弦脉
弦脉
瀕湖脉学では
「主病:肝胆病、痛病、痰飲等」
よく見ていくと
「虛勞内傷・中焦の気不足・肝病の脾に乗じた病証等でも弦脉が見られる。
…もし弦で、細く、刀の刃に添うようにきつい感じのする弦脉が出現するなら、胃気のまったくない脈なのでその病は難治と心得なければならない」
と記載あり。
中医臨床のための舌診と脈診
「動脈硬化の老人などにみられる弦で硬い脈は、胃気が低下していることを示す。」
こちららでは硬いと表現。
二つあれば大体の感じは伝わる。
少し東洋医学からは逸れるが、動脈硬化について調べる。
病的な分類としては
①粥状硬化 ②細動脈硬化 ③メンケベルグ型動脈硬化 もしくは加齢による生理的変化。
コレステロールによる粥状硬化、AGEsによって修復されたコラーゲンの問題などにより硬くなったり色々。
慢性的な痛みによる脈管の緊張も考えられる。
勉強不足なので断定を避ける。
実際の症例を見ていくと重症患者には弦脉が現れている。
相剋。
邪気
実の反応ばかり邪気と言われるけども虚も邪。
舌を考察①
寺子屋で患者様の舌を見せて頂きました。
受けた印象は白滑苔淡白胖大でした。
舌だけで結論付ける訳にはいきませんが、考えない訳にはいかないので何を表すのか考察していきます。
白苔は一般的には表証・寒証を表すとされます。
中医臨床のための舌診と脈診 P33
陽虛が基本にある内傷の場合には舌質が淡白・胖嫩であり、寒邪直中の場合には青紫舌の事が多い。
との事です。
もう少し詳しい箇所を見てみます。
同書籍 P 53
陽虛寒湿
淡白舌は気血不足であり、白滑苔は寒湿をあらわす。一般には、陽虛で陰血の化生が不足し、津液の蒸化もできず水湿が貯留して寒化した状態が多く、舌質が胖嫩で歯根が明らかである。
まず、「陽虛で陰血の化生が不足して淡白舌」とはどういう事か考えてみます。
現代語訳 黄帝内経素問 上巻 P112 陰陽応象大論篇
南方は陽気が盛んで、熱を発生します。熱は火気を盛んに生じ、火気は苦味を生じ、苦味は心気を滋養し、心気は血気を変化生成します。血気は充足すると脾を生じ養います。心気は舌と関連しています。
その変化についていうと天にあっては熱気となり、地にあっては火気となり、人体にあっては血脈となり、五臓にあっては赤となり、五音にあっては徴となり、五声にあっては笑となり、病変の現れ方としては憂となり、竅にあっては舌となり、五味にあっては苦となり、こころの変動にあっては喜となります。
同書籍 下巻 P 23 天元紀大論篇
熱気は少陰の根本の気
同書籍 上巻 P 93 金匱真言論篇
南方の赤色の気は、人身の心と相い応じ、心は竅を両耳に開き、精華は心に内蔵され、五味の中では苦味にあたり、五畜の中では羊にあたり…
これらはすべて火の一類に属します。四時でいえば夏の季節で、心は血脈を主り、また、五臓の主ですから、病は往々にして血脈と五臓に現れるのです。
つまり、「陽虛で陰血の化生が不足して淡白舌」とは
陽虛になると心気も不足し、血を変化生成することが出来ない。
結果として赤味が出なくなり、心の竅である舌に色が反映されなくなった状態なのではないかと考えました。
参考資料
中医臨床のための舌診と脈診 医歯薬出版株式会社
現代語訳黄帝内経素問 上巻下巻 東洋学術出版社
今の状態
頭でっかちの石頭でありのままを受け入れることができない大馬鹿者。
そんな表現が今の自分に相応しい。
起きた現象に対して拾って集めた記憶にあるものを当てはめて喜んで…
そんな状態でそこに先入観無しで向き合えるのか。
そもそもそんな状態でありのまま受け取れているとでも思っているのか。
都合のいい部分だけ捉えて形を変えて頭に入れていないか。
こんな事をやっていたら全ての現象に申し訳ない気持ちになる。
人に対してもそう。
向き合うための準備が出来ていない。
