膩苔が強い舌を観察します。
こんにちは稲垣です。
舌診について研究を重ねてまいります。
【前】
舌体は紫舌で、
舌尖から舌辺にかけての歯痕の部分に
赤みが強く感じらます。
舌尖に点刺が多く、舌尖より舌根にかけての
中央部分に黄膩苔が強い。
潤いが少ないように思います。
舌裏に関しては舌下静脈がハッキリと見え、
両側が暗く血の滞りを感じます。
【後】
今回は、刺鍼中もコミュニケーションをとりながらでしたので、
ゆっくりと休んで頂く形ではありませんでした。
舌面に関しては、変化は少ないですが
舌尖あたりの苔が少し引いて
舌体の色が見やすくなったように感じます。
舌裏の色調が明るくなったように感じるのと
両側の暗さが少し明るくなっていうように思います。
舌面の黄苔や潤いの少なさより
熱が強く津が焼かれているように感じます。
その熱の所在が重要に思いますが、
舌尖の点刺との共通点が気になります。
以前より練習として診させて頂いており
ひどい時は紫舌と膩苔が極めて強くなります。
化火をどのように抑えるのかが課題と思いますが、
舌裏からみえる瘀血が下焦を滞らせ、
気機を上昇させてる要因と考えております。
熱化させずに自身でセーブできる力を持つ事
を長期的に考えて施療を行っております。
経過を観察していきます。
頭痛と舌の記録
少し前になりますが、頭痛が一週間ほど続いた後、38度発熱しました。
PCR検査を受けたところ陰性で、胃腸炎と診断を受けました。
頭痛は日を追うことに痛みが悪化し、拍動性と動作時痛みが側頭部から後頭部にかけてあり、片頭痛とばかり思っていましたが、激しい痛みで立てなくなった後、発熱しました。
頭痛が起きる数日前は急に気温が下がり風がとても強かったです。
下肢に熱を持ち転筋、易怒、焦燥感、耳鳴り、更に光が眩しく感じられるようになり、発熱と共に目が抉られるように痛み立てなくなりました。
肝火からくる頭痛と考えました。
それと共に悪心、食欲不振、便秘、歩くと身体の中が痛いという症状も現れました。
肝気が鬱結して疏泄失調を起こしていた時に、脂っこい物を食べて肝胃不和の状態を起こしていました。
当時は何が起きていたか全く考えられず、舌の写真を記録しました。
発熱と共に苔が一斉に広がり、黄膩苔、裂紋が長くなり舌体が紅く膨張しました。
舌の状態が刻々と変わることに驚きました。
気になった事を色々と
《標本》
色んなパターンを思考してみる。
例えば、方剤では「芍薬甘草湯が腓返りに効く」とされる。
以前勤めていたところは整形外科の処方箋がバンバン来るので反応聞いてみると確かに症状は緩和されている。
しかし、効かない人やいつまでも服用する人も発生する。
全く効かない一つのパターンとして存在したものが「脾胃が弱って痩せ細っている人」
《現代語訳 黄帝内経素問 P375》
「食物が胃に入って消化されると、一部分の精微な気は肝臓に送られ、そこで浸みこみ溢れた精気は筋に滋養を与えます。」
ここから脾胃の弱りから肝が関わる腓返りが発生すると想像すると、じゃあ※太衝を使って肝血を増やしたとする。
でも発生した肝血虚が副次的なもの何だったら繰り返し起こる事になる。
方剤でも抑肝散の構成をみると
〈柴胡・甘草・川芎・当帰・白朮・茯苓・釣藤鈎〉
説明では、
《中医臨床のための方剤学 P428》
「健脾薬の配合は、脾の健運を通じて肝の陰血を補充し、柔肝する目的である。」
元々脾胃が未成熟である乳幼児の処方であった事を考えると、本は脾胃であると考えられる。
※まだ刺して治した経験がないので、穴性学の知識で仮定しています。
《自身の治療変化》
ここ最近の治療で体がまた変わってきた事を感じる。
自身がほんのり感じていた右の違和感に変化あり。
治療後の自分のお腹を触る。
右の邪が溜まっている部分が熱くなっている。
きっとしっかり治っていってるんだなと嬉しくなる。
そういえば、臍の形も変わったな。
変化を感じた箇所
太白周辺が赤みを帯びている
何か走ったなと思う箇所の付近にある経穴
腎経…兪府
胆経…京門、風市、帯脈、環跳、頭臨泣
脾経…血海、三陰交、商丘、大包、四白
肝経…曲泉
色々あるが使われた手数はとても少ない。
《電車の中で》
電車に乗っていると
こちらが逃げたくなる様なかなりの圧を感じる人がいる。
おそらく警戒心の様なものなのかな。
自身が投影されている部分もあるのかも…
患者さんの体を触るときも気をつけたい。
《臍》
神厥で起こる様な変化は果たして神厥に限った話なのかな。
他の経穴にも起こるのかもしれない。
そうなってくるときっと本に乗っていない様な色んな見方ができる様になるかもしれない。
それが合っているかどうかはまずはきちんと診れる様になった先にある話だけれど。
参考資料
「中医臨床のための方剤学」 東洋学術出版社 神戸中医学研究会著
「現代語訳 黄帝内経素問 上巻」 東洋学術出版社 南京中医学院編
緊張など
ワクチン
先週に引き続き、ワクチン後遺症の方の体を見させて頂いた。
舌では先週に引き続き辺縁に付いた黒いものが気になる。
少し薄れた様に見えるが、腹部にも邪気の停滞は残っている様に見え、背部にもその様子だ出ていると感じた。
脈は浅い位置で硬くなっていて根が張っていない。
腹部では八味地黄丸でよく出る様なお腹も混合されている。
ワクチンは要因の一つに過ぎないのでそこに引っ張られない様にしたい。
ベースを考える。
しかし心を触るのは怖くてできない。
