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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

傷寒論の学習 その3

(前回ブログ 傷寒論の学習 その2:https://toyoken.org/1179/) こんにちは、大原です。 前回の内容でも書きました通り、 傷寒論で、 陽明病の「提綱証(ていこうしょう)」は 胃実熱証であるということが 学校の教科書や 多くの解説本で述べられています。 根拠となる条文は「陽明之為病、胃家実是也」です。 ですが、『宋以前傷寒論考』という書籍によると、 宋の時代に傷寒論の条文が書き換えられたようで、 宋以前は「胃中寒」だったそうです。 傷寒論の原本は失われているそうですので、 現代において傷寒論の内容を調べていくには、 傷寒論の内容が書かれた古文書をもとにして 汲み取っていくことになりますが、 現代の教科書は、 宋の時代に書き換えられた内容のものを基準にしているのですね。 太陽病が表寒で、 その後につづく陽明病が実熱になることに はじめ違和感を感じていたのを思い出しましたが その謎が少し解けたように感じました。 --------------------------------------------------------------------------------- 参考文献 『宋以前傷寒論考』 東洋学術出版社 興味がありましたら、ぜひ参考文献もお読みください。

最近感じている事

主体性と他力 遠くを感じるためには真っ直ぐそこに向き合わないと到達できない。 また、真っ直ぐになれたとしてもどこまでいけるか? 最終的な主体は自分だけども、自分だけの力では限界がありそうな気がする。 人は個体としていきなり出来上がったわけではなく、天地の交流から生まれた。 生きている間も色んなものを頂いている。 足元が浮ついていれば交流も途絶える気がします。 足の裏の勇泉、掌の労宮。 何かあるのかと気になります。 木が育っていくためには根が必要なのと一緒なのかな。 それにしても桜が散った後の新緑は元気です。 勢いを感じます。   先読み 歩行者を見ていて、あの人今からあの方向に行くのかなとか観察して勉強。 遠めの人の方が分かりやすい現象も勉強になります。   縮こまる 知識に捉われると大きな動きが出来なくなる。 溶け込むことが大切だなと思います。 自分も大きな流れの中の一部といった認識でいることにしてみました。   入浴 最近風呂に入る時電気を消して入っています。 静かさが増すのでとても良い感じです。 周りのザワつきは単純に騒がしい事もあるけど、自分が騒がしい事もある。   春の空気 浮ついているというか、フワフワしてる気がします。 今年は花粉がスゴイらしいのですが、例年に比べてそういった部分はどうなんだろうと気になっています。   歩くテンポ 現代人は急ぎすぎている。 早歩きしている時とゆっくり歩く自分の差も勉強になってます。 ゆっくりするからノロマになる訳でもないと思います。  

舌診(08)

治療家のT先生に舌の研究の為にご協力頂きました。 舌を撮影させて頂く時は、 念のために表だけで2枚、裏だけで2枚撮影します。 色調の違いを考えて今回はこの画像を選択しました。 表 裏 舌質 淡白舌 嫰・点刺・歯痕 舌苔 白苔 全体・薄苔 仕事終わりに撮影をさせて頂こうかと思っておりましたが、 時間がありましたので、業務の前に撮らせて頂きました。 舌尖の紅が痛々しいですが、”朝” というのも要因の一つかと思います。 裂紋が出来てからかなりの時間が経過しているのかと思います。 T先生の舌は昨年より診させていただいておりますが、 瘀斑の境目が緩やかに感じます。 状況により変化があるのでしょうが、 安定している好転反応を感じます。

東洋医学探訪(02)

鍼灸学生の授業の一環で解剖実習があります。 東洋医学を学ぶ者として 『太古の医家達も、間違いなく解剖実習で学んでいるだろうな』 と考えておりました。 京都で医学史の1ページに触れてまいりました。 山脇東洋觀臓之地 ーーーーーーーー碑文ーーーーーーーーー 近代医学のあけぼの 観臓の記念に 1754年 宝暦4年閏2月7日に 山脇東洋(名は尚徳 1705~1762)は所司代の官許をえて この地で日本最初の人体解屍観臓をおこなった。 江戸の杉田玄白らの観臓に先立つこと17年前であった。 この記録は5年後に『藏志』としてまとめられた。 これが実証的な化学精神を医学にとり入れた成果のはじめで 日本の近代医学がこれから めばえるきっかけとなった東洋の この一業をたたえるとともに 観臓された屈嘉の霊をなぐさめるため ここに碑をたてて記念とする。 1976年3月7日 日本医師会 日本医史学会 日本解剖学会 京都府医師会 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 六角獄舎跡は二条城の南の因幡町にあります。 跡地は集合住宅であり、石碑のみの設置でした。  

