学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

膩苔が強い舌を観察します。

こんにちは稲垣です。 舌診について研究を重ねてまいります。 【前】 舌体は紫舌で、 舌尖から舌辺にかけての歯痕の部分に 赤みが強く感じらます。 舌尖に点刺が多く、舌尖より舌根にかけての 中央部分に黄膩苔が強い。 潤いが少ないように思います。 舌裏に関しては舌下静脈がハッキリと見え、 両側が暗く血の滞りを感じます。 【後】 今回は、刺鍼中もコミュニケーションをとりながらでしたので、 ゆっくりと休んで頂く形ではありませんでした。 舌面に関しては、変化は少ないですが 舌尖あたりの苔が少し引いて 舌体の色が見やすくなったように感じます。 舌裏の色調が明るくなったように感じるのと 両側の暗さが少し明るくなっていうように思います。   舌面の黄苔や潤いの少なさより 熱が強く津が焼かれているように感じます。 その熱の所在が重要に思いますが、 舌尖の点刺との共通点が気になります。 以前より練習として診させて頂いており ひどい時は紫舌と膩苔が極めて強くなります。 化火をどのように抑えるのかが課題と思いますが、 舌裏からみえる瘀血が下焦を滞らせ、 気機を上昇させてる要因と考えております。 熱化させずに自身でセーブできる力を持つ事 を長期的に考えて施療を行っております。 経過を観察していきます。

落ち着く

私は鍼を刺されるのが怖く、鍼の響きも気持ちいいというよりかは痛みや不安に思うタイプです。 できることなら短くて細くて浅くて少ない鍼が良いです。 先日院長の鍼を受けた時、施術前に大きな温かい手で手で包み込まれました。 その時ふと不安な気持ちが和らぎました。 その後鍼を一本刺入していただきましたが、治療後、身体の力がストンと抜けて「気が落ち着く」という言葉がピッタリ当てはまりました。 治療を受けて、今日の私は気が散漫で地に足がついていなかったことに初めて気付きました。 七情にも「気が散る」「気が結ぶ」「気が上がる」「気が下がる」などがあり、情志の変化と臓腑は関係していると言います。 私たちも日頃から「気が〜するなぁ」と日常会話で口にします。こんな些細な言葉にも気の状態は反映されているんだと思います。 治療を受けて、先人の観察力と言葉に味わい深さを覚えました。

日常ネタ

先日、薬局に処方箋を持って来られた患者さんのエピソードをひとつ。 (年齢は70歳前後の男性の方だったと思います。)   「市販の風邪薬を飲んでいても全然効かへんから、病院に行ってきたわ〜。」 「薬で胃がやられたんか、胃が膨れた感じになって食欲もなくて、全然食べたいと思わんねん。咳もまだ続いてるしな。まいったなぁ。」 「やっぱりちゃんと、初めから病院で診てもらって薬飲まんなあかんなぁ。」   と言われて、総合感冒剤と咳止めと胃薬をもらって帰られました。   そして7日間後にまた来局されて、また全く同じ内容の処方箋を持って来られました。   「薬全部飲んだんやけど、全然治らへんのや。」 「また同じ薬なんか?、先生にいろいろ言うたんやけどな。これしかないみたいやわ。」 そこで、改めて今どんな状態なのか伺ったところ。 一番は胸脇部が苦しい。 上腹部が張って苦しいので、食欲がない。 咳が続く。 咳をすると頭痛というわけではないけど、頭の表面がピリピリと痛む。 と言われていました。   全然一週間前と症状が変わっていない様子。 これがもっとも西洋医学の苦手な部分ですよね。と思わず思ってしまいました。 万人に対しての通り一遍の大雑把な処方しかない。 東洋医学的なアプローチなら、もっと的確にケアできるシチュエーションなのだろうなぁと、その患者さんの背中を見送りながら思った場面でした。

