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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

足など

足 細かいことは書きませんが、これから足への理解を深めていきたいと思います。 自身の体の使い方と経穴の理解も深まる気がしています。   刺したとき さっきの話とは別ですが、自分の足で実験で刺した時に何を感じるか。 もっと捉えれる様にしていきます。   先生 どの仕事でもそうですが、その中でも緊張が多い大変な仕事だと思う。 色んな事を考えなかればいけないし、責任が生じる。 同じ重圧を受けていても感じ方は人それぞれだと思いますが、この間みせて頂いた方にとっては負荷がかかるだろうなと感じました。 様々な不安も重なっているのかもしれない。   勢い 何かをする時、内容を伴わずに自分が作った勢いに乗ってどうにかしようとする。 今の自分にとっては特に気をつけなければいけない部分。

脈診(03)

S.T先生 より四診について教授を受ける。 四診をさせて頂いた、ある患者さんの尺位の洪脉は不可欠な情報であるとの事。 そこで『中医脉学と瀕湖脉学』(たにぐち書店)を読んでみる。 瀕湖脈学七言訣(十一、洪脈) 寸洪在左主心診、 右寸洪時肺不堪。 肝火胃虚関内察、 腎虚陰火尺中看。 寸に洪あり 左心診を主る、 右寸洪の時 肺たえざる。 肝火、胃虚 関内を察し、 腎虚、陰火 尺中を看る。 この「洪脉=大脉」が発生する病機が重要なのかと思います。 【参考文献】 『中医脉学と瀕湖脉学』(株)谷口書店

異名同穴③

李世珍の下で働いていた方に、異名同穴について尋ねたことがあります。 「李世珍の家の伝来の呼び方がある。」との事。 その時は、中国の『宗族(父系中心の一族)』や『圏子(利益を共にする集団)』といった文化圏を想像しました。 ③3つの異名のあるもの 穴名         異名 陰郄穴    :   少陰郄穴、石宮穴、手の少陰郄穴 隠白穴    :   鬼疊穴、鬼眼穴、陰白穴 会陰穴    :   下極穴、平翳穴、屏翳穴 京門穴    :   氣付穴、氣兪穴、腎募穴 氣衝穴    :   氣街穴、羊屎穴、氣冲穴 厥陰兪穴   :   関兪穴、厥陰穴、闕兪穴 三陽胳穴   :   通門穴、通間穴、通関穴 上巨虚穴   :   巨虚上廉穴、上廉穴、足の上廉穴 衝門穴    :   慈宮穴、上慈宮穴、前章門穴 水分穴    :   中守穴、分水穴、正水穴 人迎穴    :   頭五会穴、五会穴、天五会穴 兌端穴    :   壮骨穴、兌通鋭穴、唇上端穴 太淵穴    :   鬼心穴、太泉穴、大泉穴 大陵穴    :   心世穴、鬼心穴、心主穴 中膂兪穴   :   脊内兪穴、中膂内兪穴、背中兪穴 通天穴    :   天臼穴、天旧穴、天白穴 手の五里穴  :   尺の五里穴、大禁穴、尺の五間穴 天突穴    :   玉戸穴、天霍穴、天瞿穴 然谷穴    :   龍淵穴、然骨穴、龍泉穴 陽輔穴    :   絶骨穴、分肉穴、分間欠 陽陵泉穴   :   筋会穴、陽の陵泉穴、陽陵穴 白関兪穴   :   玉関兪穴、玉房兪穴、陽兪穴 胳却穴    :   強陽穴、脳蓋穴、絡郄穴 【参考文献】 『臨床経穴学』東洋学術出版社 『鍼灸医学事典』医道の日本社 『新版 経絡経穴概論』医道の日本社