不妊治療と鍼灸

40代モデル患者さんのことについて書いて行こうと思います。 3回の体外受精が妊娠に繋がらず、鍼灸治療で体のケアしたいとご来院。 体を切診したところ、肝、腎に弱りがあり脾の運化にも影響しているようだった。 飲酒の習慣があり、湿をおびた瘀血が見受けられ、気の鬱滞をおこしていました。 補腎、疏肝、活血化瘀を重点に治療。 週一回のペースで治療していき、4回目の体外受精で妊娠。 妊娠後、脾の弱りも出できて悪阻や倦怠感など妊娠初期に表れる症状を健脾、調気和中を重点に治療し安定期に突入しました。 妊娠中の身体はとてもデリケートなので、妊娠後期も快適に過ごせるよう細心の注意をはらいながらサポートしていこうと思います。

終了しました【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう!

こんにちは。 鍼灸学生の皆さんへお知らせです。 この6月から、金曜日または土曜日の午後に 学生向けの東洋医学の講座を開催していく予定です。 目標はズバリ「東洋医学概論を自分のものにしよう!」です。 ・『東洋医学概論』の授業が、よく分からない方 ・東洋医学系の試験科目の点数を上げたい方 ・将来は伝統的な鍼灸治療を行っていきたい方 にオススメです。 内容の丸暗記ではなく理解をしていくことで、 試験の点数UPはもちろん、将来、 東洋医学の考え方に基づいた治療を行うための 助けになればと思います。 参加希望・お問い合わせはこちらへ↓ 学生向け勉強会フォーム ↑「エントリーしたい議題」の欄に 金曜日参加希望の方は「金曜日・東洋医学概論」と、 土曜日参加希望の方は「土曜日・東洋医学概論」とご記入ください。 送信後、事務局から追って御連絡差し上げます。 (参加申し込み人数が2名に満たない場合は中止となります。御了承願います。) 以下、詳細です。 【参加対象】 鍼灸学生(1年生~3年生)で、 東洋医学の授業の内容をより理解したいという方 【スケジュール】 (1)金曜日の部(終了しました) (基本的には、毎月第2・第4金曜日の15時00分〜17時00分頃) ・第1回 2018年6月15日(金)15時〜17時頃 ・第2回 2018年6月29日(金)15時〜17時頃 ・第3回 2018年7月13日(金)15時〜17時頃 ・第4回 2018年7月27日(金)15時〜17時頃 ・第5回 2018年8月10日(金)15時〜17時頃 ・第6回 2018年8月24日(金)15時〜17時頃 (2)土曜日の部(終了しました) (基本的には、毎月第2・第4土曜日の14時30分〜16時半頃) ・第1回 2018年6月16日(土)15時30分〜17時30分頃 ・第2回 2018年6月30日(土)14時30分〜16時30分頃 ・第3回 2018年7月14日(土)14時30分〜16時30分頃 ・第4回 2018年7月28日(土)14時30分〜16時30分頃 ・第5回 2018年8月11日(土)14時30分〜16時30分頃 ・第6回 2018年8月25日(土)14時30分〜16時30分頃   【予定内容】 講義テーマ (基本的には、学校の教科書の順番に沿って行っていきます。 進捗状況によってはズレが生じます。) 第1回 東洋医学の特徴、陰陽論 第2回 生理物質(気・血・津液・精) 第3回 蔵象① (各臓腑のはたらき 「肝」・「心」) 第4回 蔵象② (各臓腑のはたらき 「脾」・「肺」) 第5回 蔵象③ (各臓腑のはたらき 「肺」続き、「腎」) 第6回 病因病機 【参加費】 1回あたり2,500円 【会場】 一鍼堂 大阪本院 内(緑地公園駅から徒歩2〜3分) 【講師】大原 気になる方はぜひお問い合わせください! 参加希望・お問い合わせはこちらへ↓ 学生向け勉強会フォーム ↑「エントリーしたい議題」の欄に 金曜日参加希望の方は「金曜日・東洋医学概論」と、 土曜日参加希望の方は「土曜日・東洋医学概論」とご記入ください。 送信後、事務局から追って御連絡差し上げます。 (参加申し込み人数が2名に満たない場合は中止となります。御了承願います。)   上記勉強会とは別に、 東洋医学概論の内容の基礎ともいえる「黄帝内経」の内容を 原文から紐解いていく勉強会も開催中です。 こちらも気になる方はぜひお問い合わせください! 詳細はこちら↓ 【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です →毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜 (途中からの参加も可能です。)

