学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

流れ

堰き止められた川が開放されるような感覚は初めてでした。 とてもシンプルなことなんだなぁ… と治療を受けた後はいつも思うのに、本を読んでいる時は一言一句に目が止まって、中々前に進めない。 わざわざ自分でダムを作っているんだなと思う。

体表観察メモ

9月27日 晴れ たしか先週末はまだ日中に暑ささえ感じていた筈が もうすっかり秋らしく夕暮れ時には肌寒さを覚えた。 切経の練習で自分の下肢に感じるはっきりとした冷え感にはっとする。 夏場にはどんな感じだったのか、少し前のことなのに思い出せない のが惜しい。左足での冷えがより強い。 ひだりに顕著な前脛骨筋部の過度な膨らみとのつながりは? 気になるところに鍼を置いてみる。左膝関 膝と足首、足部に感じる冷え。この時期にこの程度の強い冷えは、 上肢との落差は、どうなのか。体調が変わった時にどう変化していくのか。 備忘録として記録
毎朝見る光景。自然と空の様子が目に映ります。

側・舌

側 豊中院で先生の身体をみさせて頂いた。 先日寺子屋でここを見といてくださいと言われた部分に反応があった。 中に差し込んでいる様な形。 背候診の時もついでに触って様子を伺う。 停滞している印象。 少陽枢機不利が原因かと思った。     舌 今日患者さんの問診、切経などさせて頂いた。 その患者さんを含めて思う事。 舌を見て、 「子供の様な舌だな。」 と思う方がちらほらいる。 このあたりは持って生まれたものではなく、臓腑の現れ方として共通するものがあると思う。 水の溢れ方も特徴的。

上ル・下ル(01)

四方八方ありますが、 東洋医学に関して言えば、”上下” の問題をよく目にします。 上がってはいけないものが上がったり、 下げる力が弱くて下がらなかったり。 亢害承制 「肺氣の清粛下降機能は、肝木が昇発しすぎるのを防止し制御して、全身の協調と安定を保っている」 と、『中医病因病機学』においては、このバランスを保っている法則を”亢害承制”と呼んでいます。 【病理】 〇金不制木 肺金の粛降機能が失調し、肝火相火が制御できずに上昇してしまう。 〇木火刑金 肝氣不疏により気鬱が火に変化し、肺金を犯す。 【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社

想像

先日不調だという友人の舌の写真を送ってもらいました。 絳舌、舌尖は鮮紅色で細かな裂紋を認め心火が旺盛。胖大、舌痕があり、舌面はやや乾燥し、津液の損傷も考えられました。 脈を直接みることができませんでしたが、 「脈を予想してみることも大切」だと下野先生に教えていただきました。 普段、友人の脈は細く針金のような輪郭の脈で速く、不調になると輪郭がはっきりせず弛緩して沈取りで消えそうになります。 後日舌と脈を見させてもらいました。 舌はあまり変化がありませんでした。 脈は右は前述したようでしたが、左は細く上焦で指腹を弾くような感触でした。 上焦は実し、下焦は虚しているのでは?と考えました。 脈の左右差をどう捉えるかはこれから勉強が必要です。 舌も脈も時々で変化していくものなので、定期的に診させてもらおうと思います。 今回の経験を機に舌を診て脈を想像する、またその逆も日頃から実戦してきます。

刺したり刺されたり

  中都 自分の身体で実験しました。   最初ただでさえテスト前で好調って状態でない状態からコーヒーを飲む。   案の定、軽い胸脇苦満が起こり、脈と太衝の状態も変化した。   じゃあ変化を追おうと思って気になった穴の中都を刺してみた。   脈、症状、精神状態の一定の変化は見られた。   一時的な変化かもしれないし色々見ていきたい。     実技で 自分の弱点なのかどうかわからないけど、大腸兪を刺されたら絶望的に体調が悪くなる。   ただ悪くなる中でも勉強できるものがあるので変化を追う。   一番顕著に感じた事は気持ちの変化。   肺と表裏関係である大腸兪を刺したからか、憂が出てくる。   疲れて喋る気にもならないし、授業も聞いてられない。   「気を損なった」という感覚が近いと思います。   休憩中に顔色をみると、いつもより暗く感じる。   脈をみると幅はなく、力も弱くなっていた。   腹診でこの前教わった場所にも変化がありました。   膀胱経なので腎にも影響があったのかな。   追記 立ちくらみも起こった。 腎虛の眩暈でしょうか。    

