ホーム Blog ページ 14

Blog

東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

京都薬用植物園の麻黄

先日、武田薬品工業(株)京都薬用植物園の『初秋の研修会』に行ってまいりました。 東洋医学の理解の為に、漢方の勉強の一環です。 ガイドの案内で植物園を一周します。 管理する研究員の方々は展示に趣向を凝らしていました。 「麻黄は砂漠に生息しているので、砂漠を模したスペースを造園中です」との事。。 『中薬学』などで、麻黄の効能(辛温解表薬・・)などについて書物の中を散策する事はありましたが、その植物の生息環境を考える事はありませんでした。 その気づきを頂いただけでも行った甲斐はあったように思います。 実際には麻黄の種類も豊富で砂漠のみの生息ではないようですが、基本的には乾燥した地域に生息するようです。 ”乾燥した地域に生息し、解表薬となる” この自然環境が導き出した答えに、探求心が沸き起こります。 水の上限で潤いの必要な華蓋に対して、効能のある植物が乾燥した地域に生息し、成分を蓄える・・ 私は中国で砂漠となると、思いつくのがタクラマカン砂漠でした。ゴビ砂漠もあり、砂漠は実際には複数存在します。 解表、皮毛、肺、砂漠・・西?、金の相生⇒水 『五行大義』 金居少陰之位。西方成物之所。物成則凝強。少陰則清冷。故金以強冷為體、従革為性。 現在は『五行大義』をよく読みますが、面白いルールが隠れていうように思えて仕方がありません。 【参考文献】 中薬学(東洋学術出版社) 方剤学(東洋学術出版社) 五行大義(明德出版社)

患者、食べ飲み など

患者 今週寺子屋で見せて頂いた患者さん、もし自分があの人ならどういう気持ち、体になるか。   声や様子から色々気にされそう。   治療してなかったら心臓が心配だな。   生殖器関係に問題はないかな。   気逆を起こして気にされやすいだろうから、言葉遣いはどうした方がいいかな。   敏感そうだから特に時間をかけたらいけないな。   拾えなかったけど本当に心経の辺りに反応がなかったんだろうか。   あの状態なら出やすいと思うんだけれども…     食べ飲み   先日友人の結婚式があった。   そこでのスケジュールが11時〜披露宴 15時〜二次会 と言った胃腸にとってのハードスケジュールだった。   家に帰ってお腹を触ると胃がパンパン。   足では地機が硬くなっていた。   浅めに刺しても痛かったのですが、腹満は楽になりました。   舌の変化も見ていたのですが、翌日の変化など特に勉強になりました。   また、大人数は大変だなと改めて実感。   自分の課題です。     感覚 本を読みながら何かを触る。   何も見ずに何かを触る。   感覚が全然違う。   触覚だけでなく、全ての感覚がそうだと感じる。   今、きちんと周りの音を拾えているか?   それがノイズの様に聞こえるか、キチンと聞こえるかは自分の状態によって違う。   そこを聞こうとすれば別のものを拾い溢す。   こちらから行くべきじゃないんだろうな。   結局それが何なのか?とその場で気にしてる時点でダメなんだと思います。     実験   ↑の事を考えていて、先週の寺子屋ではできる限り周りの状況観察に努めてみた。   やり始めの少しの間はいい感じだったのですが、ずっとやっているとしっくりとこなくなりました。   停滞するといい感じじゃなくなる。   一気にその場の空気とのギャップが出てくる感じがしました。   理論から実践しようとしましたが、これは無理だなと痛感。   実践から理論なら可能なんだと思います。     経穴 勘違いかもしれませんが、その穴に対してどういう認識を持つかで効果が変わってくると、何となく感じた出来事がありました。   補寫といった話ではなく、刺し方でも全く違う目的になるのではないのかなと感じています。     背中 知り合いの身体を借りれたので刺させて頂いた。   普段は腹などでみますが、その時は背中で変化を追ってみた。   脾募と脊柱など一致する部分が見られて勉強になりました。

五行大義(3)

