梅核気
肝気鬱結を勉強している際に気になる言葉が出てきたので調べてみました。
肝気鬱結の症状には、イライラする、憂鬱、有声のため息がよく出る、
胸腹部の脹痛、月経不順などがあるが、その中に「梅核気」というものがありました。
「梅核気」は現代病名だと神経性咽喉部狭窄症(ヒステリー球)というそうです。
のどに梅干しの種があるような違和感があり、飲み込もうとしても
吐き出そうとしてもなくならないが、飲食は普通にとれる。
気の滞りによって咽喉部に痰が生じていることによって異物感があるようです。
ストレスが原因の病は現代に多いような感じがしますが、金匱要略にも
「婦人、咽中に炙臠(あぶった肉の切り身)有るが如きは、半夏厚朴湯之を主る」
とあり、婦人・・・と書かれているが、男性にも起こる。
他の臓器の影響(脾胃が多い?)、過度の情志、情志の抑制などによって肝の
疏泄作用が失調することによって発生した気滞が肺に昇って起こる。
理気去痰解うつ作用のある半夏厚朴湯を用いて治療するとあるように、薬物による治療が行われることが多い。
梅の種は肉のかたまり、というより大きいしもっと固いように思いますが
実際に梅核気があるような方に尋ねると名前の由来となっている梅の種が
つまっているような、ということはわからないけど息苦しい感じがあり、不快であるとのこと。
臨床医学総論でもヒステリー症を勉強した際に、ヒステリーはギリシャ語で「子宮」を
意味することから昔は子宮が原因で引き起こされる女性の病気とされていた、と習いました。
西洋でも東洋でも同じように病を分類していることもあるのかと思うと興味深く感じました。
初めまして。
大阪の鍼灸学生で稲垣といます。宜しくお願いします。
もうすぐ後期単位認定試験が始まります。
試験勉強をしていると、食事が少量になってきます。
お腹いっぱいになって眠くなってしまうのも困りますし、運動不足もあったり、体重を増やしたくないのもあり。。。
そんな生活の中、年をめされた方で食欲が旺盛な方を拝見する機会がありました。年齢を重ねると食は細くなっていくものだろうと思っていましたが。
『養生訓』には老人の食に関しての注意喚起を目にします。
例えば、
「第二章 飲食 (23 老人は食を少なめに)」
”胃腸虚弱の人、ことに老人は、飲食に傷められやすい。味わいのよい飲食物に向かうときは、我慢をすべきである。節度を越えてはならない。心弱くては欲には克てない。心強くして欲に克つべし。”
僕が目にしたその方を考えるに、単純に”食い意地が張ってる”と、判断するには寂しく感じます。
もしかしたら、水穀の精微を得んが為の必死な姿なのかもしれない。
悩み(主訴)を発する途中なのかもしれないのでは。
それを鍼灸にて治療を考えると腎を補する法なのか・・心の障害を瀉する法なのか・・
もしかしたら、主訴を解消しても、それが最終ではないように感じます。
出典
『口語 養生訓』貝原益軒(日本評論社)
今日の患者さんからの学び
脾と腎に弱りがある患者さんでしたが、弱りがあるからといって、すぐに補えば良いわけではありません。
腹診で下焦に湿や瘀血(畜血)が停滞し、脈や舌からも邪気が強く滞っている状態が確認できる場合は、まずその邪を取り除くことが優先になります。
このような状態で先に腎を補うと、邪気を抱え込んでしまい、かえって症状が悪化することがあります。
まずは湿や瘀血を動かして気血の巡りを整え、その上で不足している腎気や脾気を補うことが大切です。
治療は「何を補うか」だけでなく、「どの順番で行うか」が重要です。邪実を見落として補法を行うと、治療効果が得られないばかりか、症状を悪化させることもあるため注意が必要です。