暑邪

6月も後半、梅雨の時期真っ只中で、これから暑さも増してだんだん蒸し暑い季節になってきます。 テレビで、今年は3年間のコロナ生活明けなので、今まで屋内での閉じこもりがちな生活をしていたせいで、暑さに慣れていないため、熱中症になる人が激増するであろうと注意を呼びかけていました。 確かにそうかもしれないと思いました。 それにこのところの地球温暖化での猛暑化が追い討ち。   蒸し暑い日は、湿度が高いせいで、普段より汗が乾きにくく、乾くことで体を冷やすことがしにくくなるので、内熱がこもりやすくなります。   また湿度が高いと、喉の渇きも感じにくく、口渇を感じた時にはかなりの脱水状態になっているとも言われます。   健康な人は、暑い日が続くと身体は次第に暑さに慣れて、暑さに強くなっていきます。でもこれは一昔前の時代の話かもしれません。 現代人は近代的で便利な生活をしている上に、昨今の異常気象の影響も大いに受けています。 不規則な生活や、寝不足、暴飲暴食、七情過多などなど、ちょっとしたことで自律神経は乱れます。 自律神経がうまく働かない人は、汗をかくことや、心拍数の上昇、皮膚血管拡張によって身体の表面から空気中に熱を逃す熱放散がうまく働かなく、体温調整が難しくなります。 熱中症までにも行かなくても、暑熱が体内にこもってしまって体調を崩すきっかけになる人も増えるでしょう。院にもそんな患者さんが増えるのではと思っています。 暑邪によるリスクを回避するためにも、普段の生活を振りかえってみなくてはなりません。

夙川にて

図書館、公民館など、外で勉強する事が殆どです。 好きな場所で、夙川沿いの静かなところに”西宮市立中央図書館”があります。 休憩に川沿いで新鮮な空気を吸うのですが、ふと思い出した事がありましたので。 以前に、六甲山からの鉄砲水で犠牲者が出たことがありました。 その時に『山上が曇れば大蛇が通る』という伝承を知ります。 古人が鉄砲水を大蛇に例えて後世に伝えやすくしたのだと思います。 それをきっかけとして、スサノオノミコトがヤマタノオロチ退治を ”治水対策の比喩”であるとの仮説にも出会う事になりました。 クラスメイトが話の中で「東洋医学=スピリチュアル」との認識に違和感を覚えたのを覚えています。 東洋医学を学ぶという事は災害の地に建つ石碑のように、 古人が未来へ向けた思いに耳を傾ける事のように思います。 とか、思い出しながら国家試験に向けての勉強の年末です。

いつ食べるか学

時間栄養学という言葉を初めて知りました。 いつ食べるのかに着目した栄養学のようです。 いつ食べるかが健康に与える影響というのが、一般的に思われている以上にとても大きいことが最近わかってきているそうです。例えば肥満、糖尿病、心疾患、脳出血、老化、うつ、ガンなどにも影響することがわかってきたそうです。 体内時計は一つで全身を調整しているのではなく、全身くまなくあることがわかっています。(ここら辺は五臓六腑の五神の話や子午流注の時間の話を連想してしまいます)それは細胞ひとつ一つに存在する時計遺伝子の機能で、今わかっているだけでも、数十種類の時計遺伝子が確認されています。 たとえばそのうちのピリオドという時計遺伝子は物質の生成と分解を一定の周期で行っていることがわかっています。 この時計遺伝子のサイクルによって食欲や睡眠欲などの周期がつくられています。 しかしこの体内時計と異なる周期で生活すると体内時計自体がズレていってしまいます。このズレがストレスのもとになって身体の不調や病気もとになって現れてくるのです。 それでは、ズレてしまった体内時計をもとに戻すにはどうすればいいでしょうか? この時間のズレを戻す方法の一つとして食事のタイミングが大事になってきます。 その食事のベストタイミングいつなのか。 先ず朝食は起床後すぐ、2時間以内がいいです。 朝食はズレた体内時計を合わせる役割があります。 起床時は体内時計がズレている状態なのです。実は体内時計のサイクルは24時間より長いため、毎日起床時にはズレています。従って一日の体内時計の開始を朝食で合わせる必要があるのです。 あともう一つ太陽の光を浴びることで体内時計を合わせるのも欠かせないポイントです。脳の中の視交叉上核(主時計)が光を浴びることで全身の体内時計のズレを合わせる働きがあります。しかし食事を取らないと体内時計がまたズレる原因になりかねません。 昼食は朝ご飯を食べてから5時間後ぐらいに日中を迎えるのがよいです。体内時計の観点から言うと、消化吸収系の臓器が一番活発になる時間は日中になります。 夕食のベストタイミングは朝食をとってから10〜12時間後ぐらいです。できれば20時までには終えておきたいです。 子供の頃は当たり前だったことでも、大人になると大人の事情でなかなか実行が難しいのが実情です。だから不健康な大人が増えてしまうのかもしれません。    

