ホーム Blog ページ 15

Blog

東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

脈診(05)

『中医脉学と瀕湖脉学』 (引用:P11「第一部 現代中医脉論」の”脉診の方法 3.指の置き方”より) 『並べる指の間隔は患者の身長に対応して、 腕の長いものには少し広めに置き、 腕の短いものに対しては指を詰めて並べる。 指の位置が決まれば、三指で同時に診脉するのを総按といい、 また単按といって、一部の脈象を重点的に診るために、 中指と環指をもち挙げることによって寸脉を診たり、 示指と環指をもち挙げて関脉を診たり、 示指中指をもち挙げて尺脉を診たりすることも行われる。 示指ないし中指のみを用いて単按することもある。 実際の診脉においては総按も単按もあわせて駆使される。』 寸・関・尺 を総按にて診ようと固執していたように思います。 特に自身の手が大きいとこもあり、 もっと指の使い方に柔軟さが必要だったと思いました。 そういえば、院長に診て頂いた時が極めてフレキシブルだったと思い出しました。 【参考文献】 『中医脉学と瀕湖脉学』たにぐち書店

中国の思想(08)

老子 六十三章 聖人は大をなさず 為無為、事無事、味無味。 大小多少、報怨以徳。 図難於其易、為大於其細。 天下難事必作於易、天下大事必作於細。 是以聖人終不為大。 故能成其大。 夫軽諾必寡信、多易必多難。 是以聖人猶難之。 故終無難矣。 無為をなし、無事を事とし、無味を味わう。 小を大とし少を多とし、怨みに報ゆるに徳をもってす。 難きをその易きに図り、大をその細になす。 天下の難事は必ず易きより作り、天下の大事は必ず細より作る。 ここをもって聖人はついに大をなさず。 故によくその大を成す。 それ軽諾は必ず信寡く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。 ここをもって聖人すらなおこれを難しとす。 故についに難きことなし。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P101~103) ” 怨みに報ゆるに徳をもってす。” 解説の中には「大戦後の蒋介石による対日政策の基調をこの言葉に置いたのを 民族の総意の表現だったと見られる。」とある。 中国大陸に残留孤児が多かったのを 民族性と連ねる説を読んだことがあり、符合するように思います。 その地域性を感じる事ができたようで、面白く思いました。 そして日々の生活の中で 決して偉そうにしない”立場ある人”と出会う度に、 丁寧に一つ一つを対応される姿をみて感心することがあります。 この延長線上に大事ができるのだろうな、、と思います。 先ずは、小さな事をおろそかにしないように心がけたいと思います。 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店

穴の名前、実技での体験など

テスト前で暗記の時期に入りました。 経穴丸暗記は面白くないので、少しですが付随する情報を書いて認識を深めたいと思います。   腎経 ①湧泉 (井木穴、子穴だが腎なので瀉法厳禁)、回陽九鍼穴 足背、足屈曲時、足底の最陥凹部 まんが経穴入門P184 由来「足の少陰腎経の木穴に属し、腎経の脈気が湧き出る」 五兪穴では(井・滎・輸・経・穴)があり、陽経には原が加わる。 霊枢:九鍼十二原では気血の巡りを自然界の水の流れで例えた。 井穴は水源。   ②然谷 (滎火穴) 足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際 まんが経穴入門P184 由来「別名、※龍淵 火が深いところで燃え盛り、水の相剋を受け付けない」 ※考察 龍の火のイメージが符合しているのか。   ③太谿(原穴、兪土穴) 足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部 まんが経穴入門P185 由来「内踝の真後ろの深い陥凹部にあるため、湧泉から出て然谷を通った腎水の流れがここで一つにまとまる」 診断でも使える穴な事がよく分かります。     気になること 最近絡穴が気になっています。 豊隆の調べ物をしている時になぜ豊隆は化痰作用があるのか。 それは絡穴で脾と連絡しているからだという内容に触れたので、穴性を学ぶ時もこういう事も意識していきたいと思います。   実技で 実技の授業である穴に置鍼5分くらいされた。 その時恐らく肝がやられて季肋部あたりが痛み始めた。 この時に何で左何だろうと不思議になった。 理論的には 中薬の配合 P 78 「左右者、陰陽之道路也」とあるように、肝気は左から上昇することで、木気は行き渡り(条達)、肺気が右から下降することで、金気は正常に運行(粛降)します。   とありました。 五行でも左に属するのでその辺もあるのでしょうか。 逆に肝気虚と呼ばれる状態にこの治療をしたらどうなるのか。 気になりました。 本では存在している肝気虚も、実際は肝は剛臓なので中々ないとは思いますが…     プライベート 先週から1ヶ月間だけ兵庫県に住むことになりました。 引っ越し中々大変でしたがやっと落ち着いてきました。 テストが終わったら武庫川にでもゆっくり散歩に行こうと思います。   気持ちの面 後期試験が終われば2回生になります。 色々自分に対して思うことがありますが、極力無心でやれることを黙々とやりたいと思います。   参考資料 まんが経穴入門 周春才編著 土屋憲明訳 医道の日本社 中薬の配合 丁光迪編著 小金井信宏訳 東洋学術出版社

