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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

相反①

先日診せていただいた患者様の状態がとても勉強になったと同時に少し嫌な気持ちにもなった。   対症療法ばかり行って正気を虚損させて戦う元気もなくなり症状が治ったと豪語する。   自身の体験も含め好きではない治療法です。   さらにそこに作用の反する薬を飲んでカバーしてもプラスマイナスゼロにしているだけで何もなっていない。   やっている事はトリカブト保険金殺人事件と同じだと思う。   この事件、大体の内容としては 「トリカブト(附子)の毒が入ったカプセルを飲ませパートナーに保険金をかけ手に掛ける。」 といったもの。 しかし附子を服用すると普通5分そこら早い時間で亡くなる。   現場には死亡推定時刻の1時間前くらいに前まで一緒にいた加害者が急用でいなかったのでアリバイがある。   しかし怪しい。 するととある魚関係の業者から連絡があり、 「草河豚を大量に買った人がいた。」 との事。   そこで容疑者の自宅を捜索すると大量の草河豚が見つかった。 何故草河豚を使ったのか。   後から調べると実は 附子毒(アコニチン)と河豚毒(テトロドトキシン)はどちらも神経毒だが全く逆の働きをする。   具体的にはアコニチンはナトリウムチャネル活性化、テトロドトキシンは不活性化。   これを一つにまとめたカプセルを飲むとどうなるか。   アコニチンとテトロドトキシンが拮抗している内は毒と毒が相殺され生きています。 しかし代謝時間の差でテトロドトキシンの効果が無くなるとアコニチンが効いて結局死に至ります。   加害者はアリバイ時間を作る為にその二つが入ったカプセルを飲ませたのでした。   恐らくこの仕組みを昔の中国人は経験から理解していたのか 国訳本草綱目 10巻 P603 「荊芥、菊花、桔梗、甘草、附子、烏頭と相反し…」 相反とは作用が逆で拮抗することなので、打ち消し合う関係。 実際、 同書籍 P603 「物類相感志には「凡そ河豚を煮るには、荊芥と共に煮て五七沸して水を換える。かくすれば毒が無くなる。」とある。これは二説しているように見えるが、実は河豚の毒は荊芥に入るから毒がなくなるのではないか。」 荊芥で無毒化していましたが、これを附子で行っただけの様に思えます。   私はこの内容、臨床にとても関係すると思っています。   このテトロドトキシンがナトリウムチャネルを不活性化する働き、心療内科やてんかんなどの薬で同じ働きをするものが多いからです。   薬剤師で漢方メーカー東洋薬行の社長である惠木弘先生は 著書「体がよろこぶ!「効く」漢方の正体」P 57、58で 「向精神薬というのはすべて体を冷やす作用があり、その結果、腎のエネルギーが一気に失われて落ち込んだ気分がますます落ち込むことになるのです。気分が躁状態なら向精神薬で一定の効果は期待できますが、うつの場合は逆効果。「死にたい」という気持ちを強くしかねません。これは東洋医学の「心肝気虚」という状態で、悲観傾向をますます助長してしまうのです。」   と書かれています。 私もてんかんと診断されてテグレトール(カルバマゼピン)を10年ほど飲んでいた時は最悪な気分でした。   その様な時は四逆湯など逆の作用をする薬を飲むと低体温と共に気持ちも上がり、いろいろ楽になりました。   こういった薬はミトコンドリア機能も低下させるので染色体異常による不妊症、成長期おいては身長が伸び辛くなる、アトピー性皮膚炎を招くなど症状をとる為にさまざまな事を知らず知らず犠牲にしがちだと思っています。   そんなこんなでどんな薬を飲んでいるか、この前診せて頂いた患者様からとても大切なことだと思いました。   他の先生方も学んだ事を生かして治療しているので人の治療批判は良くないと思うのですが、元患者側からすると複雑な気持ちです。   参考資料 「国訳本草綱目 第十冊」 春陽堂 「体がよろこぶ!「効く」漢方の正体」 草降社 惠木弘著

天人合一(01)

