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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

東洋医学探訪(02)

鍼灸学生の授業の一環で解剖実習があります。 東洋医学を学ぶ者として 『太古の医家達も、間違いなく解剖実習で学んでいるだろうな』 と考えておりました。 京都で医学史の1ページに触れてまいりました。 山脇東洋觀臓之地 ーーーーーーーー碑文ーーーーーーーーー 近代医学のあけぼの 観臓の記念に 1754年 宝暦4年閏2月7日に 山脇東洋(名は尚徳 1705~1762)は所司代の官許をえて この地で日本最初の人体解屍観臓をおこなった。 江戸の杉田玄白らの観臓に先立つこと17年前であった。 この記録は5年後に『藏志』としてまとめられた。 これが実証的な化学精神を医学にとり入れた成果のはじめで 日本の近代医学がこれから めばえるきっかけとなった東洋の この一業をたたえるとともに 観臓された屈嘉の霊をなぐさめるため ここに碑をたてて記念とする。 1976年3月7日 日本医師会 日本医史学会 日本解剖学会 京都府医師会 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 六角獄舎跡は二条城の南の因幡町にあります。 跡地は集合住宅であり、石碑のみの設置でした。  

五行大義(04)

稼穡 土爰稼穡。稼穡者、種曰稼、歛曰穡。 土爲地道、萬物貫穿而生。故曰稼穡。 土居中、以主四季、成四時。 中央爲内事。宮室夫婦親屬之象。 古者天子至於士人、宮室寝處、皆有高卑節度。 與其過也寧儉。禹卑宮室孔子善之。 后夫人左右妾媵有差、九族有序、骨肉有恩、 爲百姓之所軌則、則如牝。 順中和之氣、則土得其性。 得其性、則百穀實、而稼穡成。 如人君縦意、廣宮室臺榭、鏤雕五色、罷盡人力、 親踈無別、妻妾過度、則土失其性。 土失其性則氣亂、稼穡不成、故五穀不登、風霧爲害。 故曰土不稼穡。 土は稼穡。稼穡とは、種を稼といい、歛を穡という。 土は地道。万物は貫穿して生ず。故に稼穡という。 土は中にあり、四季を主り、四時を成す。 中央を内事となす。宮室、夫婦、親属の象なり。 古なる者、天子から士人に至るまで、宮室、寝処、皆が高卑の節度を有する。 その過を興するよりは、むしろ倹なり。禹は宮室を卑し、孔子はこれを善とす。 后、夫人、左右の妾媵に差を有し、九族に序を有し、骨肉に恩を有し、 百姓の軌則のところとなす、すなわち牝のごとし。 中和の氣に順じ、すなわち土はその性を得。 その性を得れば、すなわち百穀を実して、稼穡をなす。 もし人君の意をほしいままにし、宮室、台榭をひろめ、五色の鏤雕、人力を罷つくし、 親踈に別を無くし、妻妾の度を過ぐれば、すなわち土はその性を失う。 土はその性を失えば氣が乱れ、稼穡ならず、ゆえに五穀を登せず、風霧の害をなす。 ゆえに曰く、土は稼穡せず。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『漢語林』大修館書店 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

祖母への鍼灸ケア:温灸器

祖母(94歳。認知症あり。要介護4。脳梗塞後遺症あり。) に対する、スモークレス温灸器の動作テスト。 不定愁訴は便秘。 使用経穴は督脈の腰陽関と霊台あたり。 経穴は使わないと覚えられん…… ※7月14日に行いました。

