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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

『閃く経絡』を読んで

以前より、SNSで噂になってた本『閃く経絡』を読んでみました。 ---------------------------------------------------------- 『閃く経絡』 ”現代医学のミステリーに鍼灸の”サイエンス”が挑む!” 著者:ダイエル・キーオン 発行:日本の医道社 ----------------------------------------------------------- ダニエル・キーオンさんは医師として救急の現場に立ちながら、 キングストン大学で中医学を学び、後に北京に渡り就業を行ないました。 医師でありながら鍼灸師であるという立場で、経絡の謎を解明しようと試まれています。 鍼灸学校で習う解剖学・生理学の復習になり、 学生の立場としてはテストされているような感覚も正直あるのですが。。 医師としての立場らしく、淡々と表現されるグロテスクさも楽しむ事が出来ました。 彼の経絡に対するこの論証の一つ一つは、なかなか見ごたえがある様に思います。 実はこのような生々しい論理は好きだったりします。 この本の素晴らしいところは東洋医学に対する敬意が感じられるところです。 東洋医学の軸を動かさずに西洋医学の詳細を詰めていく方法は、 解明する探検の大変さも感じられますが、気持ち良さを同時に覚えます。 そして、医古文などを読む際に手助けとなるのが、現在の医学への探求があるという事は 太古の昔も医学に燃える医家がいるのだろうと信じる事ができるところでしょうか。 未来の優秀な方々によって、東洋医学の証明がなされていくことに夢をはせます。 以前に一鍼堂ブログの番外編として院長が挙げられていた三焦に関してのブログも添付します。 ↓ https://www.1sshindo.com/blog/zenith16946/

施術日記(04)

T.I 先生との治療練習4回目です。 同じ経脈上に刺鍼する事で、軸を作りたいと考えております。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 同經への刺鍼にて、短期的・中期的・長期的な観察。 ② 四診も含め、複合で考察。 舌を出した瞬間に思ったのは『紅くなった?』 いつもより、白っぽさが減って このシリーズが始まって以来、刺鍼前の舌の表情では目立った違い。 舌の出し方も、リラックスが感じられます。 舌尖・舌辺の感じは前回と同じ様子ではあるが、雰囲気が違う。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 全体的に水分量の調整は出来たと感じ、 所々に赤みが見て取れるも、 一皮剥けて、深層が顔を出しているようにも感じる。 舌の出し方も、締まりを感じる。 これは変な緊張が高まったというよりも、 適正な気力をもって来てるように思える。 舌の中央当たりも、渇きが出てきてる。 もしかしたら、苔を取るのはこの渇きを持たせる事で、 剥離させて行くのでは??と妄想する。 腹診も刺鍼前後に変化は感じられ、 中脘あたりの変化が興味深い。
桜

食べることについて①

皆さま、初めまして。 受付をしております、鍼灸学生のイワイです。 ここでは、日々の学習のことやそこで生じた疑問など様々なことについて、学生なりに書いていきます。 どうぞよろしくお願いします。 早速ですが、新年度になりました。 桜が満開で見頃を迎えてますね! 春といえば、「新しいこと」を始めるのに適した季節だというわれています。新しいチャレンジや生活など、楽しみな気持ちと新しいことに取り組む不安もあると思います。 私達の身体は何か取り組むとき必ずエネルギー、気力、体力が必要になります。 そこで、新しいことに向き合うために、日々の生活の中で欠かすことのできない〝食事〟について勉強し、食べることで身体へどういう影響がでるのか、西洋医学と東洋医学での、それぞれの概念について勉強しました。 西洋医学的には、私達が食事した際、口から入った食べ物は 口→食道→胃→小腸→大腸→肛門 という順ではいって、外で便として出て行きます。この過程の中で、体内に栄養素を取り込み、身体に必要な物資に再合成し、吸収されています。 では、東洋医学的にはどういう概念でしょうか? 東洋医学的に考えると、まず人体の構成や生命活動を維持するのに最も基本的な物資のことを〝精〟といいます。 この〝精〟には、父母から受け継いだ〝先天の精〟と飲食物を摂取することにより得られる〝後天の精〟の2つから成り立ちます。先天の精の量は生まれたときから決まっていますが、後天の精は飲食物を摂取することで絶えず補充されています。 次回は、後天の精について勉強したことを書いていきたいと思います。 ————————————————————— 【参考文献】 「生理学 第3版 」東洋療法学校協会 編 「新版 東洋医学概論」東洋療法学校協会 編

良かった感覚

面白い体験が出来た。   できる限り沈んだ感覚で相手を感じれた。   その時は問診で特に何も聞いてなかったのですが、患部側の反応が大きかったので感じる事が出来た。   一連の流れから明らかにおかしくなってる箇所があって、そこで自分の気が当たるとバチバチバチ!となる。   イメージ的には   ーーーーーーーーー物質ーーーーーーーーーーーーーー   この何かが流れを止めていて、その箇所に症状が出ていたイメージ。   良い状態で入れたので、自分と相手の境界線がなく、相手の事が自分の事の様に感じれた。   その時の自分の心の状態のイメージはどんよりした暗さではなく、澄んだ暗さのイメージだった。     どこかの鍼灸師さんの話で男性でも女性の生理痛がわかるって話を聞いた事があるけど、あの感覚なんだろうか。   こう言ったことをもっと探って理論化して治療に役立てていく様にしたい。

