学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

陽損及陰

「陽損及陰」の項目を読んでいて 友人の所見が当てはまると思った。 長く患っているのでどちらが根本か。 陰虚症状が顕著、 いま特に行動面で陽が亢進していて、 でも 自分が彼に出会う前の暮らしぶりを 聞くとやはり当てはまるものを感じる。 これをどう処置に結ぶべきか。

所見の記録 1

友人の体を診せてもらって その所見の記録。 もともとよく日焼けしていて色黒なのに 顔だけ抜けたように白い。 顔全体に乾燥の程度がきつく皺が深い。 そして、足首から下、特に踵は乾燥が顕著。 脈は細くタイミングがやや不規則だが 特にはやくうってはいない。 舌体は色が暗くてやや青みがかって見える。 薄白苔。 (続く)

舌を考察②

前回の続きです。 寺子屋で患者様の舌を見せて頂きました。 受けた印象は白滑苔淡白胖大でした。 このケースでの白苔に関しては、以前書いた風寒邪の欬嗽から穴性を学ぶ②で院長からコメントで教えて頂いた様に重要視しない事にしました。 この時に舌色や舌を潤す津液をよく観察するべきとも教えて頂いたのでむしろこちらを見るべきなのでしょう。   《中医臨床のための舌診と脈診》 P40 滑苔 「滑苔は寒証・湿証を示す。 陽虛のために水湿の運化ができなくなり寒湿や痰飲が内生したり、寒邪により陽気が鬱阻されて水湿が停滞したり、湿邪が停聚して痰飲が発生するなどの機序で引き起こされる。 臨床的には、陽虛による痰飲水湿の内停がよくみられる。」   以上から、前回の記事と合わせて何らかの要因で陽虛になっているのでは?と思いました。   参考資料 中医臨床のための舌診と脈診 神戸中医学研究会編著 医歯薬出版株式会社  

五行大義(04)

稼穡 土爰稼穡。稼穡者、種曰稼、歛曰穡。 土爲地道、萬物貫穿而生。故曰稼穡。 土居中、以主四季、成四時。 中央爲内事。宮室夫婦親屬之象。 古者天子至於士人、宮室寝處、皆有高卑節度。 與其過也寧儉。禹卑宮室孔子善之。 后夫人左右妾媵有差、九族有序、骨肉有恩、 爲百姓之所軌則、則如牝。 順中和之氣、則土得其性。 得其性、則百穀實、而稼穡成。 如人君縦意、廣宮室臺榭、鏤雕五色、罷盡人力、 親踈無別、妻妾過度、則土失其性。 土失其性則氣亂、稼穡不成、故五穀不登、風霧爲害。 故曰土不稼穡。 土は稼穡。稼穡とは、種を稼といい、歛を穡という。 土は地道。万物は貫穿して生ず。故に稼穡という。 土は中にあり、四季を主り、四時を成す。 中央を内事となす。宮室、夫婦、親属の象なり。 古なる者、天子から士人に至るまで、宮室、寝処、皆が高卑の節度を有する。 その過を興するよりは、むしろ倹なり。禹は宮室を卑し、孔子はこれを善とす。 后、夫人、左右の妾媵に差を有し、九族に序を有し、骨肉に恩を有し、 百姓の軌則のところとなす、すなわち牝のごとし。 中和の氣に順じ、すなわち土はその性を得。 その性を得れば、すなわち百穀を実して、稼穡をなす。 もし人君の意をほしいままにし、宮室、台榭をひろめ、五色の鏤雕、人力を罷つくし、 親踈に別を無くし、妻妾の度を過ぐれば、すなわち土はその性を失う。 土はその性を失えば氣が乱れ、稼穡ならず、ゆえに五穀を登せず、風霧の害をなす。 ゆえに曰く、土は稼穡せず。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『漢語林』大修館書店 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

