ホーム Blog ページ 17

Blog

東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

中医内科学 心の病理②

こんにちは、大原です。 前回の続きです。 (前回:中医内科学 その2 心の病理①) 前回同様、訳の難しいところがあり、 日本語がたどたどしい箇所もありますがご容赦ください。 (2)心不主血脈(心、血脈を主らず) 血脈が正常で、気血は暢びやかにその中を流れ、 もって人体の物質代謝と臓腑作用の協調を保証する。 心の作用に障害が発生すると、 正常に血脈の働きをコントロールすることができなくなり、 血脈の循行に異常をきたすことによる 多種の病証を引き起こすことになる。 心のよく見られる病機は以下のものである。 心気不足: 心気虚とは、心の作用の減弱を指し、血をめぐらす力が無く、 血脈を推動することができず、 あるいは痰濁、瘀血によって痛みやしびれがおこり 心脈の通行が阻(はば)まれる病理状態を指す。 もし長患いが癒えずに、脾肺の気虚がある、 あるいは年齢のため身体が弱り腎気に虧損があるなど、 生化の源が無いものは みな心気の虚衰をもたらす。 心気不足は、神が養われるところを失うと 血を運ぶ力が無く気虚であるため 心悸、気短の症状や、脈は虛で細、または結代があらわれる。 心陽暴脱: 心陽虚の極み、あるいは心悸が傷られ、 にわかに虚脱(病人の心臓が急に衰弱して、体温が下降し脈拍が微弱になる現象)となる。 多くは平素より心気が虚弱で、心陽不振があり、 激しい動作をして心気が支えられず心陽が突如絶える、 あるいは大汗をかく、失血過多は、陽に従って陰も脱する、 あるいは邪熱が内に閉塞し、陽気が外に浮越し、陽気暴脱して神気は消滅する。 一般的には心悸怔忡、顔色は蒼白、汗が出て四肢は冷たく、 甚だしければ、脈は微で疾数、散乱して絶えようとする。 心火上炎: 心経の火盛によるもので、経をめぐって上炎したもの。 多くは情志の傷るところにより、五志の過が極み化火し、 心神が内擾するに至って、心中は煩熱し、煩躁して眠れず、 経をめぐって上炎すれば 口や舌に瘡ができ舌は腫れて疼痛する。 心血虧虛: 血は心によってめぐり、心は血によって養われる。 血虚であれば心を養えず、心中動じ怔忡をなす。 『済生方』によると 「怔忡は、心血不足による。」とあり 血不足によって怔忡があらわれる場合は、常に脈が結代促等が伴う。 心脈痹阻: 脈絡の病変で、血流の詰まりや滞りによってたやすく引き起こされる。 特別、心脈について病証を設けているのは 心臓の危害はとりわけ大きく、これは心痹、真心痛の基本病理変化で 多くは瘀血、痰濁が絡を滞らせることによる。 『素問』痹論篇にある 「心痹なる者、脈通じず、煩なればすなわち心下鼓、にわかに上気して喘す」 とあるが、このような病変に属するものがこれにあたる。 次回は 2.小腸の病機についての予定です。 ■参考文献 『中医内科学 第2版』 人民衛生出版社

最近試していること

最近試してる事① 目に頼らなかったらどうなるんだろうって事で色々試してみています。 目を瞑って10分程度過ごす。 その際ゆっくりでもいいから歩きながら、猫の位置を探ってみる。 分からなかったら目を開けて場所を確認。 当たったら触ってみる。 いつもと違う感覚で面白いです。 しかし物にぶつかるかもしれない恐怖で歩くのが中々怖いです。 視覚障害の方は点字ブロックに対して杖が当たった時の音と触覚で歩行を行っているそうなのですが、神経張ってないとできないなと思いました。 できれば目を開けながら研ぎ澄まそう。 使わない事はできると思う。   道の物為る、惟れ恍惟れ惚。惚たり恍たり、其の中に象有り。恍たり惚たり、其の中に物有り。 窈たり冥たり、其の中に精有り。其の精甚だ真なり、其の中に信有り。 老子21章とも繋がるのかな。   最近試してる事② じゃあそれを目を開けながら近づけようとして、色々方法はあると思うのですが目を背けながら対象物に触るという事を行ってみています。 また違った印象を受けます。   最近試している事③ 会話する時、伝えたい事が伝わった瞬間を探る。 トーン、テンポ、躱しかたなど。 また、伝わりにくい状態はどんな状態? 自分がその状態ならどうなる? この前最悪な精神状態だった時の自分の感覚も参考になります。   妊婦 妊婦さんを見て、もし「治療してくれ」と言われたらどうするんだろうと思った。 1人ではなく、2人分の命を見なければいけないので状況が違う。 母体も分け与えている状態。 そもそもの目的が違うので、脈なども正常時とは違う。 臍も参考になりそう。 ここで胃気などにも踏み込むことになると思うが、今勉強している傷寒論とも関連させていきたい。 まだ多分何かあるんだろうなと言った段階です。   フロイト 最近ちら〜と見ていっているのですが、面白い考えの人だと思いますし、勉強になってます。  