炎上 火曰炎上。炎上者南方揚光輝、在盛夏氣極上。 故曰炎上。王者向明而治。蓋取其象。 古者明王南面聽政、攬海内雄俊、積之於朝、以助明也。 退邪佞之人臣、投之於野以通壅塞。 任得其人則天下大治、垂拱無爲。 易以離爲火爲明。重離重明、則君臣倶明也。明則順火氣。 火氣順、則如其性。如其性則能成熟、順人士之用。 用之則起、捨之則止。 若人君不明、遠賢良進讒佞、棄法律疎骨肉、 殺忠諫赦罪人廢嫡立庶、以妾爲妻、則火失其性、不用則起、 隨風斜行、焚宗廟宮室燎于民居。 故曰火不炎上。 火は炎上という。炎上なるもの南方に光輝を揚げ、盛夏にあって氣が極まり上がる。 故に炎上という。王なるもの明りに向かって治る。およそ、その象をとる。 明王、南面し政を聴き、海内の雄俊をとり、朝廷に積み、もって明を助ける。 邪佞の人臣退き、これを野に投げ、もって壅塞を通ず。 得たその人に任せ、すなわち天下大きく治み、垂拱になすなし。 易は離をもって火となし、明となす。離を重んじ、明を重んじれば、則ち君臣ともに明らかなり。明、則ち火氣の順なり。 火氣の順、則ちその性のごとし。その性のごとくは則ち能く成熟し、人士の用に順ず。 これを用いて則ち起こり、之を捨てれば則ち止む。 もし人君、明からずして、賢良に遠く讒佞に進め、法律を棄て骨肉を疎み、 忠諫を殺し罪人を赦し、嫡を廢して庶をたて、妾をもって妻となせば、則ち火はその性を失い、用いざるに起こり、 風に随いて斜めに行き、宗廟・宮室を焚き、民居を燎く。 故に火に炎上せずという。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『漢辞海』三省堂 『易経』徳間書店
木

臓腑生理の学習

皆さまこんにちは、鍼灸学生のイワイです。 東洋医学概論の臓腑生理について復習している中で、分からなかった問題について調べてみました。 【問題】情報伝達に関与する働きを持つのは、どの臓腑によるものか?  これに関して、当初は心の働きだと思っていましたが、どうやら心ではなく、奇恒の腑の一つである「脈」の働きだったようです。 (寄り道しての復習です↓) 奇恒の腑とは? 水穀と直に接することない密閉した中腔器官であるとともに、精気を蔵するという機能も持っている。 胆、脳、脈、骨、髄、女子胞 話を戻しますと、脈は奇恒の腑の中でも心と関係があるというわれており、 脈は血脈、血府ともいわれ、生理物質が運行する通路であり、全身に分布し、臓腑と直接連絡しています。 脈の主な機能は、 ①生理物質の運行 ②情報の伝達 です。 ここでは、上記の問に対して ②情報の伝達 について学んだことを記します。 【生理】脈は、臓腑の機能や病態を反映するため、気血などは生理物質を通じて、情報の伝達に関与している。 また、脈は経絡の概念に内包された組織、器官であり、経絡の機能である情報伝達に関与する。 奇恒の腑の働きについて触れることが少なかったので、この機会に学べて良かったです。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 【参考文献】 「新版 東洋医学概論」東洋療法学校協会 編

医古文の学習(1)

一鍼堂(大阪本院)で行われる「素問を読もう!」(木曜日)に参加しています。 【黄帝内経素問】 《上古天眞論篇第一》 昔在黄帝.生而神靈.弱而能言.幼而徇齊.長而敦敏.成而登天. 廼問於天師曰.余聞上古之人.春秋皆度百歳.而動作不衰.今時之人.年半百.而動作皆衰者.時世異耶.人將失之耶. 岐伯對曰. 上古之人.其知道者.法於陰陽.和於術數.食飮有節.起居有常.不妄作勞.故能形與神倶.而盡終其天年.度百歳乃去. 今時之人不然也.以酒爲漿.以妄爲常.醉以入房.以欲竭其精.以耗散其眞.不知持滿.不時御神.務快其心.逆於生樂.起居無節.故半百而衰也. (読み下しや翻訳に関しては、沢山の先生方が訳した書物がありますので割愛させて頂きます。) 黄帝を表して 生   弱   幼   長   成 神靈  能言  徇齊  敦敏  登天 五進法から始まってます。「このリズムでいきますよ。」と感じます。 当時の発音も解れば、より以上感ずることも多いのかと、、残念な思いと探究心が交錯しますが。 法   和   節   常   不作 陰陽  術數  食飮  起居  妄勞 「昔の人は偉かった」との話の中に一つのモデルケースが示されています。 ここの”陰陽”をとってみても、具体的に話しているようで総論的な意味合いも含んでいるように思えます。 素問全体を通して理解が進む事を期待しつつ進んでまいります。 漿   常   入房  竭精  耗散  不知  御  快  逆   無節 酒   妄   醉   欲   眞   滿   神  心  生樂  起居 今度は”今時の人”のダメ出しパターン。 倍の10件も記されています。説教が長い・・・タイプのようです。 エジプトのピラミッドを作った労働者の落書きに「最近の若者はダメだ」とあったように聞いたことあります。 大古の昔より、「変わらぬものは変わらない」と感じた記憶があります。 医古文もまた共通の不変性を示しているように思います。 年を重ねて分かるからこそ、伝えるべき”無駄”を伝えようとしているように感じるのですが、 どうなのでしょうか? 参考文献 「現代語訳 黄帝内経素問 上」東洋学術出版社 「重廣補注 黄帝内経素問」天宇出版社 稲垣英伸

