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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

『閃く経絡』を読んで

以前より、SNSで噂になってた本『閃く経絡』を読んでみました。 ---------------------------------------------------------- 『閃く経絡』 ”現代医学のミステリーに鍼灸の”サイエンス”が挑む!” 著者:ダイエル・キーオン 発行:日本の医道社 ----------------------------------------------------------- ダニエル・キーオンさんは医師として救急の現場に立ちながら、 キングストン大学で中医学を学び、後に北京に渡り就業を行ないました。 医師でありながら鍼灸師であるという立場で、経絡の謎を解明しようと試まれています。 鍼灸学校で習う解剖学・生理学の復習になり、 学生の立場としてはテストされているような感覚も正直あるのですが。。 医師としての立場らしく、淡々と表現されるグロテスクさも楽しむ事が出来ました。 彼の経絡に対するこの論証の一つ一つは、なかなか見ごたえがある様に思います。 実はこのような生々しい論理は好きだったりします。 この本の素晴らしいところは東洋医学に対する敬意が感じられるところです。 東洋医学の軸を動かさずに西洋医学の詳細を詰めていく方法は、 解明する探検の大変さも感じられますが、気持ち良さを同時に覚えます。 そして、医古文などを読む際に手助けとなるのが、現在の医学への探求があるという事は 太古の昔も医学に燃える医家がいるのだろうと信じる事ができるところでしょうか。 未来の優秀な方々によって、東洋医学の証明がなされていくことに夢をはせます。 以前に一鍼堂ブログの番外編として院長が挙げられていた三焦に関してのブログも添付します。 ↓ https://www.1sshindo.com/blog/zenith16946/

保護中: 知り合いのおばちゃんとの会話

以前、僕は知的障害者授産施設で、生活支援員として、1年限定の約束で働いていた。 その時、その施設でボランティアで来ておられたおばちゃんと、先日、某所にて久々に会った。 ひさしぶり、からの挨拶で、その施設の現在のよもやま話に花が咲き、 「福祉なんてね、真面目な人間がやるもんじゃないよー」などと、ぶっちゃけトーク。 …… 僕が鍼灸師の専門学校に通っていることを話すと、 「アンタまだモラトリアムかいね~」 と、呆れられながら、苦笑された。 しかしその後、別れ際、おばちゃんから言われたことに対して、背中に稲妻が走った。 「 鍼灸師なんてね、本来は目の見えない、視覚障害者のための職業だったのよ! アンタは【晴眼者】なんだから、しっかり勉強せな、アカンよ!! 」 確かにはっきり、【晴眼者】という単語を飛び出してきたことに対して、僕は瞬時に、おばちゃんの博識さと、己自身の甘さを痛感させられた。 そうだった。 学校に入る前、かなり入念に、自分なりに、業界のリサーチをしていたつもりだった。 そこで異口同音に言われたことは、 「鍼灸学校なんてどこに行ってもおんなじ。国家試験なんて簡単だし。免許をとってからの勉強のほうが遥かに大事だよ。」 と。 しかし、ある意味、自分が視覚障害者の職業を、奪っているのではないか、という認識や自覚はなかった。 もう少し、ヒリヒリした感覚を持って、学業に臨もう。 そう思わされた。 オバちゃんには感謝してる。

色々わからないけども

身体を触るとき意識が一つに引っ張られていたことを指摘して頂きハッとした。   何かを見ようとして、その分他が疎かになっていたんだと思う。   意識を働かせない様にしなければ。   頭ではなく体が主。   テーマとしてはずっと持っているものなんだけど難しい。   このテーマで進めるには自分の人間性も見直さなければいけないけど、いちいち一つの事に囚われているところがダメなんだと思う。   そもそも体に限らず全ての事はこれ!って言うより一連の流れで繋がっているんだから何か違うような気がする。   身体をみる時も犯人探ししてる訳ではないんだから。   自分の状態として、前に意識が深く沈む?みたいな感覚があった時が一番良かった。   そうなっていく為にも生き方も大事なんだろうなと思う。   色んなことに対してサラッと生きれる様になりたいな。   そんなこんなで最近は勉強というより自分の人間性について考える時間が多くなっている。   まあ自分みたいな人間は自己否定してるくらいでちょうど良い様な気がする。   色んなものをへし折ってへし折って更地の状態にしたい。   人の幸せを喜ぶとかもその先にあるものだと思う。   まあ素朴が一番です。