テレビにおける鍼特集の直近の予定、と個人的な感想。

2018年12月31日 9時~13時 『YOUは何しに日本へ?』の再放送にて、YNSA(山元式新頭鍼療法)の紹介。 https://juku.teppennohari.info/post-7160/ 以下、東京大学付属病院に勤務しておられる、粕谷大智先生の公開Facebookページより。 2019年1月4日、NHKあさイチにて、鍼の特集あり。 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=128705171477506&id=100030140710901 1月23日および2月13日、NHKためしてガッテンにて、鍼の特集あり。 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=122722288742461&id=100030140710901 https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=128705171477506&id=100030140710901 また、上記文章から、詳細は不明ながらも、2018年にNHKであった「東洋医学 ホントのチカラ」の続編も企画中?らしい? …… 僕、個人的には、正直、怖くなってきました。 2019年以降における、日本の鍼灸および東洋医学の扱われ方、受け止められ方に。 特に、NHKで鍼灸の特集なんて、長年の鍼灸患者からしたら、驚天動地の出来事です。 国が、公共放送を使って、鍼灸をプロパガンダしている…… それは日本医師会も黙認している…… と個人的に受け止めてます。 国の予算が100兆円を越え、医療費が42.2兆円と、常軌を逸した予算配分になっており、 厚生労働省「平成29年度 医療費の動向」について https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177609.html また、柔道整復師の保険請求も、去年9月から非常に厳しくなり、整骨院・接骨院のハシゴ受診が非常に煩雑になったり。 (事実上のハシゴ受診不能。) ほぼ同時期に、はり師きゅう師の広告制限も非常に厳しくなったり。 「これらの動きの背後にある、思想・背景って、なんだろう?」 と、僕なりに推理すれば、乱暴な言い方をすれば、もはや、 「医者で治らない疼痛とか難病とか、もう知らん!!こっちはもう金がないんじゃ!!お前ら自由診療でなんとかせえ!」 という遠回しのメッセージにも感じられます。 当然、ターゲットとなる患者層は、今の若者よりお金を持っている「富裕層の老人たち」…ってところでしょうか。 国が勝手に、鍼灸の宣伝をしてくれるのであれば、なおのこと、今まで以上に、鍼灸で出来ることと出来ないことの線引き・リテラシーなどをしっかり確立しておかないと、患者さんから速攻で不信感を持たれかねませんね。 …… それは恐怖と不安の身震いか。 それとも……鍼灸医術に対する武者震いか…… 単に寒いだけで「ふるえ産熱」しているだけか…… …… それより、落としてる科目の単位認定試験、頑張ります。

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素問 六微旨大論篇 第六十八 帝曰. 遲速往復.風所由生.而化而變.故因盛衰之變耳. 成敗倚伏.遊乎中.何也. 岐伯曰.成敗倚伏.生乎動.動而不已.則變作矣. 帝曰.有期乎. 岐伯曰.不生不化.靜之期也. 帝曰.不生化乎. 岐伯曰. 出入廢.則神機化滅.升降息.則氣立孤危.故非出入.則無以生長壯老已. 非升降.則無以生長化收藏. 是以升降出入.無器不有. 故器者生化之宇.器散則分之生化息矣. 故無不出入.無不升降.化有小大.期有近遠.四者之有.而貴常守.反常則災害至矣. 故曰.無形無患. 此之謂也. 帝曰善.有不生不化乎. 岐伯曰.悉乎哉問也.與道合同.惟眞人也. 帝曰善. 帝曰く、遅速と往復とは、風の生ずる故由にして、しかして化し、しかして変ずるは、故より盛衰に因るの変のみ。 成敗倚伏して中に遊ぶとは、何ぞや。 岐伯曰く、成敗は倚伏して、動より生じ、動きて已まざれば、すなわち変作こる。 帝曰く、生化せざるか。岐伯曰く、出入廃されれば、すなわち神機は化して滅し、升降息めば、すなわち気立は孤にして危うし。 ゆえに出入するにあらざれば、すなわちもって生・長・壮・老・已するなく、升降するにあらざれば、すなわちもって生・長・化・収・蔵するなし。 ここをもって升降・出入は、器としてあらざるなし。ゆえに器なる者は生化の宇にして器散ずればすなわちこれを分かち、生化息まん。 ゆえに出入せざるなく、升降せざるなし。 化に小大あり、期に近遠あり。四者これあれば、常の守らるるを貴び、常に反すれば、すなわち災害至る。ゆえに曰く、形なければ患いなし、と。 此れをこれ謂(『現代語訳 黄帝内経素問 下』P91より抜粋 訳:松村巧) 『生・長・壮・老・已』 『生・長・化・収・蔵』 韻を踏んだ二つの言葉。 この章においては『化する』という”ターニングポイント”としての動詞が重要に思います。 生長【陽】から収蔵(老已)【陰】への変換に着目してみた訳を考えてみました。 『生長・壮・老已』 『生長・化・収蔵』 『生長・壮・老已』 生長して→壮じて(大人になって)→老已(年老い亡くなる)する 『生長・化・収蔵』 生長して→化して(変化して)→収蔵する 【参考文献】 『黄帝内經』中医古籍出版社 『現代語訳 黄帝内経素問 下』東洋学術出版社