身を削る

3年生前期の最後は、様々な鍼灸法の実技がありました。 色んな先生が単発の実技授業をしてくださるので今日の先生はどんなふうに身体を診て施術するのかなぁと興味深々でした。 学校の実技で「圧痛を探しなさい」と 言われたか、言われなかったか…あまり記憶はないけど、切経で圧痛を探す先生が多いなぁという印象でした。 この間までは皆がそうしてるから、私も前に倣え状態でした。 患者役になってわかってくるのは、 少腹を押圧したら痛くてたまらんのに、 徒手検査みたいに、痛みを再現するのは なんだか気分が良くないものです。 お腹や背中を人に向けるということは、 自分の一番守らないといけない大事な所。 動物なら服従の姿勢です。 この経穴は○○に効く ○○穴はお灸すると良い 特定の症状=○○穴 と特効穴で配穴を教えてくれる先生もいらっしゃいました。 しかし、素体を無視して施術した結果、 しんどくなった人もちらほらいました。 私も逆上せた後、咽頭部が腫れて、 このまま放置したらヤバいな… というところまできました。   「こういう時こそ鍼で治すといいですよ!」 と下野先生に背中を押されて あれこれ調べて鍼で治療してみました。 身を削った結果、得るものも多く 良い経験になりました。 人の体をしっかり診ずして、根拠が明確ではなく方法論だけが一人歩きすると怖いなぁ…ということ。 鍼は良い風にも悪い風にも効くんだから、 素体を鑑みず、人の体を診る方法も知らず、 リスクを知らないまま施術することへの恐ろしさを感じます。   先日、下野先生に臨床論を勉強するにはどの本はどれがいいか聞いてみました。 この病気にはこの経穴といったふうに答えが載っている本と、載っていない本。 「経穴が載っていると考えが固定されてしまうから、経穴が無い方が自分で考えられますよ」 と下野先生。   型にはまることへの安心感。 型にはまることで見えなくなるもの。 今の私は、答えがない方が面白いと思いました。 遠回りなのかもしれないけれど、 創造力を掻き立てられます。 いずれまた型にはまることもあると思います。 それはそれで、また新たな気づきのきっかけになるのかな。

『閃く経絡』を読んで

以前より、SNSで噂になってた本『閃く経絡』を読んでみました。 ---------------------------------------------------------- 『閃く経絡』 ”現代医学のミステリーに鍼灸の”サイエンス”が挑む!” 著者:ダイエル・キーオン 発行:日本の医道社 ----------------------------------------------------------- ダニエル・キーオンさんは医師として救急の現場に立ちながら、 キングストン大学で中医学を学び、後に北京に渡り就業を行ないました。 医師でありながら鍼灸師であるという立場で、経絡の謎を解明しようと試まれています。 鍼灸学校で習う解剖学・生理学の復習になり、 学生の立場としてはテストされているような感覚も正直あるのですが。。 医師としての立場らしく、淡々と表現されるグロテスクさも楽しむ事が出来ました。 彼の経絡に対するこの論証の一つ一つは、なかなか見ごたえがある様に思います。 実はこのような生々しい論理は好きだったりします。 この本の素晴らしいところは東洋医学に対する敬意が感じられるところです。 東洋医学の軸を動かさずに西洋医学の詳細を詰めていく方法は、 解明する探検の大変さも感じられますが、気持ち良さを同時に覚えます。 そして、医古文などを読む際に手助けとなるのが、現在の医学への探求があるという事は 太古の昔も医学に燃える医家がいるのだろうと信じる事ができるところでしょうか。 未来の優秀な方々によって、東洋医学の証明がなされていくことに夢をはせます。 以前に一鍼堂ブログの番外編として院長が挙げられていた三焦に関してのブログも添付します。 ↓ https://www.1sshindo.com/blog/zenith16946/

問診

問診情報こそ重要ー 自分でそうインプットした のは何がきっかけになったか、思い返してみて 理由のひとつが案外浅いところに見つかる。 3年次に学校のある授業で、 はじめの問診でできるだけ疾患の特定までなされるべきと教えられた。 授業中は、その為の説明が訝しい内容に聞こえ、 かといって先生に何か質問をぶつけるとこもできず、 後味の悪い思いも残った。 なのに(だから?)拘っている。(おかしな話です) でも1番は、他の診察で得る情報を整理できないからに他ならない。 それらをつなげていけるように。

舌を観察して

ある患者さんの舌を観察してー ピンク色に映った。 舌全体に、舌辺まで一面がピンク。 (発色が全く舌裏と異なる。) うえに乗る白苔が対比でより白く映る。 自分にとって初めて(当然、継続的に 見させてもらっているその患者さん においても)見る色味で印象に残った。 紅絳舌に分類した。