難経十六難
先日、難経十六難を読みました。
印章に残ったところを書き留めてみます。
肝は色を司ります。
色は眼を喜ばせる原因となるもので、目は鮮麗なもの(鮮やかで美しいもの)をみるのを好みます。これが人情です。
→ふむふむ
芸術肌の人は肝タイプが多いのかも知れません。あくまでも個人の感想です。
肝が病んでいる時は、肝の本質的な性質が現れて、浄潔なもの(清浄で清潔なもの)を喜ぶようになります。
→いたって普通ではないでしょうか。これも人情だと思います。不潔で汚いものを好む人は少ないと思います。ひょっとして病んでいる時だから偏って過剰に好むようになるということでしょうか。例えば潔癖症みたいな感じ?
怒りは自分の思いと異なる時に表れます。自分の思いは陽であり、それと異なるものは陰です。陰が陽を抑える時、陰中の陽となり、春の少陽の状態と合致することになります。陽が抑鬱されると逆します。怒りは逆上の気ですので、肝木の本気が現れたものと考えることができます。
→肝気が条達できるように、自分の思いも大切にしてあげないといけませんね。
『難経鉄鑑』第十六難 たにぐち書店より引用
気色と光
以前、先輩の先生から直接教わったことのあることだった。
今回、この文章に触れて改めてハッとさせられる
“「気色」というのは「色」ではありません。
「色」であれば光をあてればあてるほどハッキリしてくるものだけれども、
この「気色」というのは少し薄暗くした状態でうっすら浮上するもの ”
(引用:『鍼灸医学における実践から理論へ パート1』 P68)
先日、切経の練習をさせてもらう中で
背中は広くて目にとまる情報が多く拾いあげるべきものはどれか迷う、
と考えたことがあった
基礎となる理論が身についてないこと
情報を整理するための軸がないこと、
他にも理由はいくらでもあると思うが
拾いあげる情報がつながらず混乱しているとき、
この光のあて方のような意識からは程遠いことは確か
邪実や正虚を探るときに
ひとつ、これからの指針にしたい
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【参考文献】
『鍼灸医学における実践から理論へ パート1』 藤本 蓮風 著/谷口書店
衛気と発汗
専門学校で使った教科書では衛気に関する項で、その作用として「外邪の侵襲を防ぐ他、皮毛を潤沢に保ち、肌肉声 •皮毛 •臓腑などを温め、腠理の開闔(皮膚の収縮と弛緩)により発汗を調整し、体温を一定に保つ働きがある」と説明する。
(そもそも異なる分野の言葉を同じく取り扱うことが間違っているのかも知れないが)生理学の教科書では、発汗に関する基礎として発汗を温熱性発汗と精神性発汗とに大別している。教科書レベルの説明であったとしてもこの括り方に誤りはないはずですが、寝汗や自汗の説明に使えないと考えます。
同じく生理学の蒸発の項で体表面からの蒸発が不感蒸散と発汗によってなされることを教わります。一般的には、呼吸の際に呼気に含まれる水分、皮膚や気道の粘膜から蒸発する水分を合わせたものを指すようですが、衛気が主るところの水分の排出はどちらかというとこの不感蒸散の方を当てはめる方がしっくりくる気がします。はっきり「発汗」と書いている以上、それは学校で習った様に衛気と汗腺の働きを結ぶのが正解なのかも知れませんが、分からない、まま保留としたいと思います。
体表観察で拾う情報に湿り気や冷たさがあるが、それが体に備わる発汗の機構の顕れである場合ととそうでない他の理由による場合とを区別しておく必要がある、体表が冷たいことが体が冷えを表すわけではないことを再認識する機会になりました。
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【参考文献】
新版 東洋医学概論/医道の日本社
生理学 第3版/医歯薬出版株式会社
異名同穴②
経穴名は古い伝承から生まれたものであるが、
明らかにもともと異なった名称があったものと、伝承中に誤って伝えられたものなど、
成書によっていくつかの異なった名称が記載されている。
②2つの異名のあるもの
穴名 異名
