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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

淡々

菜根譚を読んでいると色々ヒントが散らばっていると感じる。   「醸肥辛甘非真味、真味只是淡。神奇卓異非至人、至人只是常。」   神農本草経を読んでいても、神農はあくまで1人ではないと思いますが、その人達はこういった感覚も持っていたように感じる。 もしくは美食に溢れた現代人だからこう思うのか。 また、それをどの様に表現したか。   切経を行う時も同じことだと思う。 何かをやろうとするではなく、無駄を削ぎ落として純粋でありたい。 雑音なんて知らない。 患者さんとの一対一。 一つ一つが淡々とした真剣勝負。 そういった気持ちで望みたい。   参考書籍 座右版 菜根譚  講談社 久須本文雄

第五回 一般向け東洋医学講座

こんにちは! 明日、2月11日は 「第五回 一般向け東洋医学講座」 が開催されます。 第一回から「春」「夏」「秋」「冬」と それぞれの季節をテーマにして 巡って参りましたが今回は再び、 それを踏まえてもう一度、 「春」の講座を開催します。 東洋医学から見た「春」の さらに奥深いところを聞けるかも 知れません。 もちろん 初めての方も大歓迎であります。 今回の講師の下野先生は 古典をよく読まれる方なので 一緒に東洋医学の歴史も 合わせてお話ししてくださるようです。 「すべての歴史は現代史である」 と言ったのは イタリアの哲学者・クローチェですが 歴史の中にはまさに現代を読み解く ヒントが隠されているのかも知れません。 新たな気づきがあるのかも!? 乞うご期待です!

国試終わって、景岳全書。

標本論 『病気の本は一つであり、隠れて明らかにし難い。 病変は非常に多く、表面に現れているため明らかにし易い。 そのため最近の治療家には、本末を理解できないまま、ただ目前に現れている症状を根拠にして治療している者が、多いのである。』 『浅い部分を見て深い部分を洞察し、近くを見て遠くを察知する、 これを摽と本として語るなら納得できるが、市井に言われている摽と本はこの足元にも及ぶものではない。』 張景岳は周辺の医家の治療方針に警鐘をならしているようです。 本(病気の源)と摽(病変)を分割してとらえて、本から標に対しての繋がりに希薄な施術家への注意喚起を発しているように思います。 『標本が理解できないために、ただその肉体を見るばかりで、その七情を見ることができない。 緩急が理解できないために、急性の症状があっても、それが生命に関わっているものであるかどうかが理解できないのである。 このためにいつまでたっても標を見ながら本とし、緩を見ながら急として治療しているため完全に混乱し、摽・本・緩・急という四者の意義を全く失ってしまうのである。』 同じ過ちを犯さないためには、四診における正確な情報の取得から、標の奥にある本を逃さない様にすることの様に思います。 正確に本をターゲットと捉える事が出来るようになるのが、治療する上での核のような気がして、修行の重要な課題に思えます。 景岳全書を読んでいると張景岳の力強さを感じますが、万尚志先生の訳にも手助けされているのでしょうか。原文の探求の必要も感じました。 【参考文献】 『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店

異名同穴②

経穴名は古い伝承から生まれたものであるが、 明らかにもともと異なった名称があったものと、伝承中に誤って伝えられたものなど、 成書によっていくつかの異なった名称が記載されている。 ②2つの異名のあるもの 穴名         異名 淵液穴    :   腋門穴、泉液穴 温溜穴    :   逆注穴、蛇頭穴 顴髎穴    :   兌骨穴、権髎穴 侠谿穴    :   夾谿穴、侠谿穴 帰来穴    :   谿穴、谿谷穴 金門穴    :   関梁穴、梁関穴 気穴穴    :   胞門穴、子戸穴 魚際穴    :   鬼心穴、太淵穴 瘈脉穴    :   資脈穴、体脉穴 懸顱穴    :   髄孔穴、米噛穴 血海穴    :   百虫窠穴、血郄穴 欠盆穴    :   天蓋穴、尺蓋穴 下巨虚穴   :   巨虚上廉穴、下廉穴 三間穴    :   少谷穴、小谷穴 四満穴    :   臓腑穴、髄中穴 申脈穴    :   陽蹻穴、鬼路穴 少衝穴    :   経始穴、少冲穴 尺沢穴    :   鬼受穴、鬼堂穴 絲竹空穴   :   巨髎穴、目髎穴 承泣穴    :   谿穴、面髎穴 少海穴    :   曲節穴、合水穴 日月穴    :   胆募穴、神光穴 二間穴    :   間谷穴、周谷穴 衝陽穴    :   会原穴、会湧穴 承筋穴    :   腨腸穴、直腸穴 水突穴    :   水門穴、水天穴 石関穴    :   石闕穴、右関穴 太衝穴    :   大沖穴、太沖穴 大赫穴    :   陰維穴、陰関穴 大敦穴    :   水泉穴、大順穴 肘髎穴    :   肘尖穴、肘窌穴 築賓穴    :   腿肚穴、腨腸穴 中都穴    :   中郄穴、太陰穴 聴宮穴    :   多所門穴、窓籠穴 天窓穴    :   窓籠穴、窓聾穴 天泉穴    :   天温穴、天湿穴 飛陽穴    :   厥陽穴、飛揚穴 然谷穴    :   然骨穴、龍淵穴 臂臑穴    :   頭衝穴、頸衝穴 伏兎穴    :   外勾穴、外丘穴 跗陽穴    :   附陽穴、付陽穴 陽交穴    :   別陽穴、足髎穴 陽谿穴    :   中魁穴、陽渓穴 廉泉穴    :   本池穴、舌本穴 漏谷穴    :   本陰絡穴、陰経穴 【参考文献】 『鍼灸医学事典』医道の日本社 『新版 経絡経穴概論』医道の日本社 『大漢和辞典』大修館書店