加えて、穴の選択する際にも、何が不足しているのか、どの穴の性質が今の病態に合うのかを見極めることが大切です。適切な穴を適切な順番で用いることで身体の巡りが整い、本来の回復力が発揮されていきます。
蹲踞
何か自宅で出来るトレーニングはないかと考えていたのですが、蹲踞(そんきょ)という姿勢が自分にとっては良いのではと思い、訓練中です。
その姿勢を取りながらすり足で前後左右に歩いたりもするのですがこれが意外と難しい。
足首の硬さもそうですが、特に右に動いた時によろけやすい。
自分の体はどうなっているのか?と考えた時、昔からやっているフットサルやサッカーの影響があるのでは?と感じました。
《藤本蓮風 経穴解説》P 14
「職業によって、経絡・経筋が普通の人より異常に偏っている。偏っている方に気の停滞だ起こる、という診立てが当たったということです。
現代は、皆さんコンピューターをやりますね?キーボードやマウスなどで、どの指にどのように負荷がかかるか?同時に目も疲れますが、何経に狂いが起こるのか?を考えてみて下さい。
生活習慣や職業が、経絡・経穴を決定づけます。」
フットサル・サッカーは切り返しを多用するので、
どうしても足の外側に負荷がかかるシーンが多くなり、O脚が多いと言われます。
私も両足共に外旋気味です。
また、プレーも人一倍右足に偏ったプレーを行うので、片足に負担が大きく左右差も生まれやすいのかもしれないと思いました。
動作を確認すると、右足の第四趾の動きが悪い。
これは足少陽胆経(筋)への影響を表すのか?
《現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻》 P231 経脈篇
「足の少陽胆経…体を転側することが出来なくなる」
私は腰を右に捻る動作が苦手なのは、足少陽胆経(筋)に影響した結果なのか?
日常動作も確認していきたいと思います。
参考資料
「現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻」 南京中医薬大学編著 東洋学術出版社
「藤本蓮風 経穴解説」 藤本蓮風著 メディカルユーコン
異名同穴③
李世珍の下で働いていた方に、異名同穴について尋ねたことがあります。
「李世珍の家の伝来の呼び方がある。」との事。
その時は、中国の『宗族(父系中心の一族)』や『圏子(利益を共にする集団)』といった文化圏を想像しました。
③3つの異名のあるもの
穴名 異名
陰郄穴 : 少陰郄穴、石宮穴、手の少陰郄穴
隠白穴 : 鬼疊穴、鬼眼穴、陰白穴
会陰穴 : 下極穴、平翳穴、屏翳穴
京門穴 : 氣付穴、氣兪穴、腎募穴
氣衝穴 : 氣街穴、羊屎穴、氣冲穴
厥陰兪穴 : 関兪穴、厥陰穴、闕兪穴
三陽胳穴 : 通門穴、通間穴、通関穴
上巨虚穴 : 巨虚上廉穴、上廉穴、足の上廉穴
衝門穴 : 慈宮穴、上慈宮穴、前章門穴
水分穴 : 中守穴、分水穴、正水穴
人迎穴 : 頭五会穴、五会穴、天五会穴
兌端穴 : 壮骨穴、兌通鋭穴、唇上端穴
太淵穴 : 鬼心穴、太泉穴、大泉穴
大陵穴 : 心世穴、鬼心穴、心主穴
中膂兪穴 : 脊内兪穴、中膂内兪穴、背中兪穴
通天穴 : 天臼穴、天旧穴、天白穴
手の五里穴 : 尺の五里穴、大禁穴、尺の五間穴
天突穴 : 玉戸穴、天霍穴、天瞿穴
然谷穴 : 龍淵穴、然骨穴、龍泉穴
陽輔穴 : 絶骨穴、分肉穴、分間欠
陽陵泉穴 : 筋会穴、陽の陵泉穴、陽陵穴
白関兪穴 : 玉関兪穴、玉房兪穴、陽兪穴
胳却穴 : 強陽穴、脳蓋穴、絡郄穴
【参考文献】
『臨床経穴学』東洋学術出版社
『鍼灸医学事典』医道の日本社
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
