藤沢薬品工業(現アステラル製薬)の創業者:細川友吉の生家であり、
現在は資料館としての『薬の館』などがあります。
この地の薬草に関しての ”地の利” が大変興味深いです。
以前に探索した際に撮影した画像をご紹介します。
別の機会に各所を個別にご紹介できたらと思います。
【参考文献】
『大宇陀町史 資料篇 第三巻 近代』臨川書店
最近感じている事
主体性と他力
遠くを感じるためには真っ直ぐそこに向き合わないと到達できない。
また、真っ直ぐになれたとしてもどこまでいけるか?
最終的な主体は自分だけども、自分だけの力では限界がありそうな気がする。
人は個体としていきなり出来上がったわけではなく、天地の交流から生まれた。
生きている間も色んなものを頂いている。
足元が浮ついていれば交流も途絶える気がします。
足の裏の勇泉、掌の労宮。
何かあるのかと気になります。
木が育っていくためには根が必要なのと一緒なのかな。
それにしても桜が散った後の新緑は元気です。
勢いを感じます。
先読み
歩行者を見ていて、あの人今からあの方向に行くのかなとか観察して勉強。
遠めの人の方が分かりやすい現象も勉強になります。
縮こまる
知識に捉われると大きな動きが出来なくなる。
溶け込むことが大切だなと思います。
自分も大きな流れの中の一部といった認識でいることにしてみました。
入浴
最近風呂に入る時電気を消して入っています。
静かさが増すのでとても良い感じです。
周りのザワつきは単純に騒がしい事もあるけど、自分が騒がしい事もある。
春の空気
浮ついているというか、フワフワしてる気がします。
今年は花粉がスゴイらしいのですが、例年に比べてそういった部分はどうなんだろうと気になっています。
歩くテンポ
現代人は急ぎすぎている。
早歩きしている時とゆっくり歩く自分の差も勉強になってます。
ゆっくりするからノロマになる訳でもないと思います。
中国の思想(04)
老子
二十六章 ”静”は”動”を支配する
重為軽根、静為躁君。
是以聖人、終日行不離輜重。
雖有栄観、燕処超然。
奈何万乗之主、而以身軽天下。
軽則失本、躁則失君。
重は軽の根たり、静は躁の君たり。
ここをもって聖人は、終日行けども輜重を離れず。
栄観あるといえども、燕処して超然たり。
いかんぞ万乗の主にして、身をもって天下より軽んぜん。
軽ければすなわち本を失い、躁なればすなわち君を失う。
(引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P63)
《私議》
修行中の身において患者さんを診させて貰う際、
”上逆下虛”の場合には、陰陽の重りの方をしっかりと保つ事を考えます。
四診合算において、そのままスタンダードで良いのか悪いのか、、
足りていない情報をかき集めるのに必死になってしまいます。
問診に於いても、患者さんとの間合いに注意しないといけないな・・と思う日々です。
【参考文献】
『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店
素問 陰陽応象大論篇(第5)から
<学生向け 近日開催予定のイベント>
【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう!
→(随時お問い合わせ受付中です!)
【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です
→毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜(途中からの参加も可能です。)
こんにちは、大原です。
素問の勉強会では、現在
陰陽応象大論篇(第五)の内容を読み解いていっております。
さて、素問 陰陽応象大論篇(第五)の中に、
気(人体を動かす力)、
形(肉体)、
味(飲食物)、
精(生命活動を維持する源泉)
それぞれの相互転化についての記述があります。
その原文と読み下しは以下になります。
【原文と読み下し】
・・・
水為陰、火為陽。(水は陰となし、火は陽となす。)
陽為氣、陰為味。(陽は気となし、陰は味となす。)
味帰形、形帰氣、氣帰精、精帰化。(味は形に帰し、形は気に帰し、気は精に帰し、精は化に帰す。)
精食氣、形食味、化生精、氣生形。(精は気に食(やしな)われ、形は味に食(やしな)われ、化は生を生じ、気は形を生ず。)
味傷形、氣傷精。(味は形を傷り、気は精を傷る。)
精化為氣、氣傷於味。(精は化して気となし、気は味に傷らる。)
・・・
原文三行目から、
体内での転化について述べられていますが、
どのように起こっているのかを原文通り順番に読んでいくと、
一見このようになります。
味帰形、 「味(飲食物)」→「形(肉体)」
形帰氣、 「形(肉体)」→「気(人体を動かす力)」
氣帰精、 「気(人体を動かす力)」→「精(生命活動を維持する源泉)」
精帰化。 「精(生命活動を維持する源泉)」→「化(必要な気血などを他の物質から変化させる作用)」
さらに4行目以降も転化についてですが、
精食氣、 「気」→「精」 (「精」は「気」によって食(養)われる、という意味から)
形食味、 「味」→「形」 (「形」は「味」によって食(養)われる、という意味から)
化生精、 「化」→「精」
氣生形。 「気」→「形」
となります。
矢印は、物質などの生成の向きを示していますが、
「形」は「気」を生成したり(原文3行目)、「気」は「形」を生成したり(原文4行目)、
また「精」は、「化」を生み出し(原文3行目)、反対に「化」から生成される(原文4行目)とあり、
チャート図のように読んでしまうと、
混乱してしまう印象を受けませんでしょうか?
ですが、ここでのポイントは、
これらの相互の関連は
その調和が保たれているということが重要だということだと思います。
「気」→「精」などのようにそれぞれ別個で抜き出すのではなく、
これらをまとめて、
「味」→「形」⇄「気」→「精」⇄「化」
のように表してみると、「気」について、
例えば次のように意訳できると思います。
「飲食物を得た肉体からは「気」が生じ、
その「気」が充実していると生命活動の源泉である「精」も充実してくる。
その「精」が充実してくると、飲食物から体内に必要な気血を化する作用を生みだす。」
このように、単に、肉体から「気」が生じるというのではなく、
飲食物を得て充実した肉体から「気」が生じるという、
一連の流れが重要なのだと思います。
同様に、単に「気」から「精」が生みだされるというのではなく、
飲食物を得て充実した肉体によって気が生みだされ、
(肉体や気が充実するためには飲食物もしっかりしたものが必要だと思いますが)
その「気」が充実してくると「精」が生みだされるということだと思います。
一連の流れが重要だということだと思います。
以下に、参考までに、上の原文の意訳を記します。
【意訳】
水は陰であり、火は陽である。
火である陽は、人体においては気であり、
水である陰は、飲食物(味)である。
飲食物によって肉体(形)は形成され、
飲食物を得た肉体からは気が生じる。
その気が充実していると、生命活動の源泉である精も充実してくる。
その精が充実してくると、体内に必要な気血に化する作用を生みだす。
すなわち、精を作り出すには気を消費し、
肉体は飲食物を得ることで成り立っているのである。
また、化する作用によって精は生まれ、
気によって肉体ができるともいえる。
しかしながら、これらの相互関連は、その調和が保たれている場合にうまくいくのであり、
飲食の不摂生・偏った飲食があると、その飲食によって肉体はかえって損傷され、
肉体が損傷するので気も弱り、気から充実するはずの精も傷られることになる。
まとめると、正しい飲食からは肉体や気が充実し、さらに精をも生み、
精が充実していくると気も充実してくる。
反対に飲食の不摂生や偏った飲食は肉体や気が弱り、
精を作り出すこともできなくなるということである。
すなわち気は精をよりどころとしているので、飲食の不摂生によって障害されるのである。