先輩に許可を頂いた患者さんに、問診に入らせて頂いております。 望診・聞診・問診・切診。 四診合参し、取穴を想定する訓練を一つ一つ手ほどきを頂きます。 患者さんの発するインフォメーションについて 自分の頭の中でシャッターを切りますが、 課題としては、一部分に注視しすぎるところでしょうか。 要は、全体が診えていないなと。 広く全体の情報を、クールダウンして俯瞰しなくては。 と、いう事で自宅に眠っていたカメラを引っ張り出してみました。 情報をいかにキャッチできるのか。 些細な情報の一つ一つを、瞼に撮る訓練をしてみたいと思います。 【参考文献】 『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社

勉強会など

先日勉強会で症例検討を行いました。 その際に気になった点を書いていきます。   舌 状態から考えて陰液の欠乏、熱、正気の弱りが考えられる。   脈 Oさんから教えていただいた感覚から 瘀血、虚熱、正気の弱りが伺えた。   切経も含めて、まずは脾と胃の関係を考え直したい。   また、症状からして脾気虚を原因とした脾陰虚の様なニュアンスも感じます。 これが原因で病理産物も生成されたのか。   現代語訳 黄帝内経素問上巻 太陰陽明論篇 「四肢は皆気を胃に稟くけども、経に至ることを得ず。必ず脾に因りて、乃ち稟くることを得るなり。 今 脾病みて胃の為に其の津液を行らすこと能わざれば、四肢水穀の気を稟くるを得ず。」   「黄帝がいう。「脾と胃とは、一つの膜を挟んで連ねているだけであるが、脾が胃に変わって津液を輸送するというのはどういう理由か。」 岐伯がいう。 「足の太陰脾経は、三陰と言いますが、その経脈は胃を貫いて脾に連属し、咽喉を絡っています。 このため太陰経の脈は胃の水穀の精気を手足の三つの陰経に送ることができるのです。 一方、足の陽明胃経は、足の太陰脾経の表にあたり、五臓六腑の栄養の供給源です。 このため太陰脾経が胃に変わって津液を送るといわれています。 五臓六腑はいずれも脾経を経て胃の水穀の気を受けています。 このため太陰脾経が胃に変わって津液を送ると言われています。」」     切経から陽明の熱の様な存在も気になったのですが、脾が立て直され陰液が生成される様になれば自然と落ち着くのか? 上の文、気になったので書き残します。 他に瘀血のできる位置もとても勉強になりました。   課題 相手を感じれた?時なんとなく相手の気持ちが移ってきて同じ様な状態になる事が少し増えたのですがこれはまた自分の課題とするところと違うのか。 良い事なのか悪い事なのかわかりませんし、一向に問題をクリアできていないのですが今までにはなかった感覚なので新鮮です。

脈診(04)

瀕湖脉学七言訣(二十、弱脉) 弱来無力按之柔、 柔細而沈不見浮。 陽陥入陰精血弱、 白頭猶可少年愁。 弱脉は力無く来て、按じても柔、 柔は沈にして細、浮では見られず。 陽は陥入し、陰精血は弱、 白頭(老人)は考えられるが、少年なら愁う。 脉が骨周辺まで沈む理由が何なのか.. 自問自答してみる。 年老いて骨が弱くなり営気を必要としているから、 骨への栄養補給の為に沈下する? いや、肌肉の中空を維持出来ない為に沈む? 衛気が衰えて、エマージェンシー発生の為に 脉が皮毛に栄養補給にやってくるのが浮脈? 現象に対しての理由は多々ありそう。 【参考文献】 『中医脉学と瀕湖脉学』(株)谷口書店

