血分病機
こんにちは、稲垣です。
血分病機についてまとめます。
【血分病機】
血は営より深層にあり、血分病変は営分病変よりもさらに重くいとされ、
心・肝・腎などに重大な障害の可能性があるとされる。
・熱深動血
熱邪が血分まで深く入りこんで火に変わり、火毒が燃えあがり、血絡を損傷し、血流を混乱させる。
血熱が心を傷れば、主神の蔵ゆえに意識障害・譫語・狂躁が現われる。
・血瘀血畜
血熱が気を損傷し、気滞をつくり血瘀に発展させる。
邪熱が血とぶつかる、陰液を熱邪が損傷させて営血を消耗させた場合、など瘀血となる。
さらに発展し、邪熱と瘀血がぶつかりあえば「血結胸」「下焦畜血」などとなる。
・血熱動風
血熱が盛んになり、厥陰まで入り込み、肝を犯して筋脈を焼く。
陰血を消耗させ、火より風を生じさせる。痙攣などが発生する。
少火は壮火となり、風を起こして、さらに火を煽る。
意識の混迷や厥証を発生させる。
・耗血動血
熱の血分侵入では、耗血・血竭・亡血・動血を起こす。
血の不足により筋を潤すことが出来ず、また陰が陽を抑えられずに
血虚生風、虚風内動を起こす。
【参考文献】
『中医病因病機学』東洋学術出版社
湿が熱化することについての疑問点
湿熱証は湿と熱が合わさった状態で人体に入り、病になっている。
湿や熱が蘊結(こもって停滞する)、薫蒸(いぶすこと)して起こる。
湿も熱も気の1つ(?)で口鼻から人体へ侵入する。
前回のブログを書いた時には皮毛から湿邪が侵入するという風に書いてあるのを読みましたが、口鼻から侵入する湿、熱と、湿邪は別物なのか?
湿邪が体内でこもって停滞し熱が生まれることと、脾胃の湿から熱が生じるというのは、
前者は外からの要因によるもの、後者が内からの要因によるもの、という認識でいいのか。それともどちらも体内で起こっていることで、単純に湿→停滞→湿を解消するために熱化する、ということなのか。
熱化することで、体内に分散させて湿をなくそうとしている、ということなのか。
(でも熱化することで、津液が少なくなる、臓腑の機能が失調する、などの問題も生じれば、熱化は身体にとっては良くないことになってしまうような気も・・・)
湿熱証の性質は「湿」ではなく「熱」という記載もあり、2つが合わさっているのに性質が熱というのは、熱の方が湿より強い、ということなのか?
確かに湿のことだけを考えていると湿が強くなることで熱化し、熱が発生してから熱が弱から強に変化していくようなイメージになってしまって湿と熱を同列にしているとやはり変な感じもあります。
【memo】
・〇湿が熱化→湿熱に転じる
・脾胃だけで熱化を考える
・熱の影響
中医内科学 その2 心の病理①
前回の記事
『中医内科学 第2版』冒頭
臓腑の働きについて
『中医内科学 第2版』P.49〜、P.72〜より
心
『霊枢』邪客篇にて
「心なる者、五臓六腑の大主なり、精神の舎(やど)る所なり。」
とあり、
心の主な生理作用は、神明を主るものである。
『素問』痿論篇にて、
「心は身の血脈を主るなり」
とあり、
心は血脈を主るとは、また特別重要な生理作用であり、
ゆえに神明を失し、血脈が不利になることは、
心の基本病理変化である。
(1)心不主神明(心、神明を主らず)
・・・心が常を失すると、心神安ぜず、神舍を守らず、
患者に失眠りや多夢、恍惚(こうこつ)、健忘、惊悸、恐怖、
妄言、妄見、ときに悲しみ、ときに喜ぶ、ふるまいが常を失して、
痴呆、癲狂等の病証。
甚だしき場合は、神明が閉塞あるいはばらばらになる、
うわごと、意識がはっきりしない、
神明が臓腑百骸を統率・主宰できなければ、
患者の生命に危険がおよぶ。
ゆえに
『素問』霊蘭秘典論篇では
「主が明らかならざれば十二官危うし、
使道閉塞して通ぜず、形すなわち大いに傷れる」とあり
心が神明を主らなければ、心神が失養して、邪気受けて心竅を乱す。
心の要は正常な神志活動の進行であり、
必ず気血陰陽の充養を頼る。
・・・
ゆえに『景岳全書』では
「営は血を主り、血虚なれば心を養えず、心虛なれば心は舍を守れず」
とある。
心竅に、火熱、痰濁、瘀血などの邪気が犯せば、神明は主を失し、
軽ければ火熱擾心、神志不寧となり、患者は失眠や多夢、煩躁あるいは精神狂躁等を引き起こし、
甚だしければ痰濁、痰火、瘀熱が心竅をあざむき、嗜睡、痴呆、昏迷等を引き起こす。
ゆえに『霊枢』邪客篇では
「心なる者、その蔵強固にして、邪容(い)るあたわざるなり。
これに容(い)ればすなわち心傷れ、
