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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

学生・東洋医学を学ぶ者の為のプロジェクトを設置。

これからも勉強会や企画を 展開していきますが、 参加して頂いても、 なかなか単発でその場では 触発されて気持ちが盛り上がる ものの、 結局、それが日常にはならないといった問題が 発生します。 これが根本問題だと思います。 そこで、 一鍼堂の方から一つ、新しい サイトを作り、 勉強したいと思う有志にそれぞれ アカウントを発行して、 勉強した内容や疑問などを日記調に書き記して いってもらって、 それを僕らの方で見させてもらって、 アドバイス出来るものはするといった ものを考えています。 エントリーしたい人はまた、挙手お願いします。

経穴(01)

【地機】 学生時代に使用した経穴の教科書を新・旧で比較してみる。 旧教科書の”地機”は”陰陵泉”より5寸下、 新教科書は”地機”は”陰陵泉”より3寸下、とされている。 考えらる可能性は「2つとも違う」「片方が正解」「2つとも正解」。 重要なのは点でなく、線をとらえる事にあるのかな?と思う。 今後の切経の参考にして行きたいと思います。 旧 『経絡経穴概論』(株)医道の日本社 初版:1992年3月20日 ●地機(郄穴) 取穴部位:内果の上8寸、脛骨内側縁の骨際に取る。 (注)脛骨内側顆の下際から下5寸に当たる。 筋肉:ヒラメ筋 運動神経:脛骨神経 知覚神経:伏在神経 血管:後脛骨動脈 新 『新版 経絡経穴概論』(株)医道の日本社 初版:2009年3月30日 ●地機 SP8(脾經の郄穴) 部位:下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後際、陰陵泉の下方3寸 取り方:脛骨内縁の後際、内果尖と膝蓋骨尖とを結ぶ線を3等分し、 膝蓋骨尖から3分の1の高さに取る。 解剖:ヒラメ筋・長母指屈筋〈筋枝〉脛骨神経, 《皮枝》伏在神経,後脛骨動脈 【参考文献】 『経絡経穴概論』(株)医道の日本社 『新版 経絡経穴概論』(株)医道の日本社

澤田流鍼灸術に正式入門。

澤田流聞書、鍼灸真髄。 学校の先生からオススメされて、図書室で細々と読んでましたが、自分や家族の治療で頻繁に参照するので、思い切って買いました。 …… P143「古道研究の態度」より引用。 ある時、私は先生より、 「あなたは和漢三才図会を読んだことがありますか。」 と聞かれ、何気なく「読みました」と答えたところ、非常に叱られた。 その際、先生はこう仰っしゃられた。 【今の人間は本の数だけ沢山よめばそれで良いと思っているが、それでは本当のことはわからん。三才図会のような良い本になると、一通りや二通り読んだだけでは駄目です。百ぺんでも二百ぺんでも読んで、生きた人間に当て嵌めて診て、わからん処のなくなるまで読まねばなりません。あなた方の、読んだ、というのは、それは本当に読んだのではない。ただ眼で見ただけにすぎない。】 こう言われ、私の軽率な態度を戒められた。 (中略) 古医学を学ばんとするものは、まず現代の医学的知識を【一応】投げ捨てて、我見を去り、無私なる虚心に帰ることが必要である。 (後略) …… この本は、鍼灸専門学校一年修了(経絡経穴・東洋医学概論・灸術)ぐらいの実力で、そこそこの?治療ができるレベルにまで導いてくださる上に、伝統鍼灸術における学習の仕方まで叩き込んでくれます。 おかげで、母や弟の治療に役立ってます。 …… 澤田先生の檄を胸に、もっかい、気合、入れ直そう。 ロックンロール。
黄色く色づき始めました 11月初旬の箕面

