現代語訳 景岳全書
現代語訳 景岳全書 伝忠録
著:張景岳 訳:伴尚志
今の自分のレベルを考えたら、”原文からのディテールの正確さ”よりも
精度が落ちたとしても全体像の把握を優先したいと考え、
たにぐち書店さんの景岳全書を選択しました。拝読いたします。
いきなり、劉河間や朱丹溪をディスっているので、
何故そういう考えに至ったのか・・理由を知りたいと思います。
【参考文献】
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
脈診で
患者さんの体を診せてもらい、
脈診で『やや数』として報告したところ、
「脈が細いからそう感じるかもしれないが速くはない」
と聞き、そのあとすぐ、実感を伴ってそれを知る。
処置後、テンポは同じで、脈幅が広がった。
指腹を通して受ける印象がガラリと変わる。
先程の言葉の意味をここで知る。
気血の流れを滞らせていた邪が動く様しむけた、
と説明を受けた。
こういう変化の仕方のときには、
調子が上向くことを予感させるものがある。
できるなら、明日や明後日の脈をみてみたい。
京都薬用植物園の呉茱萸(ごしゅゆ)
武田薬品工業(株)の京都薬用植物園で、年に4回行われている研修会があります。
今回は『晩秋の研修会』との事。
一般向けの研修会で、特に専門的な講義が行われるというものでは無いのですが、実体験もさせて貰えるのを楽しみに参加しています。
私は2回目の参加となります。
今回は漢方処方園、樹木園、温室を回りました。
「味見してみますか?」のコーナーでは呉茱萸(ごしゅゆ)を頂きます。
物凄く辛いのをご存知でしょうか?・・辛いです!
呉茱萸
[効能]
◦ 暖肝・散寒止痛
◦ 下気止嘔 など
この辛さを感じると”効能”になんとなく納得が・・
前回の研修会でも味見をさせて頂きましたが、体験する度に植物のもっている”力”を強く感じます。
漢方薬においては、個々の植物を適切な配分でコーディネートする事で、服用の効果を最大にしているのだろうと考えさせられます。
逆に、個々の主張が強いので、調和をとる材料、飲み易くする材料を共に配合する必要があるのかとも思います。
鍼の調和は切経や刺鍼をする”その時”に、人間の手によって加減できるところなのでしょうか。
薬との違いであったりするように思うのですが、いかがなものでしょう?
薬草のあまりの刺激の強さに色んな事を考えてしまう『晩秋の研修会』でした。
【参考文献】
・中医臨床のための中薬学(東洋学術出版社)
色々メモ
手がビリビリ
人の身体を触らせてもらって感じることのある手のビリビリって感じは何なんだろう。
この感覚を探っていく必要がありそう。
治療後のベット
治療後のベットって何か残っているのかな。
人によってだけども、イメージとして何か薄黒く?モヤっとしたものが残っている気がする。
考え事
胸の部分がずっと気になっている。
神は働きすぎると疲れる。
自分の身体でも、思考すると気が上がる。
考えすぎ、思考しすぎると動悸がする。
一時的に落ち着けるだけなら桂枝加竜骨牡蛎湯(竜骨・牡蛎)を使えば思考の暴走、動悸は治る。
心の暴走は宗気にも影響するためか息切れも起こる。
現代語訳 素問 霊蘭秘典論篇 P161
「心なる者は、君主の官なり。神明焉より出づ。…膻中なる者は、臣使の官、喜楽焉より出づ。」
調べていこうと思ったけどここはとりあえずここまでにします。
悪癖が出てる。
形
漢字はもともと意味があったはずなのに字義を知らないと形に拘ってしまう。
そうなってくるとあんまり意味がなさそうだなと思う。
意識
今までも意識していたけど、日常の意識を使いかたをもうちょっと変えてみよう。
自分がその時どうしたいと思ったか、何に魅かれたか、嫌だと思ったこと。
学校で勉強ばかりさせられると遠のいていきそうなところ。
一鍼堂で教わって大切だと思ったことのみ実践。
気鬱
こんにちは高山です。
気鬱について書こうと思います。
生き物は全身に気が流れていて、いろいろな活動に使われていますが、
この気がスムーズに流れなくなってしまう状態を気鬱といいます。
イメージ的には、ホースに水が流れていて、そのホースに何かが詰まって上手に水が流れない感じ。
そして、気鬱になると、気がいくべき場所に行かない状態になるのですから、あらゆる症状が出てくるのではないかと思います。
心に気が渡らなければ、精神に異常が出たり。
脾に気が渡らなければ、代謝異常を起こしたり。