保護中: 知り合いのおばちゃんとの会話

以前、僕は知的障害者授産施設で、生活支援員として、1年限定の約束で働いていた。 その時、その施設でボランティアで来ておられたおばちゃんと、先日、某所にて久々に会った。 ひさしぶり、からの挨拶で、その施設の現在のよもやま話に花が咲き、 「福祉なんてね、真面目な人間がやるもんじゃないよー」などと、ぶっちゃけトーク。 …… 僕が鍼灸師の専門学校に通っていることを話すと、 「アンタまだモラトリアムかいね~」 と、呆れられながら、苦笑された。 しかしその後、別れ際、おばちゃんから言われたことに対して、背中に稲妻が走った。 「 鍼灸師なんてね、本来は目の見えない、視覚障害者のための職業だったのよ! アンタは【晴眼者】なんだから、しっかり勉強せな、アカンよ!! 」 確かにはっきり、【晴眼者】という単語を飛び出してきたことに対して、僕は瞬時に、おばちゃんの博識さと、己自身の甘さを痛感させられた。 そうだった。 学校に入る前、かなり入念に、自分なりに、業界のリサーチをしていたつもりだった。 そこで異口同音に言われたことは、 「鍼灸学校なんてどこに行ってもおんなじ。国家試験なんて簡単だし。免許をとってからの勉強のほうが遥かに大事だよ。」 と。 しかし、ある意味、自分が視覚障害者の職業を、奪っているのではないか、という認識や自覚はなかった。 もう少し、ヒリヒリした感覚を持って、学業に臨もう。 そう思わされた。 オバちゃんには感謝してる。

舌診(07)

受付のNさんに舌の研究の為にご協力頂きました。 即答にて快諾いただける皆さんに感謝しております。 表 裏 舌質 舌色:淡紅舌 舌形:嫰・胖大・点刺 舌苔 苔色:白黄苔 苔質:全体・薄苔 全体的に苔が少なく薄いのと、舌尖・舌辺に対しての点刺がみられる。 それより、各所に少なからず熱化の可能性をみます。 舌の出し方に力が無いように思える。 舌裏を観るときに舌の薄さが気になる。 舌態の力なき姿と薄さより生気の弱りを感じます。 臓腑配当は控え、舌象に注視し経過を観察したいと思います。

噯と曖

読み物で、漢字の微妙な使い方の違いに時折立ち止まる事があります。 例えば、『井、滎、兪、經、合』の”滎”が”榮”となっていたり。 「ん?」となってしまう時です。 今回は”噯”と”曖”について 口へん、日へんの微妙な違いなのですが。 噯(あい) 1⃣いき。あたたかい氣。 2⃣おくび。 曖(あい) 1⃣かげる。かげって、ハッキリしない。 2⃣くらい。暗くて見えない。 ↓ 例:曖昧(あいまい)ハッキリしない。紛らわしい。 つまりゲップは ”噯氣(あいき)”であって”曖氣(あいき)”ではないのですが、この漢字の入れ替えが多いように思います。 因みに ”噫気(あいき)”もゲップ。 噫氣(あいき) 1⃣吐き出すいき。呼氣。 2⃣おくび。食べた過ぎた時など、胃にたまったガスの口腔外に出るもの。 噯氣(あいき) 1⃣おくび。吹呿。噫気。 噯の意味より、噫氣よりも噯氣の方が少し温度が高いゲップに感じるのは気のせいでしょうか。 【参考文献】 『大漢和辞典』(株)大修館書店
鎮守の森に足を踏み入れる