【用語集】肝鬱気滞

肝鬱は 肝気鬱もしくは、肝気鬱結の略称であり、 肝気が滞ることをあらわす。 気滞は、その名の通り、 常に循環しているはずの「気」の流れが「滞」っている状態をあらわす。 肝気の特徴として、 樹木がなんの制約も受けず、 ただのびのびと枝を伸ばしていく様を「条達」。 縦横無尽に全身を動き回ることを「疏泄」と表現する。 精神的な負担などがかかることで 肝気が伸びやかに巡らなくなり、 肝気が鬱屈した状態、すなわち「肝鬱」となる。 参考文献: 『黄帝内経素問』 『黄帝内経霊枢』 『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社 『基礎中医学』 神戸中医学研究会 『中国医学辞典』 たにぐち書店 『臓腑経絡学』 アルテミシア 『鍼灸医学事典』 医道の日本社

舌診(02)

舌象について整理する 【舌神】 有神 生き生きとして生気があり、運動性も十分なもの。 疾病に罹患しても有神であればよい兆候。 無神 乾枯して硬く光沢もなく、生気がなく、運動性も悪い。 危急の可能性。 【舌色】 淡白舌 陽虚の為に営血不足により舌体を充養できず淡い色調となる。 紅舌 舌体の脈絡が充盈している。 絳舌 紅絳舌 営血が熱の煎熬を受け、濃縮されている為に絳舌となる。 紫舌 熱盛傷津や陰虚で気血の壅滞、陰寒での凝滞により紫色となる。 青舌 陰寒の邪により陽気凝滞し血行の瘀滞による。 【参考文献】 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

舞台など

舞台 主役をどこに置くか。 そこが以前からずっと課題として残っている。 受付でもこのシーンはこの人にやってもらった方がいいかな?と考えたりもするが黒子になる意識が薄い。 これはチームで行っている事。 受付時、一緒に働いている方々にやって頂いている事を思い返す。 上手い人達はサラッとして作意がないが、落としたところを助けて頂いている。 そうなる為にまずは太極的に、先の動きも考える。 感じられるところまでいければいいが、まずは考えてみる。 考えた上で考える事が違っていれば考えを捨てる。 自分の場合、内省して答えを出すというより、他からヒントをもらって練度を上げていきたい。 外を見る目を養う為にも意識を変えなきゃいけないな。 やり方は色々試していきます。   舌の考察①     色:淡紅 形:軽く歯痕舌、軽く胖大 その他:斜舌 裏は出すのに苦労している様子も窺える。 正気が無くて出せないというより、緊張して舌を操作出来ていない印象。 口の開け方、舌下静脈は偏る     脾気虚。 口の開け方や斜舌など偏りを感じる。 気の偏りがあるかもしれない。 また、舌下を見せるのに歯が見えるまで出すところに真面目で気逆を起こしやすい要素があると思われる。   舌の考察②     前回よりも舌下静脈付近の細絡が目立つ。 これも瘀血の症候としてみれそうか。 以前として強い歯痕舌が見られ、気虚の程度が強い。   考察③ 暗紅色、裏に熱がこもり、瘀血。 自身の体なので他の情報と一致させられるが、舌先右の赤みは右の上焦の停滞と一致させられるかもしれない。

色々わからないけども

身体を触るとき意識が一つに引っ張られていたことを指摘して頂きハッとした。   何かを見ようとして、その分他が疎かになっていたんだと思う。   意識を働かせない様にしなければ。   頭ではなく体が主。   テーマとしてはずっと持っているものなんだけど難しい。   このテーマで進めるには自分の人間性も見直さなければいけないけど、いちいち一つの事に囚われているところがダメなんだと思う。   そもそも体に限らず全ての事はこれ!って言うより一連の流れで繋がっているんだから何か違うような気がする。   身体をみる時も犯人探ししてる訳ではないんだから。   自分の状態として、前に意識が深く沈む?みたいな感覚があった時が一番良かった。   そうなっていく為にも生き方も大事なんだろうなと思う。   色んなことに対してサラッと生きれる様になりたいな。   そんなこんなで最近は勉強というより自分の人間性について考える時間が多くなっている。   まあ自分みたいな人間は自己否定してるくらいでちょうど良い様な気がする。   色んなものをへし折ってへし折って更地の状態にしたい。   人の幸せを喜ぶとかもその先にあるものだと思う。   まあ素朴が一番です。
苔を育成中