もっと素直に、正直に生きたい。
こんなんじゃ薄っぺらい言葉しか吐けないし、行き着く先は量産型の人間。
変えないと話にならない。
今のところ対策として、朝起きた時に今起きている現象をそのまま受けとることを意識して(意識せず)、感じたことをノートに書き留めてみています。
仕事の帰りに少彦名神社
少彦名神社
【御鎮座】
道修町には、明暦四年(1658)頃から薬種商が集まっており、享保七年(1722)
124軒が幕府より道修町薬種中買仲間として公認された。
この仲間が生命に関する薬を神の御加護のもとに間違いなく取り扱えるよう、中国の薬祖神・神農氏と共に、
安永九年(1780)京都・五条天神から少彦名命をお招きして、仲間会所(現在地)におお祀りした。(引用:神社の案内より)
(´ー`)
仕事の帰りに足を延ばし、少彦名神社に参拝に行ってきました。
御鎮座より今年で240年という事で、お薬と大阪との長い付き合いを感じます。
学生時代より度々お参りに来ておりますが、卒業後では初めて来させて頂き、試験合格のお礼をさせて頂きました。
卒業し、鍼灸師となった立場で神様に手を合わすというのは違った思いがあります。
本日は梅雨時の隙間、暑さは止みませんが、良い風が吹いていたように思いました。
平胃散
先日家の近所へランチに行った。
出てきた量が予想外のボリュームだった。
炭水化物のオンパレード。
この時代に600円でありがたい話ではあるんだけれども、自分の胃の許容量は完全に超えてしまった。
翌日、舌を見るとまあ大きくなっている。
胖大。
腹の様子も変わっている。
ただ水分で多くなっているわけではないので潤ったテカテカな様子は見受けられず。
治療対象がはっきりした平胃散で対処して腹や経穴などの反応を追ってみた。
胃経の様子と腹が変わった。
腹証奇覧だと六君子湯の腹に近かった様に思いますが、平胃散でも対処できました。
便への影響もあり。
先週見させて頂いた患者さんの状態も過食だったのでいい勉強になりました。
痛証
痛証
ワクチン3回目摂取後から内腿が痺れ始め、次第に足先が痺れて痛くなり始め、段々広がってきたという方の体を見させて頂いた。
お腹を見せて頂くと副次的な原因により心が圧迫されている様に感じる。
ベースとしては脾腎の虚もあると感じた。
脈はやや浅めの位置で硬くなっている。
腕にはゴリゴリがついてしまっている。
ここを動かす事ができれば痛みの方は落ち着くのではと思われた。
その方、コロナワクチンの後遺症を目的に日本で考えられた漢方薬を飲まれているそうです。
配合意図はわかるけども邪気論だけだと動かない様子が見てとれました。
また、この方の身体を診る時も決して「ワクチンの後遺症」という情報に惑わされてはいけないと感じました。
舌の考察
前回に比べ状態がだいぶ状態がいいと思います。
表面の膩苔がとれ、点刺が減り、張りも出て発色も良くなり舌下静脈の怒張も落ち着いている。
舌の所々に見られる剥げも無くなった。
一見綺麗に見えるけども色が薄い。
少し柔らかい感じと舌を出し切れていない感じもあり、正気の弱りがあると感じる。
陽損及陰
「陽損及陰」の項目を読んでいて
友人の所見が当てはまると思った。
長く患っているのでどちらが根本か。
陰虚症状が顕著、
いま特に行動面で陽が亢進していて、
でも
自分が彼に出会う前の暮らしぶりを
聞くとやはり当てはまるものを感じる。
これをどう処置に結ぶべきか。
落ち着く
私は鍼を刺されるのが怖く、鍼の響きも気持ちいいというよりかは痛みや不安に思うタイプです。
できることなら短くて細くて浅くて少ない鍼が良いです。
先日院長の鍼を受けた時、施術前に大きな温かい手で手で包み込まれました。
その時ふと不安な気持ちが和らぎました。
その後鍼を一本刺入していただきましたが、治療後、身体の力がストンと抜けて「気が落ち着く」という言葉がピッタリ当てはまりました。