督脈

背中で診断する際、督脈と臓腑の関係が少し整理できそうです。   中医臨床 臨床経穴学 P729 第15章 督脈 「本経経穴の効能面では、各経穴ともその経穴の所在部位とその近隣の局部の病証、穴下にある関連臓腑・器官の病証を治療することができるという共通性がある」   つまり膀胱経だけではなく督脈の経穴もしっかり臓腑の状態が反映するので診なければいけないし、そちらを治療穴にする場合があるので確認する必要があることがわかりました。 先週の記事で書いた疑問を少し深掘りできた気がします。   現代語訳 奇経八脈考 P194 「各陽脈はすべて足太陽に従属し、足太陽は督脈と連係しているので、各経の陽気を主治することができるのである。足太陽と督脈の作用を、明確に分けることは非常に難しい。 例えば古代に経穴画「十二人図」を作った際に、督脈は足太陽に入れ、任脈は足少陰に入れているが、これは両者の関係が密接なことの反映である。」   ここからも何か学べる気がしますが、まだ掴めないのでとりあえずメモとして残させて頂きます。   参考資料 「中医鍼灸 臨床経穴学」 東洋学術出版社 李世珍著 「現代語訳 奇経八脈考」 東洋学術出版社 李時珍著 現代語訳・和訓 勝田正泰

備忘録(1)

アルバイトとして障害者の介助や老人の介護をおこなっておりますが、 今回は、とある方の入浴を介助いたします。 洗髪の際、 ゴシゴシ、ゴシゴシ、、 Aさん「もっと強くして下さい。」 稲垣 「大丈夫ですか?それでは。」 ゴシゴシ、ゴシゴシ、、(結構強くしてるけど大丈夫かな?) Aさん「もっと強くして下さい。」 稲垣 「(゚д゚)!えっ(マジで!)。わかりました。」 ゴシゴシ、ゴシゴシ、、 Aさん「強くやり過ぎて、昔は血が出たことがあるんですが、それが良いんです。 HAHAHAHAHAHA。」 稲垣 「・・・。」 Aさん「でも、寝不足の時は強さに耐えれない時があるんです。」   ★ ”養蔵”できない事での、”皮毛”への影響を思う。  

病因について(1)

人が病を持つに至る過程について考えたいと思います。 健康な状態からどの様に悪化していき病に至るのか? いわゆる病因について・・ ---病因の分類--- 〇三因方(三因極一病源論粋) ・外因     六淫、疫癘 ・内因     七情 ・不内外因   飲食不節、労逸、房事過多、外傷 〇現在 ・外感病因   六淫、疫癘 ・内傷病因   七情、飲食不節、労逸、房事過多 ・病理産物その他の病因  淡湿、瘀血、内生五邪、外傷 現実の病因については複合的に絡みあい、時間軸も重ねれば、 外因、内因など複数の要因が影響し合っているように思います。 病証から考えれば、キッチリと分ける事は出来無いのかもしれません。 人は思っているより強く、我慢や対処を常にされているのだと思います。 そして、悩みを持つに至るのかと・・ そこで、気になったのですが親からの影響は無いのか? 『素問 奇病論篇第四十七』 帝曰.人生而有病巓疾者.病名曰何.安所得之. 岐伯曰. 病名爲胎病. 此得之在母腹中時.其毋有所大驚.氣上而不下.精氣并居.故令子發爲巓疾也. 人、生まれながらにして巓疾(てんかん)を病む者あり、病名を何と言うか? いずこの所に之を得たるか? 病名は胎病となす。 此れ之を母の腹中に在りし時に得たるなり。 その母大いに驚く所ありて、気上がって下がらず、精気屏居(集中)す。 故に子をして発して巓疾とならしむ。 病因についての理解を時間軸で考えた場合に、今までより以上に長軸で考える必要がありそうです。 参考文献 『素問』明・顧従徳本 『図説 東洋医学〈基礎編〉』学習研究社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社 稲垣英伸