今回の臨床勉強会での学び

9/27に行われた勉強会で学んだことを書いていこうと思います。 今回モデルとなっていただいた患者さんは、「心腎不交・脾虚・少陽枢機不利」と弁証しました。 脾腎の弱りが見受けられたが、 特に腎の弱りが強く、それによって心の機能にも影響が及び、心火をうまく制御できない状態になっていると考えました。 そこで、まず腎を補うことを目的として太谿に置鍼しました。しかし、施術後も脈に大きな変化はみられず、患者さん自身の体感としても、明確な変化を感じることはありませんでした。 次に、脾を立てることを目的として脾経の穴に鍼をしました。すると、脈の状態だけでなく、舌や腹部の状態にも変化が現れ、全体的に身体が整っていく様子がみられました。 この経過から、今回の症例では、単純に腎を補うだけでは身体の反応を引き出しにくく、まず脾の機能をたてることが重要だったのではないかと考えました。 脾を立てることで身体の土台が整い、その結果として補腎ができる状態へと動いたのではないかと考えました。 脾をたてることで補腎が進み、心火がおさまっていった。 今回の施術を通して、腎の弱りが強くみられる場合であっても、単に補腎を行うだけでは十分な改善につながらず、まず脾気を立てることが重要であるということを学びました。

仕事の帰りに少彦名神社

少彦名神社 【御鎮座】 道修町には、明暦四年(1658)頃から薬種商が集まっており、享保七年(1722) 124軒が幕府より道修町薬種中買仲間として公認された。 この仲間が生命に関する薬を神の御加護のもとに間違いなく取り扱えるよう、中国の薬祖神・神農氏と共に、 安永九年(1780)京都・五条天神から少彦名命をお招きして、仲間会所(現在地)におお祀りした。(引用:神社の案内より) (´ー`) 仕事の帰りに足を延ばし、少彦名神社に参拝に行ってきました。 御鎮座より今年で240年という事で、お薬と大阪との長い付き合いを感じます。 学生時代より度々お参りに来ておりますが、卒業後では初めて来させて頂き、試験合格のお礼をさせて頂きました。 卒業し、鍼灸師となった立場で神様に手を合わすというのは違った思いがあります。 本日は梅雨時の隙間、暑さは止みませんが、良い風が吹いていたように思いました。
庭園

『舌鑑弁正 訳釈』より紅舌を学ぶ。

こんにちは稲垣です。 『舌鑑弁正 訳釈』の”紅舌総論”より学びます。 ・・痩人多火、偏於実熱、医者拘於外貌、輒指為虛、 誤服温補、灼傷真陰、域誤服滋補 (名為滋陰降火、実則膩渋酸歛膠粘、実熱、引入陰分)、 漸耗真陰、亦成絳舌、而為陰虛難療矣 (其初必有黄苔、医者不知、久之内傷己甚、不能顕苔、而変絳色矣。 凡陰虛火旺之病、自生者極少、多由医家誤用補薬逼成也)。 不論病状如何、見絳舌則不吉。・・ (引用:『舌鑑弁正 訳釈』P221~222) ・・痩せた人は火が多く、実熱に偏る、医者は外見にとらわれ、痩せていれば虛とする、 誤って温補を服用し、心陰を焼き傷る、誤って慈補を服用 (滋陰降火という、実すれば則ち膩渋酸歛膠粘、実熱、陰分に引き入れる) 真陰が次第に消耗、また絳舌となる、陰虚が治り難くなる (初めは必ず黄苔、医者は知らず、時と共に内傷が甚だしくなり、苔が目立たぬまま、絳色となる。 陰虚火旺の病、自らそうなるものは極めて少なし、多くは医家の補薬の誤用によるもの)。 病状がどうあれ、絳舌は則ち吉ならず。・・ 実際の臨床に立たせて頂いて、感じることの一つに 下焦の邪が強い患者さんが少なからず居られ、 その下焦をいかにクリーニング出来るかが重要に思えるケース。 補瀉の取り扱いは極めて慎重であるべきだと思いました。 鍼灸学校においては腎に実証はないと教育されますが。。 経験を積み考察を深めたいと思います。 今回は黄苔の存否などは分かりやすいと思えました。 【参考文献】 『舌鑑弁正 訳釈』たにぐち書店
木

