4月のこと。
4月から臨床現場で問診、切経をさせていただく
ことになりました。
先生が「5分で帰って来てください」
と仰っても、
患者さんのペースに嵌ると易々とタイムオーバー。
寺子屋の日の問診は
初日は2人、翌週は4人、今週4人。
え?問診はひとりじゃないの?
と内心焦りながらもやるしかない。
先生からの「愛ある鞭」です。
その後、証立てをするようにと
ご指導いただいていますが、
興奮して全くまとまりません。
問診、切経「だけ」だと思っていましたが
体力の消耗がとてつもなく激しいのです。
恥ずかしながら、問診と問診の合間の
考察中、寝てしまいました。
【4月の反省と課題】
1週目:
ただ症状を聞いてるだけ。
突っ込んで聞かないといけないこともある。
2週目:
自分を衛ること学ぶ。
切経の手の形の工夫を学ぶ。
3週目:
主訴に引っ張られ思い込んではならない。
本質が見えなくなる。
無心で5分短期決戦は集中できる。
色んな先生の言葉が寺子屋で飛び交います。
言葉で聞いていて分かった風になっていても、
自分で実際に体験しない事には分からんのだなぁと思うのです。
めちゃくちゃ緊張します。
緊張状態やと上手くいったためしがありません。
院長が「楽しんで」と仰っても
果たして、そんな日が来るのだろうか?
自問自答することもあります。
しかし、臨床を見学させていただくと
楽しくてたまらない。
そして、毎度毎度へこたれていても
身体がもちませんから、
学ぶ時、遊ぶ時、寝る時…と
メリハリをつけて、
心身共に解放する時間を作っていきます。
最近、通勤電車で
「老中医の診察室」 著:柯雪帆
を読んでいます。
先生たちが症例検討したり、
治療過程やカルテが記載され、
非常に興味深くワクワクします。
一鍼堂の臨床見学でも芽生える気持ちと同じです。
私もこんな風に寺子屋の仲間と
症例検討できるようになりたいなぁと思います。
先ずはひとつひとつ、
与えて下さった機会を大切に。
失敗を恐れず現場を「楽しむ」気持ちを
数%ずつ増やしていけばいきたいです。
表陽の虚は胃腸の虚に係がる
傷寒論攷注
「案ずるに前條云う所の悪寒已めども、「発熱汗出」然れども猶戸隙の風、傍人起居衣袖の扇風を悪、其脈必ず浮緩、此の証元来表気疏泄有り、故に邪の発散は表実証于速い、然れども表陽の虚は胃腸の虚に係がる、故に表実の一汗にして解するに比べれば、則ち其癒は却って遅く…」
この文から色々発展して思考できそうです。
ここは中風について述べている文で、表陽の虚がなぜ胃腸の虚に繋がるのか。
ここの繋がりはなんなのか。
調べていきます。
傷寒論攷注
「案ずるに「中風」の一証、其人素衛気疏泄して堅からず、或いは労力奔走等の事有り、陽気を擾動かし、表をして開泄せしめて、其虚隙に乗じる也…」
これは霊枢の下の文に繋がると思います。
『現代語訳 黄帝内経霊枢』 営衛生会篇 P 340、341
「
「黄帝がいう。人が熱い飲食物を食べて、これが胃中で未だ精微物質に消化されていないのに、食べるとすぐに発汗する。汗は顔面から出ることもあり、背中から出ることもあり、半身だけ出ることもある。この様に衛気が通常の通路を通らないで、汗となって出るのは何故か。」
岐伯が答える。
「それは、外表に風邪の侵襲を受けて、腠理が開き、毛孔は緩んで、衛気が体表に向かって走り、正気の通路を通ることができないからです。
これは衛気の本性が慓悍ですばやく、どこかに弛緩して開いている部位があれば、そこから出ていこうとするためです。」
」
とりあえず汗に関しては風邪に襲われて腠理が開き、衛気がそこから出ていくから。
『現代語訳 黄帝内経素問』 五臓別論篇 P212
「
黄帝がいう。
「気口の脈を単独で診察するだけで、五臓の変化を知ることができるのはなぜであろうか。」
岐伯がいう。
胃は水穀の海であり、六腑の源泉となっています。