心傷るればすなわち神去り、神去ればすなわち死す。」とある。
(2)心不主血脈(心、血脈を主らず)
については次回に続きます。
■参考文献
『中医内科学 第2版』 人民衛生出版社
突発性難聴、受付
突発性難聴
先日突発性難聴になりました。
最初は何か辺だな?程度のものがいきなり詰まり、耳が塞がった。
片耳でしたがこの間オススメ頂いた映画の通りの体験で、トンネルの中に列車が入った時の耳の詰まりがずっと続く感じでした。
西洋医学的な原因を調べていくと早めの処置を行わないとずっと聞こえない様になる可能性もあるとの記事が多く、患者の視点に立つとこれは怖いことだと感じました。
同時に自身が施術者になった際は全て自己責任で行わなければいけないので、
「もし知識不足により患者の聴力を失わらせてしまったら…」と怖くもなった。
知っておかないと怖いことが沢山ある。
東洋医学一辺倒だとその辺の責任が取れない事もあるのでしっかり勉強しないとなと再認識させられる出来事でした。
東洋的に考えると脈も沈んでおり、臓腑の弱りから生まれた邪気が下焦に蓄積して清竅への気血を送れない様にしていると思いました。
治療していただいて面白いなと思った変化が
翌日、鏡で舌を確認した時、色が少し暗めだった。
確認後5分程度で急に唾液が溢れ出した感覚があったので急いで鏡をみると色が赤みを帯びてきたと同時に表面以外にも色の変化が見られた。
治り方としては一気に治るという訳ではなく、耳が抜けたと思ったら耳鳴りに変わった。
湿邪は取れにくいので、一定の残存は見られるのだと思う。
また、施術も状況に応じて変えていく必要性も感じました。
受付
対人関係でもお互いが尊重できていないと治療にならないと言った事を最近感じる。
素直な人は鍼も薬も効きやすいと聞いた事もあり、自身でもそれを感じる事がある。
受付の仕事としては先生の治療しやすい環境作りが主になるものだと思いますが、
案内する前の患者さんを治療の受けやすい状態で送り出す事も将来的な自身の治療に繋がると感じました。
一般的に正解とされる様な対応を一様に全ての人にとっていてもそれが下準備として正解になる訳ではない。
どの様に相手に映るかも考えていかないといけないと思います。
色んな人の空気、態度、言葉遣いが勉強になります。
仕事の帰りに少彦名神社
少彦名神社
【御鎮座】
道修町には、明暦四年(1658)頃から薬種商が集まっており、享保七年(1722)
124軒が幕府より道修町薬種中買仲間として公認された。
この仲間が生命に関する薬を神の御加護のもとに間違いなく取り扱えるよう、中国の薬祖神・神農氏と共に、
安永九年(1780)京都・五条天神から少彦名命をお招きして、仲間会所(現在地)におお祀りした。(引用:神社の案内より)
(´ー`)
仕事の帰りに足を延ばし、少彦名神社に参拝に行ってきました。
御鎮座より今年で240年という事で、お薬と大阪との長い付き合いを感じます。
学生時代より度々お参りに来ておりますが、卒業後では初めて来させて頂き、試験合格のお礼をさせて頂きました。
卒業し、鍼灸師となった立場で神様に手を合わすというのは違った思いがあります。
本日は梅雨時の隙間、暑さは止みませんが、良い風が吹いていたように思いました。
初学者の心得
「予想外なことが起きるとパニックになり思考停止するのは治さないといけないことだね。」
とご指摘いただきました。
また、ある日は、
「ネガティブな思考にハマるとどんどん引っ張られる」とも。
また、ある日は、
「甘えや恐れは禁止」
とも。
自分の心情を優先してしまい
患者さんの事を置き去りにしてしまっている。
なにより治療に集中できていないことです。
患者さんとの距離感、問診、切経、刺鍼、
治療が終わるまで…
ひとつひとつの流れの中で
この間できなかったことだから、
今日は直そうと取組むが、
打開できず、悔しい日々。
課題が山積みで、パニック、ネガティブになり
もどかしくて凹みます。
患者さんと術者の距離感、
今まで自分がやっていた人間関係を築く方法は、
鍼の効力を下げてしまうと教わり、
これはマズイと思うものの、
あれもこれもと課題があって
今はどうすれば良いかわかりません。
恐れ、迷い、揺らぎがある時に鍼をすると、
悪い方向に傾くとので、
鍼はとても繊細だと思い知りました。
自分を鼓舞して挑んで失敗しても、
先生方がリカバリーしてくださり、
その失敗から多くを得る事もできました。
これは甘えなのか?