舞台など

舞台 主役をどこに置くか。 そこが以前からずっと課題として残っている。 受付でもこのシーンはこの人にやってもらった方がいいかな?と考えたりもするが黒子になる意識が薄い。 これはチームで行っている事。 受付時、一緒に働いている方々にやって頂いている事を思い返す。 上手い人達はサラッとして作意がないが、落としたところを助けて頂いている。 そうなる為にまずは太極的に、先の動きも考える。 感じられるところまでいければいいが、まずは考えてみる。 考えた上で考える事が違っていれば考えを捨てる。 自分の場合、内省して答えを出すというより、他からヒントをもらって練度を上げていきたい。 外を見る目を養う為にも意識を変えなきゃいけないな。 やり方は色々試していきます。   舌の考察①     色:淡紅 形:軽く歯痕舌、軽く胖大 その他:斜舌 裏は出すのに苦労している様子も窺える。 正気が無くて出せないというより、緊張して舌を操作出来ていない印象。 口の開け方、舌下静脈は偏る     脾気虚。 口の開け方や斜舌など偏りを感じる。 気の偏りがあるかもしれない。 また、舌下を見せるのに歯が見えるまで出すところに真面目で気逆を起こしやすい要素があると思われる。   舌の考察②     前回よりも舌下静脈付近の細絡が目立つ。 これも瘀血の症候としてみれそうか。 以前として強い歯痕舌が見られ、気虚の程度が強い。   考察③ 暗紅色、裏に熱がこもり、瘀血。 自身の体なので他の情報と一致させられるが、舌先右の赤みは右の上焦の停滞と一致させられるかもしれない。

肺陰虚証を勉強していて思った事

授業で肺陰虚証について勉強したので、その時に思った事を書いていきます。 陰虚:乾燥/内熱 1.発熱→乾燥→陰虚 燥熱 2.五志の化火→乾燥→陰虚 体内で熱が生じ、次第に乾燥して、陰虚になっていく。日本では湿熱が多いですが、 砂漠のような地域には燥熱が多い。 五志の化生は、情緒、感情から生じる熱 というような話だったかと思います。 私は1は外因の影響で、熱証になり、2は内因の影響によるもので、 燥熱は気化熱みたいなものなのかと思い、燥熱の意味?を調べてみると "燥邪を受けて津液が消耗しておこる病証。内熱と合わさることで更に消耗する"とありました。 気化熱は、感覚として身体についた水分がすぐに蒸発し、体感的には涼しくなる感覚でいましたが、 気化熱についても改めて言葉で見てみると "1モルまたは1グラムの液体を、同温度の気体にするのに必要な熱量。液体が気体になる際に周囲から吸収する熱のこと。"とあり、 話の流れから受け取った雰囲気とは少し違いました。 情緒、感情から熱が生じることで乾燥し陰虚になるというのは、ぱっと思いついたのは、 怒りの感情が、肺や頭の方へ上昇していくイメージでした。 ただ五志には怒だけではなく喜笑、思、憂悲、恐驚があり、他のものが原因だとどうなのか、と考えました。 考え過ぎると気は滞り、それに伴って何かが熱に変わるのか。 驚いたときには心が消耗してバランスが崩れてどこかで熱が生まれるのか。 喜は…小さい子どもが遊びに行くのを楽しみにしていた日に熱を出すこと、は関係があるのか。その場合は何が熱化したといえるのか。 小さい子は脾が未熟であることから涎が出やすい、と習いましたが、大人と比べて 身体が未成熟なために五志の化生が起こりやすいことはあるのか。