痹と痺

もう直ぐ国家試験となると授業も過去問を対象とした時間が大半です。 期末試験は期間がとれないので、各教科の試験は授業内で実施されていきます。 試験や資料の誤字については3年間で、かなり慣れました。 ○ 井・滎・兪・經・合 × 井・榮・兪・經・合 ○ 噯氣 × 曖氣     など 本日は痹と痺について 痹(ひ) 1⃣しびれる 2⃣リウマチ 痺(ひ) 1⃣うずらの雌 大漢和辞典の”痺”の欄には”参考”として「俗に此の字を痹に用いるは誤」と、 『字彙』からの引用も記載されています。 「痺與痿痹字不同」との事。 ※字彙(じい)は、明代の梅膺祚(ばいようそ)により編纂された中国の漢字字典。 明の時代から「同じ字じゃないよ」との注意書きがある以上、 出来るだけ正確を期したいと”しびれる”は”痹”で書き通しておりますと、 同じような人がいた時に、ほっこりします。 【参考文献】 『大漢和辞典』(株)大修館書店

良かった感覚

面白い体験が出来た。   できる限り沈んだ感覚で相手を感じれた。   その時は問診で特に何も聞いてなかったのですが、患部側の反応が大きかったので感じる事が出来た。   一連の流れから明らかにおかしくなってる箇所があって、そこで自分の気が当たるとバチバチバチ!となる。   イメージ的には   ーーーーーーーーー物質ーーーーーーーーーーーーーー   この何かが流れを止めていて、その箇所に症状が出ていたイメージ。   良い状態で入れたので、自分と相手の境界線がなく、相手の事が自分の事の様に感じれた。   その時の自分の心の状態のイメージはどんよりした暗さではなく、澄んだ暗さのイメージだった。     どこかの鍼灸師さんの話で男性でも女性の生理痛がわかるって話を聞いた事があるけど、あの感覚なんだろうか。   こう言ったことをもっと探って理論化して治療に役立てていく様にしたい。

舌・形体など

舌・形体など 舌を見た時、舌の厚さが大きくなり、水々しくなっている舌を良く見る。   本で確認すると淡胖舌が近いような。   たぶん水分を抱え込んでいるんだろうな〜と想像する。   お腹を触らせて頂くと臍下あたりに違和感を感じることが多いです。   そういう人と話すとそんなに食べている訳ではないけど痩せないと言っている人が多いような…   腎が弱ると水もダブつき動かず溜まっていく。   水は性質的に重く、下へ下へ溜まっていくので、手首・足首を見た時ポッチャリしている事も多い気がする。   腎が弱いので肉体疲労ですぐへバッてしまう。   脈を取ると根がない様な、そんな印象を抱く人が時々います。   ただ、こう言った部分のみに着目すると先入観に繋がり、色々見落としそうなのでその程度にとどめておこうと思います。   何となく 何かを見る時、自分はとても小さな存在だと思うと広く見渡せる。 逆に大きな存在であると思うと足元しか見えない。 そんな気がします。   うった感じ この前人に鍼をうたせてもらった。 ズシンとした感じを受けたんだがあれは何だったんだろうか。 体全体に乗っかってくる様な。 患者側も感じたらしいです。 打つ時の心持ちは至ってシンプルだったと思う。