怒りが病を生む

怒りというのは誰もが持つ感情だと思います。 しかし、慢性的にずーっと怒っていたり、急激な怒りが出ると、病を引き起こしてしまうと言います。 怒ってしまうと、顔面の紅潮や、頭が痛くなったり、我を忘れてしまって、理性を抑えられないことがあります。 これはなぜなのでしょうか? 怒りは肝が大きく関わっていると言います。 肝の機能は気を五臓六腑、全身に気を回し、昇降出入に大きく関わっています。 つまり、怒って顔が赤くなってしまうのは、 気が過度に上がって血も同時に上がって赤くなってしまうのではないでしょうか? いわゆる気逆というものです。 この肝気による気逆は中焦にある脾胃を攻撃することがあるとあります。 気というのは、身体を守ったり、温めたり、栄養したり、 良いことづくしなイメージがありましたが、行くべきでないところに行くと、害になってしまうこともあると考えられます。 よく怒りやすい人がいますが、これは肝の疎泄作用が弱っている人に見られるのではないでしょうか? 怒ってしまうと気が上逆してしまう。肝がそれを抑える力が有れば、上逆してしまうこともないのかもしれません。 それとも他に怒りを抑える機能が生き物にはあるのでしょうか?あ 慢性的にイライラしたり、怒っている人は針で治せるのか?それとも、患者さんとよく対話して、怒りの原因を紐解いていくのか? 感情の異常は万病の元と言いますし、そこにアプローチすると、もしかしたら、治療効果も大きく上がるかもしれません。 本人は悲しみや、怒り、恐れなど、自分では気づいていないが、心の底でその感情を常にずーっと感じている人も居るかもしれません。 そこを気づかせて、治療するのも大事なのかもしれません。

院長の治療を受けて(平成30年12月)

院長の治療を受けております。 【主訴】 背中の痛み(肩甲骨内側と下部周辺の張痛)と 慢性腰痛(痛みは軽微で動作開始時痛)。 出来るだけ、些細な変化も記憶に留めておきたいと思い、身体の全体を観察します。 治療に関しての全てが”学び”です。 問診での着目するポイント、 舌など望診における情報をキャッチする速さ、 繊細でありながら落ち着いている切診の感覚。 そして、治療。 背中の痛み関しては即座に無くなります。 腰部の痛みについては、 朝の起きる際やソファーに長時間座った後などのスターティングペインなので、 この時には変化は分らなかったですが、効果は翌朝に十分感じ取れました。 伝えはしたものの、後回しでも良いと考えていた膝の痛みも同時に無くなります。 結果、 嘘のように無くなっています。 鍼を受けて寝ている際に、身体に集中すると 手指の末端がピクピクし、腹部も微妙に内部が動くのを感じます。 刺鍼と、この感覚。結果を思うと、 身体を巡る気血や臓腑からの学術と臨床の関係を感じるに十分です。 日頃学ぶ東洋医学の論理を目の当たりに体感できた素晴らしい時間です。 『開業以来、鍼一本。』 この”鍼一本”の可能性の楽しさを見せて頂いたように思います。  

先週の患者さん

  先週の患者さん 以前見たことのある空気感だった。 脾虚がベースにあり気遣いをされる方。 ストレスを受けていてもどこか他に気を使われている。 ストレスを受けたとしても体質や本人の処理の仕方で傷つく臓腑は違う。   また、自身がここが気になると先生に報告した穴で治療するとどうなるか。 以前別の患者さんで聞いた話を思い出した。 匙加減を間違うときっと暴発してしまう。   直接的、表裏と二つの側面から難しいのかと想像。   フットサル 鍼灸とは全く別の話です。 フットサル選手の感覚を知りたくて、 「ガチガチの個サルより緩い個サルの方がドリブルが難しくないか?」と聞いてみた。 帰ってきた答えがブレースピードが早すぎると相手によっては反応できないから、そういう時は自身のプレースピードも下げてプレーするらしい。 ガチガチならガチガチ、小学生なら小学生とそこに応じたスピードでプレーすると上手くいく。 とは言ってもやはり自身に近い方が楽で、小学生相手が一番難しいらしいです。 色々役立てそうな感覚だと感じました。   手 手で覚える。 この事を明日はより強く意識いこうと思います。   その為にもきちんと集中します。   周辺 どんな状況でも周りへの意識を忘れずに。 そこが抜けた瞬間治療どころでは無くなる。   気遣い 受付をしていて、診察券を返すときに予約時にメールアドレスを伝える。 その時に自身が不親切な案内だった。 その事実が自身の課題を表していると思った。 改めるべき点。 優しくないといけない。

