学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

処置後のからだで

切経で、腰部の経穴に 置鍼後にはその穴の部位を中心に 揺らぐように広がるものがあった。 (処置の前にそこに特に拾えるものが無かった) 処置後の患者は体の力が程よく抜けて 安心しているように見えた。 穴性について考察する起点にしたい。

痹と痺

もう直ぐ国家試験となると授業も過去問を対象とした時間が大半です。 期末試験は期間がとれないので、各教科の試験は授業内で実施されていきます。 試験や資料の誤字については3年間で、かなり慣れました。 ○ 井・滎・兪・經・合 × 井・榮・兪・經・合 ○ 噯氣 × 曖氣     など 本日は痹と痺について 痹(ひ) 1⃣しびれる 2⃣リウマチ 痺(ひ) 1⃣うずらの雌 大漢和辞典の”痺”の欄には”参考”として「俗に此の字を痹に用いるは誤」と、 『字彙』からの引用も記載されています。 「痺與痿痹字不同」との事。 ※字彙(じい)は、明代の梅膺祚(ばいようそ)により編纂された中国の漢字字典。 明の時代から「同じ字じゃないよ」との注意書きがある以上、 出来るだけ正確を期したいと”しびれる”は”痹”で書き通しておりますと、 同じような人がいた時に、ほっこりします。 【参考文献】 『大漢和辞典』(株)大修館書店

始めまして、のご挨拶。

徒然なるままに、日暮らし、キーボードに向かいて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 …… 始めまして。 某所にて、鍼灸学校での2年生をさせていただいております、仁と申します。 この度、ご縁があり、一鍼堂さまの東洋医学研究所で学生Blogを書かせていただくこととなりました。年齢は三十路半ば過ぎ、独身男性とだけ…… 私は2005年、メンタルや睡眠の不調をきっかけに鍼灸に出会い、それから寛解やぶり返しを繰り返しつつ、徐々に良くなってきていき、定期メンテナンスの意味も込めて、鍼灸の患者を13年ほどやってます。 また、その間、色々な鍼灸院を渡り歩き、一般患者向けの東洋医学の勉強会にも参加させていただいたことがあります。 なので、私の心身の中において、東洋医学については、偏った思想・知ったかぶりの姿勢が根深く存在します。 ひょんなことから、東洋医学をやる鍼灸師となろうと決意したものの、その偏った「どうしょうもない、もう一人の自分」と格闘している真っ最中です。 東洋医学の鍼灸医術は、他の医療職とは違うベクトルの勉強方法……中国を始めとした他国の文献(をベースにした日本製の教科書)をチェックし、それだけでなく、自分の感性、五感を研ぎ澄ます訓練・稽古を、心身にインストールしつづけなければなりません。 …… 要は、「ショッカーに誘拐されて、現在進行形で改造手術を受けさせられてる、昭和の仮面ライダー」の【候補生】といったところでしょうか。 ※適切な例えかどうかはさておき…… その【候補生】が、 ★「イーッ!」と叫んで騒ぐだけの「単なる戦闘員」という名の【モブキャラ】で終わるのか。 ★毎週、仮面ライダーに殺られる、気持ち悪いデザインの「怪人」という名の【当て馬】で終わるのか。 それとも………… ★「そこ」から逃げて、普通の人間には戻れない悲壮感を持ちながらも、腹を括って覚悟を決めて、【仮面ライダー】として生きていくのか。 正直、自分自身、全く自信がありません。 でも、乗りかかった船です。やれるだけやってみます。 …… 現在は、一鍼堂さまにおける、林院長の治療や先生方の勉強会や、各種鍼灸勉強会に参加させていただきつつ、また、学校で学んだことを活かし、試行錯誤・悪戦苦闘しながら、自分自身や家族・親族の病気・不調・不定愁訴を治療をしています。 ※人体実験…… それらの経験を生かして、中間目標としては、猛烈に高難易度になった、2020年度のはり師・きゅう師の国家試験の合格と、 それを通過点とし、さらには、2025年までには社会福祉士や精神保健福祉士も取得したいなと考えております。 (社会福祉士は2017年1月の国試で2点たりず、不合格……いつかはリベンジしたい。) また、将来的には、 ・自閉症スペクトラム障害や発達障害、精神疾患や睡眠障害などの、いわゆる「気の病」に強い鍼灸師になれないか? ・鍼灸・福祉・合気道を三位一体で組み合わせた、統合療育院ができないか? との漠然としたコンセプトと方向性を持ちながら、日々、基礎研究に励む毎日です。 ………… Blog記事のポリシーは、「Keep it rockin'!!」でいきます。 ですが、くれぐれも、「深夜に書いたラブレター」な記事を乱発する口先だけ人間にならないように、林先生はじめ、一鍼堂の先生方、諸先輩方、また読者の皆々様からのご指導ご鞭撻のほど、切によろしくお願いします。

