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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

陰陵泉

こんにちは高山です。 今日は陰陵泉穴について書いていきたいと思います。 陰陵泉って初めて聞いた時、ちょっとカッコいいって思いました。 陰陵泉の漢字を見てみると、 「陰」は陰陽の陰であったり、 陰真、陰津、陰虚、陰血など陰に関わりのある経穴って イメージです。 「陵」はあまり馴染みの漢字ではなかったのですが、訓読みで「いささぎ」という読みがあるようで、 意味は天皇や皇后のお墓という意味があるそうです。 ということはすごく大事な場所ですね 「泉」は水が湧き出るところ。 つまり陰陵泉は陰に属していて水が湧き出るすごく大事なところって意味で捉えることが出来るかもしれません。 名前のイメージ通り、陰陵泉の穴性は利水と言われています。 脾の運化機能の失調による、水湿や水飲の滞留を通調してくれる作用があります。 つまり脾の失調による水様便や浮腫など、もしかしたら 花粉症の透明な鼻水にも効果があるのかもしれません。 逆に脾の関わりが薄そうな、胸水や、自汗、尿量減少、 関節に水が溜まるなどにも効果があるのでしょうか? 弁証によっては効果があったり、なかったりするのかもしれません。 陰陵泉は脾経の合穴であるので、脾に関係のない水による疾患には効果がないのでしょうか? 水が密接に関わってくる臓腑は腎、脾、肺、三焦な感じがします。 これら全てに陰陵泉に効果があれば、すごく便利かもしれません。 水に関連する経穴をよく調べてみようと思います。

今日の患者さんからの学び

脾と腎に弱りがある患者さんでしたが、弱りがあるからといって、すぐに補えば良いわけではありません。 腹診で下焦に湿や瘀血(畜血)が停滞し、脈や舌からも邪気が強く滞っている状態が確認できる場合は、まずその邪を取り除くことが優先になります。 このような状態で先に腎を補うと、邪気を抱え込んでしまい、かえって症状が悪化することがあります。 まずは湿や瘀血を動かして気血の巡りを整え、その上で不足している腎気や脾気を補うことが大切です。 治療は「何を補うか」だけでなく、「どの順番で行うか」が重要です。邪実を見落として補法を行うと、治療効果が得られないばかりか、症状を悪化させることもあるため注意が必要です。 加えて、穴の選択する際にも、何が不足しているのか、どの穴の性質が今の病態に合うのかを見極めることが大切です。適切な穴を適切な順番で用いることで身体の巡りが整い、本来の回復力が発揮されていきます。

五行大義(08)

学生時代に教科書『新版 東洋医学概論』より 第3章 東洋医学の思想 第2節 五行学説 Ⅱ 東洋医学における五行学説の運用 のところに 『五時(春、夏、長夏、秋、冬):五時は四季(春夏秋冬)に土用を加えたものであり、五季という・・ 』 ここに違和感を覚えておりましたが、 五行大義を拝読し、全てを網羅した分けではありませんが、 五時ではなく、四時(春、夏、秋、冬)としての記述であり、”土”は別の価値観としてあります。 この四時とした方が、立体的に五行として捉えており、 五時(春、夏、長夏、秋、冬)とした場合の、平面的な詰め込んだような違和感が無いように思います。 精査を続けたいと思います。   第二辯體性 (淮南子云)  「形体と性質について」淮南子(思想書)から引用すると、 淮南子云、天地之襲精爲陰陽。 陰陽之專精爲四時、四時之散精萬物。 積陰之寒氣、反者爲水、積陽之熱氣、反者爲火。 水雖陰物、陽在其内。 故水體内明。 火雖陽物、陰在其内。 故火體内暗。 木爲少陽、其體亦含陰氣。 故内空虚、外有花葉。 敷榮可觀。 金爲少陰、其體剛利、殺性在外、内亦光明可照。 土苞四德。 故其體能兼虛實。 淮南子がいうには、天地の襲精は陰陽となす。 陰陽の専精は四時となす、四時の散精は万物なり。 積陰の寒気、反なるもの水となし、積陽の熱気、反なるもの火となる。 水 陰物といえども、内に陽あり。 故に水の体内は明なり。 火 陽物といえども、内に陰あり。 故に火の体内は暗なり。 木 少陽たり、その体または陰気を含む。 故に内は空虚、外は花葉あり。 敷栄して観ることが出来る。 金 少陽たり、その体は剛利、殺性は外にあり、内はまた光明して照らすことが出来る。 土 四徳を苞む。 故にその体はよく虚実を兼ぬ。 【参考文献】 『五行大義』株式会社 明德出版社 『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社