頭に気が昇らないと、頭がボーっとしたり。
あらゆる器官が気をエネルギー元に活動を行なっているので、当然たくさんの病的症状が顕著になってくると考えます。
ではなぜ、気鬱になってしまうのでしょうか、これもたくさん理由があると思います。
一つ目が肝鬱気滞。
これはよく聞きます。
肝は気の流れのバランスを整える役割がありますが、この肝が虚してしまうと、この機能が失われます。
そうすると、気の流れに異常をきたし、よくあるのが、
胸脇部の痛み、太息、など
そこから、衝任脈へ波及し、月経痛が現れる。
二つ目が、感情による気鬱。
思い悩んだり、考えすぎたりしても気の流れが悪くなるようです。
自分はよく思い悩むことが多々あるのですが、
その時は、確かに頭がボーってしたり、体が普段よりだるくなります。
そして、三つ目が痰です。
痰というのは、どろどろねばねばした塊で、この痰が気の流れを滞らせるようです。
これだけでなく他にも気を滞らせる原因があると思います。
でも、一つ目、二つ目と三つ目の気鬱の形態の違いが見られます。
肝の疎泄と、感情の異常はホースと水で例えると、
ホースに流れている水の勢いが弱ってしまっているイメージが思い浮かびます。
痰の形成による気鬱は、ホースに石が詰まってしまって、水の出が悪くなっているイメージがあります。
この考え方であるならば治療のアプローチも変わってくる気がします。
そして、気鬱の病理の変移に気鬱が火に変わるとあるのですが、これもすごく興味深いなと思います。
これは五行的に考えて、肝が心になんらかの影響を与えて、火を生み出したのかなと考えました。
気鬱になった人が全員火に変化するという事もないと思いますので、それは体質からくるのものなのかなと思いました。
自分はよく、火が昇ったように上半身が熱くなるので、この体質に当てはまるのかなと思いました。
そう考えると自分はもしかしたら気鬱傾向が強いのかもしれません。
気鬱を、解消できる方法も考えていきたいと思います。
観察のしかた
舌診の撮影をさせてもらった。
色と苔と形に必死で、
厚みはどうだっけ?
あまり覚えていないし写真にも残っていなかった。
舌診の本の写真は正面がほとんど。
本は平面。
人体は立体。
これからは色んな角度から観察しよう。
加味
先ずは一番気になっていた青皮から始めてみます。
柴胡桂枝湯のエキス顆粒にミルで潰した青皮を加え、お湯を注いで出来上がり。
ん〜〜、美味しくなっている。
柑橘系の香りで爽やかさが加わり、私の好きな味です。毎回飲むのが楽しみになりました。
2日ほどこの組み合わせで飲んでみたのですが、何となくいいかもしれないという感じで、もう少し長く検証した方が良かったんでしょうが、我慢できず他の生薬も気になって、陳皮を加えることにしました。
生薬の組み合わせに相須薬対というのがあって、同じ性能と効果を示す生薬を組み合わせることで、効果を強める考えもあるので、まあ、いいか。
柴胡桂枝湯+青皮+陳皮
そして数日経過。
上腹部は問題ない感じですが、まだ中・下腹部がどうもスッキリしない。
更に大腸に働く枳実も加えよう。
柴胡桂枝湯+青皮+陳皮+枳実
枳実が加わったら、少し苦くなったような感じがします。
そして数日経過。
悪くはないですが、でもまだ何かが足りないような感じ。
施術日記(03)
T.I 先生との治療練習3回目です。
週ごとに、同じ経脈上に刺鍼する事で変化をとります。
舌診の鍛錬
【目的】
① 一週間前と同穴にて、鍼の番号を変えて違いを診る。
② このシリーズは今回で3回目。
鍼の ”前後” という短期的にできる変化とは違う、中期的な変化を探す。
舌の中央の苔・裂紋には長い歴史を感じるので、
この変化を狙うのは、
長期的に考えなくてはならないのかもしれません。
舌尖と舌辺の赤みは、ぼんやりといつものようにある。
舌の出し方に、強張った感じはみられない。
陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分)
一段と力が抜けたように感じる。
刺鍼後には舌尖と舌辺の赤みは、淡く穏やかになるのはいつもの通り。
舌の水分量の違いが、事前事後で間違いなく変化する。
2週間前は・・
この2週間前に舌診した際、
舌の出し方が右へ傾いていたのが特徴的でした。
舌尖の尖がり具合や舌の周辺の赤みは現在もありますが、
現在は少しマイルドになっているように感じます。