【用語集】肝血虚

肝血虚 肝の機能の一つとして、 血を貯蔵し、血流量を調整する「蔵血作用」がある。 具体的な例として 日中など身体を動かす際には、 全身に(気)血がめぐり滋養される。 一方、安静時や就眠時は一部の血は肝に帰り蔵される。 肝が血の滋養を得られないと 肝血虚となるが、 その原因として、 出血過多や病気を長く患うことにより 気血が消耗することがあげられる。 また、血自体が生成されにくい状況も原因となりうる。 『黄帝内経霊枢』 決気篇には、 “焦受気取汁、変化而赤、是謂血。” →中焦で気を受け汁を取り、変化して赤し。これを血という。 とあり、中焦の脾胃が水穀の精微を血へ変化させるが、 脾胃の働きが悪くなると血の生成にも影響が現れる。 腎との関わりでいえば、 肝血は腎精から化し、腎精は肝血によって補うというように、 相互に助け合っているが、それらのバランスが崩れると肝血の不足となる。 肝血虚が進行すると 「心」や「腎」に影響が及ぶ。 心は血を主るといわれ、 心が血虚となると、 「心悸」(しんき:動悸がして不安を伴う状態) 「怔忡」(せいちゅう:心臓が激しく動悸する症状) などがあらわれる。 肝腎は同源であり、 精と血も互いに転化する関係性にあるが、 肝血の不足が長期化すると、 生殖機能の低下や小児の発達遅滞など腎精不足の症状があらわれる。 参考文献: 『黄帝内経素問』 『黄帝内経霊枢』 『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社 『基礎中医学』 神戸中医学研究会 『中国医学辞典』 たにぐち書店 『臓腑経絡学』 アルテミシア 『鍼灸医学事典』 医道の日本社

祖母の脈を診る。

祖母。94歳。要介護4。今年2月に脳梗塞。 30年前ぐらいに大腸癌→人工肛門。 発声はあれど会話は覚束ない。 食欲旺盛。 六部定位脈診……の真似事をしてみる。 …… 肝心脾肺腎のうち、腎が沈なのは予想通りだったか、脾がやたら強いのには腰を抜かした。 次いで、肺も強い。 肝心はかなり弱かった。 うーん、もっと色んな人の脈を診ないと比較ができん。

初めまして。

大阪の鍼灸学生で稲垣といます。宜しくお願いします。 もうすぐ後期単位認定試験が始まります。 試験勉強をしていると、食事が少量になってきます。 お腹いっぱいになって眠くなってしまうのも困りますし、運動不足もあったり、体重を増やしたくないのもあり。。。 そんな生活の中、年をめされた方で食欲が旺盛な方を拝見する機会がありました。年齢を重ねると食は細くなっていくものだろうと思っていましたが。 『養生訓』には老人の食に関しての注意喚起を目にします。 例えば、 「第二章 飲食 (23 老人は食を少なめに)」 ”胃腸虚弱の人、ことに老人は、飲食に傷められやすい。味わいのよい飲食物に向かうときは、我慢をすべきである。節度を越えてはならない。心弱くては欲には克てない。心強くして欲に克つべし。” 僕が目にしたその方を考えるに、単純に”食い意地が張ってる”と、判断するには寂しく感じます。 もしかしたら、水穀の精微を得んが為の必死な姿なのかもしれない。 悩み(主訴)を発する途中なのかもしれないのでは。 それを鍼灸にて治療を考えると腎を補する法なのか・・心の障害を瀉する法なのか・・ もしかしたら、主訴を解消しても、それが最終ではないように感じます。 出典 『口語 養生訓』貝原益軒(日本評論社)
黄色く色づき始めました 11月初旬の箕面

【用語集】肝鬱気滞

肝鬱は 肝気鬱もしくは、肝気鬱結の略称であり、 肝気が滞ることをあらわす。 気滞は、その名の通り、 常に循環しているはずの「気」の流れが「滞」っている状態をあらわす。 肝気の特徴として、 樹木がなんの制約も受けず、 ただのびのびと枝を伸ばしていく様を「条達」。 縦横無尽に全身を動き回ることを「疏泄」と表現する。 精神的な負担などがかかることで 肝気が伸びやかに巡らなくなり、 肝気が鬱屈した状態、すなわち「肝鬱」となる。 参考文献: 『黄帝内経素問』 『黄帝内経霊枢』 『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社 『基礎中医学』 神戸中医学研究会 『中国医学辞典』 たにぐち書店 『臓腑経絡学』 アルテミシア 『鍼灸医学事典』 医道の日本社