表陽の虚は胃腸の虚に係がる

傷寒論攷注 「案ずるに前條云う所の悪寒已めども、「発熱汗出」然れども猶戸隙の風、傍人起居衣袖の扇風を悪、其脈必ず浮緩、此の証元来表気疏泄有り、故に邪の発散は表実証于速い、然れども表陽の虚は胃腸の虚に係がる、故に表実の一汗にして解するに比べれば、則ち其癒は却って遅く…」   この文から色々発展して思考できそうです。 ここは中風について述べている文で、表陽の虚がなぜ胃腸の虚に繋がるのか。 ここの繋がりはなんなのか。 調べていきます。   傷寒論攷注 「案ずるに「中風」の一証、其人素衛気疏泄して堅からず、或いは労力奔走等の事有り、陽気を擾動かし、表をして開泄せしめて、其虚隙に乗じる也…」   これは霊枢の下の文に繋がると思います。   『現代語訳 黄帝内経霊枢』 営衛生会篇 P 340、341 「 「黄帝がいう。人が熱い飲食物を食べて、これが胃中で未だ精微物質に消化されていないのに、食べるとすぐに発汗する。汗は顔面から出ることもあり、背中から出ることもあり、半身だけ出ることもある。この様に衛気が通常の通路を通らないで、汗となって出るのは何故か。」 岐伯が答える。 「それは、外表に風邪の侵襲を受けて、腠理が開き、毛孔は緩んで、衛気が体表に向かって走り、正気の通路を通ることができないからです。 これは衛気の本性が慓悍ですばやく、どこかに弛緩して開いている部位があれば、そこから出ていこうとするためです。」 」   とりあえず汗に関しては風邪に襲われて腠理が開き、衛気がそこから出ていくから。   『現代語訳 黄帝内経素問』 五臓別論篇 P212 「 黄帝がいう。 「気口の脈を単独で診察するだけで、五臓の変化を知ることができるのはなぜであろうか。」 岐伯がいう。 胃は水穀の海であり、六腑の源泉となっています。 飲食物は口から胃に入り、全て胃に貯留し、脾による輸化の働きによって五臓の気を滋養しています。 気口もまた太陰経であり、さまざまな脈に朝見することを主ります。 こうしたわけで、五臓六腑の気と味は、いずれも胃に源をもって気口に反映するのです。」 」 」   肺経が脾胃の気を受けている事が分かります。 手太陰肺経の始まりである中府の名前も 「中焦の気が集まるところ」 である事から納得できます。   また、脈診で寸口を取るのは、八会穴の脈会である太淵あたりが良く反映されるからではないかと思いました。   最初の傷寒論攷注の文の 「表陽の虚は胃腸の虚に係がる」 とはこういう事なのかなと思いました。   『中医臨床のための方剤学』 P 29 桂枝湯「生姜・大棗の配合は、脾胃を昇発し営衛を補充し振奮させる。」 とあり、桂枝湯に脾胃の薬が配合されている意味にも繋がると思いました。   参考資料 『現代語訳 黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社 南京中医薬大学編著 『現代語訳 黄帝内経素問』 東洋学術出版社 南京中医学院編 『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編著

六經病機(02)