突発性難聴、受付

  突発性難聴 先日突発性難聴になりました。   最初は何か辺だな?程度のものがいきなり詰まり、耳が塞がった。   片耳でしたがこの間オススメ頂いた映画の通りの体験で、トンネルの中に列車が入った時の耳の詰まりがずっと続く感じでした。   西洋医学的な原因を調べていくと早めの処置を行わないとずっと聞こえない様になる可能性もあるとの記事が多く、患者の視点に立つとこれは怖いことだと感じました。   同時に自身が施術者になった際は全て自己責任で行わなければいけないので、 「もし知識不足により患者の聴力を失わらせてしまったら…」と怖くもなった。   知っておかないと怖いことが沢山ある。   東洋医学一辺倒だとその辺の責任が取れない事もあるのでしっかり勉強しないとなと再認識させられる出来事でした。   東洋的に考えると脈も沈んでおり、臓腑の弱りから生まれた邪気が下焦に蓄積して清竅への気血を送れない様にしていると思いました。   治療していただいて面白いなと思った変化が 翌日、鏡で舌を確認した時、色が少し暗めだった。 確認後5分程度で急に唾液が溢れ出した感覚があったので急いで鏡をみると色が赤みを帯びてきたと同時に表面以外にも色の変化が見られた。   治り方としては一気に治るという訳ではなく、耳が抜けたと思ったら耳鳴りに変わった。   湿邪は取れにくいので、一定の残存は見られるのだと思う。   また、施術も状況に応じて変えていく必要性も感じました。   受付 対人関係でもお互いが尊重できていないと治療にならないと言った事を最近感じる。 素直な人は鍼も薬も効きやすいと聞いた事もあり、自身でもそれを感じる事がある。   受付の仕事としては先生の治療しやすい環境作りが主になるものだと思いますが、 案内する前の患者さんを治療の受けやすい状態で送り出す事も将来的な自身の治療に繋がると感じました。   一般的に正解とされる様な対応を一様に全ての人にとっていてもそれが下準備として正解になる訳ではない。   どの様に相手に映るかも考えていかないといけないと思います。   色んな人の空気、態度、言葉遣いが勉強になります。

始めまして、のご挨拶。

徒然なるままに、日暮らし、キーボードに向かいて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 …… 始めまして。 某所にて、鍼灸学校での2年生をさせていただいております、仁と申します。 この度、ご縁があり、一鍼堂さまの東洋医学研究所で学生Blogを書かせていただくこととなりました。年齢は三十路半ば過ぎ、独身男性とだけ…… 私は2005年、メンタルや睡眠の不調をきっかけに鍼灸に出会い、それから寛解やぶり返しを繰り返しつつ、徐々に良くなってきていき、定期メンテナンスの意味も込めて、鍼灸の患者を13年ほどやってます。 また、その間、色々な鍼灸院を渡り歩き、一般患者向けの東洋医学の勉強会にも参加させていただいたことがあります。 なので、私の心身の中において、東洋医学については、偏った思想・知ったかぶりの姿勢が根深く存在します。 ひょんなことから、東洋医学をやる鍼灸師となろうと決意したものの、その偏った「どうしょうもない、もう一人の自分」と格闘している真っ最中です。 東洋医学の鍼灸医術は、他の医療職とは違うベクトルの勉強方法……中国を始めとした他国の文献(をベースにした日本製の教科書)をチェックし、それだけでなく、自分の感性、五感を研ぎ澄ます訓練・稽古を、心身にインストールしつづけなければなりません。 …… 要は、「ショッカーに誘拐されて、現在進行形で改造手術を受けさせられてる、昭和の仮面ライダー」の【候補生】といったところでしょうか。 ※適切な例えかどうかはさておき…… その【候補生】が、 ★「イーッ!」と叫んで騒ぐだけの「単なる戦闘員」という名の【モブキャラ】で終わるのか。 ★毎週、仮面ライダーに殺られる、気持ち悪いデザインの「怪人」という名の【当て馬】で終わるのか。 それとも………… ★「そこ」から逃げて、普通の人間には戻れない悲壮感を持ちながらも、腹を括って覚悟を決めて、【仮面ライダー】として生きていくのか。 正直、自分自身、全く自信がありません。 でも、乗りかかった船です。やれるだけやってみます。 …… 現在は、一鍼堂さまにおける、林院長の治療や先生方の勉強会や、各種鍼灸勉強会に参加させていただきつつ、また、学校で学んだことを活かし、試行錯誤・悪戦苦闘しながら、自分自身や家族・親族の病気・不調・不定愁訴を治療をしています。 ※人体実験…… それらの経験を生かして、中間目標としては、猛烈に高難易度になった、2020年度のはり師・きゅう師の国家試験の合格と、 それを通過点とし、さらには、2025年までには社会福祉士や精神保健福祉士も取得したいなと考えております。 (社会福祉士は2017年1月の国試で2点たりず、不合格……いつかはリベンジしたい。) また、将来的には、 ・自閉症スペクトラム障害や発達障害、精神疾患や睡眠障害などの、いわゆる「気の病」に強い鍼灸師になれないか? ・鍼灸・福祉・合気道を三位一体で組み合わせた、統合療育院ができないか? との漠然としたコンセプトと方向性を持ちながら、日々、基礎研究に励む毎日です。 ………… Blog記事のポリシーは、「Keep it rockin'!!」でいきます。 ですが、くれぐれも、「深夜に書いたラブレター」な記事を乱発する口先だけ人間にならないように、林先生はじめ、一鍼堂の先生方、諸先輩方、また読者の皆々様からのご指導ご鞭撻のほど、切によろしくお願いします。