告知!第7回 鍼灸学生の為の勉強会

【参加資格】 ・鍼灸学生 ・本年4月からの新卒鍼灸師 ・これからこの業界を目指す方 (※免許を取得し鍼灸師になった方は今回はご遠慮頂いております。) 【日時】 2018/3/18(日) 15時〜17時頃 【内容】 参加者の意向に沿った内容を設定 【場所】 一鍼堂 二階 【費用】 一人3,000円 【募集人数】 一鍼堂内部で患者さんのいない時間に行います。 目のみえる範囲でやりますので、 一定の人数制限を行います。 ————————– 今年もやります! 第7回の未来の鍼灸師のための勉強会です。 1・2年生の鍼灸学生さんは 学生生活にも慣れ、 将来自分が進むべき道というのが 少し見えて来たかも知れません。 また新に鍼灸学生さんになる方は 夢を大きく持ってこの業界に進もうと 思っておられると思います。 そして国家試験が終わった 3年生の皆さんはここからが本番であり、 希望とともに不安も多いかと思います。 そんな皆さんの為に、 また勉強会を開催することとなりました。 日々臨床で苦悩、喜びを感じている 鍼灸師に聞きたいことがあれば どんどん聞いて下さい! 今回も相手の呼吸がきちんと感じられる 少人数での講座とします。 一定数に達した場合は 定員とさせていただきますので、 ご容赦下さいませ。 また皆さんから、 こういうことをやって欲しいという お題も受け付けますので、 仰って下さい。 エントリーはこちら ↓ ↓ ↓ 学生向け討論会フォーム Facebookでの告知ページはこちら。 コメントを残して頂く事も可能です。 https://www.facebook.com/events/1749825538389987/ 一鍼堂

異名同穴③

李世珍の下で働いていた方に、異名同穴について尋ねたことがあります。 「李世珍の家の伝来の呼び方がある。」との事。 その時は、中国の『宗族(父系中心の一族)』や『圏子(利益を共にする集団)』といった文化圏を想像しました。 ③3つの異名のあるもの 穴名         異名 陰郄穴    :   少陰郄穴、石宮穴、手の少陰郄穴 隠白穴    :   鬼疊穴、鬼眼穴、陰白穴 会陰穴    :   下極穴、平翳穴、屏翳穴 京門穴    :   氣付穴、氣兪穴、腎募穴 氣衝穴    :   氣街穴、羊屎穴、氣冲穴 厥陰兪穴   :   関兪穴、厥陰穴、闕兪穴 三陽胳穴   :   通門穴、通間穴、通関穴 上巨虚穴   :   巨虚上廉穴、上廉穴、足の上廉穴 衝門穴    :   慈宮穴、上慈宮穴、前章門穴 水分穴    :   中守穴、分水穴、正水穴 人迎穴    :   頭五会穴、五会穴、天五会穴 兌端穴    :   壮骨穴、兌通鋭穴、唇上端穴 太淵穴    :   鬼心穴、太泉穴、大泉穴 大陵穴    :   心世穴、鬼心穴、心主穴 中膂兪穴   :   脊内兪穴、中膂内兪穴、背中兪穴 通天穴    :   天臼穴、天旧穴、天白穴 手の五里穴  :   尺の五里穴、大禁穴、尺の五間穴 天突穴    :   玉戸穴、天霍穴、天瞿穴 然谷穴    :   龍淵穴、然骨穴、龍泉穴 陽輔穴    :   絶骨穴、分肉穴、分間欠 陽陵泉穴   :   筋会穴、陽の陵泉穴、陽陵穴 白関兪穴   :   玉関兪穴、玉房兪穴、陽兪穴 胳却穴    :   強陽穴、脳蓋穴、絡郄穴 【参考文献】 『臨床経穴学』東洋学術出版社 『鍼灸医学事典』医道の日本社 『新版 経絡経穴概論』医道の日本社

今日は痰について書いていこうと思います。 痰は津液が濃密になり、粘ることにより形成されるものだそうです。 ネバネバ、ドロドロしたイメージです。 津液はサラサラした水のイメージです。 ではなぜサラサラしたものがドロドロに変わってしまうのでしょうか? 津液というのは飲食物が水穀の精に変化してそれが津液に変わる また、気が津液の元という考えもあります。 つまり、津液を作る過程でなんらかの異常があり、痰ができてしまうのでしょうか? あるいは、津液がなにか不純物が混ざってドロドロになってしまうのか。 あるいは、熱で津液が焼かれてドロドロになってしまうのか。 何が原因で痰が形成されてしまうのかが疑問です。 津液を形成するのは基本的には脾の役割で、つまり脾の失調によって痰が形成されてしまう。 そして、痰は気に従ってあらゆるところへ留まるとあるので、痰による症状は様々です。 肺に行けば痰や咳嗽が出る 脾に行けば胸焼け 経絡上に留まればあらゆる部位の疼痛、など症状は多岐に渡ります。 そして、気の流れを止めれば、気鬱、気滞が起こり、万病の元です。 脂肪は痰という考えにも至るのでしょうか? つまり、太り過ぎの方は脾の働きが悪く、 正常に運化が出来なくて、食べてもお腹が減り、 水穀が正常に気化されず痰になって、脂肪として体の周りに痰がついているという考えも一つあるかも知れません。 痰がどのようなことが原因で形成されてしまうことについてよく考えたいと思います。