短気

11月は鍼灸学校の定期試験があったため、ブログをお休みしていました。 無事試験が終わり、クリスマスや年末で浮かれた気分になり勉強がおろそかになりそうのですが、 あと1年ちょっとで国試も控えているかとおもうと、気を引き締めないといけないなぁと感じる今日このごろです。 最近は年のせいか1年があっという間に感じます。 先日、学校の東洋医学の授業だったか本で読んだかで、「短気」という言葉が出てきて、 気が短く怒りっぽいという意味で捉えていたので、なんか意味が合わないなと思い調べてみたら 短気は“呼吸が浅く、深い呼吸ができない状態”(中国医学辞典 基礎編 陳 有昭 編著 p477より引用) 中医学では短気は息切れという意味なんですね。 怒りっぽくなっているときは呼吸も浅くなっているだろうし、短気はどちらの意味にしろ体によろしくないですね。 「短気は損気」を肝に命じて、イライラしないよう気をつけます。

加味

先ずは一番気になっていた青皮から始めてみます。 柴胡桂枝湯のエキス顆粒にミルで潰した青皮を加え、お湯を注いで出来上がり。 ん〜〜、美味しくなっている。 柑橘系の香りで爽やかさが加わり、私の好きな味です。毎回飲むのが楽しみになりました。 2日ほどこの組み合わせで飲んでみたのですが、何となくいいかもしれないという感じで、もう少し長く検証した方が良かったんでしょうが、我慢できず他の生薬も気になって、陳皮を加えることにしました。 生薬の組み合わせに相須薬対というのがあって、同じ性能と効果を示す生薬を組み合わせることで、効果を強める考えもあるので、まあ、いいか。 柴胡桂枝湯+青皮+陳皮 そして数日経過。 上腹部は問題ない感じですが、まだ中・下腹部がどうもスッキリしない。 更に大腸に働く枳実も加えよう。 柴胡桂枝湯+青皮+陳皮+枳実 枳実が加わったら、少し苦くなったような感じがします。 そして数日経過。 悪くはないですが、でもまだ何かが足りないような感じ。  

次へ活かすための考察

切経ではっきりと情報が取れないモヤモヤしたもの、 体から受け取る感触が無表情なものは この「無表情」な感触は一体なんなのか。 患者さんから得た情報の中から自分が何を見落としたか。 もう2度と診させていただくことができない身体かもしれない。 施術後も変化する予兆がはっきりと見て取れない。 僅かながらも感触はあっても、「良し」とまではいかない。 患者さんの満足する結果が得られなかった。 結果が出せなかったのか。 院長が「凹んでる場合じゃない」という言葉が刺さり、 なぜ結果が出せなかったのか、見立てを誤ったのか、 ここから考察することがとても重要だと気付かされました。 変化が現れなかっらから、患者さんと合わなかったら「終わり」は 治療家としてただの言い訳にすぎないし、 圧倒的な勉強と経験不足だからと正当化して片付けることはできない。 この手に残った感触が忘れないうちに自身でも考察しながら、 寺子屋の仲間にも情報共有して検討していきたいと思う。

六經病機(01)