ふと、心配になりますが、
挑んだ結果得られた物なのだから、
一旦今日は良しとします。
初学者だけど、これから将来
治療者として絶対にブレてはいけない
大切な心構えを教わっています。
まずは、凹んだことを引きずったり
ネガティブモードに「執着」することを辞めます。
異名同穴④
腧穴(しゅけつ)とは、いわゆる「つぼ」と呼ばれるものの総称である。
腧穴には、十四経脉上(正経十二經脉・督脈・任脈)にある「經穴(正穴)」、経脉に所属せず治療効果から発生し名称と部位が定まっている「奇穴」、奇穴の中でも1901年以降になってから定められた「新穴」、押すと心地がよかったり、圧痛を感じたりするが、名称も部位も定まっていない「阿是穴(天応穴、圧痛点)」などが含まれる。
經穴(正穴) : 十四經脉上にあり名称、部位が定まっている。
奇穴 : 十四經脉上になく名称、部位、主治症が定まっている。
(新穴 : 1901年以降に定められた奇穴)
阿是穴(天応穴、圧痛点): 名称や部位は定められていないが、病態と深く関わって出現したり、治療点となる部位がある。
④4つの異名のあるもの
穴名 異名
陰交穴 : 少関穴、横戸穴、丹田穴、小関穴
陰都穴 : 食呂穴、食宮穴、石宮穴、通関穴
横骨穴 : 下極穴、屈骨穴、曲骨穴、下横穴
客主人穴 : 上関穴、客主人穴、客王穴、太陽穴
曲地穴 : 鬼臣穴、陽沢穴、鬼臣穴、鬼腿穴
頬車穴 : 機関穴、鬼牀穴、曲牙穴、鬼林穴
曲骨穴 : 尿胞穴、屈骨穴、曲骨端穴、回骨穴
三陰交穴 : 承命穴、太陰穴、下三里穴、女三里穴
心兪穴 : 背竅穴、俉焦の間穴、心の兪穴、背兪穴
上脘穴 : 上管穴、上紀穴、胃脘穴、胃管穴
衝陽穴 : 会原穴、趺陽穴、会湧穴、会骨穴
神門穴 : 兌衝穴、中郄穴、鋭中穴、兌骨穴
身柱穴 : 知利気穴、散気穴、塵気穴、知利毛穴
臑会穴 : 顴髎穴、臑交穴、臑輸穴、臑兪穴
太谿穴 : 昌細穴、照海穴、陰蹻穴、大系穴
中府穴 : 膺中兪穴、肺募穴、府中兪穴、膺兪穴
中極穴 : 気原穴、玉泉穴、膀胱募穴、気魚穴
瞳子髎穴 : 太陽穴、前関穴、後曲穴、童子髎穴
命門穴 : 属累穴、竹杖穴、石門穴、精宮穴
腹結結 : 腹屈穴、腸結穴、腸屈穴、陽屈穴
陽関穴 : 関陽穴、寒府穴、陽陵穴、関陵穴
湧泉穴 : 地衢穴、地衝穴、蹶心蹶、涌泉穴
労宮穴 : 五里穴、鬼路穴、掌中穴、鬼窟穴
【参考文献】
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
『鍼灸医学事典』医道の日本社
脈診(04)
瀕湖脉学七言訣(二十、弱脉)
弱来無力按之柔、
柔細而沈不見浮。
陽陥入陰精血弱、
白頭猶可少年愁。
弱脉は力無く来て、按じても柔、
柔は沈にして細、浮では見られず。
陽は陥入し、陰精血は弱、
白頭(老人)は考えられるが、少年なら愁う。
脉が骨周辺まで沈む理由が何なのか..
