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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

臓腑について学ぶ(01)

肺 上焦にあり、静粛下降の役割を持つ 気や水液が下降し全身を巡る事によって五臓の気機は昇降のバランスを保つ。 《肺が粛降機能を失う阻害要因》 実の病理変化:外邪や瘀血痰湿などの病理産物により水道が塞がる→痰水壅肺 虚の病理変化:虛寒などにより津液を宣発散布することが出来なくなる→肺虚失制 【痰水壅肺】 息切れ・咳逆・喘息で横になれない。胸脇満痛。飲邪の氾濫による水腫。など 【肺虚失制】 遺尿・頻尿。など ーーー関連領域より病理を考えるーーー 鼻・涕:鼻閉、鼻汁。呼吸や嗅覚に影響あり。 皮・毛:易感冒。皮膚の乾燥。掻痒感。 魄  :感覚・運動・情志などの本能的な精神活動の失調。 憂・悲:憂う。悲しむ。 辛  :気の消耗や熱化。大腸の機能に影響あり。 【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

中国の思想(08)

老子 六十三章 聖人は大をなさず 為無為、事無事、味無味。 大小多少、報怨以徳。 図難於其易、為大於其細。 天下難事必作於易、天下大事必作於細。 是以聖人終不為大。 故能成其大。 夫軽諾必寡信、多易必多難。 是以聖人猶難之。 故終無難矣。 無為をなし、無事を事とし、無味を味わう。 小を大とし少を多とし、怨みに報ゆるに徳をもってす。 難きをその易きに図り、大をその細になす。 天下の難事は必ず易きより作り、天下の大事は必ず細より作る。 ここをもって聖人はついに大をなさず。 故によくその大を成す。 それ軽諾は必ず信寡く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。 ここをもって聖人すらなおこれを難しとす。 故についに難きことなし。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P101~103) ” 怨みに報ゆるに徳をもってす。” 解説の中には「大戦後の蒋介石による対日政策の基調をこの言葉に置いたのを 民族の総意の表現だったと見られる。」とある。 中国大陸に残留孤児が多かったのを 民族性と連ねる説を読んだことがあり、符合するように思います。 その地域性を感じる事ができたようで、面白く思いました。 そして日々の生活の中で 決して偉そうにしない”立場ある人”と出会う度に、 丁寧に一つ一つを対応される姿をみて感心することがあります。 この延長線上に大事ができるのだろうな、、と思います。 先ずは、小さな事をおろそかにしないように心がけたいと思います。 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店

実験、公孫など

珈琲 私はコーヒーが合いません。 香りや苦味が好きなんですが、身体に合わない。 自分の感覚として体感しているのは肝の暴走。 散々書籍にあることなので発見でも何でもないのですが、体感としても感じます。 じゃあ、それを思いっきり飲んだらどうなるか。 ボトルコーヒーを一本一気飲みしてみた。 自分の体の反応と術者としての感覚を飲む前、飲んだ後と比較してみました。   術者として 普段から鋭くない感覚が更に鈍くなる。 全く相手を感じる事ができない。 身体を触らせて頂く時に頭に言葉が多くなる。   体感として 自意識が強くなる。 ナポレオンはコーヒーを勇気の出る飲み物として愛用していたらしいのですが、鈍感になっただけじゃないのか。と思った。 また、時間差があるので直後には出ない。 ただ影響がマックスになった時、酒で酔った感覚になる。 調べるとコーヒー酔いというものもあるらしいです。 気逆を起こすと気が大きくなる? 脈の寸には影響があった気がします。 頭には色んな言葉が浮かぶ様に。 エゴが強くなった感覚? いつも以上に自分の世界だけで全てを完結させている気がしました。   家に帰って自分の肝経の経穴に鍼をしてある程度は和らぎましたが、躁鬱状態ってこんな感じなのかなと思いました。   手に受ける感覚 何か違和感を感じたとして、それぞれ種類が違ってくる。 細分化して言語化できればいいなと思いました。 体感として一つ重い感覚はあったので、まずはそれについて考えていく。     切経 術者と患者が合った時、そこに囚われ過ぎるのは良くないと思いました。 ベタベタ触ると段々反応も薄れ、よく分からなくなってくる。 即時即決、一回でどれだけ情報を頂けるか。 患者とどの様な意識で向き合うか、模索します。 深さも意識したい。     公孫 この穴の認識を深めたい。 奇経八脈考、症例から学ぶ中医婦人科などを中心に調べているのですが、まだイメージが掴めていません。 引き続き調べて行きます。   楽しむこと 表面的なものではなくて、この本質って何なんだろう。 考える事で遠のいていっているかもしれないけど、一旦はこの工程を踏みたいと思います。

備忘録(1)

アルバイトとして障害者の介助や老人の介護をおこなっておりますが、 今回は、とある方の入浴を介助いたします。 洗髪の際、 ゴシゴシ、ゴシゴシ、、 Aさん「もっと強くして下さい。」 稲垣 「大丈夫ですか?それでは。」 ゴシゴシ、ゴシゴシ、、(結構強くしてるけど大丈夫かな?) Aさん「もっと強くして下さい。」 稲垣 「(゚д゚)!えっ(マジで!)。わかりました。」 ゴシゴシ、ゴシゴシ、、 Aさん「強くやり過ぎて、昔は血が出たことがあるんですが、それが良いんです。 HAHAHAHAHAHA。」 稲垣 「・・・。」 Aさん「でも、寝不足の時は強さに耐えれない時があるんです。」   ★ ”養蔵”できない事での、”皮毛”への影響を思う。  