五行大義(05)

【更】 01:かえる、あらためる 02:かわる、あらたまる 03:こもごも、かわるがわる 04:さきもり、交代して役に服する義 05:夜閒の時限の稱呼(称呼:よび名) 06:つぐ、つづく 07:つぐなう 08:経る 09:ふける、すぎる 10:よい 11:としより 12:姓 從革 金曰從革。從革者、革更也。從範而更。 形革成器也。西方物旣成、殺氣之盛。 故秋氣起、而鷹隼撃、春氣動、而鷹隼化。此殺生之二端。 是以白露爲露。露者殺伐之表。 王者敎兵、兵集戎事、以誅不義、禁暴亂、以安百姓。 古之人君、安不忘危、以戒不虞。 故曰、天下雖安、忘戰者危、國邑雖强、好戰必亡。 殺伐必應義。應義則金氣順。 金氣順、則如其性。如其性者、工治鑄作、革形成器。 如人君樂侵凌、好攻戰、貧色賂、輕百姓之命、 人民騒動、則金失其性、治鑄不化、凝滯渠堅、不成者衆。 秋時萬物皆熟、百穀已熟。 若逆金氣、則萬物不成。故曰金不從革。 金は従革という。従革なるもの、革は更なり。範にしたがい更となす。 形あらたまりて器を成すなり。西方の物、既になりて殺氣盛んなり。 故に秋氣が起こりて鷹隼を撃ち、春氣動きて鷹隼を化す。これ殺生の二端なり。 これをもって白露は露となす。露なるもの殺伐の表なり。 王なるもの兵に教え、兵を戎事の為にで集め、以って不義をうち、暴乱を禁じ、もって百姓を安ず。 古の人君、安ずれど危うきを忘れず、もって不具をいましめる。 故にいわく、天下が安といえども、戦いを忘れたものは危うき、国邑が強といえども、戦いを好めば必ず亡ぶ。 殺伐は必ず義に応ず。義は則ち金氣の順に応ず。 金氣の順、その性のごとく。その性の如くは、工治・鋳作し、形をあらため器をなす。 もし人君が侵凌を楽しみ、攻戦を好み、色賂をむさぼり、百姓の命を軽んじ、 人民の騒動、則ち金がその性を失い、治鋳は化せずに、凝滞し渠堅する、ならないもの衆し。 秋は万物みな熟し、百穀はすでに熟す。 若し金氣に逆らえば、則ち万物ならず。故に金は従革せずという。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『大漢和辞典(第5巻、962頁)』大修館書店

EBV

■EBウイルス(EBV:エプスタイン・バール・ウイルス) 国家試験は終わりましたが、確認の為に調べておりました。 今までは出題中の4択より1つを見つける知識に重点がありましたが、国試が終わって疾患を調べていると、欲しい情報が異なってきます。 例えば国家試験を見てみると~ (科目でいえば”衛生”や”病理”で出てきやすいのですが) 【過去問】 ウイルスが原因となる腫瘍はどれか? 1、甲状腺腫瘍 2、バーキットリンパ腫 3、ウィルムス腫瘍 4、グラビッツ腫瘍 《正解 2》 1、甲状腺腫瘍←ヨウ素不足、腺腫誘発物質の過剰摂取など 2、バーキットリンパ腫←EBウイルス 3、ウィルムス腫瘍(腎臓がん)←遺伝子異常など 4、グラビッツ腫瘍(腎細胞がん)←喫煙、高血圧、肥満、長期透析など キーワードとして、EBウイルスに関しては 『伝染性単核球症(B細胞にEBウイルスが感染)、バーキットリンパ腫、上咽頭がん、キス病』 ぐらいの知識が把握できていれば、正とするのか、誤とするのかは対応できると思います。 しかし、実際に疾患をお持ちの患者さんが来られたら、 国試のテクニックではなく、悩みに寄り添える知識が必要になってくるな・・と、 因みにバーキットリンパ腫を発見したのはデニス・パーソンズ・バーキット。 イギリス軍の外科医として植民地のアフリカで従事する際に、ウガンダで子供のリンパ腫と出合い、発見することになります。 そこから地理学的相関関係を調査する為に1万5千キロに及ぶ調査を行い、地域分布を調べる事となります。   ■戻気(れいき) 戻気は、癘気(れいき)・異気・疫気・疫毒・乖戻の気(かいれいのき)とも呼ばれる生物要因。 六淫以外の発病要因で、自然界あるいは生物体内に存在し、生命力と発病作用を備えおり伝染性と流行性をもつ。 『素問』   刺法論篇      「五疫の至るや、みな相染易し、大小を問うなく、病状相似たり」 『諸病源候論』疫癘病候篇     「病は長幼の別なく、ほとんどみな似ている」 『温疫論』  原病篇       「この気が来ると、老幼や強弱にかかわりなく、これに触ったものは発病する」 『温疫論』  原病篇       「都市に発生するものもあれば、村落に発病するものもあり、ほかに安全なところはない」 『温疫論』  原病篇       「邪は口鼻から入る」「呼吸する間に、外邪はこれに乗じる」 『諸病源候論』温病令人不相染易候篇「人が乖戻の気を感受して発病すると、病気は伝染し、ついに一門が滅亡し、外部にまで及ぶ」   【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社