太 (01)はなはだしい。 (02)とおる。 (03)おおきい。 (04)尊稱に用いる。→太后、太君など (05)秦・大に通ず。 (06)夳に同じ。 (07)姓。 明 (01)あきらか。あかるい。 (02)あきらかにする。 (03)あきらかに。はっきりと。 (04)あける。夜がしらむ。 (05)よあけ。あけがた。 (06)あけて。つぎ。 (07)ひる。日中。 (08)あかるみ。 (09)おもて。そと。うわべ。 (10)ほがらか。 (11)おこる。ひらく。 (12)大きい。 (13)さかん。 (14)陽。陰の對。 (15)雄。雌の對。 (16)有形。 (17)この世。現世。 (18)かみ。神靈。 (19)日。月。星。 (20)天。 (21)賢人の述作をいう。 (22)よく治まる。ひらけた國。 (23)視力。 (24)たぐふ。 (25)水道。水の流れみち。 (26)ちかう。盟に通ず。 (27)萌に通ず。 (28)孟に通ず。 (29)猛に通ず。 (30)望に通ず。 (31)朝代の名。朱元璋が元を滅ぼし建てた國。 (32)諡。 (33)姓。 (34)眞言の異名。 少 (01)すくない。すこし。 (02)すこしく。わずか。やや。 (03)すくなしとする。不足に思う。 (04)そしる。かろんずる。 (05)しばらく。しばらくする。 (06)おとる。 (07)かすか。おとろえる。 (08)へる。 (09)かく。 厥 (01)石を発掘する。 (02)ほる。 (03)つくす。つきる。 (04)つく。突きたてる。 (05)病名。のぼせ。足が冷え、頭がのぼせる。 (06)その。それ。 (07)の。 (08)句調を調へる助辭。 (09)みじかい。又、尾の短い犬。 (10)石の名。 (11)ゆれ動くさま。 (12)蹶に通ず。 (13)橛に通ず。 (14)古は氒につくる。 (15)姓。 【参考文献】 『大漢和辭典』大修館書店 (太:第三巻763頁、明:第五巻763頁、少:第四巻89頁、厥:第二巻659頁) 『中医病因病機学』東洋学術出版社

客氣の”客”

景岳全書 伝忠録 夏月伏陰續論 『主氣と異なるものとして、客氣がある。天は五氣を周らし、地は六氣を備えている。・・ ・・この客氣は冬であろうと夏であろうと、その季節とは異なる氣を引き起こして、人々を病気にさせる氣である。・・』 『夏期になると陰気は伏して内にある。これは本来、天地の間における陰陽消長の理である。・・』 の冒頭から始まるこの篇ですが、 朱丹溪との陰陽の考え方の違いを解説し、張景岳の持論を展開している章になります。 この章を咀嚼した内容は別の機会に上げさせて頂くとして、 ときおり出てくる”客”が気になりましたので、調べてみる事としました。 【客氣(かくき)】 1⃣一時のから元気。血氣の勇。假(仮)勇。 2⃣其の歳の運を動かす外部から來る運気。主気に對(対)していふ。 客 ①よせる。よる。身を寄せる。 ②まらうど(客人)。主の對。 ③上客。一座の尊敬する人。 ④かかり人。 ⑤外來人。 ⑥あひて。 ⑦たびびと。 ⑧たび。 ⑨居處(いどころ)の定まらない者。 ⑩人。士。 ⑪とくい。得意。顧客。 ⑫來しかた(過ぎ去った時)。過去 ⑬姓。 この夏月伏陰續論の客氣に関していえば、主たる氣とは別の 「病をもたらす得体の知れない氣」といったところでしょうか。 景岳全書の後の章、「命門余義」の中には 『・・三焦の客熱として邪火がある場合も火が原因となっているのであり、・・』 とあります。この客熱もまた、主体の火化とは異質の火に感じられます。 經穴では、 小陽胆経の經穴で上関穴を別名:客主人といいますが、この場合は 「頬骨弓を挟んだ、下関穴の相手方」という意味として、鍼灸学校で教えて頂きました。 その意味合いだけなのかどうか、今後の新たな発見を目指したいと思います。 【参考文献】 『大漢和辞典』大修館書店 『新版 経絡経穴概論』医道の日本社 『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店

中国の思想(03)

老子 四十七章 知を外に求めるな 不出戸、知天下、不闚牖、見天道。 其出弥遠、其知弥少。 是以聖人不行而知、不見而名、不為而成。 戸より出ず、天下を知り、窓よりうかがわず、天道をみる。 その出ずる事ますます遠く、その知るはますます少なし。 これをもって聖人は行かずして知り、見ずしてあきらかにし、なさずして成す。 「道」を体得したなら、外に出ずとも、おのずと天下の動静が判り、 外を見ずとも、おのずと天体の運行が判る。 ところが、知識を外に求めて、駆けずり廻れば廻るほど、 ますます知識はあやふやになる。 だから、「道」を体得した聖人は、外物に頼らずに物事を理解し、 感覚に訴えずに物事を識別し、知ろうと努めず無為を守って知のはたらきを完全にする。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P84) 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店