五行色体表の学習

皆さまこんにちは。 本日は五行色体表の暗記を行う際に、 気になったものについて学習しました。 私が特に難しいと感じたのは〝五脈〟です。 五脈(弦、鈎、代、毛、石) 難しいと感じる理由として、 漢字からどういう脈なのか イメージできるものと、しにくいものがあると感じました。 そこで、まずは教科書から五脈について学んでみたいと思います。 はじめに五脈とは? →五脈は五臓と対応する脈のことである。 〈対応する五臓と脈について〉 (肝)弦は、糸がピンと張ったような脈 (心)鈎は、拍動の来るときが強く、去るときが弱い脈 である。 (脾)代は、やわらかく弱い脈のことで、「代脈(不整脈の一種)」とは異なる。 (肺)毛は、羽毛のように軽く浮いて力のない脈 (腎)石は、石のように硬く沈んだ脈 『素問』平人気象論篇第十八では、五季の正常な脈を 「春は微かに弦」「夏は微かに鈎」「長夏は微かに耎弱(ぜんじゃく)」 「秋は微かに毛」「冬は微かに石」と記載し、この脈以外では病や死になるとしている。 ここまでは教科書に記載していた内容です。 次に、東洋学術出版社『素問』平人気象論篇第十八(p304〜308)から抜粋した原文をみてみたいと思います。 【原文】 平人之常气禀於胃。胃者平人之常气也。人无胃气曰逆。逆者死。 春胃微弦曰平。弦多胃少曰肝病。但弦无胃曰死。胃而有毛曰秋病。毛甚曰今病。藏真散於肝。 肝藏筋膜之气也。夏胃微钩曰平。钩多胃少曰心病。但钩无胃曰死。胃而有石曰冬病。 石甚曰今病。藏真通於心。心藏血脉之气也。长夏胃微耎弱曰平。弱多胃少曰脾病。 但代无胃曰死。耎弱有石曰冬病。弱甚曰今病。 藏真濡於脾。脾藏肌肉之气也。秋胃微毛曰平。毛多胃少曰肺病。但毛无胃曰死。毛而有弦曰春病。弦甚曰今病。藏真高於肺,以行荣冲阴阳也。 冬胃微石曰平。石多胃少曰肾病。但石无胃曰死。石而有钩曰夏病。钩甚曰今病。 藏真下於肾。肾藏骨髓之气也。 【書き下し文】 平人の常気は胃に稟く。胃なる者は平人の常気なり。人に胃の気なきを逆と曰う。逆なるものは死す。春の胃は微弦なるを平と曰う。弦多く胃少なきを 肝 病むと曰う。但 弦のみにして胃なきを死と曰う。胃ありて毛あるを秋に病むと曰う。毛甚だしきを今病むと曰う。蔵の真は肝より散ず。肝は筋膜の気を蔵するなり。夏の胃は微鈎なるを平と曰う。鈎多くして胃少なきを心 病む曰う。但 鈎のみにして胃なきを死と曰う。胃ありて石あるを冬に病むと曰う。 石甚だしきを今病むと曰う。蔵の真は心に通ず。心は血脈の気を蔵するなり。長夏の胃は微・耎弱なるを平と曰う。脈多く胃少なきを脾 病むと曰う。但 代のみにして胃なきを死と曰う。耎弱にして石あるを冬に病むと曰う。弱甚だしきを今病むと曰う。 ...