自問自答してみる。
年老いて骨が弱くなり営気を必要としているから、
骨への栄養補給の為に沈下する?
いや、肌肉の中空を維持出来ない為に沈む?
衛気が衰えて、エマージェンシー発生の為に
脉が皮毛に栄養補給にやってくるのが浮脈?
現象に対しての理由は多々ありそう。
【参考文献】
『中医脉学と瀕湖脉学』(株)谷口書店
福音
こんにちは、高山です!
先日、数少ない仲のいい友人から嬉しいお知らせが届きました!
大学受験に合格しました!
3年間の受験勉強の末、医学部受験に合格したみたいです。
彼とは、16歳の時に修学旅行でバスの席がずっと一緒で、意気投合して仲良くなりました。
話に毒とクセがあって面白い奴で、気弱でちょっと変な
ところも、自分と似ていて、いいやつです。
共通点は自然と生き物が好きというところ。
その後も、一緒に山や川、池に行って虫取り網を持って
生き物取りをしました。いい思い出です。
卒業後の進路は医学部を目指すと言って、その後は
連絡をとらなくなり、成人式にも来ませんでした。
そして、去年の夏休み、インスタグラムで連絡が取れて、
久しぶりに遊ぼうって事で、滋賀の山奥にザリガニ取りに行きました。
相変わらず面白いやつで安心しました。笑
終始、話で爆笑していました。
見送る際、「今年は絶対合格できる」って後押ししました。
そして先日、彼から「終わったー、受かった!」って連絡がきて
自分のことのように嬉しくて、そして、賞賛しました。
血の滲むような努力、絶え間ない時間、親からの期待、
いつ終わるのかという恐怖、が言わなくても感じ取れました。
彼の姿は、これから、自分が目指すべきものの励みになりました。
彼は西洋医学で、自分は東洋医学を極めようと語りました。
受験に終わりがあっても、
東洋医学に終わりはあるのかは正直わかりませんが、
絶えず、勉学と新しい発見に
向き合おうと思いました。
施術日記(05)
T.I 先生との治療練習5回目。
舌診での、軸を作りたいと考えて継続しております。
脉や腹診も含めて考察いたします。
舌診の鍛錬
【目的】
① 同經への刺鍼であるが、経穴を変更してみる。
② 舌の理解の為に、脉や腹診との共通項を考える。
問診にて「少々、お疲れ」との事。
この先生がダメージを体に受けている場合には、
舌の右への偏向がみられるようです。
ついでにいえば舌だけに限らず、
立ち居振る舞いにも、ある動きにも特徴が出てきます。
また、脈診においても右腕の脈に特徴を診ました。
舌尖の赤みはあるにせよ、舌辺の赤い斑点はかなり少なくなっています。
ただ、歯痕の凸凹が強く感じられました。
(左)地機:0番鍼にて置鍼(5分)
今回は(04)回までの経穴ではなく、別の経穴を試しました。
切経において、昔の教科書の取穴と現在の教科書の取穴の違いを
議論しながらの刺鍼となりました。
右脚と左脚の経穴を診た感じ、左の地機の方がウブな感じを受けたので、
刺鍼を試します。
舌の出し方が穏やかになり、正中線上に近くなりました。
歯痕も少なくなっております。
今回、特徴的だったのは写真では表現できていないかもしれませんが、
舌に溢れんばかりの潤いが出てきました。
おおよそ、水が引く事のイメージをもっていたので、少し驚いております。
腹診においては前回の治療(04)回と同じように
刺鍼後になってから、脾募へ特徴的な何かを感じました。
ミルフィーユのように階層があるようにも思え、
何かをどかしたら、何かが見えるようになった。のでしょうか。。
今後も経過を見てみたいと思います。