反応するタイミングなど

反応するタイミング 先日人に鍼の練習をさせて頂いた。 その時、どの段階から相手が反応しているかという事が勉強になった。 お腹が「グル〜」という音が鳴るタイミングが面白かった。 それが確認できたなら、もっと早い段階で処置を切り上げても勉強になったかもしれないなと思った出来事でした。 どの程度で切り上げるか、感覚を掴みたいものです。     心身一如 素問 陰陽応象大論編 「肝気虚則恐、実則怒。」   恐という漢字を調べる。 原典にもとづく五臓六腑の生理 P19 「両手を以て穴をあけていることを意味するもので、それに心を添えた恐とは、心中に穴が空いてがらんどうなったこと」 で空虚な心を意味する。 怒という漢字を調べる。 同書籍 P20 「<荘子=逍遥遊>に、「怒而飛、其翼若垂天之雲」という句があるが、この場合の怒も決して「おこる」ことではない。「ジワジワと満身の力をこめる」ことである。」   怒りとは、肉体に限った話ではなかった。 そう考えると肉体と五情を分けて考える必要もない気もします。 実際、肝鬱の人は体が硬い人が多い気がします。   参考書籍 原典にもとづく五臓六腑の生理 柴崎保三講述  学校法人呉竹学園 東京高等鍼灸学校研究部編

逆子の灸

学校の授業で、 逆子に効く灸は至陰であり、鍼灸師ならみんな知っている有名な経穴の一つだと教わりました。 でもなぜ至陰が逆子に効果あるといわれているのか?理由が気になるので調べてみました。 逆子は中医学では「腎の気に問題がある」と考えられる。 至陰は腎経ではなく膀胱経なのに、なぜつかわれるのか? 腎と膀胱は表裏の関係にある 中医学では表裏を応用した治療法が多様され、1つ1つのツボまで陰陽や五行に分類する。 至陰は「金」に属し「金」は「水」の母。 水(腎)を治療するので水の母である金に属するツボを選んでいる。よって至陰がそれにあたる。 (『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』著 小金井 信弘 より抜粋) 至陰を使うことは、逆子=至陰の灸と、ただ暗記するよりかは理解できたのですが、 では、腎経のツボをつかったら効果はどうなのか? そもそも逆子は「腎」だけの問題なのだろうか? 気になるので、逆子について中医学の婦人科系の本なども読んでみて引き続き探ってみようと思います。  

舌を考察①

寺子屋で患者様の舌を見せて頂きました。 受けた印象は白滑苔淡白胖大でした。   舌だけで結論付ける訳にはいきませんが、考えない訳にはいかないので何を表すのか考察していきます。 白苔は一般的には表証・寒証を表すとされます。   中医臨床のための舌診と脈診 P33 陽虛が基本にある内傷の場合には舌質が淡白・胖嫩であり、寒邪直中の場合には青紫舌の事が多い。 との事です。   もう少し詳しい箇所を見てみます。   同書籍 P 53 陽虛寒湿 淡白舌は気血不足であり、白滑苔は寒湿をあらわす。一般には、陽虛で陰血の化生が不足し、津液の蒸化もできず水湿が貯留して寒化した状態が多く、舌質が胖嫩で歯根が明らかである。   まず、「陽虛で陰血の化生が不足して淡白舌」とはどういう事か考えてみます。   現代語訳 黄帝内経素問 上巻 P112 陰陽応象大論篇 南方は陽気が盛んで、熱を発生します。熱は火気を盛んに生じ、火気は苦味を生じ、苦味は心気を滋養し、心気は血気を変化生成します。血気は充足すると脾を生じ養います。心気は舌と関連しています。 その変化についていうと天にあっては熱気となり、地にあっては火気となり、人体にあっては血脈となり、五臓にあっては赤となり、五音にあっては徴となり、五声にあっては笑となり、病変の現れ方としては憂となり、竅にあっては舌となり、五味にあっては苦となり、こころの変動にあっては喜となります。   同書籍 下巻 P 23 天元紀大論篇 熱気は少陰の根本の気   同書籍 上巻 P 93 金匱真言論篇 南方の赤色の気は、人身の心と相い応じ、心は竅を両耳に開き、精華は心に内蔵され、五味の中では苦味にあたり、五畜の中では羊にあたり… これらはすべて火の一類に属します。四時でいえば夏の季節で、心は血脈を主り、また、五臓の主ですから、病は往々にして血脈と五臓に現れるのです。   つまり、「陽虛で陰血の化生が不足して淡白舌」とは 陽虛になると心気も不足し、血を変化生成することが出来ない。 結果として赤味が出なくなり、心の竅である舌に色が反映されなくなった状態なのではないかと考えました。   参考資料 中医臨床のための舌診と脈診 医歯薬出版株式会社 現代語訳黄帝内経素問 上巻下巻 東洋学術出版社    