飲食物は口から胃に入り、全て胃に貯留し、脾による輸化の働きによって五臓の気を滋養しています。
気口もまた太陰経であり、さまざまな脈に朝見することを主ります。
こうしたわけで、五臓六腑の気と味は、いずれも胃に源をもって気口に反映するのです。」
」
」
肺経が脾胃の気を受けている事が分かります。
手太陰肺経の始まりである中府の名前も
「中焦の気が集まるところ」
である事から納得できます。
また、脈診で寸口を取るのは、八会穴の脈会である太淵あたりが良く反映されるからではないかと思いました。
最初の傷寒論攷注の文の
「表陽の虚は胃腸の虚に係がる」
とはこういう事なのかなと思いました。
『中医臨床のための方剤学』 P 29
桂枝湯「生姜・大棗の配合は、脾胃を昇発し営衛を補充し振奮させる。」
とあり、桂枝湯に脾胃の薬が配合されている意味にも繋がると思いました。
参考資料
『現代語訳 黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社 南京中医薬大学編著
『現代語訳 黄帝内経素問』 東洋学術出版社 南京中医学院編
『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編著
六字訣
面白い動画を見つけました。
中国式気功の一つのようで六字訣(ろくじけつ)といいます。
この功法は六字を唱えながら呼吸することで内臓を強化できるみたいです。
六字(呵呼呬吹嘘嘻)はそれぞれの内臓と対応関係にあります。
訣の意味は調べると、「おくのて」「おくぎ」とありました。
呵(ホー)→心・小腸
呼(フー)→脾・胃
呬(スー)→肺・大腸
吹(ツゥェイ)→腎・膀胱
嘘(シュー)→肝・胆
嘻(シー)→三焦
それぞれ対応する内臓の邪気を排出することを意識して行うようです。
※詳しいやり方を知りたい方は動画をご参照ください。
回数は、健康な人が毎日行う場合は、それぞれ2回で充分で、どこか特定の内臓が弱っている人が治療目的で行う場合は回数を増やせばいいようです。
割と簡単にできそうなので、昼休みにでも取り入れてみようと思います。
誘引など
歩き方
体の使い方で関節を意識すると体の使い方も変わる。
この間人から聞いた話で、膝の話があった。
色々考えて、遊びを持たせる方がいいよなとなりました。
膝をピンと伸ばせば勢いが吸収できなくなる。
歩行の時もそうで、極力自重+体幹?で歩き無駄な力を入れない様にしたい。
自分も芯で捉える。
刺す
鍼を受けていても
「今から刺しますよ」
とはあまり言われたくない。
上手な人ならそんなに弊害はないかもしれませんが、
「さあ今から刺すぞ!」
みたいな感じで来られると体が強ばる。
油断している様な時に刺すのとまた効果も違ってくるんじゃないかと感じる今日この頃です。
ケータイを忘れた
この前学校にケータイを持っていくのを忘れた。
最寄駅で気づいたのですが、そういったものが無い1日も過ごしてみたくなりそのまま登校。
文字や情報から解放された時間はとても気持ちよかったです。
また、そうなってくると事象を自分の頭でいつもより考える様になる。
自由で楽しい時間だなと思いました。
誘引
邪気にやられた時、自身の心持ちや行動次第でも邪気の体へ与える影響は変わると思う。
黄帝内経でも季節の過ごし方で心持ちについて言及していたと思うけど、何も季節に限らない話だなと改めて思いました。
また、邪気が入った時にどのような思考や行動すると、どのように転化するか。
そういった事を知っていくのも面白いなと思いました。
備忘録(1)
アルバイトとして障害者の介助や老人の介護をおこなっておりますが、
今回は、とある方の入浴を介助いたします。
洗髪の際、
ゴシゴシ、ゴシゴシ、、
Aさん「もっと強くして下さい。」
稲垣 「大丈夫ですか?それでは。」
ゴシゴシ、ゴシゴシ、、(結構強くしてるけど大丈夫かな?)