淵液穴 : 腋門穴、泉液穴
温溜穴 : 逆注穴、蛇頭穴
顴髎穴 : 兌骨穴、権髎穴
侠谿穴 : 夾谿穴、侠谿穴
帰来穴 : 谿穴、谿谷穴
金門穴 : 関梁穴、梁関穴
気穴穴 : 胞門穴、子戸穴
魚際穴 : 鬼心穴、太淵穴
瘈脉穴 : 資脈穴、体脉穴
懸顱穴 : 髄孔穴、米噛穴
血海穴 : 百虫窠穴、血郄穴
欠盆穴 : 天蓋穴、尺蓋穴
下巨虚穴 : 巨虚上廉穴、下廉穴
三間穴 : 少谷穴、小谷穴
四満穴 : 臓腑穴、髄中穴
申脈穴 : 陽蹻穴、鬼路穴
少衝穴 : 経始穴、少冲穴
尺沢穴 : 鬼受穴、鬼堂穴
絲竹空穴 : 巨髎穴、目髎穴
承泣穴 : 谿穴、面髎穴
少海穴 : 曲節穴、合水穴
日月穴 : 胆募穴、神光穴
二間穴 : 間谷穴、周谷穴
衝陽穴 : 会原穴、会湧穴
承筋穴 : 腨腸穴、直腸穴
水突穴 : 水門穴、水天穴
石関穴 : 石闕穴、右関穴
太衝穴 : 大沖穴、太沖穴
大赫穴 : 陰維穴、陰関穴
大敦穴 : 水泉穴、大順穴
肘髎穴 : 肘尖穴、肘窌穴
築賓穴 : 腿肚穴、腨腸穴
中都穴 : 中郄穴、太陰穴
聴宮穴 : 多所門穴、窓籠穴
天窓穴 : 窓籠穴、窓聾穴
天泉穴 : 天温穴、天湿穴
飛陽穴 : 厥陽穴、飛揚穴
然谷穴 : 然骨穴、龍淵穴
臂臑穴 : 頭衝穴、頸衝穴
伏兎穴 : 外勾穴、外丘穴
跗陽穴 : 附陽穴、付陽穴
陽交穴 : 別陽穴、足髎穴
陽谿穴 : 中魁穴、陽渓穴
廉泉穴 : 本池穴、舌本穴
漏谷穴 : 本陰絡穴、陰経穴
【参考文献】
『鍼灸医学事典』医道の日本社
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
『大漢和辞典』大修館書店
寺子屋で
3月23日(水)
患者さんの舌の観察をしました。
患者さんにお会いする前に、先生の許可を得てカルテを見せていただき、主訴から舌の状態を想像しました。
歩くと息が切れて疲れやすいということから、見た目は弱々しく舌色は淡白舌で舌体は痩せて小さい、
気虚のイメージで考えていました。
実際は、
全体的に絳紫色を帯びた地図舌、ところどころ凸凹と丘のような形状がみられ、舌下静脈の怒張あり。
細身ではありますが弱々しい感じは全くなく、はきはきしたキャリアウーマンという印象でした。
息切れして疲れやすい⇒気血が不足している⇒淡い舌色と思いこんでいましたが、
実際の色は紅が強く熱を帯びていた。
舌下静脈の怒張から瘀血があるため気血のめぐりが悪くなり、
それが息切れや疲れやすさの原因になっているのか。その瘀血はどこからきているのか?
地図舌や凸凹な形状は何を表しているのか?
次回、経過がわかればまた考察します。
舌の考察 2023/12/20
先日、職場の薬局での出来事。
窓口でのやり取りの際、「処方箋に頼んでたお薬が記載されていない。先生が書き忘れている」と、患者様が言われました。
そのお薬の名前を尋ねると、「レイボー」だと言われるが、全く初めて聞く名前だったので、なかなか聴き取れませんでした。
当然薬局の在庫にはないお薬なので、処方医に問い合わせて追加処方してもらい取り寄せという形になりましたが、後で調べたところレイボーなるお薬は偏頭痛のお薬でした。2022年6月8日発売されたばかりの新しいタイプのようです。
今までのトリプタン系の偏頭痛薬とは異なった作用機序で、セロトニン1F受容体に結合して脳の神経に働き痛みを起こす物質の放出を抑えるとありました。
果たしてこの患者さんに効果があるのか。
もうすでに飲んでおられる様で、1錠では効かなかったとのこと。今回からは1回に2錠に増量してみるようです。
結局のところ、偏頭痛の原因や作用機序はまだはっきりわかっていないのが現状なので、あくまでもセロトニン仮説もその一つの考えであるため、その患者さんにフィットするかは未知数なのは必至でしょう。
偏頭痛もなかなか難しい症状です。それでいて結構多くの人が悩まされている頭痛の一つです。
そんな偏頭痛に対して鍼灸はかなり効果があることで知られていますが、実際受ける人はまだまだ少ないのかもしれません。
今週の舌です。
今週もお疲れの様子です。