老子の第一章から想像

先日老子を読み終えました。 速読を意識したので二周目はじっくり読んでいきたいと思います。   第一章 道可道、非常道。名可名、非常名。 無名、天地之始。有名、萬物之母。 故常無欲以觀其妙、常有欲以觀其徼。 此兩者同出而異名。同謂之玄。玄之又玄、衆妙之門。   訓読文 道の道とす可きは、常の道に非ず。名の名とす可きは、常の名に非ず。 名無きは天地の始め、名有るは万物の母。 故に、常に欲無くして以て其の妙を観、常に欲有りて以て其の徼を観る。 此の両者は同じきより出でて而も名を異にす。 同じきを之を玄と謂う。玄の又た玄、衆妙の門。   ・この文章から今の時点で感じている事 これが道だというものは常の道ではない。 道は万物の根元ではあるが、それを言葉で説明することは出来ないし、ましてや名付けることなど出来ない。 全ての事象は道から為るが、道を観ようとすれば無欲でなければいけない。 無欲のため観えるものは妙であり、奥深い。 有欲であれば徼しか観ることが出来ない。 妙とは「あまりにも奥深くて見ようとしても見えないこと」で、 徼とは「帰結や端」という意味とされます。 妙も徼も同じ玄から生まれるものではあるけれども観ているものが違う。 王弼は 「両者は始と母である。同出とは同じく玄から出ること。異名とは名付けられる場面が同じでないこと。首(はじめ)に在れば始といい、終にあれば母という」と注釈されています。 図解雑学 老子では 「「名有る」状態が「万物の母」だというのは、万物は名が与えられてはじめて万物と認識されるからで有る」 としました。 第四十二章では 「三生万物」という言葉がありますが、これは「天地間の陰陽の気が混ざり合って万物を生むということ」とされます。 つまり欲がある立場に立てば 徼という「天地間の陰陽の気が混ざり合って生まれた万物に名前がつけられた状態」しか観えないのではないでしょうか。 確かにそれは玄から生まれたものの一つではあるけども、端であって全てではないのかなと思います。 何事も無欲の立場で妙を観なければいけないのではないかと思いました。 道は奥深くて決してこれ!と捉えられる存在ではけれども、老子の様に無欲の立場に立てば感じることが出来るものなのではないのでしょうか。 道理という言葉は広辞苑では「物事のそうあるべきすじみち」とされますが、 道の理はどこまでも奥深いので、妙であり「玄の又た玄、衆妙の門」とされたのではないのかと思います。 臨床現場にまだ立っていませんが、きっとそういったことも必要なのではないか。と感じています。   参考資料 老子 岩波文庫 蜂屋邦夫著 図解雑学 老子 ナツメ社 蜂屋邦夫著 広辞苑 第七版 岩波書店

しゃべる訓練など

  しゃべる訓練 しゃべる訓練として自分語りをします。   先日一鍼堂で「なぜ鍼灸師になろうと思ったのか」と言った話を先生とした。   その時にお伝えした内容ですが、それよりもっと前になぜ医療をやりたいのかと言った問答が自分の中にあった。   大学生一回生の時、情報基礎倫理の授業で 「グラスに入った水が半分残っています。 これをどう考えますか?」   と言ったテーマで講師が話していた。   その問いに対して 「残り半分もある」 「残り半分しかない」   どう捉えましたか? と言った内容だった。   話を聞いていて、ふと陰陽の考え方がよぎった。   グラスには水の入った部分もあれば空の部分もある。   全てには逆の側面がある。   もちろんその先もあるが、ほとんどの事象はそう。   世間一般の良いや悪いの評価に対して 何でお前らに決められなあかんねん、と疑問を抱いていた中で出会ったそんな考え方。   自分の中にドカーン!と言った感覚があって、その日の学校の帰りは見るもの全ての逆の側面を見るようにしていた。   東洋医学の中にある考えの一つに触れ、それが何なのか知ってみたくなった。   何となくですが、その先に自分みたいなしんどい人が救われる未来があるのかなと医療人を目指したような気がします。   過去に囚われるのは良くありませんし、そこに縛られている訳でもありませんが、先へ進む為にもいい振り返り方はありかなと感じた。     カフェにて 老子を読んでいて、ボーッとしながらふと周りの景色が入ってきた。   その時に大きく飾られていた世界地図を見た。   ありきたりな感想ですが、   「日本って小さいなぁ」   そう思いました。   この狭い国の中でさらに狭いコミュニティに縛られる必要はない。   もっと広く、大きなものを。   世界地図だって宇宙を含めたらまだまだ狭い。   どこまでも伸び伸びと。   思い浮かんだ逍遥という言葉。   単語としては一番好きかもしれません。     何も抱かない   何か不満が募る。   そこは出した方がいいかもしれない。   でも、そこを抱かない事が一番大切。   最初からなければ何も生まれない。   何に焦点を当てて生きていくか。   スッキリした人間でありたい。     腹部と経穴 習った腹部のエリアと経穴を一致させるために、心経の穴のみをを軽く刺した。   刺した後に感じる腹部の変化。   変化を感じる事ができて良かったです。