祖母の脈を診る。

祖母。94歳。要介護4。今年2月に脳梗塞。 30年前ぐらいに大腸癌→人工肛門。 発声はあれど会話は覚束ない。 食欲旺盛。 六部定位脈診……の真似事をしてみる。 …… 肝心脾肺腎のうち、腎が沈なのは予想通りだったか、脾がやたら強いのには腰を抜かした。 次いで、肺も強い。 肝心はかなり弱かった。 うーん、もっと色んな人の脈を診ないと比較ができん。
黄色く色づき始めました 11月初旬の箕面

【用語集】肝鬱気滞

肝鬱は 肝気鬱もしくは、肝気鬱結の略称であり、 肝気が滞ることをあらわす。 気滞は、その名の通り、 常に循環しているはずの「気」の流れが「滞」っている状態をあらわす。 肝気の特徴として、 樹木がなんの制約も受けず、 ただのびのびと枝を伸ばしていく様を「条達」。 縦横無尽に全身を動き回ることを「疏泄」と表現する。 精神的な負担などがかかることで 肝気が伸びやかに巡らなくなり、 肝気が鬱屈した状態、すなわち「肝鬱」となる。 参考文献: 『黄帝内経素問』 『黄帝内経霊枢』 『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社 『基礎中医学』 神戸中医学研究会 『中国医学辞典』 たにぐち書店 『臓腑経絡学』 アルテミシア 『鍼灸医学事典』 医道の日本社
鎮守の森に足を踏み入れる

【用語集】肝血虚

肝血虚 肝の機能の一つとして、 血を貯蔵し、血流量を調整する「蔵血作用」がある。 具体的な例として 日中など身体を動かす際には、 全身に(気)血がめぐり滋養される。 一方、安静時や就眠時は一部の血は肝に帰り蔵される。 肝が血の滋養を得られないと 肝血虚となるが、 その原因として、 出血過多や病気を長く患うことにより 気血が消耗することがあげられる。 また、血自体が生成されにくい状況も原因となりうる。 『黄帝内経霊枢』 決気篇には、 “焦受気取汁、変化而赤、是謂血。” →中焦で気を受け汁を取り、変化して赤し。これを血という。 とあり、中焦の脾胃が水穀の精微を血へ変化させるが、 脾胃の働きが悪くなると血の生成にも影響が現れる。 腎との関わりでいえば、 肝血は腎精から化し、腎精は肝血によって補うというように、 相互に助け合っているが、それらのバランスが崩れると肝血の不足となる。 肝血虚が進行すると 「心」や「腎」に影響が及ぶ。 心は血を主るといわれ、 心が血虚となると、 「心悸」(しんき:動悸がして不安を伴う状態) 「怔忡」(せいちゅう:心臓が激しく動悸する症状) などがあらわれる。 肝腎は同源であり、 精と血も互いに転化する関係性にあるが、 肝血の不足が長期化すると、 生殖機能の低下や小児の発達遅滞など腎精不足の症状があらわれる。 参考文献: 『黄帝内経素問』 『黄帝内経霊枢』 『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社 『基礎中医学』 神戸中医学研究会 『中国医学辞典』 たにぐち書店 『臓腑経絡学』 アルテミシア 『鍼灸医学事典』 医道の日本社