舌が教えてくれること

舌診の本には舌の裏側のことや、舌下静脈のことなどが書かれていることがあまりないので、臨床で学ぶことがほとんどです。 今回は臨床で学んだ舌のことについて書いていきます。 瘀血の反応には暗紅舌や舌下静脈の怒張がある。 しかし、暗紅舌がみられても舌下静脈の怒張がなかったり、舌色が褪せているのに、舌裏は赤く、舌下静脈の怒張があるなど表裏で異なる反応が現れる場合は、正気の著しい低下が考えられる。 家族歴に消化器疾患や喘息などがみられる場合は、体質的に正気が弱い傾向をもともと有している可能性がある。 こういった場合は臓腑をたてることを優先する。 瘀斑は強い気逆の証であり、舌先にみられても必ずしも肺や心の病変を示すとは限らない。脾腎の弱りによる気滞や瘀血が原因となる場合もあるため、部位だけで病変を断定せず、総合的な判断材料の一つとして捉えることが重要である。

良かった感覚

面白い体験が出来た。   できる限り沈んだ感覚で相手を感じれた。   その時は問診で特に何も聞いてなかったのですが、患部側の反応が大きかったので感じる事が出来た。   一連の流れから明らかにおかしくなってる箇所があって、そこで自分の気が当たるとバチバチバチ!となる。   イメージ的には   ーーーーーーーーー物質ーーーーーーーーーーーーーー   この何かが流れを止めていて、その箇所に症状が出ていたイメージ。   良い状態で入れたので、自分と相手の境界線がなく、相手の事が自分の事の様に感じれた。   その時の自分の心の状態のイメージはどんよりした暗さではなく、澄んだ暗さのイメージだった。     どこかの鍼灸師さんの話で男性でも女性の生理痛がわかるって話を聞いた事があるけど、あの感覚なんだろうか。   こう言ったことをもっと探って理論化して治療に役立てていく様にしたい。

下巨虚

前回の続きです。   合穴である下巨虚について調べていきます。   《現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻》P108 邪気蔵府病形篇 「小腸の病の症状は、下腹部が痛み、腰や背骨が引きつり睾丸まで痛み、大小便がつまり苦しみ、耳の前が発熱し、或いは寒が甚だしく、或いは肩の上の熱がひどく、手の小指と薬指の間が熱く、或いは絡脈がおちくぼみます。これらはみな小腸の病です。 手の太陽小腸経の病は、胃経の下巨虚に取って治療します。」   ↑の文章を基に考えていきます。   《現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻》P507 張論篇 「小腸張の症状は、下腹部が張り、腰にかけて痛みます。」   → ・下腹部は小腸のある部位なのでそこが痛み、それが腰まで影響している。 ・耳の前、肩の上は小腸経上にあるのでそこに反映されているのだと思います。 ・手の小指と薬指の間に関しては、小指あたりに経の走行がありますがそれを指すかはわかりません。   《現代語訳 黄帝内経素問 上巻》P164 霊蘭秘典論篇 「小腸はすでに胃で消化された食物を受け取り、食物の精華を抽出して、全身に輸送します。」 《全訳 中医基礎理論》P131 「張介賓は『素問 霊蘭秘典篇』を「小腸は胃の下に位置し、胃中の水穀を受盛して清濁を分ける。そこで水液は前部に吸収され、糟粕は後ろに送られる。脾気は化して上昇し、小腸の気は化して下降する。そのため化物が出るというなり」と注釈している。」   《中医学ってなんだろう》P239 「小腸の蔵象 内部の状態 小腸が清濁を分けられなくなり、余計な水分が大便に混入する。または濁ったものが尿に混入する。 →現象 ・大便が緩い ・下痢 ・尿がにごる など。 内部の状態 小腸から、水分がきちんと吸収されない。 →現象 ・尿の量が減る 内部の状態 小腸の働きが悪くなり、濁ったものが下へ送られなくなる。 →現象 ・お腹が張る ・腹痛 ・嘔吐 ・便秘 など。」   《穴性学ハンドブック》P159 「下巨虚 湿 分清濁、祛湿邪、燥湿、滲湿」   《全訳 経絡学》P 52 「李東垣は張元素に学んだが、その著書である『薬類法象』で、昇降や浮沈により薬性を論じて、茯苓は手の太陽(小腸)へ入り、麻黄は手の太陰(肺)へ入るとし、それぞれの経脈に導く引経薬、報使薬、向導薬を打ち出している。」   →胃からドロドロになって降りてきたものを小腸が受け取る。 受け取ったものを清・濁に小腸が分別する。 清は水穀の精微で、脾の運化へ 濁は大腸へ送られる 小腸の働きが悪いと分別ができず、そこに留まる。 すると下へ送ることができないので留まり、張って痛む。 穴性学ハンドブックで分清濁とある様に、下巨虚によって小腸の働きが改善すると清は脾、濁は大腸へと送られていく。 結果として小腸の張りなども改善される。 また、祛湿邪 滲湿とある様に利水滲湿薬で小腸に入る茯苓の様な一面もあるかもしれない。 邪気蔵府病形篇の寒熱の現象がなぜ起こるのかがもっと調べていく必要があると思います。   参考資料 《現代語訳 黄帝内経素問上巻》 東洋学術出版社 南京中医学院編 《現代語訳 黄帝内経霊枢上巻》 東洋学術出版社 南京中医学院編 《中医学ってなんだろう》    東洋学術出版社 小金井信宏著 《全訳 中医基礎理論》     たにぐち書店  印合河主編 《全訳 経絡学》        たにぐち書店  李鼎主編 《穴性学ハンドブック》     たにぐち書店  伴尚志編著