色味も薄くて気血が足りてない感じです。気の不足により停滞感が見られ、むくんでいます。
脈は浮大滑 やや中空
苔はしっかりついていますが、通常に比べてば、まだまだ薄い方です。写真の写り方にもよりますが、色味はいつもより淡い様に見えます。生理後でやや淡白なのか。
そういえば最近は目が乾燥して疲れやすいです。スマホを見ると悪化します。
側・舌
側
豊中院で先生の身体をみさせて頂いた。
先日寺子屋でここを見といてくださいと言われた部分に反応があった。
中に差し込んでいる様な形。
背候診の時もついでに触って様子を伺う。
停滞している印象。
少陽枢機不利が原因かと思った。
舌
今日患者さんの問診、切経などさせて頂いた。
その患者さんを含めて思う事。
舌を見て、
「子供の様な舌だな。」
と思う方がちらほらいる。
このあたりは持って生まれたものではなく、臓腑の現れ方として共通するものがあると思う。
水の溢れ方も特徴的。
脈診について
ある患者さんの脈を見せてもらった。
処置の前後で、自分には
脈の幅や硬さつまり形が(ほとんど)同じに思われた。
一方で
処置の後の脈には、
指腹を通りすぎた直後に伝わってくる
余波というか余力というか、
前に進む力の様なものが加わったと感じられた。
それが脈状の印象を確かに変える。
あるいは処置後であることを知る
自分の主観がそう感じさせるのか。
訓練を積んでいく中で、
今回の様なケースでも前後で形状の差異を
拾えるようになっていくのか。
五行大義(08)
学生時代に教科書『新版 東洋医学概論』より
第3章 東洋医学の思想
第2節 五行学説
Ⅱ 東洋医学における五行学説の運用
のところに
『五時(春、夏、長夏、秋、冬):五時は四季(春夏秋冬)に土用を加えたものであり、五季という・・ 』
ここに違和感を覚えておりましたが、
五行大義を拝読し、全てを網羅した分けではありませんが、
五時ではなく、四時(春、夏、秋、冬)としての記述であり、”土”は別の価値観としてあります。
この四時とした方が、立体的に五行として捉えており、
五時(春、夏、長夏、秋、冬)とした場合の、平面的な詰め込んだような違和感が無いように思います。
精査を続けたいと思います。
第二辯體性 (淮南子云)
「形体と性質について」淮南子(思想書)から引用すると、
淮南子云、天地之襲精爲陰陽。
陰陽之專精爲四時、四時之散精萬物。
積陰之寒氣、反者爲水、積陽之熱氣、反者爲火。
水雖陰物、陽在其内。
故水體内明。
火雖陽物、陰在其内。
故火體内暗。
木爲少陽、其體亦含陰氣。
故内空虚、外有花葉。
敷榮可觀。
金爲少陰、其體剛利、殺性在外、内亦光明可照。
土苞四德。
故其體能兼虛實。
淮南子がいうには、天地の襲精は陰陽となす。
陰陽の専精は四時となす、四時の散精は万物なり。
積陰の寒気、反なるもの水となし、積陽の熱気、反なるもの火となる。
水 陰物といえども、内に陽あり。
故に水の体内は明なり。
火 陽物といえども、内に陰あり。
故に火の体内は暗なり。
木 少陽たり、その体または陰気を含む。
故に内は空虚、外は花葉あり。
敷栄して観ることが出来る。
金 少陽たり、その体は剛利、殺性は外にあり、内はまた光明して照らすことが出来る。
土 四徳を苞む。
故にその体はよく虚実を兼ぬ。
【参考文献】
『五行大義』株式会社 明德出版社
『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社
溝か裂か
「舌正中溝のみに溝があるものは正常、舌正中溝以外の部位に溝や裂け目が見られる際に裂紋舌とする。」
と教科書にある。
では、正中上に一部分、ビリっと破けたような、正中溝より横幅が大きいものはどう見立てたらよいのだろうか。
教科書的には裂紋舌と呼ばないが、「溝」より「裂」の表現に近いと思う。
舌診の本では、裂紋舌の写真は、亀裂が無数に走る物が掲載されていることが多いが、そればかりではないのかもしれない。
■ 文献引用『新版 東洋医学概論』第6版 p.208,公益社団法人 東洋療法学校協会 編,教科書検討小委員会 著
