施術日記(05)

T.I 先生との治療練習5回目。 舌診での、軸を作りたいと考えて継続しております。 脉や腹診も含めて考察いたします。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 同經への刺鍼であるが、経穴を変更してみる。 ② 舌の理解の為に、脉や腹診との共通項を考える。   問診にて「少々、お疲れ」との事。 この先生がダメージを体に受けている場合には、 舌の右への偏向がみられるようです。 ついでにいえば舌だけに限らず、 立ち居振る舞いにも、ある動きにも特徴が出てきます。 また、脈診においても右腕の脈に特徴を診ました。 舌尖の赤みはあるにせよ、舌辺の赤い斑点はかなり少なくなっています。 ただ、歯痕の凸凹が強く感じられました。 (左)地機:0番鍼にて置鍼(5分) 今回は(04)回までの経穴ではなく、別の経穴を試しました。 切経において、昔の教科書の取穴と現在の教科書の取穴の違いを 議論しながらの刺鍼となりました。 右脚と左脚の経穴を診た感じ、左の地機の方がウブな感じを受けたので、 刺鍼を試します。 舌の出し方が穏やかになり、正中線上に近くなりました。 歯痕も少なくなっております。 今回、特徴的だったのは写真では表現できていないかもしれませんが、 舌に溢れんばかりの潤いが出てきました。 おおよそ、水が引く事のイメージをもっていたので、少し驚いております。 腹診においては前回の治療(04)回と同じように 刺鍼後になってから、脾募へ特徴的な何かを感じました。 ミルフィーユのように階層があるようにも思え、 何かをどかしたら、何かが見えるようになった。のでしょうか。。 今後も経過を見てみたいと思います。

老子の第一章から想像

先日老子を読み終えました。 速読を意識したので二周目はじっくり読んでいきたいと思います。   第一章 道可道、非常道。名可名、非常名。 無名、天地之始。有名、萬物之母。 故常無欲以觀其妙、常有欲以觀其徼。 此兩者同出而異名。同謂之玄。玄之又玄、衆妙之門。   訓読文 道の道とす可きは、常の道に非ず。名の名とす可きは、常の名に非ず。 名無きは天地の始め、名有るは万物の母。 故に、常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。 此の両者は同じきより出でて而も名を異にす。 同じきを之を玄と謂う。玄の又た玄、衆妙の門。   ・この文章から今の時点で感じている事 これが道だというものは常の道ではない。 道は万物の根元ではあるが、それを言葉で説明することは出来ないし、ましてや名付けることなど出来ない。 全ての事象は道から為るが、道を観ようとすれば無欲でなければいけない。 無欲のため観えるものは妙であり、奥深い。 有欲であれば徼しか観ることが出来ない。 妙とは「あまりにも奥深くて見ようとしても見えないこと」で、 徼とは「帰結や端」という意味とされます。 妙も徼も同じ玄から生まれるものではあるけれども観ているものが違う。 王弼は 「両者は始と母である。同出とは同じく玄から出ること。異名とは名付けられる場面が同じでないこと。首(はじめ)に在れば始といい、終にあれば母という」と注釈されています。 図解雑学 老子では 「「名有る」状態が「万物の母」だというのは、万物は名が与えられてはじめて万物と認識されるからで有る」 としました。 第四十二章では 「三生万物」という言葉がありますが、これは「天地間の陰陽の気が混ざり合って万物を生むということ」とされます。 つまり欲がある立場に立てば 徼という「天地間の陰陽の気が混ざり合って生まれた万物に名前がつけられた状態」しか観えないのではないでしょうか。 確かにそれは玄から生まれたものの一つではあるけども、端であって全てではないのかなと思います。 何事も無欲の立場で妙を観なければいけないのではないかと思いました。 道は奥深くて決してこれ!と捉えられる存在ではけれども、老子の様に無欲の立場に立てば感じることが出来るものなのではないのでしょうか。 道理という言葉は広辞苑では「物事のそうあるべきすじみち」とされますが、 道の理はどこまでも奥深いので、妙であり「玄の又た玄、衆妙の門」とされたのではないのかと思います。 臨床現場にまだ立っていませんが、きっとそういったことも必要なのではないか。と感じています。   参考資料 老子 岩波文庫 蜂屋邦夫著 図解雑学 老子 ナツメ社 蜂屋邦夫著 広辞苑 第七版 岩波書店