お腹と体型

  最近は腹診を中心に勉強しています。   まず自分の体験として一鍼堂で治療を受けさせて頂いて外形の変化で一番感じたところがお腹でした。   下っ腹と側面の形が特徴的なお腹です。   治療を受けていくとだんだんとフラットになり、自分では別人のお腹の様になったと思っています。   そこから似たような人を意識して観察する様にしているのですが、反り腰、股関節の動きが悪いという特徴がある気がします。   まだ例が少ないし勘違いかも知れませんが…   循行的には胃経が絡んでくる場所で、私自身も食や消化器官に関するトラブルが発生しやすいので関連があるかもしれないなと思っています。   また、胃関連の気になったところで、普段はそんなに舌が濡れていていないのにその日はとても唾液が多い人がいた。   腹部を触らせて頂くと胃の部分がとても冷たかった。   お話を聞くと冷たいものが多くなっているらしく、食欲不振も起こっているらしい。   残念ながら背中は触れませんでしたが、反応があるのか気になるところでした。     PS今回のブログで使用している写真ですが淀川花火大会のものです。 自宅付近のとある場所から見えるのですが、3年ぶりでしたのでじっくり観ました。 とても綺麗で、フィナーレの打ち上げではたくさんの歓声が上がっていました。 自宅の近くで毎年行われるイベントなので正直最近はしっかり観れていませんでしたが、やはり行なって頂いた方が8月!って感じで楽しいです。

現代語訳 景岳全書

現代語訳 景岳全書 伝忠録 著:張景岳 訳:伴尚志 今の自分のレベルを考えたら、”原文からのディテールの正確さ”よりも 精度が落ちたとしても全体像の把握を優先したいと考え、 たにぐち書店さんの景岳全書を選択しました。拝読いたします。 いきなり、劉河間や朱丹溪をディスっているので、 何故そういう考えに至ったのか・・理由を知りたいと思います。 【参考文献】 『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店

EBV

■EBウイルス(EBV:エプスタイン・バール・ウイルス) 国家試験は終わりましたが、確認の為に調べておりました。 今までは出題中の4択より1つを見つける知識に重点がありましたが、国試が終わって疾患を調べていると、欲しい情報が異なってきます。 例えば国家試験を見てみると~ (科目でいえば”衛生”や”病理”で出てきやすいのですが) 【過去問】 ウイルスが原因となる腫瘍はどれか? 1、甲状腺腫瘍 2、バーキットリンパ腫 3、ウィルムス腫瘍 4、グラビッツ腫瘍 《正解 2》 1、甲状腺腫瘍←ヨウ素不足、腺腫誘発物質の過剰摂取など 2、バーキットリンパ腫←EBウイルス 3、ウィルムス腫瘍(腎臓がん)←遺伝子異常など 4、グラビッツ腫瘍(腎細胞がん)←喫煙、高血圧、肥満、長期透析など キーワードとして、EBウイルスに関しては 『伝染性単核球症(B細胞にEBウイルスが感染)、バーキットリンパ腫、上咽頭がん、キス病』 ぐらいの知識が把握できていれば、正とするのか、誤とするのかは対応できると思います。 しかし、実際に疾患をお持ちの患者さんが来られたら、 国試のテクニックではなく、悩みに寄り添える知識が必要になってくるな・・と、 因みにバーキットリンパ腫を発見したのはデニス・パーソンズ・バーキット。 イギリス軍の外科医として植民地のアフリカで従事する際に、ウガンダで子供のリンパ腫と出合い、発見することになります。 そこから地理学的相関関係を調査する為に1万5千キロに及ぶ調査を行い、地域分布を調べる事となります。   ■戻気(れいき) 戻気は、癘気(れいき)・異気・疫気・疫毒・乖戻の気(かいれいのき)とも呼ばれる生物要因。 六淫以外の発病要因で、自然界あるいは生物体内に存在し、生命力と発病作用を備えおり伝染性と流行性をもつ。 『素問』   刺法論篇      「五疫の至るや、みな相染易し、大小を問うなく、病状相似たり」 『諸病源候論』疫癘病候篇     「病は長幼の別なく、ほとんどみな似ている」 『温疫論』  原病篇       「この気が来ると、老幼や強弱にかかわりなく、これに触ったものは発病する」 『温疫論』  原病篇       「都市に発生するものもあれば、村落に発病するものもあり、ほかに安全なところはない」 『温疫論』  原病篇       「邪は口鼻から入る」「呼吸する間に、外邪はこれに乗じる」 『諸病源候論』温病令人不相染易候篇「人が乖戻の気を感受して発病すると、病気は伝染し、ついに一門が滅亡し、外部にまで及ぶ」   【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社