上ル・下ル(02)

介護施設などで、少しでも通常と違う事があると連絡をするシステムがあります。 連絡ノートであったり、端末機器への入力であったり。 中枢性の疾患のある利用者も多く居られ、時として介護士を悩ませたりします。 機嫌が悪かったり、意味不明な事を発したりと。 記録には『〇〇様、不穏。△△など、される。』などと記されたりします。 そんな”不穏”な状態の方で多くみられるのが便通が滞っているケース。 大便秘訣について再確認する。 病因病機により四つに分けるとすると、 ①熱秘:実熱による。顔面紅潮や口渇、口臭の可能性あり。 ②氣秘:気滞による。曖気が多く、腹部や胸肋部の張満感の可能性あり。 ③虚秘:気虚(息切れ、疲労感など)あるいは血虚・陰虚(顔色が悪い、疲労感など)による。 ④冷秘:陽虚による。大便がゆるく、腹部や四肢の冷えなどの可能性あり。 上がるものが上がり、下がるもの下がらないと 様々なところで問題が出てくるのかと思う。 備忘録として記す。 【参考文献】 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

素問 陰陽応象大論篇(第5)から その2

<学生向け 近日開催予定のイベント> 【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう! →(随時お問い合わせ受付中です!) 【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です →毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜(途中からの参加も可能です。) こんにちは、大原です。 前回の続きで、「素問を読もう!勉強会」でも 少し触れた内容になります。 (前回の記事→素問 陰陽応象大論篇(第5)から) 前回は、素問 陰陽応象大論篇(第5)の中の 人体を構成するものの、 それぞれの相互転化についての記述について 考えていきました。 ↓この一連の流れが重要であるという読み方をしてみました。 「味」→「形」⇄「気」→「精」⇄「化」 さて、素問の記述では、 最初の「味」は「陰」によって生じるとあります。 (「陰」→「味」) もう一度原文を確認してみましょう。この2行目にあります。 【原文と読み下し】 ・・・ 水為陰、火為陽。(水は陰となし、火は陽となす。) 陽為氣、陰為味。(陽は気となし、陰は味となす。) 味帰形、形帰氣、氣帰精、精帰化。(味は形に帰し、形は気に帰し、気は精に帰し、精は化に帰す。) 精食氣、形食味、化生精、氣生形。(精は気に食(やしな)われ、形は味に食(やしな)われ、化は生を生じ、気は形を生ず。) 味傷形、氣傷精。(味は形を傷り、気は精を傷る。) 精化為氣、氣傷於味。(精は化して気となし、気は味に傷らる。) ・・・ 2行目の「陽」や「陰」とは何を指すのかというと、 「陽」とは「天」のことで、 「陰」とは「地」のことであると、 この文章の前の部分の文脈から解釈できます。 すなわち「味」である飲食物とは、 「陰」すなわち大地のエネルギーによって 生じるということになります。 (「エネルギー」という言葉以外に良いキーワードが思い浮かびませんでした。 他に何か良い訳し方があるでしょうか、教えてください。) 形(肉体)や気、精は、正しい飲食によって得られると 前回の記事でまとめましたが、 さらに正しい飲食とは、 しっかりした大地のエネルギーから生じるということになります。 ちなみに、これらをまとめると 「陰」→「味」→「形」⇄「気」→「精」⇄「化」 となります。 現代の食生活における食材は、 大地のエネルギーをしっかり得たものかというと そうとも言いきれないのでは?と感じてしまいます。 例えばインスタント食品や人工的に作られた調味料などは、 大地のエネルギーがほとんど無いのではないでしょうか。 また、旬のものでない野菜も 現代はビニールハウスなどによる栽培技術によって 手に入りやすくなっていますが、このような季節外れの野菜は しっかりと栄養がとれるのでしょうか? 素問の内容から、そのような疑問をふと感じてしまいました。 (現代の農業の技術に関して私は全くの素人ですので、 このような疑問が間違ってましたら謝ります、すみません。) 参考までに、 「五味」の働きについての記述もこのあと出てきます。 辛散、酸収、甘緩、苦堅、鹹耎。 辛は散じ、酸は収め、甘は緩め、苦は堅くし、鹹は耎(やわ)らかにす。 (『素問 蔵気法時論篇』(第22)) さらに、 五味所入、 酸入肝、辛入肺、苦入心、鹹入腎、甘入脾、 是謂五入。 五味の入る所、酸は肝に入り、辛は肺に入り、苦は心に入り、鹹は腎に入り、甘は脾に入る、 是(こ)れを五入と謂(い)う。 (『素問 宣明五氣篇』(第23)) 五味の働きについては 現代の薬膳関係の書籍に書かれていますので、 薬膳に興味がある方はご存知かも知れません。 ですが、例えば、 いくら酸味や甘味のある食材を用いて調理したとしても、 その食材にしっかりとした陰がなければ、 味覚としては酸味や甘味を感じたりしても、 実際には身体を養うような本来の食物としての作用が 発現されないのではないでしょうか。 五味は大地のエネルギーから生じるという 原則的な内容について書かれた書籍は 個人的にあまり目にしたことがありませんが、 重要なことのように思います。 参考文献 『黄帝内経 素問』 東洋学術出版社