衛気と発汗
専門学校で使った教科書では衛気に関する項で、その作用として「外邪の侵襲を防ぐ他、皮毛を潤沢に保ち、肌肉声 •皮毛 •臓腑などを温め、腠理の開闔(皮膚の収縮と弛緩)により発汗を調整し、体温を一定に保つ働きがある」と説明する。
(そもそも異なる分野の言葉を同じく取り扱うことが間違っているのかも知れないが)生理学の教科書では、発汗に関する基礎として発汗を温熱性発汗と精神性発汗とに大別している。教科書レベルの説明であったとしてもこの括り方に誤りはないはずですが、寝汗や自汗の説明に使えないと考えます。
同じく生理学の蒸発の項で体表面からの蒸発が不感蒸散と発汗によってなされることを教わります。一般的には、呼吸の際に呼気に含まれる水分、皮膚や気道の粘膜から蒸発する水分を合わせたものを指すようですが、衛気が主るところの水分の排出はどちらかというとこの不感蒸散の方を当てはめる方がしっくりくる気がします。はっきり「発汗」と書いている以上、それは学校で習った様に衛気と汗腺の働きを結ぶのが正解なのかも知れませんが、分からない、まま保留としたいと思います。
体表観察で拾う情報に湿り気や冷たさがあるが、それが体に備わる発汗の機構の顕れである場合ととそうでない他の理由による場合とを区別しておく必要がある、体表が冷たいことが体が冷えを表すわけではないことを再認識する機会になりました。
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【参考文献】
新版 東洋医学概論/医道の日本社
生理学 第3版/医歯薬出版株式会社
難経十六難
先日、難経十六難を読みました。
印章に残ったところを書き留めてみます。
肝は色を司ります。
色は眼を喜ばせる原因となるもので、目は鮮麗なもの(鮮やかで美しいもの)をみるのを好みます。これが人情です。
→ふむふむ
芸術肌の人は肝タイプが多いのかも知れません。あくまでも個人の感想です。
肝が病んでいる時は、肝の本質的な性質が現れて、浄潔なもの(清浄で清潔なもの)を喜ぶようになります。
→いたって普通ではないでしょうか。これも人情だと思います。不潔で汚いものを好む人は少ないと思います。ひょっとして病んでいる時だから偏って過剰に好むようになるということでしょうか。例えば潔癖症みたいな感じ?
怒りは自分の思いと異なる時に表れます。自分の思いは陽であり、それと異なるものは陰です。陰が陽を抑える時、陰中の陽となり、春の少陽の状態と合致することになります。陽が抑鬱されると逆します。怒りは逆上の気ですので、肝木の本気が現れたものと考えることができます。
→肝気が条達できるように、自分の思いも大切にしてあげないといけませんね。
『難経鉄鑑』第十六難 たにぐち書店より引用
山崎、太陰など
山崎
色々取っ払うために学生時代から何となく好きだった山崎駅にいきました。
特に何かがある訳ではないのですが、人通りもそんな多くなく、鳥や風の音が聞こえる中にある踏切の音もいい感じです。
何もない中、外の世界と向き合った時に以前教わった環境のお話が思い返された。
自分だけになってもいけませんが、自我の確立のさせ方も少し見えてきた気がします。
自分の課題と向き合う時、人と関わってどうこうするよりも先にそっちが必要ですね。
太陰など
太陰は太陰と呼ばれるだけあってやはり陰が一番深いところなんだと実感。
心の在り方にも影響するなと思います。
ベクトルが自分に向いて陰鬱な時、脾の弱りも考えられる。
思考がどう向かうかもわかりやすいです。
先週聞かせて頂いた話も水に関係していて、これから梅雨時に入ってどう臓腑が変化していくかみていくと勉強になりそうです。
また、ここで生まれた痰湿は氣滯と結びついて胆に波及する事もあると思う。
胆経に反応がある場合、痰湿を兼ねていることが多いと思います。
鍼とからだ
2021/11/10
深部、からだの奥で結ばれていた熱。
それが体の表層にはっきりと立ち上がるのを
目の当たりにして、
患者は横になって静かなのに
静けさのなか躍動する。
ただその現象に立会い驚いた。
奥に押し留めていたのは何の作用を受けてか。
潜在するもの表に現すきっかけをもたらす鍼。
言葉に置き換えるのがとても難しい。
What our cravings tell us about our body? Stomach & Spleen...