Aさん「もっと強くして下さい。」
稲垣 「(゚д゚)!えっ(マジで!)。わかりました。」
ゴシゴシ、ゴシゴシ、、
Aさん「強くやり過ぎて、昔は血が出たことがあるんですが、それが良いんです。
HAHAHAHAHAHA。」
稲垣 「・・・。」
Aさん「でも、寝不足の時は強さに耐えれない時があるんです。」
★ ”養蔵”できない事での、”皮毛”への影響を思う。
ホップ
豊中に行って業務終わりくらいに先生が受付さんに話をしていた。
横で話を聞かせて頂く。
その話と単語から連想するイメージ。
トーン、雰囲気もあるのかな。
心が軽くなった。
その時の感情を食材で表現したくてスーパーへ行く。
今回はホップで試してみたけど、少し違うな…
でも、ホップが含まれるものを採ると眠くなると言うのは収穫でした。
もちろんノンアルコールです。
權・衡・規・矩
陰陽應象大論篇第五
善診者、察色按脉、先別陰陽、 審清濁、而知部分。
視喘息、聽音聽聲、而知所苦。
觀權衡規矩、而知病所主。
按尺寸、觀浮沈滑濇、而知病所生。
以治無過、以診則不失矣。
善く診る者は、色を察し脉を按じて、先ず陰陽を別ち、清濁を審らかにして、部分を知る。
喘息を視、音声を聴きて苦しむ所を知る。
權・衡・規・矩を観て、病の主たる所を知る。
尺寸を按じ、浮・沈・滑・濇を観て、病の生ずる所を知る。
以て治すれば過ちなく、以て診すれば則ち失せざらん。
※權衡規矩
→馬蒔の説「春は規に応じるとは、陽気の柔軟なのが、丸い規のようであることをいう。
夏は矩に応じるとは、陽気の強く盛んなのが、方形の矩のようであることをいう。
秋は衡に対応するとは、陰が昇り陽が降り、高下が必ず平となることをいう。
冬は權に応じるとは、陽気が下にあるのが、重い權のようであることをいう。』
權(ケン、ゴン)
(01) 木の名
(02) おもり。ふんどう。
(03) はかり。てんびん。
(04) はかりにかけて重量を知る。
(05) たいらにする。ならす。
(06) たいら。
(07) いきおい。
(08) はたらき。能力。
衡(コウ)
(01) よこ。よこたわる。
(02) 牛のつのぎ。牛の両角に横に結んで人に抵触するのを防ぐ木。
(03) くびき。轅の端に設けて牛馬の頸につける木。
(04) こうがい。
(05) よこぎ。はり・けた。
(06) てすり。
(07) はかり。はかりざお。
(08) はかる。
(09) たいら。ひとしい。
(10) ただしい。
(11) ひしゃくの柄のかしら。
☆權衡(ケンコウ)
(01) はかりの重りと竿。転じて、物事の釣り合いをいう。
(02) 事物を品評する標準。比較。
(03) 二星の名。軒轅と太微。
規(キ)
(01) ぶんまわし。円を畫く道具。
(02) まる。円形。
(03) まるい。まどか。
(04) そら。あめ。
(05) まるをかく。えがく。
(06) うつす。模写する。
(07) のっとる。
(08) かぎる。くぎる。
(09) たもつ。領有する。
(10) はかる。
(11) ただす。
(12) いさめる。
(13) のり。おきて。さだめ。
(14) ようす。風釆。儀容。
(15) てほん。儀範。
矩(ク)
(01) さしがね。四角形を正しく畫くのに用いるもの。
(02) 四角形。
(03) かど。
(04) のり。きまり。おきて。
(05) 地。(天圓地方の説:天は円くて、地は方形)
(06) さし。長さをはかる器。
(07) きざむ。しるしをする。
(08) 秋。
(09) 幅と長さ。たてよこ。
(10) 萬に通ず。
☆規矩(きく)
(01) ぶんまわしとさしがね。転じて、規則。てほん。常道。
(02) 戎(遊牧民族)の名。
(03) 高さが略々一様で綠色の毛氈を敷いたように生える草。
★
馬蒔のいわゆる”四季に応じる”とする説(規→春、矩→夏、衡→秋、權→冬)。
理解になじめず、一言ずつ調べてみました。
この”權衡規矩”ですが、馬蒔は四季との対応させる事を表現に用いておりますが、
計量や法則の意味と捉えられる単語を、四季に相応させる不思議を感じます。
四つの単語の權・衡・規・矩ですが、
実は權衡・規矩のような二字熟語の組み合わせで表現してみては、、
との仮説を考えてみます。
陰・陽も”陰陽”、清・濁も”清濁”で通りますので、
浮・沈・滑・濇も”浮沈”と”滑濇”にて。
『陰陽を別ち、清濁を審らかにして、喘息を視、音声を聴き、
權衡や規矩、浮沈や滑濇を観て、病の生ずる所を知る。』
より探求が進んで、洗練された答えにたどり着く事を夢見て、
内經を読みといていきたいと思います。
【参考文献】
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』東洋学術出版社
『黄帝内經』中医戸籍出版社
『大漢和辞典』大修館書店
(權:六巻605頁、衡:十巻165頁、規:十巻322頁、矩:八巻288頁)
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
心に汗をかくと涙が出る
私はいつも電車で通勤しています。
先日、朝の通勤時に本を読んでいたら、たまたま文章の感動シーンとぶつかってしまい、不覚にも涙と鼻水でデロデロになってしまいました。