素問 陰陽応象大論篇(第5)から その2

<学生向け 近日開催予定のイベント> 【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう! →(随時お問い合わせ受付中です!) 【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です →毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜(途中からの参加も可能です。) こんにちは、大原です。 前回の続きで、「素問を読もう!勉強会」でも 少し触れた内容になります。 (前回の記事→素問 陰陽応象大論篇(第5)から) 前回は、素問 陰陽応象大論篇(第5)の中の 人体を構成するものの、 それぞれの相互転化についての記述について 考えていきました。 ↓この一連の流れが重要であるという読み方をしてみました。 「味」→「形」⇄「気」→「精」⇄「化」 さて、素問の記述では、 最初の「味」は「陰」によって生じるとあります。 (「陰」→「味」) もう一度原文を確認してみましょう。この2行目にあります。 【原文と読み下し】 ・・・ 水為陰、火為陽。(水は陰となし、火は陽となす。) 陽為氣、陰為味。(陽は気となし、陰は味となす。) 味帰形、形帰氣、氣帰精、精帰化。(味は形に帰し、形は気に帰し、気は精に帰し、精は化に帰す。) 精食氣、形食味、化生精、氣生形。(精は気に食(やしな)われ、形は味に食(やしな)われ、化は生を生じ、気は形を生ず。) 味傷形、氣傷精。(味は形を傷り、気は精を傷る。) 精化為氣、氣傷於味。(精は化して気となし、気は味に傷らる。) ・・・ 2行目の「陽」や「陰」とは何を指すのかというと、 「陽」とは「天」のことで、 「陰」とは「地」のことであると、 この文章の前の部分の文脈から解釈できます。 すなわち「味」である飲食物とは、 「陰」すなわち大地のエネルギーによって 生じるということになります。 (「エネルギー」という言葉以外に良いキーワードが思い浮かびませんでした。 他に何か良い訳し方があるでしょうか、教えてください。) 形(肉体)や気、精は、正しい飲食によって得られると 前回の記事でまとめましたが、 さらに正しい飲食とは、 しっかりした大地のエネルギーから生じるということになります。 ちなみに、これらをまとめると 「陰」→「味」→「形」⇄「気」→「精」⇄「化」 となります。 現代の食生活における食材は、 大地のエネルギーをしっかり得たものかというと そうとも言いきれないのでは?と感じてしまいます。 例えばインスタント食品や人工的に作られた調味料などは、 大地のエネルギーがほとんど無いのではないでしょうか。 また、旬のものでない野菜も 現代はビニールハウスなどによる栽培技術によって 手に入りやすくなっていますが、このような季節外れの野菜は しっかりと栄養がとれるのでしょうか? 素問の内容から、そのような疑問をふと感じてしまいました。 (現代の農業の技術に関して私は全くの素人ですので、 このような疑問が間違ってましたら謝ります、すみません。) 参考までに、 「五味」の働きについての記述もこのあと出てきます。 辛散、酸収、甘緩、苦堅、鹹耎。 辛は散じ、酸は収め、甘は緩め、苦は堅くし、鹹は耎(やわ)らかにす。 (『素問 蔵気法時論篇』(第22)) さらに、 五味所入、 酸入肝、辛入肺、苦入心、鹹入腎、甘入脾、 是謂五入。 五味の入る所、酸は肝に入り、辛は肺に入り、苦は心に入り、鹹は腎に入り、甘は脾に入る、 是(こ)れを五入と謂(い)う。 (『素問 宣明五氣篇』(第23)) 五味の働きについては 現代の薬膳関係の書籍に書かれていますので、 薬膳に興味がある方はご存知かも知れません。 ですが、例えば、 いくら酸味や甘味のある食材を用いて調理したとしても、 その食材にしっかりとした陰がなければ、 味覚としては酸味や甘味を感じたりしても、 実際には身体を養うような本来の食物としての作用が 発現されないのではないでしょうか。 五味は大地のエネルギーから生じるという 原則的な内容について書かれた書籍は 個人的にあまり目にしたことがありませんが、 重要なことのように思います。 参考文献 『黄帝内経 素問』 東洋学術出版社
日にあたる猫

食べることについて②

皆さまこんにちは、イワイです。 前回の続きです。 〝後天の精〟とは生まれ持った〝先天の精〟とは別に 飲食物から補います。この後天の精の全身へのルートをみてみますと、 後天の精 ↓ 別名 水穀の精微といわれる ↓ 一部は気、血に化生→全身の組織、器官に行き渡る ↓ 残りの一部は 腎 に収まる となっています。 次は〝精〟の作用についてです。①〜③ ①生殖 ②滋養→人体の組織、器官に滋養する 詳しくみてみると、 精は必要に応じて、血へ変化。 ↓ 血も旺盛、正常に各組織、器官を滋養。 精は気へ化生。 ↓ 人体の新陳代謝を推動、抑制し生命活動を維持する。 精は人体を構成する基本物質と捉えられており、 東洋医学では精が充足していると、 生理機能は正常に働くと考えられています。 ③神の維持 神:広義では、生命活動の総称であり、精が充足することで、神の機能が保たれる。 狭義では、精神、意識 、思惟活動を主るもの。 ここからは、勉強した感想です。 飲食物を食べることで、西洋医学的に考えるとエネルギー源となるということ、一方で東洋医学的に考えると、エネルギー源という役割と五臓六腑が正しい働きを出来るようにしていたり、精神活動も主ることになるので、幅広い意味で捉えることが出来ることに気づきました。 【参考文献】 『新版 東洋医学概論 』東洋療法学校協会