緊張
その方の体は朝見させて頂くスケジュールだった。
起きて準備する時、どう気を引き締めるか。
余分なものが浮かび上がらない様に厳粛な気持ちにする。
今までにない良い緊張感ができた気がする。
そんな必要はないけど、この状態を無理矢理中医学に置き換えてみる。
張錫純の識神(心)を使わない事で元神(腎)を使わないみたいな認識が一致すると感じた。
そこから診病奇侅にある経穴の認識とも結びつけれそうな気もしてるけど、もう少ししっかり読み込んでいきたい。
参考資料
診病奇侅 医道の日本社
中医臨床のための医学衷中参西録 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編訳
五月山
久々に自然の中でリフレッシュしてきました。
ちょうどモミジも真っ赤になっていて、晴天とのコントラストが綺麗に映えてました。
それからコロナ禍が始まってから、ずっと会えてなかった友達と久々に会うことができました。
机に向かう時間をキャンセルして、たまにはスローライフもいいですね。
新しい年
ようやくこの本が手に入りました。
このシリーズの傷寒論はもう読みました。
とても読みやすいです。でもどの本でもそうですが、一度読んだだけではあまり自分の知識に落とし込めません。何度も読み返すのが理想なんでしょうが、気になる他の本もたくさんあって辛いところです。
いつも朝の起床時に1時間ほど自習をしています。寺子屋でお世話になり始めてからの習慣になりました。自分なりに気に入っている習慣です。
これで更に帰宅後の夜にも自習の時間を作りたいのですが、身体の電池切れでなかなか習慣になりませんでした。
今年も新しい年が始まりました。また日々の生活を見直しつつ過ごして、新しい発見を楽しみたいと思います。
脾胃が弱くなる
食べる量が充分ではない状態が続くことによって
脾胃が弱くなる、とは?(→水穀が入ってきても生気が精製されなくなる)
=虚弱になる?ということ? =病気になる?→昇降異常?
=機能が弱くなる?
脾胃の機能の主なもの:「納運(受納機能/運化機能)」
運化:飲食物を消化し吸収する過程であり胃と小腸が関わる。
失調すると消化吸収が阻害され食欲不振になる。
受納:水穀を受け入れる場所。水穀を腐熟させ水穀の精微へと変化させる。
胃は水穀で満たされることから水穀の海と呼ばれる。
胃が受納できる⇒食欲がある、ということ。
教科書ではそれぞればらばらに習っていることも、実際には
同じ身体の中で起こっていることであって機能が対立し、融合し合っている、のは
脾胃だけでなく他の臓腑もそうなのかもしれないな、と思いました。
臓腑の生理や機能についてあやふやになっていることが沢山あると感じたので
しっかりと復習することにします。
切経で
切経で、
ある方の背中を見せてもらったときに
肌の表面の質感が、まるで境界線が引かれた様に
その上下ではっきりと異なる様を見た。
境界線は、左右はそれぞれ肩甲棘に沿う様に見られ、
脊柱に近づくにつれ、より下方まで伸び脊柱で合する。
胃脘部のムカつきを主訴とする方で、
境界線の上方だけで、毛穴が一様に広がっている。
内部にこもる熱が体表に表れていると見てよいのものなのか。
前回(ひと月前)には気が付かなかった。
これからの経過とともに見守りたい。
誘引など
歩き方
体の使い方で関節を意識すると体の使い方も変わる。
この間人から聞いた話で、膝の話があった。
色々考えて、遊びを持たせる方がいいよなとなりました。
膝をピンと伸ばせば勢いが吸収できなくなる。
歩行の時もそうで、極力自重+体幹?で歩き無駄な力を入れない様にしたい。
自分も芯で捉える。
刺す
鍼を受けていても
「今から刺しますよ」
とはあまり言われたくない。
上手な人ならそんなに弊害はないかもしれませんが、
「さあ今から刺すぞ!」
みたいな感じで来られると体が強ばる。
油断している様な時に刺すのとまた効果も違ってくるんじゃないかと感じる今日この頃です。
ケータイを忘れた
この前学校にケータイを持っていくのを忘れた。
最寄駅で気づいたのですが、そういったものが無い1日も過ごしてみたくなりそのまま登校。
文字や情報から解放された時間はとても気持ちよかったです。
また、そうなってくると事象を自分の頭でいつもより考える様になる。
自由で楽しい時間だなと思いました。
誘引
邪気にやられた時、自身の心持ちや行動次第でも邪気の体へ与える影響は変わると思う。
黄帝内経でも季節の過ごし方で心持ちについて言及していたと思うけど、何も季節に限らない話だなと改めて思いました。
また、邪気が入った時にどのような思考や行動すると、どのように転化するか。
そういった事を知っていくのも面白いなと思いました。
自習
新しい本に入りました。
今はこの本です。
今まで読んだことがなかった斬新な切り口で面白いです。
特に冒頭に書かれている六部定位の脈診の考え方に感心しました。
右手
肺→リンパ系
脾→消化吸収
腎陽→カテコールアミン
左手
心→アドレナリン系
肝→自律神経系
腎陰→コルチゾール系
ーー漢方治療の診断と実践 漢方水嶋塾講義録 三和書籍 よりーー
西洋医学での現象とリンクさせた考えはとても興味深いです。まだ読んでいる途中ですが、どうやら経方医学の著者の江部洋一郎先生の考えがベースのようです。
また宿題が増えそうです。
