What do our cravings tell us about our body?
Or rather, what is our body telling us through our cravings/appetite...
日々の発見
○ 格言
パニックを起こす私にも
ポンっと思い出せる先生の言葉があって、
その言葉は大抵10文字以内ぐらいです。
カルテに書き留めた走り書きやメモを読み直たり、
先生とお話しして突き刺さるシンプルな言葉。
今の支えとなり、課題であり、目標となっています。
◯ 波長が合う
ガードが堅い患者さんだ、とそれとなく聞いていました。
「先入観は置いときましょう」
と下野先生から言葉をいただき、どんなもんかなぁと
患者さんの世界感にお邪魔してきました。
中々言葉では表現できませんが、
自然と問診、切経ができる不思議な経験をしました。
これを波長が合うという事だそうです。
側頭部痛 2
(前回の続き)
側頭部痛(表面的な痛み)
を引き起こしている機序が何かー
その場では
結局見立ては固めることができず、
ただ、どうしても足部とくに三陰交付近に
深く引き込まれる感覚と
舌、顔の気色に熱の所見が認められる
ことなどから、三陰交に取穴した。
処置後、
体がやや熱くなっているとのことだった。
停滞していたものが動いたひとつの徴としてよいのか。
下焦の瘀血が気滞を生じさせ疎通を阻んでいたのか。(それならば瘀血の素因を何とみるのか)
「温か」ではなく「熱い」というのはどうなのか。
腎虛
最近、腎虛の意味を再考中。
どうやら途中からそれが指す意味が変わっていそうだ。
それを知れたので、時々ある方剤の違和感が取れた。
現代風な視点からでは見えないものが見えてくる。
では、昔の腎虛を現代の解釈に合わせるとどの様に表現するのか。
課題です。
東洋医学の用語に関して
今月初旬より、寺子屋でお世話になっております。
初めて東洋医学の本を読ませて頂いておりますが、用語に関して、特有の世界観を感じました。
例えば、五臓におきまして、
西洋医学では具体的な臓器を意味しますが、東洋医学では機能を意味するということ。
(東洋医学において人体は神様であるため、解剖しないことが前提にあると教えて頂きました。)
五臓をはじめ、用語全般に広い意味合いを含んでいる印象を受けました。
つい、正確な意味を知りたくなりますが、
限定しすぎないからこそ他部位と関連性を持ち、全体を見る(森を見る)東洋医学の世界観に合うのかな、と感じました。
まだまだ、捉え方が曖昧ですが、浅くでも読み進めていこうと思います。
病因について(1)
人が病を持つに至る過程について考えたいと思います。
健康な状態からどの様に悪化していき病に至るのか?
いわゆる病因について・・
---病因の分類---
〇三因方(三因極一病源論粋)
・外因 六淫、疫癘
・内因 七情
・不内外因 飲食不節、労逸、房事過多、外傷
〇現在
・外感病因 六淫、疫癘
・内傷病因 七情、飲食不節、労逸、房事過多
・病理産物その他の病因 淡湿、瘀血、内生五邪、外傷
現実の病因については複合的に絡みあい、時間軸も重ねれば、
外因、内因など複数の要因が影響し合っているように思います。
病証から考えれば、キッチリと分ける事は出来無いのかもしれません。
人は思っているより強く、我慢や対処を常にされているのだと思います。
そして、悩みを持つに至るのかと・・
そこで、気になったのですが親からの影響は無いのか?
『素問 奇病論篇第四十七』
帝曰.人生而有病巓疾者.病名曰何.安所得之.
岐伯曰.
病名爲胎病.
此得之在母腹中時.其毋有所大驚.氣上而不下.精氣并居.故令子發爲巓疾也.
人、生まれながらにして巓疾(てんかん)を病む者あり、病名を何と言うか?
いずこの所に之を得たるか?
病名は胎病となす。
此れ之を母の腹中に在りし時に得たるなり。
その母大いに驚く所ありて、気上がって下がらず、精気屏居(集中)す。
故に子をして発して巓疾とならしむ。
病因についての理解を時間軸で考えた場合に、今までより以上に長軸で考える必要がありそうです。
参考文献
『素問』明・顧従徳本
『図説 東洋医学〈基礎編〉』学習研究社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
稲垣英伸