梅核気

肝気鬱結を勉強している際に気になる言葉が出てきたので調べてみました。 肝気鬱結の症状には、イライラする、憂鬱、有声のため息がよく出る、 胸腹部の脹痛、月経不順などがあるが、その中に「梅核気」というものがありました。 「梅核気」は現代病名だと神経性咽喉部狭窄症(ヒステリー球)というそうです。 のどに梅干しの種があるような違和感があり、飲み込もうとしても 吐き出そうとしてもなくならないが、飲食は普通にとれる。 気の滞りによって咽喉部に痰が生じていることによって異物感があるようです。 ストレスが原因の病は現代に多いような感じがしますが、金匱要略にも 「婦人、咽中に炙臠(あぶった肉の切り身)有るが如きは、半夏厚朴湯之を主る」 とあり、婦人・・・と書かれているが、男性にも起こる。 他の臓器の影響(脾胃が多い?)、過度の情志、情志の抑制などによって肝の 疏泄作用が失調することによって発生した気滞が肺に昇って起こる。 理気去痰解うつ作用のある半夏厚朴湯を用いて治療するとあるように、薬物による治療が行われることが多い。 梅の種は肉のかたまり、というより大きいしもっと固いように思いますが 実際に梅核気があるような方に尋ねると名前の由来となっている梅の種が つまっているような、ということはわからないけど息苦しい感じがあり、不快であるとのこと。 臨床医学総論でもヒステリー症を勉強した際に、ヒステリーはギリシャ語で「子宮」を 意味することから昔は子宮が原因で引き起こされる女性の病気とされていた、と習いました。 西洋でも東洋でも同じように病を分類していることもあるのかと思うと興味深く感じました。
みどり

情報

2022/03/27 長く診させてもらっている、ある患者さんを通して 治療中の調子の移り変わりについて、いまどんな感じか? 当初は、直接尋ねたその返答を元にして凡そ判断しようとしていたことを自覚する。 非言語的な情報を受けて何か感じたあと、 確認のため尋ねることが増えてきたことがこのきっかけにあり それはその患者さんと重ねた時間の中、通じる様になった為のものだとも考えたが 時間はあまり関係なさそうだと知る。 言葉でない分曖昧であるし、 こちらの期待や思い込みが含まれることはいつも留意しておく必要があるけれど、 不確定な性質の情報をなるだけそのままに受け取ることの重要度は高いと感じる。 それが適うくらい静かな所を自分の内に置いておけたらいいのにと思う。 そのために何ができるか。

風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ①

初めまして。 2月より寺子屋でお世話になり始めました日下と申します。 先生方の様な治療家になれるよう様々な事を学んで成長したいと思います。 よろしくお願い致します。 最近穴性学を学び始めたので勉強した内容をアウトプットさせて頂きます。 中医鍼灸 臨床経穴学 P25 「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調) 症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。 処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」 この意味を考えていきたいと思います。 まずは穴性を調べる前に、風寒邪がなぜこの様な状況を引き起こすか考えていきます。 記載には2パターンありますが、処方が同じなので異病同治だと思います。 先にパターン①について考察していきます。 ①喉が痒い 霊枢経脈篇に肺経の流れが書かれていますが、その中に「従肺系横出腋下」とあります。 この肺系は喉嚨をさし、肺経の流れが悪くなれば経絡上にある喉にも影響すると考えられます。 また、痒みを感じるのは魄によるものだと思いました。 肺は魄を蔵すと言われますが、魄は魂と比べて、「本能的な、比較的低級な精神活動・神経活動のこと。」と言われ、 ここには痒いといった感覚も含まれます。 風寒邪によって肺経の流れが悪くなった結果、肺の蔵す魄にも影響が及んだのではないでしょうか。 ②咳嗽 肺失宣降とある様に、正常な状態では肺は宣散粛降という働きをしますが、その機能が弱ると気が上逆して咳が現れます。 ③痰は稀薄である。 肺が宣降失調を起こし、通調水道機能に影響を及ぼしたためかと思います。 中医病因病機学P448 「寒痰寒飲は肺に潜伏し、肺の宣降機能が失われる。症状は、咳嗽・喘息・澄んだ痰が出る・大量の白い痰が出る、などである。」 ④鼻閉 素問 金匱真言論篇に「入通於肺。開竅於鼻。」 肺の機能失調が鼻に影響しているのだと思います。 ⑤鼻水 ③と同じ理由かと思います。 ⑥声が重い 風寒喉瘖と言われるものです。 中医基本用語辞典 P209「風寒が外から襲い、肺気の宣発・粛降運動が失われ、風寒の邪気が喉部に停留し、声帯の開閉が不順になって本病証を生じる。」 穴性を学ぶにはその人に何が起こっているのかをまず知る必要があるかと思ったので調べてみました。 経絡の走行経路なども意識できるので勉強になります。 その他記載のない参考文献: 「臓腑経絡学」 アルテミシア 藤本蓮風監修 P39、42、44 「中医学って何だろう」東洋学術出版社 P194、196、211