早起きは三文の徳

生活を一新した今年の春くらいから、朝活をしています。 諺に早起きは三文の徳とありますが、 早起きをすると健康にも良く、またそのほか何かと良いことがあるものである。 ですが、実際にどうなのでしょうか? 実践してみて実感できていることは、早起きをすると充実した時間が増え得をした気分にはなっています。 大体、いつも朝起きて1時間ほど勉強する時間を持つようにしていますが、夜に本を開いて勉強すると、その日の出来事などが思い出され集中力が削がれてしまいやすいです。それにそもそも疲れていて気力が底をついている状態です。 その点、朝起きたばかりだと、頭の中がスッキリされていて雑念があまり湧かないですし、気力も回復して集中が持続されやすいです。 なので私の場合は朝に勉強する方が効率的だなと実感しています。 健康になっているかは不明ですが、この習慣を今後も続けていこうと思います。

痛証

  痛証 ワクチン3回目摂取後から内腿が痺れ始め、次第に足先が痺れて痛くなり始め、段々広がってきたという方の体を見させて頂いた。   お腹を見せて頂くと副次的な原因により心が圧迫されている様に感じる。   ベースとしては脾腎の虚もあると感じた。   脈はやや浅めの位置で硬くなっている。   腕にはゴリゴリがついてしまっている。   ここを動かす事ができれば痛みの方は落ち着くのではと思われた。   その方、コロナワクチンの後遺症を目的に日本で考えられた漢方薬を飲まれているそうです。 配合意図はわかるけども邪気論だけだと動かない様子が見てとれました。   また、この方の身体を診る時も決して「ワクチンの後遺症」という情報に惑わされてはいけないと感じました。   舌の考察 前回に比べ状態がだいぶ状態がいいと思います。 表面の膩苔がとれ、点刺が減り、張りも出て発色も良くなり舌下静脈の怒張も落ち着いている。 舌の所々に見られる剥げも無くなった。   一見綺麗に見えるけども色が薄い。 少し柔らかい感じと舌を出し切れていない感じもあり、正気の弱りがあると感じる。  
葉桜

体表観察で②

前回書いた、体表観察で局所的にみられた冷えについて追記。 (若干の左右差はあれど)両方の足部 外側にみられたこと。 前腕では、三焦経 外関 支溝あたり。 体幹では、腋窩から肩甲骨下部にかけて。 これらはいづれも左右両側でみられた。 そもそも、両側に左右対称に表れた理由は? (左右対称に走行する経絡と関連づけて考えても良い点に当たるのか?) 以前、自転車の転倒で左手を怪我して、左肩関節の外転制限があった時 その時には冷感は左腕でだけでみられた。 ふたつのケースの差異は起因・起源のためと、とらえやすい。 一方で、腹診で腹部を観察する時には、今のところ 左右対称に表れる状態は少ない様に感じているが、 特に今回、体幹部で冷感として観察され所と腹部との距離は近い。 これから経験を積む中でどのようにして 集積されていって 今後どのように考える様になるのか。(現段階の記録として)