食べることについて②
皆さまこんにちは、イワイです。
前回の続きです。
〝後天の精〟とは生まれ持った〝先天の精〟とは別に
飲食物から補います。この後天の精の全身へのルートをみてみますと、
後天の精
↓
別名 水穀の精微といわれる
↓
一部は気、血に化生→全身の組織、器官に行き渡る
↓
残りの一部は 腎 に収まる
となっています。
次は〝精〟の作用についてです。①〜③
①生殖
②滋養→人体の組織、器官に滋養する
詳しくみてみると、
精は必要に応じて、血へ変化。
↓
血も旺盛、正常に各組織、器官を滋養。
精は気へ化生。
↓
人体の新陳代謝を推動、抑制し生命活動を維持する。
精は人体を構成する基本物質と捉えられており、
東洋医学では精が充足していると、
生理機能は正常に働くと考えられています。
③神の維持
神:広義では、生命活動の総称であり、精が充足することで、神の機能が保たれる。
狭義では、精神、意識 、思惟活動を主るもの。
ここからは、勉強した感想です。
飲食物を食べることで、西洋医学的に考えるとエネルギー源となるということ、一方で東洋医学的に考えると、エネルギー源という役割と五臓六腑が正しい働きを出来るようにしていたり、精神活動も主ることになるので、幅広い意味で捉えることが出来ることに気づきました。
【参考文献】
『新版 東洋医学概論 』東洋療法学校協会
真夜中のドン
昨日の事。
寝る前に鍼の事を考えて就寝。
夜中に目が覚める。
うつらうつらしてる。
ふと足を切経する。
寝る前も気になっていたが、薄暗くこの様な状況だと顕著。
明らかに形態もおかしく崩れていて、奥行きを感じる。
ここに置きたいと感じた。
幸い枕元に鍼を置いていたので一連の流れは崩れずに済んだ。
置く直前に東洋医学考で読んだ四肢の経穴を使う時の刺法が浮かんだ。
暗いので鍼先なども見えないけど、刺法だけ注意して後は何となく感覚で照海に置く。
ドンっといった重低音に近い感覚があった。
後の反応を追う前から分かる良い感覚。
しばらくするとこの前教えて頂いた2箇所に変化が現れる。
自分に対してだと今までで一番良い鍼ができた気がして嬉しくなった。
六味丸を使った感覚と少し似てる。
参考資料
東洋医学考 星雲社 一鍼堂出版
朗読、会話
朗読
最近人に合わせるって難しいなと痛感しています。
合わせにいったらより合わなくなる感じがします。
正直どうしようかと悩み中なのですが、何かしらやっていかないと変わらないので色々試していっています。
最近試し始めた事が人の朗読しているところの真似です。
心から入れれば一番いいのでしょうけど、できていないのでまずは形から入ろうと思ってYouTubeなどで人が行なっている朗読を真似してみています。
人との会話中に全く同じ事をしていたら違和感が生まれそうですが、相手と同じ事をする必要があるので少しは相手の理解に繋がる気がします。
また、長い文章になると腹から声が出ていないと読みきる事ができないので伝わりやすい声を出さなければいけなかったり、瞬発的に言葉を出す訓練にもなります。
会話
ストレスなく一緒に過ごせる人は波長が合って自然に過ごせる。
家族でも体調不良を起こすと様子が違ってくるので違和感から色々察知しやすいと言った話をよく聞く。
違和感を察知できるのは、同じ空気感をもった人の違和感だと思う。
鍼灸院には若者からお年寄りまで幅広い年齢の方が来るし、色んな個性を持っている。
そういった相手を理解しようと思えば尊重しなければ話は始まらない。
綺麗なものばかりに囲まれているとそう言った人にしか対応できなくなるし、逆もそうなる。
本当に会話上手な人は違和感を感じない。
きっと一致してるんだと思う。