「11/10(土) 漢方薬「桂枝湯」を学ぼう!」の感想

講師は大原先生より学びました。 傷寒論より太陽病~厥陰病を説明され、 実際に桂枝湯を煎じ、飲用を楽しみながら温かい時間を過ごさせて頂きました。 学生の身で、混沌の日々を過ごしておりますが 通行人や電車で同乗する人達を観る際に、仕草や素行を観察してしまいます。 例えば この人は落ち着きがない、汗が多い、座り方が横柄、疲れてる、顔色が悪い、 歩き方、目の力強さ、物の持ち方、声の大きさ、、、、 その標は?本は? 虚している?、実している?、陽虚?、陰虚?、内熱?、肝気?、腎虚?、、、、と しかし、本日の漢方講座を経験すると、今までは力の入り過ぎた感覚で見ていた様に思いました。 飲用より身体を整えていく感覚を思うと 力を抜いて観察し、全体像より症状とか異変の把握に努めなくてはならないと感じました。 臓腑を補した影響が、体全体へと達すると思えたからなのでしょうか。 この”『補する』を重点とする”という事を 「10/7(日) 学生向け勉強会」後半戦の院長特別講座で教えて頂きました。 その後半戦のフィーリングは一つの起点となっていますが、共通項を得られたのが本日の収穫の一つです。 大原先生、お疲れ様でした。 いつも配慮頂く院長に感謝いたします。ありがとうございました。 【番外編】 (講座が終了し、方剤の効能についての雑談中) 大原先生 「・・は腎陽と腎陰の両方を補うんですよ。逆じゃなくて両方を補えるんです!」 稲垣 「なるほど、太極を大きくするのですか・・」 と返答した際の大原先生の顔が 『稲垣、易経できやがったな』的な顔は脳裏から離れません( ̄▽ ̄)

上ル・下ル(01)

四方八方ありますが、 東洋医学に関して言えば、”上下” の問題をよく目にします。 上がってはいけないものが上がったり、 下げる力が弱くて下がらなかったり。 亢害承制 「肺氣の清粛下降機能は、肝木が昇発しすぎるのを防止し制御して、全身の協調と安定を保っている」 と、『中医病因病機学』においては、このバランスを保っている法則を”亢害承制”と呼んでいます。 【病理】 〇金不制木 肺金の粛降機能が失調し、肝火相火が制御できずに上昇してしまう。 〇木火刑金 肝氣不疏により気鬱が火に変化し、肺金を犯す。 【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社

中国の思想(04)

老子 二十六章 ”静”は”動”を支配する 重為軽根、静為躁君。 是以聖人、終日行不離輜重。 雖有栄観、燕処超然。 奈何万乗之主、而以身軽天下。 軽則失本、躁則失君。 重は軽の根たり、静は躁の君たり。 ここをもって聖人は、終日行けども輜重を離れず。 栄観あるといえども、燕処して超然たり。 いかんぞ万乗の主にして、身をもって天下より軽んぜん。 軽ければすなわち本を失い、躁なればすなわち君を失う。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P63) 《私議》 修行中の身において患者さんを診させて貰う際、 ”上逆下虛”の場合には、陰陽の重りの方をしっかりと保つ事を考えます。 四診合算において、そのままスタンダードで良いのか悪いのか、、 足りていない情報をかき集めるのに必死になってしまいます。 問診に於いても、患者さんとの間合いに注意しないといけないな・・と思う日々です。 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店

最近試していること

最近試してる事① 目に頼らなかったらどうなるんだろうって事で色々試してみています。 目を瞑って10分程度過ごす。 その際ゆっくりでもいいから歩きながら、猫の位置を探ってみる。 分からなかったら目を開けて場所を確認。 当たったら触ってみる。 いつもと違う感覚で面白いです。 しかし物にぶつかるかもしれない恐怖で歩くのが中々怖いです。 視覚障害の方は点字ブロックに対して杖が当たった時の音と触覚で歩行を行っているそうなのですが、神経張ってないとできないなと思いました。 できれば目を開けながら研ぎ澄まそう。 使わない事はできると思う。   道の物為る、惟れ恍惟れ惚。惚たり恍たり、其の中に象有り。恍たり惚たり、其の中に物有り。 窈たり冥たり、其の中に精有り。其の精甚だ真なり、其の中に信有り。 老子21章とも繋がるのかな。   最近試してる事② じゃあそれを目を開けながら近づけようとして、色々方法はあると思うのですが目を背けながら対象物に触るという事を行ってみています。 また違った印象を受けます。   最近試している事③ 会話する時、伝えたい事が伝わった瞬間を探る。 トーン、テンポ、躱しかたなど。 また、伝わりにくい状態はどんな状態? 自分がその状態ならどうなる? この前最悪な精神状態だった時の自分の感覚も参考になります。   妊婦 妊婦さんを見て、もし「治療してくれ」と言われたらどうするんだろうと思った。 1人ではなく、2人分の命を見なければいけないので状況が違う。 母体も分け与えている状態。 そもそもの目的が違うので、脈なども正常時とは違う。 臍も参考になりそう。 ここで胃気などにも踏み込むことになると思うが、今勉強している傷寒論とも関連させていきたい。 まだ多分何かあるんだろうなと言った段階です。   フロイト 最近ちら〜と見ていっているのですが、面白い考えの人だと思いますし、勉強になってます。  