治療を受けて、今日の私は気が散漫で地に足がついていなかったことに初めて気付きました。
七情にも「気が散る」「気が結ぶ」「気が上がる」「気が下がる」などがあり、情志の変化と臓腑は関係していると言います。
私たちも日頃から「気が〜するなぁ」と日常会話で口にします。こんな些細な言葉にも気の状態は反映されているんだと思います。
治療を受けて、先人の観察力と言葉に味わい深さを覚えました。
『舌鑑弁正 訳釈』より紅舌を学ぶ。
こんにちは稲垣です。
『舌鑑弁正 訳釈』の”紅舌総論”より学びます。
・・痩人多火、偏於実熱、医者拘於外貌、輒指為虛、
誤服温補、灼傷真陰、域誤服滋補
(名為滋陰降火、実則膩渋酸歛膠粘、実熱、引入陰分)、
漸耗真陰、亦成絳舌、而為陰虛難療矣
(其初必有黄苔、医者不知、久之内傷己甚、不能顕苔、而変絳色矣。
凡陰虛火旺之病、自生者極少、多由医家誤用補薬逼成也)。
不論病状如何、見絳舌則不吉。・・
(引用:『舌鑑弁正 訳釈』P221~222)
・・痩せた人は火が多く、実熱に偏る、医者は外見にとらわれ、痩せていれば虛とする、
誤って温補を服用し、心陰を焼き傷る、誤って慈補を服用
(滋陰降火という、実すれば則ち膩渋酸歛膠粘、実熱、陰分に引き入れる)
真陰が次第に消耗、また絳舌となる、陰虚が治り難くなる
(初めは必ず黄苔、医者は知らず、時と共に内傷が甚だしくなり、苔が目立たぬまま、絳色となる。
陰虚火旺の病、自らそうなるものは極めて少なし、多くは医家の補薬の誤用によるもの)。
病状がどうあれ、絳舌は則ち吉ならず。・・
実際の臨床に立たせて頂いて、感じることの一つに
下焦の邪が強い患者さんが少なからず居られ、
その下焦をいかにクリーニング出来るかが重要に思えるケース。
補瀉の取り扱いは極めて慎重であるべきだと思いました。
鍼灸学校においては腎に実証はないと教育されますが。。
経験を積み考察を深めたいと思います。
今回は黄苔の存否などは分かりやすいと思えました。
【参考文献】
『舌鑑弁正 訳釈』たにぐち書店
肺、金、従革、皮毛、鬼
『五行大義』
金曰従革。従革者革更也。範而更。形革成器也。
西方物既成殺気之盛。
金に従革と曰ふ。従革とは、革は更なり。範に従いて更まる。形革まりて器を成すなり。
西方の物、既に成りて、殺気の盛んなるなり。
『京都薬用植物園の麻黄』より、解表薬から肺系へと探求をしております。
『肺』
五行においては金。
五体としては皮毛。
五性としては従革。
皮毛は”外からのシールド”とだけに、囚われていたように思います。
肺の宣発作用に注目して、粛降作用を見逃していたようにも思え、臓腑の作用を再確認しなくてはと気づかせて頂きました。
また、『五行大義』より
”(皮毛という)大きな袋があるから(臓腑という)中身を沢山詰め込める”
という”器”の機能もあるのだと教えられたように思います。
肺經の經穴では別名に気になるところがあり、繋がりを求めたいと思います。
『手の太陰肺經』
井木穴 ”小商” 別名:鬼信
原穴 ”太淵” 別名:鬼心
合水穴 ”尺沢” 別名:鬼受、鬼堂
(別名の”鬼”が気になって調べていますが、根拠には辿り着かずに探求を継続中。)
『大漢和辞典』
【鬼】
、、人が死ねば心思をつかさどる魂は天にのぼって神となり、形體は地に歸り、形體の主宰である魄は鬼となる。
[説文]鬼、人所歸爲鬼、从儿、田象鬼頭从厶、鬼陰⽓賊害、故从厶。
陰気と肺、金、従革、皮毛、鬼について共通項を見出せそうで、未だ掴めておりませんが、
今後も探求を深めていきたいと思います。
【参考文献】
『五行大義』明徳出版社
『大漢和辞典』大修館書店
『臨床経穴学』東洋学術出版社
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
