胖大にて白苔の舌を観察します。

【舌診(09)】 こんにちは稲垣です。 患者さんのHさんに舌の研究の為にご協力頂きました。 学術の為にご協力頂き感謝いたします! 《令和3年1月22日》 表は白苔が強く水泛しているように思います。 嫰であり、胖大。 湿に覆われているように思います。 表と裏の違いが謙虚。 舌下静脈が中央に近い形でストレートに伸びている。   《令和3年1月27日》 表は全苔より苔の剥離が診られ、 溢れていた水が引き始めているように思います。 胖大はやや狭まりつつあるように思いますが、 22日よりも白苔は強く感じます。 裏は舌下静脈の形は変わりませんが、色が薄くなっています。 舌裏全体の色が淡くなっていますが、 左前に舌瘡のようなものが出来ています。   《令和3年1月30日》 苔全体が薄くなっているのが顕著。 剥離され舌体がみえるところと苔との境目が緩やか。 全体的に赤みを帯びてきたように感じます。 全体的に水が引いた状態と共に 歯痕も少なくなってきたように思います。 舌裏の色合いがかなり薄くなってきており、 舌下静脈も姿が薄くなってきたように思います。   苔が少なくなる経過には、 一時的に苔が強くみえる現象があるのかもしれないと感じました。 これは苔だけの現象ではないのかもしない、と感じております。 来院と来院の間に何があったのか、 舌の情報だけでは足りないところです。 皮膚の肌荒れも、おさまりつつあるように感じています。

脾胃湿熱の「湿熱」について

東洋医学概論の教科書にあった脾胃湿熱でしたが、湿熱とは 食べ過ぎ・飲みすぎが原因で体内に入ったままになっている「水」が 熱の影響で湿気?のようになっているものなのか? ヒントを探して中医弁証学を読んでみましたが、今日はハテナが多いです。 湿は重濁性と粘滞性をもっていて、湿邪による病は長引きやすく、進行が緩慢 粘滞性があるために長引きやすいような感じがしますが、 病の進行が緩慢というのはいいことなんでしょうか? それともわかりにくい?ということなのでしょうか。。 気機を阻滞させやすく清陽(?)に影響しやすい。 湿気の多い環境や居住地の場合、湿邪は外から皮毛に入る。 また、脾胃虚弱や水分の取りすぎ、過食などは湿の内生をまねく。 湿の病は内外の湿が合わさって発生することが多い。 私自身が雨の多い土地で生まれましたが、どれくらいの期間その環境で過ごすか、というのも関係があるのでしょうか。 (それによって湿邪に対して耐性ができるみたいなことはあるのか?そもそも邪に対して耐性ってなんだろう…) (大阪は日本の中でも湿度が高い土地柄から、梅雨の時期になると湿邪による症状が起きやすい、と授業の時に聞いたことがあり、根拠を調べてみましたが思うような答えは出てきませんでした…)
街灯

血分病機

こんにちは、稲垣です。 血分病機についてまとめます。 【血分病機】 血は営より深層にあり、血分病変は営分病変よりもさらに重くいとされ、 心・肝・腎などに重大な障害の可能性があるとされる。 ・熱深動血 熱邪が血分まで深く入りこんで火に変わり、火毒が燃えあがり、血絡を損傷し、血流を混乱させる。 血熱が心を傷れば、主神の蔵ゆえに意識障害・譫語・狂躁が現われる。 ・血瘀血畜 血熱が気を損傷し、気滞をつくり血瘀に発展させる。 邪熱が血とぶつかる、陰液を熱邪が損傷させて営血を消耗させた場合、など瘀血となる。 さらに発展し、邪熱と瘀血がぶつかりあえば「血結胸」「下焦畜血」などとなる。 ・血熱動風 血熱が盛んになり、厥陰まで入り込み、肝を犯して筋脈を焼く。 陰血を消耗させ、火より風を生じさせる。痙攣などが発生する。 少火は壮火となり、風を起こして、さらに火を煽る。 意識の混迷や厥証を発生させる。 ・耗血動血 熱の血分侵入では、耗血・血竭・亡血・動血を起こす。 血の不足により筋を潤すことが出来ず、また陰が陽を抑えられずに 血虚生風、虚風内動を起こす。   【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社