祖母の脈を診る。
祖母。94歳。要介護4。今年2月に脳梗塞。
30年前ぐらいに大腸癌→人工肛門。
発声はあれど会話は覚束ない。
食欲旺盛。
六部定位脈診……の真似事をしてみる。
……
肝心脾肺腎のうち、腎が沈なのは予想通りだったか、脾がやたら強いのには腰を抜かした。
次いで、肺も強い。
肝心はかなり弱かった。
うーん、もっと色んな人の脈を診ないと比較ができん。
病因について(2)
ようやく、一年生も終わりに近づいてきました。
この冬は、解剖学・生理学・栄養学で共通する機能を
多方面より勉強する時間を過ごしていました。
解剖学では腎臓そのものの構造。
生理学(動物)では蓄尿・排尿のメカニズム。
生理学(植物)では腎蔵に関係する内分泌(バゾプレッシン・アルデステロン)。
栄養学では高血圧とそれに対応する栄養素(塩分を控える)。
腎機能のフルコースでした。
東洋医学の病因について~
【外因】
・六淫(風、寒、暑、湿、燥、火)
・疫癘
人体が影響を受ける要素の一つについて黄帝内経の一節に出会いました。
特に外因と関係深い、地域の特徴や風俗習慣について。
『素問』異法方宜論篇 第十二
黄帝問曰.醫之治病也.一病而治各不同.皆愈何也.
岐伯對曰.地勢使然也.
故東方之域.天地之所始生也.魚鹽之地.海濱傍水.其民食魚而嗜鹹.皆安其處.美其食.
魚者使人熱中.鹽者勝血.故其民皆黒色疏理.其病皆爲癰瘍.其治宜砭石.故砭石者.亦從東方來.
黄帝問いて曰く、
医の病を治するや、一病にして治
各々同じからざるに、皆癒ゆるは何ぞや?
岐伯答えて曰く、
地勢の然らしむるなり。
故に東方の域、天地の始めて生ずる所なり。魚塩の地、海浜にして水に傍う。
魚を食して鹹を噛む。皆其の処に安じ、其の食を美とす。
魚なる者は人をして熱中たらしめ、塩なる者は血に勝つ、故に其の民 皆黒色にして疏理なり。
其の病 皆癰瘍となる。其の治 砭石に宜し。故に砭石なる者は、亦た東方より来る。
また腎?かと・・
【五行】
・五味 酸、苦、甘 、辛、鹹
・五蔵 肝、心、脾 、肺、腎
・五時 春、夏、長夏、秋、冬
冬だから腎を勉強しろ。という事だったのでしょうか??(笑)
参考文献
『中医病因病機学』東洋学術出版社
『現代語訳 黄帝内経素問』東洋学術出版社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
稲垣英伸
問診
問診をさせて頂いたが、要点を抑えて聞くことが出来なかった。
まず、主訴もそうだけどもそれがどう原因とリンクしているか。
本来のきっかけであろう可能性が大きいものではなく、枝葉の部分を主訴として来られる事も多々ある。
ただそれだと「ここが痛いから鍼して」というやり方と変わらない。
患者さんからしたら当たり前の話なのだけれども、施術者がそれじゃいけない。
重要であろう情報を汲み取り、そこから時期や広がり方、症状の特徴や進行具合、悪化条件やその他参考になるものも聞いていく。
そこから要点をまとめてパッと先生にお渡しできるぐらいでいい。
他、聞き方としてもクローズドにならない様に気をつけたい。
ありのままの情報を聞き出せないこともそうだし、患者さんの緊張に繋がりそうなものでもある気がする。
また、この間問診させて頂いた人のキッカケを考えても全員がそうなるとは思えない。
背景にある臓腑の状態も考察できそうなものではある。
ただし、弁病論治になれば見落としにつながるので臨床の場では持ってこない様にする必要があると思う。
仮説として置いておき、臨床を重ねて答えを出せる様にストックしておく。
しかし記憶系の問題は日常生活にも支障を来しやすいし、その悩みが続くと別の疾患にもつながるので大変なものだと感じた。
早く治ります様に。
痹と痺
もう直ぐ国家試験となると授業も過去問を対象とした時間が大半です。
期末試験は期間がとれないので、各教科の試験は授業内で実施されていきます。
試験や資料の誤字については3年間で、かなり慣れました。
○ 井・滎・兪・經・合
× 井・榮・兪・經・合
○ 噯氣
× 曖氣 など
本日は痹と痺について
痹(ひ)
1⃣しびれる
2⃣リウマチ
痺(ひ)
1⃣うずらの雌
大漢和辞典の”痺”の欄には”参考”として「俗に此の字を痹に用いるは誤」と、