脈診(04)

瀕湖脉学七言訣(二十、弱脉) 弱来無力按之柔、 柔細而沈不見浮。 陽陥入陰精血弱、 白頭猶可少年愁。 弱脉は力無く来て、按じても柔、 柔は沈にして細、浮では見られず。 陽は陥入し、陰精血は弱、 白頭(老人)は考えられるが、少年なら愁う。 脉が骨周辺まで沈む理由が何なのか.. 自問自答してみる。 年老いて骨が弱くなり営気を必要としているから、 骨への栄養補給の為に沈下する? いや、肌肉の中空を維持出来ない為に沈む? 衛気が衰えて、エマージェンシー発生の為に 脉が皮毛に栄養補給にやってくるのが浮脈? 現象に対しての理由は多々ありそう。 【参考文献】 『中医脉学と瀕湖脉学』(株)谷口書店
六甲山

とある山中にて。

こんにちは、稲垣です。 修行の一環で、とある山中にて作業をさせて頂いております。 感じる事は多々あるのですが、この春に感じた事を記したいと思います。 今年の節分は例年よりも一日早い2月2日でした。 つまり立春は2月3日。 その翌日に山中に入りましたが、都市部の寒さとは違う空気を感じました。 気温は寒いのですが、間違いなく”春”。 ビルよりも、木に囲まれた方が、 季節を正確に教えて頂いているように感じます。 その春ですが、 藤沢周平の作品に出てきそうな 東北武士の気概のような力強さを感じました。 ”長い冬に積もった寒さを、苦難を跳ねのけて芽を出す力強さ”的な。 車のギアでいうと1速、2速とかそんなギア比でしょうか。 そんな空気を感じながら作業をしていると。 肝氣の力強さを思い、疏泄機能・条達機能とはこういう事なのかな?と感じたり。 弦脉とはこういう事なのかぁ?と感じたり。 色々な事の辻褄があう感覚を得る事が出来て楽しい時間を過ごせます。 極めて価値ある時間を頂いています。 一人で黙々と作業をする事が、 そんな楽しく思考出来るコツのように思いえますが、どうなのでしょう。 この場所だけに限らず、様々な山を楽しみたいと思います。

中国の思想(04)

老子 二十六章 ”静”は”動”を支配する 重為軽根、静為躁君。 是以聖人、終日行不離輜重。 雖有栄観、燕処超然。 奈何万乗之主、而以身軽天下。 軽則失本、躁則失君。 重は軽の根たり、静は躁の君たり。 ここをもって聖人は、終日行けども輜重を離れず。 栄観あるといえども、燕処して超然たり。 いかんぞ万乗の主にして、身をもって天下より軽んぜん。 軽ければすなわち本を失い、躁なればすなわち君を失う。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P63) 《私議》 修行中の身において患者さんを診させて貰う際、 ”上逆下虛”の場合には、陰陽の重りの方をしっかりと保つ事を考えます。 四診合算において、そのままスタンダードで良いのか悪いのか、、 足りていない情報をかき集めるのに必死になってしまいます。 問診に於いても、患者さんとの間合いに注意しないといけないな・・と思う日々です。 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店

脈診(02)

四季の脉(瀕湖脉学) 春弦夏洪、秋毛冬石。 四季和緩、是謂平脉。 太過実強、病生於外、不及虚微、病生於内。 四時百病、胃気為本。 脉貴有神、不可不審。 春は弦脉、夏は洪脉、秋は毛脉、冬は石脉。 四季に和緩して、これを平脉という。 太過し実強は病が外より生じ、不及し虚微すれば病が内より生ずる。 四時の百病は、胃気を本となす。 脉貴は神を有し、詳しく知ろうとしないという事はあってはならない。 (゜-゜) 院長はじめ、先生方にご教授をうける中において、脉中を問われることがあります。 正直、悶絶しますが、詳細を感受するのに精一杯であったりします。 四季に脉があり、個体差があり、 脉が強くなるという事だけが、治療後において正とは限らないように思います。 【参考文献】 『中医脉学と瀕湖脉学』たにぐち書店 『大漢和辞典(第三巻、P1101「審」)』大修館書店