学生・東洋医学を学ぶ者の為のプロジェクトを設置。

これからも勉強会や企画を 展開していきますが、 参加して頂いても、 なかなか単発でその場では 触発されて気持ちが盛り上がる ものの、 結局、それが日常にはならないといった問題が 発生します。 これが根本問題だと思います。 そこで、 一鍼堂の方から一つ、新しい サイトを作り、 勉強したいと思う有志にそれぞれ アカウントを発行して、 勉強した内容や疑問などを日記調に書き記して いってもらって、 それを僕らの方で見させてもらって、 アドバイス出来るものはするといった ものを考えています。 エントリーしたい人はまた、挙手お願いします。

舌診(02)

舌象について整理する 【舌神】 有神 生き生きとして生気があり、運動性も十分なもの。 疾病に罹患しても有神であればよい兆候。 無神 乾枯して硬く光沢もなく、生気がなく、運動性も悪い。 危急の可能性。 【舌色】 淡白舌 陽虚の為に営血不足により舌体を充養できず淡い色調となる。 紅舌 舌体の脈絡が充盈している。 絳舌 紅絳舌 営血が熱の煎熬を受け、濃縮されている為に絳舌となる。 紫舌 熱盛傷津や陰虚で気血の壅滞、陰寒での凝滞により紫色となる。 青舌 陰寒の邪により陽気凝滞し血行の瘀滞による。 【参考文献】 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

脈診(04)

瀕湖脉学七言訣(二十、弱脉) 弱来無力按之柔、 柔細而沈不見浮。 陽陥入陰精血弱、 白頭猶可少年愁。 弱脉は力無く来て、按じても柔、 柔は沈にして細、浮では見られず。 陽は陥入し、陰精血は弱、 白頭(老人)は考えられるが、少年なら愁う。 脉が骨周辺まで沈む理由が何なのか.. 自問自答してみる。 年老いて骨が弱くなり営気を必要としているから、 骨への栄養補給の為に沈下する? いや、肌肉の中空を維持出来ない為に沈む? 衛気が衰えて、エマージェンシー発生の為に 脉が皮毛に栄養補給にやってくるのが浮脈? 現象に対しての理由は多々ありそう。 【参考文献】 『中医脉学と瀕湖脉学』(株)谷口書店

診病奇侅(01)

中脘 脾部中脘塞り、中脘水分に動あり、 又脾塞り、水分に動ありても、中脘に動なきは、食にあらず、 《私議》 中脘と水分について感じるところあり、考察を深めたいと思います。 【参考文献】 『診病奇侅』医道の日本社

舌診(01)

舌の研究 修行生のSさんと勉強をします。 「左腕の外転について難あり。」との主訴により 刺鍼を行いました。 〈前〉 〈後〉 上逆し易い体質と考え、 上がらない重しをしっかりとさせる事を 長期的な目標としております。 主訴を受け、 気血の巡りをよくしたいと思い その阻害要因が中焦より下焦へと続く 舌の苔に診られる通りの邪熱かと考えます。 刺鍼後、 左腕の外転にやや改善が診られた事で好転反応はあり。 舌苔が面積も厚さも少なくなってる事、 舌体より気虚症状の減少が診られる事などから ある程度の効果があったのかと推測されます。 経過を観察をしていきます。  
日にあたる猫

食べることについて②

皆さまこんにちは、イワイです。 前回の続きです。 〝後天の精〟とは生まれ持った〝先天の精〟とは別に 飲食物から補います。この後天の精の全身へのルートをみてみますと、 後天の精 ↓ 別名 水穀の精微といわれる ↓ 一部は気、血に化生→全身の組織、器官に行き渡る ↓ 残りの一部は 腎 に収まる となっています。 次は〝精〟の作用についてです。①〜③ ①生殖 ②滋養→人体の組織、器官に滋養する 詳しくみてみると、 精は必要に応じて、血へ変化。 ↓ 血も旺盛、正常に各組織、器官を滋養。 精は気へ化生。 ↓ 人体の新陳代謝を推動、抑制し生命活動を維持する。 精は人体を構成する基本物質と捉えられており、 東洋医学では精が充足していると、 生理機能は正常に働くと考えられています。 ③神の維持 神:広義では、生命活動の総称であり、精が充足することで、神の機能が保たれる。 狭義では、精神、意識 、思惟活動を主るもの。 ここからは、勉強した感想です。 飲食物を食べることで、西洋医学的に考えるとエネルギー源となるということ、一方で東洋医学的に考えると、エネルギー源という役割と五臓六腑が正しい働きを出来るようにしていたり、精神活動も主ることになるので、幅広い意味で捉えることが出来ることに気づきました。 【参考文献】 『新版 東洋医学概論 』東洋療法学校協会