ご自身で治療をされているのもあり、
このシリーズでの正確なエビデンスという訳ではありませんが、
変化は感じられます。
舌の考察 2023/11/15
舌の表側
少し歯形痕が見られお疲れの様子だが、質感もみずみずしく、ハリがありそれなりの回復力がありそうな感じ。でも無理は重ねられない。
舌の裏側
舌の色が赤いところと白いところがまだらになっている。気血の密度が低く偏っている。写真の映り方のせいなのか、右側に比べて左側の半分の方が色が薄く見える。気血の偏在なのかは不明。
脈 浮:緩 中沈:微弦滑
舌質 淡紅 胖大
舌苔 厚微黄
舌の表側
舌辺の歯形が目立つが、舌の奥の舌面が滑らかな膨らみがなくボコボコして形が保てていない。慢性的な気虚のせいで形が損失している。五臓の弱りが舌全体に現れ、舌尖の色にも疲労感が伺える。
舌の裏側
舌は分厚く胖大で津液が停滞して、汚濁が溜まりやすく苔の色や質に反映されている。気血の不足のせいで舌裏の鮮やかさに欠ける。希薄な印象。
生理3日前だったせいか、顎の吹き出物が目立って増えてきていた。顎下なので下焦を表すのかもしれない。普段から生理痛はあまりない方だが、塊は目立つ。気虚のせいで推動作用が弱く、痛みは起こさないが、力不足で停滞を起こし塊ができやすいのかもしれない。
はじめに。
鍼灸学校に通う西です。
想いが募って数日前に一鍼堂に伺い
その夜 振り返って
無知な自分に慌て心もがきました し
これからもその繰り返しでしょうが
想いだけはまだちゃんと生えてくるので
東洋医学の世界で
何にもなれないかもしれないですが
前進が見えなくても泳いでいけるように
日々傾けていけたらと思っております。
宜しくお願い致します。
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東洋医学について、学校の東洋医学概論の授業や教科書で触れてきましたが、まだまだ落とし込めておらず。ひとまず東洋医学の基本用語や作用などの理解に努めようと、入門書をちょこちょこ読み進めております。
そしてブログに何を書こうかなと思案する中で、先に記した文を読み返してみたら
自分の気持ちの様がまるで陰陽のようでしたので、陰陽について少し。
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陰陽は、中国の古代哲学思想にもとづいた概念で、「事物はすべて陰と陽の対立する性格をもつ2種に分けることができる」という観点から分類されている。この観点から学ぶべきことは、すべての事物のなかに促進と拮抗という対立した面が存在しつつ統一されているということである。
同じ陰陽でも使用する状況によって数種の異なった概念を意味するので、十分な認識が必要である。
〈陰陽の相互関係について〉
・対立と互根
陰と陽は相反する属性で成り立っている。この対立した組み合わせは、どちらか一方だけでは成立しない。このような陰陽の相互依存を互根という。
・対立と制約
陰と陽は対立するものであり、互いに制約し合っている。陰は陽を制約し、陽は陰を制約している。このような制約によって平衡を取ることができる。
・消長と転化
陰陽の量が増えたり減ったりすることを陰陽消長という。陰陽が消長を繰り返すためには、陰または陽が増加や減少を続けるのではなく、ある一定のところで増加は減少に、減少は増加に転化しなければならない。転化がなければ消長の結果、陽または陰しかなくなってしまう。これを防ぐため陰は極まれば陽に、陽は極まれば陰となるのである。
・可分
陰陽に分けられることを可分という。陰陽は条件によって細分化することができる。絶対的な陽や陰というものは少なく、相対的に陽や陰となることが多い。
陰陽の平衡が保たれていれば正常。
陰陽の平衡が保たれなくなっている状態が病。
人体にも陰陽の法則がある以上、治療においても陰陽の考えを用いることが不可欠である。
治療においては、人体に起こった陰陽のバランスを整えることが原則である。
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なにぶん自分の言葉で考えを構成するまでの力がありませんので、インプットしていて、より腑に落ちていく箇所を挙げています。
参考文献
『中医学入門』 神戸中医学研究会
『新版 東洋医学概論』 医道の日本社
『やさしい中医学入門』 関口善太
『現代新国語辞典』 学研
西