脈診(01)

二十八脉 浮脉 ・軽く指を当てると拍動が感じられ、按じると感じ方が弱くなる、もしくは感じられなくなるもの。 ・風邪が表にある場合、陽邪が存在する場合、陰陽の制約関係が失調した場合。 沈脉 ・軽く指を当てただけでは拍動は感じられず、筋骨の間まで按じると感じるもの。 ・病邪が裏に入った場合、内生の邪がある場合、陽気が損傷した場合。 遅脉 ・脈拍が遅く、1呼吸に3拍以下のもの。 ・陽気の損傷など。 数脉 ・脈拍が速く、1呼吸に6拍以上のもの。 ・陽邪(暑邪。火邪)を感受した場合、内熱・内火がある場合など。 虚脉 ・浮・中・沈いずれも無力で、指を押し返す力の弱いもの。 ・気血が不足した場合など。 実脉 ・浮・中・沈いずれも力強く指を押し返すもの。 ・正気が充実している場合、邪正相争がある場合。 伏脉 ・沈脉より深く、骨につくほど重按して初めて触れるもの。 疾脉 ・脉拍が極めて速く、1呼吸に7,8拍以上のもの。 滑脉 ・脉の流れが滑らかで、円滑に指に触れるもの。 濇脉 ・脉の流れが悪く、ざらざらとして、渋滞したようなもの。 短脉 ・脈の長さが短く、寸・関・尺の範囲に満たないもの。 ・気の推動作用が低下、気血の運行が滞った場合など。 長脉 ・脉の長さが長く、寸・関・尺の範囲を超えるもの。 ・陽邪を感受した場合、内熱・内火がある場合など。 弦脉 ・琴の弦に触れたような、長く真っすぐで緊張したもの。 ・肝の疏泄失調により気機が失調した場合など。 緊脉 ・張った縄に触れたような、緊張した有力なもの。弦脉に似る。 ・寒邪の侵襲を感受した場合など。 細脉 ・脈幅が小さく、細かいが指にはっきり感じられるもの。 ・陰血が消耗した場合、陰血が相対的に減少した場合。 微脉 ・極めて細く、柔らかく、拍動がはっきりせず、按じると絶えそうなもの。 洪脉 ・浮位で触れ、脈幅が大きいもの。拍動が勢いよく触れ、去る時に勢いが衰える。 結脈 ・脈拍がやや遅く、不規則に時々止まるもの。 代脉 ・脈拍が規則的に止まり、拍動が回復するまでの間欠時間がわりと長いもの。 促脈 ・脈拍が速く、不規則に時々止まるもの。 緩脈 ・脈拍が1呼吸に4拍と緩やかで、遅脈より少し速いもの。 芤脉 ・浮位で触れ、脈幅が大きく、軟らかい。按じると中空で、脉の輪郭を触れるが中が空虚なもの。 革脉 ・浮位で触れ、脈幅が大きく、緊張していて、按じると中空なもの。弦脉と芤脉を合わせたような脉。 濡脉 ・浮位で触れ、脈幅が小さく、軟らかい。少し按じると絶えそうなもの。 弱脉 ・沈位で触れ、脈幅が小さく、軟らかい。少し按じると絶えそうなもの。 散脉 ・浮位で触れ、拍動のリズムが一定せず、按じると消えてしまうもの。 動脈 ・脉の長さが非常に短く、関の一点に現れ、脉が速く、円滑に触れるもの。 牢脉 ・沈脉あるいは伏脉のように沈んでいて、弦脉のように緊張していて、拍動が強く有力なもの。 ★ 時間のある時に、先生がたと練習させて頂いておりますが、ダメ出しやアドバイスを忘れない為に、”脉とり器”を自作しました。 脉診での悪い癖の再確認と、教えて頂いた事の癖をつけるために。 【参考文献】 『新版 東洋医学概論』医道の日本社