『字彙』からの引用も記載されています。
「痺與痿痹字不同」との事。
※字彙(じい)は、明代の梅膺祚(ばいようそ)により編纂された中国の漢字字典。
明の時代から「同じ字じゃないよ」との注意書きがある以上、
出来るだけ正確を期したいと”しびれる”は”痹”で書き通しておりますと、
同じような人がいた時に、ほっこりします。
【参考文献】
『大漢和辞典』(株)大修館書店
順気一日為四時篇 第四十四(01)
黄帝曰、願聞四時之気。
岐伯曰、春生、夏長、秋収、冬蔵、是気之常也、人亦応之。
以一日分四時。
朝則為春、日中為夏、日入為秋、夜半為冬。
朝則人気長、長則勝邪、故安。
夕則人気始衰、邪気始生、故加。
夜半人気入蔵、邪気独居干身、故甚也。
黄帝曰く、願わくば四時の気を聞かん。
岐伯曰く、春は生、夏は長、秋は収、冬は蔵、これは気の常なり、人もまたこれに応ず。
以て一日を四時に分つ。
朝は則ち春を為し、日中は夏を為し、日入は秋を為し、夜半は冬を為す。
朝は則ち人気が長じ、長則ち邪に勝り、故に安なり。
夕は即ち人気が衰え始め、邪気が生まれ始まる、故に加なり。
夜は人気が蔵に入り、邪気が独り身に居り、故に甚だしきなり。
【参考文献】
『黄帝内経 霊枢 下巻』東洋学術出版社
異名同穴④
腧穴(しゅけつ)とは、いわゆる「つぼ」と呼ばれるものの総称である。
腧穴には、十四経脉上(正経十二經脉・督脈・任脈)にある「經穴(正穴)」、経脉に所属せず治療効果から発生し名称と部位が定まっている「奇穴」、奇穴の中でも1901年以降になってから定められた「新穴」、押すと心地がよかったり、圧痛を感じたりするが、名称も部位も定まっていない「阿是穴(天応穴、圧痛点)」などが含まれる。
經穴(正穴) : 十四經脉上にあり名称、部位が定まっている。
奇穴 : 十四經脉上になく名称、部位、主治症が定まっている。
(新穴 : 1901年以降に定められた奇穴)
阿是穴(天応穴、圧痛点): 名称や部位は定められていないが、病態と深く関わって出現したり、治療点となる部位がある。
④4つの異名のあるもの
穴名 異名
陰交穴 : 少関穴、横戸穴、丹田穴、小関穴
陰都穴 : 食呂穴、食宮穴、石宮穴、通関穴
横骨穴 : 下極穴、屈骨穴、曲骨穴、下横穴
客主人穴 : 上関穴、客主人穴、客王穴、太陽穴
曲地穴 : 鬼臣穴、陽沢穴、鬼臣穴、鬼腿穴
頬車穴 : 機関穴、鬼牀穴、曲牙穴、鬼林穴
曲骨穴 : 尿胞穴、屈骨穴、曲骨端穴、回骨穴
三陰交穴 : 承命穴、太陰穴、下三里穴、女三里穴
心兪穴 : 背竅穴、俉焦の間穴、心の兪穴、背兪穴
上脘穴 : 上管穴、上紀穴、胃脘穴、胃管穴
衝陽穴 : 会原穴、趺陽穴、会湧穴、会骨穴
神門穴 : 兌衝穴、中郄穴、鋭中穴、兌骨穴
身柱穴 : 知利気穴、散気穴、塵気穴、知利毛穴
臑会穴 : 顴髎穴、臑交穴、臑輸穴、臑兪穴
太谿穴 : 昌細穴、照海穴、陰蹻穴、大系穴
中府穴 : 膺中兪穴、肺募穴、府中兪穴、膺兪穴
中極穴 : 気原穴、玉泉穴、膀胱募穴、気魚穴
瞳子髎穴 : 太陽穴、前関穴、後曲穴、童子髎穴
命門穴 : 属累穴、竹杖穴、石門穴、精宮穴
腹結結 : 腹屈穴、腸結穴、腸屈穴、陽屈穴
陽関穴 : 関陽穴、寒府穴、陽陵穴、関陵穴
湧泉穴 : 地衢穴、地衝穴、蹶心蹶、涌泉穴
労宮穴 : 五里穴、鬼路穴、掌中穴、鬼窟穴
【参考文献】
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
『鍼灸医学事典』医道の日本社
試してみる
先週とてもいいお話を聞かせて頂けたので手で木・皮製品・自分の身体など色々触る様に意識しています。
触った時の感触を知ることや触り慣れると言った意味でも私にとっては良さそうだなと感じています。
また、手が冷えていたら寒熱は分かりにくくなるのかと思って実験してみました。
内容としては右手の労宮に石膏(性質:大寒)の粉末を2分程度乗せてみる。
その後綺麗に流して右手・左手を中脘あたりに当ててどちらがお腹の温もりを拾いやすいか見てみる。
やってみると明らかに左手の方が暖かさを感じやすい。
右手は感じにくいし、触られているお腹もちょっと冷えて触られたくない。
手を冷やさないって大事なことだなと実感しました。
冷たいもの飲んで手が冷たくなった事を感じた事があるので飲食物も気をつけよう。