ネガティブなもの
会話の中でネガティブなものが出てくるとそれに同意してはいけない。
もっていかれる。
ただ真っ向から否定するとそれもまた問題なので違和感を感じさせずにかわす必要がある。
中医内科学 その2 心の病理①
前回の記事
『中医内科学 第2版』冒頭
臓腑の働きについて
『中医内科学 第2版』P.49〜、P.72〜より
心
『霊枢』邪客篇にて
「心なる者、五臓六腑の大主なり、精神の舎(やど)る所なり。」
とあり、
心の主な生理作用は、神明を主るものである。
『素問』痿論篇にて、
「心は身の血脈を主るなり」
とあり、
心は血脈を主るとは、また特別重要な生理作用であり、
ゆえに神明を失し、血脈が不利になることは、
心の基本病理変化である。
(1)心不主神明(心、神明を主らず)
・・・心が常を失すると、心神安ぜず、神舍を守らず、
患者に失眠りや多夢、恍惚(こうこつ)、健忘、惊悸、恐怖、
妄言、妄見、ときに悲しみ、ときに喜ぶ、ふるまいが常を失して、
痴呆、癲狂等の病証。
甚だしき場合は、神明が閉塞あるいはばらばらになる、
うわごと、意識がはっきりしない、
神明が臓腑百骸を統率・主宰できなければ、
患者の生命に危険がおよぶ。
ゆえに
『素問』霊蘭秘典論篇では
「主が明らかならざれば十二官危うし、
使道閉塞して通ぜず、形すなわち大いに傷れる」とあり
心が神明を主らなければ、心神が失養して、邪気受けて心竅を乱す。
心の要は正常な神志活動の進行であり、
必ず気血陰陽の充養を頼る。
・・・
ゆえに『景岳全書』では
「営は血を主り、血虚なれば心を養えず、心虛なれば心は舍を守れず」
とある。
心竅に、火熱、痰濁、瘀血などの邪気が犯せば、神明は主を失し、
軽ければ火熱擾心、神志不寧となり、患者は失眠や多夢、煩躁あるいは精神狂躁等を引き起こし、
甚だしければ痰濁、痰火、瘀熱が心竅をあざむき、嗜睡、痴呆、昏迷等を引き起こす。
ゆえに『霊枢』邪客篇では
「心なる者、その蔵強固にして、邪容(い)るあたわざるなり。
これに容(い)ればすなわち心傷れ、
心傷るればすなわち神去り、神去ればすなわち死す。」とある。
(2)心不主血脈(心、血脈を主らず)
については次回に続きます。
■参考文献
『中医内科学 第2版』 人民衛生出版社
京都薬用植物園の呉茱萸(ごしゅゆ)
武田薬品工業(株)の京都薬用植物園で、年に4回行われている研修会があります。
今回は『晩秋の研修会』との事。
一般向けの研修会で、特に専門的な講義が行われるというものでは無いのですが、実体験もさせて貰えるのを楽しみに参加しています。
私は2回目の参加となります。
今回は漢方処方園、樹木園、温室を回りました。
「味見してみますか?」のコーナーでは呉茱萸(ごしゅゆ)を頂きます。
物凄く辛いのをご存知でしょうか?・・辛いです!
呉茱萸
[効能]
◦ 暖肝・散寒止痛
◦ 下気止嘔 など
この辛さを感じると”効能”になんとなく納得が・・
前回の研修会でも味見をさせて頂きましたが、体験する度に植物のもっている”力”を強く感じます。
漢方薬においては、個々の植物を適切な配分でコーディネートする事で、服用の効果を最大にしているのだろうと考えさせられます。
逆に、個々の主張が強いので、調和をとる材料、飲み易くする材料を共に配合する必要があるのかとも思います。
鍼の調和は切経や刺鍼をする”その時”に、人間の手によって加減できるところなのでしょうか。
薬との違いであったりするように思うのですが、いかがなものでしょう?
薬草のあまりの刺激の強さに色んな事を考えてしまう『晩秋の研修会』でした。
【参考文献】
・中医臨床のための中薬学(東洋学術出版社)