太陽病病機 【01】営衛不調 【02】表寒裏飲 【03】邪入經輸 【04】邪陥胸中 【05】実邪結胸 【06】邪陥心中 【07】邪熱下痢 【08】經邪入腑 【09】臓腑陽傷 【10】臓腑陰傷 【01】営衛不調 営は陰で、衛は陽である。衛営は拮抗する事によって、衛外を守り固め開闔を主るという生理機能をもつ。 外的要因により膚表の営または衛の力量に変化が生じ、陰陽昇降のバランスが崩れる。 成無己(金代)は「風は衛にあつまる。・・寒は営にあつまる。」(『注解傷寒論』)とする。 外邪(風)を感受すれば、衛の昇散活動が優位に立ち、衛強営弱病機を発生させる。 外邪(寒)を感受すれば、営の沈降し静かであるという性質が優位に立ち、営強衛弱病機を生み出す。 太陽表虚証。 衛の昇散性が優位となり、外表部に浮揚し、発熱する。 弱くなった営の沈降凝集し静かであるという特性が弱まり、内部を守れず自汗し脉が浮緩となる。 自汗がでれば、衛が散漫となり皮膚の温煦作用が失われ、悪風(風に当たると寒気)する。 太陽中風、陽浮而陰弱、陽浮者、熱自發。 陰弱者、汗自出。 嗇嗇悪寒、淅淅悪風、翕翕發熱、鼻鳴乾嘔者、桂枝湯主之。 方一。 太陽表実証。 営の沈降凝集し静かであるという性質が強くなり、衛が肌表の内側に抑鬱されて、膚表を温めることができなくなり、悪寒が現れる。 陽気が発散されず発熱する。 営の沈降凝集し静かであるという性質が、無汗・脉の浮緊となる。 血を滞らせれるので、頭痛や関節の痛みが現れる。 太陽病、頭痛、發熱、身疼、腰痛、骨節疼痛、惡風無汗而喘者、麻黄湯主之。 方五。 表寒裏熱証。 風寒両方を感受すれば、寒邪は営に入り、風は衛に入る。 営の沈降凝集し静かな性質が強くなり、悪寒ひどくなり無汗。 衛の昇散活動性が強くなるが、汗が出ないので熱を排出できず内部に鬱滞する。 その為に高熱して煩躁し、表裏とも実証となる。 太陽中風、脉浮緊、發熱、惡寒、身疼痛、不汗出而煩躁者、大青龍湯主之。 若脉微弱、汗出惡風者、不可服之。 服之則厥逆、筋惕肉瞤、此為逆也。 大青龍湯方。 八。 【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社 『中医臨床のための 方剤学』医歯薬出版株式会社 『傷寒雑病論』東洋学術出版社

勝負

「患者さんが鍼灸院に入った時からが勝負です!」と下野先生からの一言。 一挙手一投足、速度、歩き方、手つき、表情、声色、姿勢、皮膚の色、身なり、体型… 私は舌や脈に固執していた事に気付きました。 院内はもちろんのこと、街でも、学校でも。 意識して目を養うこと、記録すること、真似ること、毎日が勝負です。 心がけていきます!

歯痛

学校の東洋医学の授業で歯痛(歯に関係のない歯周辺の痛み)についてを習う。 私も歯痛になったことがある。痛みの性質としては、 痛みの場所は上の時もあれば下の時もある動く→気滞? キリで突かれるような刺痛→瘀血? 灼熱感を伴う痛み→熱証 下顎から歯根にかけて走る痛み→? 触ると鈍痛、歯肉腫脹 いろんな痛みが混在していたので、教科書の病症のように1種類の痛みでは例えられないし、病因も単純そうではない。教科書や病症分類は極端な例しか載っていないのではないか。 教科書では病症の一例として、肝火上炎で歯痛が起こると書かれている。 現在もストレスを感じた時は当時の1/10ぐらいの痛みが稀に再現される。 当時の歯痛は随伴症状と照らし合わせると、肝鬱気滞もしくは、肝火上炎への移行期だったのではないかと考察する。 今なら脈や舌も見て他の視点からも考察できるのに…と思うが、やっぱり歯痛は嫌だ。

逆子の灸

学校の授業で、 逆子に効く灸は至陰であり、鍼灸師ならみんな知っている有名な経穴の一つだと教わりました。 でもなぜ至陰が逆子に効果あるといわれているのか?理由が気になるので調べてみました。 逆子は中医学では「腎の気に問題がある」と考えられる。 至陰は腎経ではなく膀胱経なのに、なぜつかわれるのか? 腎と膀胱は表裏の関係にある 中医学では表裏を応用した治療法が多様され、1つ1つのツボまで陰陽や五行に分類する。 至陰は「金」に属し「金」は「水」の母。 水(腎)を治療するので水の母である金に属するツボを選んでいる。よって至陰がそれにあたる。 (『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』著 小金井 信弘 より抜粋) 至陰を使うことは、逆子=至陰の灸と、ただ暗記するよりかは理解できたのですが、 では、腎経のツボをつかったら効果はどうなのか? そもそも逆子は「腎」だけの問題なのだろうか? 気になるので、逆子について中医学の婦人科系の本なども読んでみて引き続き探ってみようと思います。