また、服越しでもわかると仰られていたので前に歩いている人の背中で何か感じるかも試していっています。
続けていくと拾える様になるのか楽しみです。
傷寒論の学習 その3
(前回ブログ
傷寒論の学習 その2:https://toyoken.org/1179/)
こんにちは、大原です。
前回の内容でも書きました通り、
傷寒論で、
陽明病の「提綱証(ていこうしょう)」は
胃実熱証であるということが
学校の教科書や
多くの解説本で述べられています。
根拠となる条文は「陽明之為病、胃家実是也」です。
ですが、『宋以前傷寒論考』という書籍によると、
宋の時代に傷寒論の条文が書き換えられたようで、
宋以前は「胃中寒」だったそうです。
傷寒論の原本は失われているそうですので、
現代において傷寒論の内容を調べていくには、
傷寒論の内容が書かれた古文書をもとにして
汲み取っていくことになりますが、
現代の教科書は、
宋の時代に書き換えられた内容のものを基準にしているのですね。
太陽病が表寒で、
その後につづく陽明病が実熱になることに
はじめ違和感を感じていたのを思い出しましたが
その謎が少し解けたように感じました。
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参考文献
『宋以前傷寒論考』 東洋学術出版社
興味がありましたら、ぜひ参考文献もお読みください。
今日の課題
今日の背候診で意識すること
・手で広くみる事を意識
・手の形をしっかり合わせる
・穴の反応を意識
・腠理の状態をみる
※考えながら行わないこと
勉強していて思ったこと
督脈は内熱をよく見立てるポイントらしい。
背中で臓腑の状態を確認する場合は第二行や第三行の方が重要なのではないかと思った。
切脈一葦 上巻1
こんにちは、大原です。
前回まで、『切脈一葦』の序文を
2回に分けて読んでいきました。
前回の記事 (切脈一葦 序文2)
今回から、上巻を読んでいきます。
切脈一葦 巻の上
常陽 中茎謙 著
脈位
寸口の脈は、顕然として見(あらわ)る処なり。
故に上古より今に至る迄、
動脈の流行をここに診して。
血気の盛衰をうかがうこと何の時より始めと云うことを。
明らかにせずといえども、古書に脈を論ずるときは、
必ず寸口を主とするを以て考えるときは
上古の脈位なるこを疑いなし。
寸尺は、人の体より出(いで)たる者にて、説文に、
「周制の寸尺(すんしゃく)咫(し)尋常の諸度量は、皆人体をもって法と為す」と。
の語あり。
家語に、
「指を布(し)き寸を知る。
手を布(し)き尺を知る。
肘を舒(の)ばし尋(ひろ)を知る、の語あり」。
素問に、
「尺内の両傍はすなわち季肋なり」の語あり。
また、寸尺按じるの語あり。
霊枢に、「尺を調う」の語あり。
これらの語を合わせて考えるときは、人の体を指して尺と称すること、見るべし。
尺は度量の統名なるをもってなり。
調尺の尺は広く人身を指し、
尺内の尺は腹を指す。なお腹内というが如し。
尺寸の尺は手を指す。
寸に対するをもってなり。
寸口は尺を診するところなるをもって名づけ、
尺沢は尺より寸に、血脈の流行する処をもって名づけたる者なり。
動脈の見る処多しといえども、
その著名なる者は、寸口を第一とす。
人迎趺陽は、これに次ぐ者なり。
人迎は常に寸口より大く、
趺陽は、常に寸口より小なる者は、脈道に本末あるをもってなり。
これ仲景氏の寸口人迎趺陽をもって三部と為すといえども
その大ならず。
小ならざる所の寸口を主として、人迎趺陽を参考に備えるゆえんなり。
虛里少陰膻中も、また其の著名なる者なり。
故にその証によって、参考に備えることあり。
寸口は手の掌の後、高骨の側に見る動脈なり。
人迎は、結喉の両傍に見る動脈なり。
結喉は喉嚨なり。頤(あご)の下に高く尖りたる骨をいう。
趺陽は趺の上に見る動脈なり。足の跗の上、大指と次指との両骨の間を上へ去ること五寸、
動脈手に応ずる所なり。
虛里は左の乳下に見る動脈なり。
少陰は足の内踝の後ろ、陥なる中に見る動脈にして、
いわゆる少陰の道、是なり。
臍中はいわゆる腎間の動、是なり。
(続く)
参考文献
『切脈一葦』(京都大学附属図書館所蔵)
画像は京都大学デジタルアーカイブより