単純化など

単純化 ありがたい事に最近色々やることをやらせて頂いている。 すると色んな余計なものが入りにくくなってきた。 余裕が無くなるとミスを起こしてしまう傾向は相変わらずですが、そうならない様に自分をコントロールしていきたい。 やるべき事に向き合ってさっさとクリアしていく。 そのためにも自分の中で色々単純化させていく必要あり。 バイアスを取っ払う。 治療にも繋がる。   批判的思考 自分は裏が見えていない事が多々ある。 何か形を受け取ったものも、内包されるものが違っている事がある。 その違和感に気付けるか。 先に起こるものへヒントが隠されている事もある。 思い返せばでは遅い。 ある種の健全な疑う心も必要。 清濁全て飲み込める様に。 それを瞬間に判断できる様に色々経験を積む必要あり。   繕うな 良いものを作ろうとした時、そこへ自分がどの程度関わる事が良いか。 まだ配分が上手くいっていない。 目的の達成のためにどうすればいいか。 人を信じてお任せするところはする。 お任せして良いかわからないなら相談する。 そこを任せられないのもある種のエゴ。 自分の弱さ。   人と向き合う どんな忙しかろうが寺子屋の時にお身体を貸して頂いている患者さんにきちんとで向き合う。 向き合い方が全然足りない。 患者さんに限らず、大切にすべき人たち全員に言える話だと思う。 となって来ると相手への話。 本質的に大切なのは相手の事をどれだけ考えれるか。 良い面も悪い面も向き合う。 というか善悪なんてないから。 それがどの様な現れ方をするかというだけ。 わかっていたら躱せるものも増えてくる。

山楂子など

山楂子 実験として無理して食事を大量に摂取。   やはり次の日は大ダメージ。   症状として気になったところは鼻詰まり・咳・軽い腰痛・股関節痛   舌下静脈が浮き出て、脈は沈気味になった。   行った実験は山楂子を大分多めに摂取。   気になる原穴付近にも体感として反応あり。   勿誤薬室方函口決には浄府湯という処方がありますが、ここで大切なのは山楂子だと思いました。   ネットでは処方構成、文章を確認しましたが今手元に本がないので、また原文を確認したいと思います。   とにかく身体への現れ方がとても勉強になりました。   命 生命の危機に瀕したとき、人間は一番能力を発揮する。 最近そう思う事が増えました。   事象 東洋医学を考えるとき、文字面になってはいけない。 一定の揺らがない法則があり、それは日常の現象でも当たり前に観測される。 人間も自然の中の一部なのだからそれは当てはまる。 そのイメージを持ってくると見えてくるものもあるのではないか。 そう考えてみています。   環境 沢山の勉強をさせて頂いている本当にありがたい環境にいるなと思います。 発見があるとやはり嬉しいし、拡がってくる。 しかしそうなった時に怖いのが自分。 それが日常になっては絶対にいけない。 自分自身で非日常にする努力を行うべきで、そこに甘えてしまう事は本当に恥ずかしい事だと思います。 自分なんて碌でなしを肯定するわけにはいかない。