風邪の引き始め、切り替え

  風邪のひき始め 涼しくなってきました。 でも未だに人によっては暑いという人がいる。 クラスでも空調が未だに24くらいに設定しようとする人も。   当然寒いので風邪をひきかけた。 症状としてはまず悪寒・鼻水(量多め)・喉のイガイガ・脈緊。発熱がないからか、浮いてはいない。 典型的な小青龍湯証なのでお湯で服用て暖かい服を来た。   じんわり汗をかき、暑くなってくる。 薬によって反応する穴はどこだろうと探ってみる。 申脈がかなり熱を持ってきた。 理論的にも説明がつくし、勉強になる。 あくまで肺は邪気の付着部位だなぁ。   昔の人は「手首足首を冷やさないよう」と言っていたけど、そういう事かと納得。 首にネギも実は理論的な気がする。 今度同じ状況で反応があったら申脈試してみよう。   発汗が終えると喉の痛みと緊脈は消えたので、一旦は凌いだ。 でも、膀胱経にムチを打って働かせたという事は背景にある腎や他臓も弱める。 実際腹部にも出ている気がした。   他気になる変化として、ふと手のひらを見たら左手の労宮がゲッソリしてたのだけど、これは薬の反応なのか。 気になります。   切り替え 最近いい経験ができている。 この状況で頭を使うのは仕方ない。 それは使うべきところだと思う。 今の課題として、その状態から治療に移る時、一気に切り替える精度の高い方法を模索中。   自身の一つの状態確認法としては、周りの音がどう聞こえているか。 そこである程度確認できるので、いい状態に一瞬で持っていける様にしたい。  

気虚

  先日知り合いの体を見せてもらった。   責任のある立場で頭を使う事が多く、時間や食欲の関係もあり朝食抜きが多い、手首足首が細い、声が小さい、食欲不振、低血圧、真面目など   脈は微かに弦数だけども大きな問題は脈がとても弱い事   舌は辺縁に赤みが見られるが薄く小さく、微かに膩苔が乗る程度   お腹は氣滯もあるが、脾胃を示すところが頼りないのが1番の問題。   太衝、足三里がメインで太谿に軽い反応も気になった。   ここからが自分の課題の本番で、翌日相手の状況を再現してみた。   まずは同じ条件にしてみようと 朝食抜きで16時まで外でひたすら勉強で 頭脳労働+脾胃の弱り   という状態を作ってみた。 腹部は弱々しい感じになり、足三里にも反応が出て、脈も弱々しくなった。   この時、精神状態としては本当に絶望的。 経別が心と直接連絡しているからかな。   相手の立場に立ってみる。 こんな気持ちの時には相手にどう接して欲しい? その時の自分の振る舞いはどうだったか? あの時の相手の体勢は何を意味する?   省みて気をつけるべき点が沢山出てくる。   脾という点から見ても 臓腑経絡学P111 「臨床的にみても、脾の陽気を増す事が如何に重要であるかを示している。脾に陰虚・血虚がほとんどないのはこの為であり、脾の臓を動かす場合は、乾かす事がポイントとなってくる。 漢方薬でも茯苓、白朮をよく使うのはこの為で、穴では足三里が重要になってくる。」   自宅に戻り、食前に足三里に鍼を5分置鍼。   刺した直後にお腹にも変化が出ていました。   食欲、精神ともに上手く戻ったのですが置鍼時間が長かった為か逆上せてくる感覚もあった。   繊細な操作が必要だと思いました。       興味 色んなことを知っていかなければいけない。 体験するのが一番手っ取り早いんだろうなと思います。 色々遊ぼう。   参考資料:臓腑経絡学 アルテミシア  監修 藤本蓮風

京都薬用植物園の呉茱萸(ごしゅゆ)

武田薬品工業(株)の京都薬用植物園で、年に4回行われている研修会があります。 今回は『晩秋の研修会』との事。 一般向けの研修会で、特に専門的な講義が行われるというものでは無いのですが、実体験もさせて貰えるのを楽しみに参加しています。 私は2回目の参加となります。 今回は漢方処方園、樹木園、温室を回りました。 「味見してみますか?」のコーナーでは呉茱萸(ごしゅゆ)を頂きます。 物凄く辛いのをご存知でしょうか?・・辛いです! 呉茱萸 [効能] ◦ 暖肝・散寒止痛 ◦ 下気止嘔  など この辛さを感じると”効能”になんとなく納得が・・ 前回の研修会でも味見をさせて頂きましたが、体験する度に植物のもっている”力”を強く感じます。 漢方薬においては、個々の植物を適切な配分でコーディネートする事で、服用の効果を最大にしているのだろうと考えさせられます。 逆に、個々の主張が強いので、調和をとる材料、飲み易くする材料を共に配合する必要があるのかとも思います。 鍼の調和は切経や刺鍼をする”その時”に、人間の手によって加減できるところなのでしょうか。 薬との違いであったりするように思うのですが、いかがなものでしょう? 薬草のあまりの刺激の強さに色んな事を考えてしまう『晩秋の研修会』でした。 【参考文献】 ・中医臨床のための中薬学(東洋学術出版社)