舌診(06)

舌形について整理する 【舌形】 老 粗糙(そそう) :舌面の紋理のきめが粗い。 堅斂(けんれん):舌体が堅くしまった感じ。 蒼老(そうろう):色が濃い。 嫰 細膩(さいじ):舌面の紋理がきめ細やかで潤いがある。 浮胖嬌嫰(ふはんきょうどん):舌体がはれぼったくて柔らかい感じ。 胖大 舌体が正常よりはれぼったくて大きく、舌を伸出した時に口の幅いっぱいになる。 腫脹 舌体が堅く腫脹し、甚しければ口腔内を満たしたり、 口外に出たままで回縮・閉口ができない。 歯痕 舌体の辺縁に見られる歯による圧迫痕。 痩薄 舌体がやせて小さくなったり薄くなったもの。 裂紋 陰血が不足して舌面を栄潤できなかったり、陰津の散布を阻滞したりして発生する。 苔のみの裂紋と混同に注意が必要。 光滑 舌面に苔が無く乳頭が消失し、光ったように見える。 点刺 点は紅・白・黒色を呈し舌面の点状隆起であり、熱入営血や心肝火旺などを示す。 刺は舌面に立ち上がった軟刺や顆粒のことで、気分熱盛や胃腸熱盛などを示す。 瘀点、瘀斑 舌面より隆起しない斑点で、点状のものを「瘀点」、斑状のものを「瘀斑」という。 紫舌と同意であったり、熱入営血での斑疹出現の前兆であったり、血瘀であったりする。 舌下脈絡 舌下静脈の怒張・蛇行があれば気滞血瘀の可能性。 重舌、舌衄、舌癰、舌疔、舌瘡、舌菌 ・重舌 腫脹などにより小舌が生じたように見えるもの。 小児などにみられ、心経化熱の上衝によったりする。 ・舌衄 舌面からの出血で、血熱妄行や脾の不統血。 ・舌癰 舌面の化膿症で大きく腫脹するのが”癰” ・舌疔 舌面の化膿症で紫色であったり小豆大であったりするのが”疔” ・舌瘡 舌面に生じるアフタ。 ・舌菌 舌面から隆起する新生物。 【参考文献】 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

痰飲(1)

痰飲について、『中医病因病機学(主編:宋 鷺冰、翻訳: 柴崎 瑛子)』の第9章 「内生要因」より、古典からの引用部分を抜き出す。 「千金方衍義」 その根源が不足すれば、日がたつにつれ水の精華は混濁してゆき、ついには痰飲が出来る。 そして必ず先ず呼吸した大気が及ばないところに集まるので、腸から脇、そして四肢へと達し、 しだいに胸膈へと浸蝕していき、ますます乱れていく。 つまり痰飲の病で胃から始まらないものはない。 「儒問事親」 飲ができるためには原因が五つある。それは憤慨を抑えたことによるもの、疲労によるもの、 思慮が過ぎたためのもの、飲痛によるもの、そして発熱に冷えに損傷されたためのものである。 「医碥」 痰自体は自分の津液であり、・・その静粛機能を失って加熱すれば、 津液が火に煮詰められ、粘っこい濁物に変わる。 また温が失われて寒が過剰になれば、津液が寒のために停滞し、次第に凝結して痰ができる。 「三因方」 飲食過多で道楽にふけり、大声を張り上げてひどく疲れ、運動が適当でなければ、 津液が巡らず、集まって痰飲になる。これは不内外因に属する。 「直指方」 水と飲と起源が同じだが名前が異なる。 人は脾土が欠損しているだけで飲んだ水がいつまでも転化できなかったり心下に停滞したり、 脇間に集まったり、経絡に入ったり、膀胱に溢れたりし、そのために病気になることがよくある。 「本草綱目」 痰涎などは気に従って上下し、入り込めないところはない。 心に入れば竅を惑わせて癲癇・うわ言・幻視などをひき起こす。 【参考文献】 「やさしい中医学入門」東洋学術出版社 「中医病因病機学」東洋学術出版社