この頃はコロナ禍で常時マスクをしているので、鼻水はあからさまに見えずに済んで助かりましたが、マスクの中はひどい状態でした(笑)
その時、何故急にさっきまで何ともなかったのに、一瞬で涙と鼻水が溢れるんだろうと不思議に思い、ちょっと考えてみることにしました。
涙と鼻水(涕)
五行色体表で考えると
木と金→肝と肺→魂と魄
もしかすると感動などで心(神)が乱れて正常心を保てなくなるのを防ぐため、魂と魄が代わりにその感情を浄化させるために涙や鼻水として体外へ排出するのではないかと考えました。
七情が臓気を損傷し、心神が乱され、異常反応が現れれば、それとともに魂病が出現する。魂魄は依存し合い、分離することができないので、また両者の異常が同時に存在することがよくある。〜中医病因病機学〜
という一文を見つけました。やはり涙と鼻水はセットになりやすい、切っては切れない関係のようです。
先週の患者さん
先週の患者さん
以前見たことのある空気感だった。
脾虚がベースにあり気遣いをされる方。
ストレスを受けていてもどこか他に気を使われている。
ストレスを受けたとしても体質や本人の処理の仕方で傷つく臓腑は違う。
また、自身がここが気になると先生に報告した穴で治療するとどうなるか。
以前別の患者さんで聞いた話を思い出した。
匙加減を間違うときっと暴発してしまう。
直接的、表裏と二つの側面から難しいのかと想像。
フットサル
鍼灸とは全く別の話です。
フットサル選手の感覚を知りたくて、
「ガチガチの個サルより緩い個サルの方がドリブルが難しくないか?」と聞いてみた。
帰ってきた答えがブレースピードが早すぎると相手によっては反応できないから、そういう時は自身のプレースピードも下げてプレーするらしい。
ガチガチならガチガチ、小学生なら小学生とそこに応じたスピードでプレーすると上手くいく。
とは言ってもやはり自身に近い方が楽で、小学生相手が一番難しいらしいです。
色々役立てそうな感覚だと感じました。
手
手で覚える。
この事を明日はより強く意識いこうと思います。
その為にもきちんと集中します。
周辺
どんな状況でも周りへの意識を忘れずに。
そこが抜けた瞬間治療どころでは無くなる。
気遣い
受付をしていて、診察券を返すときに予約時にメールアドレスを伝える。
その時に自身が不親切な案内だった。
その事実が自身の課題を表していると思った。
改めるべき点。
優しくないといけない。
風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ②
前回の続きを書いていきます。
中医鍼灸 臨床経穴学 P25
「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調)
症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。
処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」
2パターン目は発熱〜です。
これは太陽傷寒病であると思いました。
なぜこの様な事が起こるのか調べてみます。
中国傷寒論解説 P43
「太陽傷寒病の要点は衛気の閉塞であり、衛気が閉じる原因は外寒が凝滞することである。」
→つまり発熱から後の部分も外寒が凝滞した結果、衛気を閉塞させて起こっている状態と言えると思います。
この様な状態が発熱以下を起こす理由を見てみます。
中国傷寒論解説 P43
「寒邪によって脈が収縮して拘急するので、「陰陽倶に緊」の脈象となり、寸関尺の部位に浮緊の脈象が現れる。
寒邪に傷めつけられると、まず衛陽が圧迫されるので、太陽傷寒では常に悪寒が現れ、引き続いて発熱する。」
P27
「太陽が邪を受けると、温煦衛外機能が失調するので悪寒が現れる。…
太陽病では、衛陽の気が圧迫されると、正気は奮起して邪気と闘争を始めるので、当然発熱が見られるはずである。」
→つまり①悪寒…衛気の温煦衛外機能失調 ②発熱…正気と邪気の闘争反応 ③脈浮…正確には浮緊で寒邪によって脈が収縮
であると思います。
中国傷寒論解説 P26
「いわゆる「頭項強痛」とは、頭が痛み項が強ばることの形容で、首が左右に廻らず、前後に曲げられない状態をいう。
「霊枢」本蔵篇では、「経脈は、血気行きて陰陽を営むがゆえに、筋骨を濡して関節を利するなり」
と言っている。
いま太陽に邪を受けると、経気の運行が妨げられるので、頭項強痛の証候が出現するのである。」
→頭痛は経気不利によって起こっています。
舌診カラーガイド
薄白苔「苔が白いのは寒邪を、薄いのは浅い病位と軽い病状を示す」
→苔薄白はこの理由かと思います。
また、肺気の宣発機能に影響して咳が出ることもあるので、パターン①と②が複合した状態も起こり得ると思います。
参考資料
中国傷寒論解説 東洋学術出版社 劉渡舟著
中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 李世珍著
舌診カラーガイド エルぜビア・ジャパン 原敬二郎監修
