心血虚証

心の血不足によって血脈が空虚になり、身体を滋養することができなくなる。 心血が不足すれば「神」にも影響が出る。 思慮過多、心労過多、目の使い過ぎ、血の生成不足(脾胃の失調からくる)などが原因。 心悸、怔忡、胸悶、眩暈、健忘、不眠多夢、顔面蒼白などの症状が現れる。 心血虚が痩せやすいのは、脾胃からの影響を受けて血の生成不足が起こり、 身体が栄養を吸収できないため。(舌もやせてくる) 心血が不足し、神を滋養できなくなると落ち着かなくなり、不安になる、心悸怔忡がおこる。 (眩暈や健忘が現れるのは血が少なくなり、髄海を養えないため)   - - - - - - - - -  - - - - - - - - - -...

色々失敗する

問診、切経が長すぎる問題。 先生の施術を診て、省略できる所はどこか 効率の良い方法を流れを止めずに如何に行うか。 模倣してみて、集中できる環境に繋がり効率の良い所作だと感じました。 観察して模倣して、発見して。 少しずつ気付きを積み重ねていきたいです。     鍼を置く時、「手にばかり集中している」 と寺子屋の練習の時に指摘を受けました。 あ、これは切経にも言えることだなと、 下半身にちょっと意識を置いた途端 不思議と相手の脈が私の体の中に入って来る 感覚になり、景色が変わりました。 休日、ひたすら細かい作業をしました。 何時間も作業するので手先に集中するために 無意識で重心や姿勢を調整していたと思います。   たまーに出くわす近所のおっちゃんがいます。 昨日久々に道端で会ったら「人相変わったなー!」と私を見て笑っていました。 (悪い意味ではないらしい。) 「毎日ちょっとずつプラスやで。 いっぱい失敗して勉強させてもらいや〜」 飄々として、気の良いおっちゃん。 「まあ、楽しむんやで」 と一言もらってさよならしました。

噯と曖

読み物で、漢字の微妙な使い方の違いに時折立ち止まる事があります。 例えば、『井、滎、兪、經、合』の”滎”が”榮”となっていたり。 「ん?」となってしまう時です。 今回は”噯”と”曖”について 口へん、日へんの微妙な違いなのですが。 噯(あい) 1⃣いき。あたたかい氣。 2⃣おくび。 曖(あい) 1⃣かげる。かげって、ハッキリしない。 2⃣くらい。暗くて見えない。 ↓ 例:曖昧(あいまい)ハッキリしない。紛らわしい。 つまりゲップは ”噯氣(あいき)”であって”曖氣(あいき)”ではないのですが、この漢字の入れ替えが多いように思います。 因みに ”噫気(あいき)”もゲップ。 噫氣(あいき) 1⃣吐き出すいき。呼氣。 2⃣おくび。食べた過ぎた時など、胃にたまったガスの口腔外に出るもの。 噯氣(あいき) 1⃣おくび。吹呿。噫気。 噯の意味より、噫氣よりも噯氣の方が少し温度が高いゲップに感じるのは気のせいでしょうか。 【参考文献】 『大漢和辞典』(株)大修館書店