学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

心得

4月からモデル患者さんを診る機会をいただいています。 治療を通して患者さんが感動する姿に 鍼師という職業はかけがえのないものだと感じます。 「こうなりたい!」と 憧れ目標にできる鍼師が目前にいるのですから。   先日、3名の患者さんを診させていただき、 それはもう今まで体験したことのないくらい クタクタになりました。 毎日何十人もの患者さんを治療する 先生方が超人に見えます。   一体何をどうしたか、思い出す事だけで精一杯。 記憶がないところもあります。 先生に教えていただいた言葉も 拾えなくなるくらいフラフラでパニックで悔しい。 「誰でも通る道ですよ」と下野先生は言います。   学術も実技もまだまだですが、 心身の持っていき方が一番難しいです。 臨床に出る上の心得や自分の立ち位置について 日々考えさせられます。 「自分」ではなく、「患者さん」が主役。 「自分」は横に置いといて… 自分が出来ないということへの 不安、甘え、恐れ、緊張など 諸々の感情が現場の空間や治療に影響します。 「自分の緊張ではなく、治療に対して緊張感を持つように。」 と院長も仰ります。 できないといっても、場数を重ねて 解決するものもあるかもしれません。 主語を自分としない方法も アドバイスをいただいたので 視点を変えてみます。 良いパフォーマンスができるように、 体力と集中力を温存する方法。 消耗しても回復する方法も課題です。 色々と書いてみましたが、 正直今回の件は具現化することが とても難しいです。   課題は山積みですが、 ラップを刻むように登っていけばと思います。          

太渓

「今の(患者の)状態で(その処置を)やると悪化させる恐れがある。」 太渓穴を選穴することで蛇足になることはあっても、 悪くすることはない、そう考えていたことが浮き彫りとなった。

夏越祓

毎年この時期になると、家のポストに上の写真にある封筒が入ります。 封筒の裏には 夏は暑気のため、ともすると心身ともに緩みが生じます。 その心の隙に乗じて、伝染病が流行ったり、心身衰惰の結果、職場で思わぬケガや災害等に襲われます。また、お子様の海水浴など、毎年水の犠牲も少なくありません。こういう事は全て一括して神道では穢(けがれ)の現れと申しております。 この穢を祓うために神に詣でて、ご守護を願うのが夏越の祓、または夏越の祭りといい、後に略して夏祭りと言うようになりました。 この袋の中に入れてある人形(ひとがた)は、私どもの身代わりとして、知らず知らずに犯した罪や穢を払い清々しい心身に清めてくれる「呪符」の役目を果たしてくれるものですありますから、来る7月9日、10日の輪くぐり夏越し祭りに、当日この人形に年齢、姓名を書いて、神社へご持参ください。 また、古来の慣例に依り社頭には芽の輪が作ってありますから、これをくぐってこの夏を無病息災に過ごしてください。 とあります。 面白い風習です。 この人形に自分の身体についた穢れをあちこちを撫でて移し、最後に息を吹きかけて、心の穢れと合わせて自分の身代わりになってもらう。 段々こういったことも、真剣に信じるようになってきました。 そして、こちらの神社にも「茅の輪」も設置してくれています。 これをくぐれば心身ともにキレイになると同時に、悪霊退散・疫病退散といった効果がある とのことです。 「茅(ちがや)」はイネ科の植物で、葉先が尖っていて「茅」に似ているため、茅は悪霊を取り除くとされていたことが背景にあるそうです。 尖っているものとしては、鍼灸で使う鍼もまさしく尖っているものの何者でもありません。 今日はちょうど日曜日なので、参拝できそうです。

先日の症状より(続き)

前回(先日体調を崩したケース)の続き。 体に合わないものを食べたことがきっかけだったと考える。夜間、悪寒にはじまり悪心、煩躁、考えがまとまらなくなり、とても苦しく、手探りで押圧したのが合谷。気が降りていって上部にかかった力が解けて頭部にスペースができた。一度ここで助かったと思った、が実際は違った。下方に押し下げられたが依然そこでうねり向かう先が必要としていると感じた。外に出すべきーそして百会を用いた。体内を一気に突き上げる流れが生じ、嘔吐する。結果的には必要以上に気を漏らしたこの対処が体にもたらした負担によりこの後がしんどかった。 ツボの実相の一端を身をもって知れたことはとても良かった。

痹と痺

もう直ぐ国家試験となると授業も過去問を対象とした時間が大半です。 期末試験は期間がとれないので、各教科の試験は授業内で実施されていきます。 試験や資料の誤字については3年間で、かなり慣れました。 ○ 井・滎・兪・經・合 × 井・榮・兪・經・合 ○ 噯氣 × 曖氣     など 本日は痹と痺について 痹(ひ) 1⃣しびれる 2⃣リウマチ 痺(ひ) 1⃣うずらの雌 大漢和辞典の”痺”の欄には”参考”として「俗に此の字を痹に用いるは誤」と、 『字彙』からの引用も記載されています。 「痺與痿痹字不同」との事。 ※字彙(じい)は、明代の梅膺祚(ばいようそ)により編纂された中国の漢字字典。 明の時代から「同じ字じゃないよ」との注意書きがある以上、 出来るだけ正確を期したいと”しびれる”は”痹”で書き通しておりますと、 同じような人がいた時に、ほっこりします。 【参考文献】 『大漢和辞典』(株)大修館書店
春

鍼治療を受けて③

この1〜2週間、鍼治療で置鍼中に覚えるからだの感覚と似たものが、 通勤の車内や食後に体を休めているとき、朝方 起き抜けの時間帯に、度々現れる。 これもまた変わっていき、鈍化するかもしれないし、もっと別なものに変わるかもしれない。 感受性が高まる背後にあるものは一体何か。 ひとまずいま感じていることを記録したい。 からだの調子は良い、かといってからだに不調がなくなったわけではなく、 不調の波がくれば強い首コリや腰の弱さなどがしんどくて違和感を覚える。 それでも感じ方の種類が違うというか、 痛みや違和感に対して以前の様に嫌わなくなったというか、 身体のうえに生じる感覚を受け取るのに抵抗、邪魔していたものがひとつ落ちたのか、 その分 中が静かになったように感じる。言葉で捕まえるのが難しい

切経で

切経で、 ある方の背中を見せてもらったときに 肌の表面の質感が、まるで境界線が引かれた様に その上下ではっきりと異なる様を見た。 境界線は、左右はそれぞれ肩甲棘に沿う様に見られ、 脊柱に近づくにつれ、より下方まで伸び脊柱で合する。 胃脘部のムカつきを主訴とする方で、 境界線の上方だけで、毛穴が一様に広がっている。 内部にこもる熱が体表に表れていると見てよいのものなのか。 前回(ひと月前)には気が付かなかった。 これからの経過とともに見守りたい。

感受性

人の感覚、感じ方、反応って個人差が大きいなと改めて感じています。 私はとても鈍感で、敏感な人の感覚に日々とても驚き、感心してしまいます。 学生の時に鍼を受けるのも、とても敏感な人がいて少しの刺激で悶絶するような激痛を受けるみたいで、辛そうにされていました。 そこまでの敏感さは要らないですが、もう少し繊細な感覚が知覚できるようになりたいです。 そう言えば以前、一ヶ月近く東南アジアを旅行した時は、私はお腹を壊したのは1回だけで、他の日本人旅行者はほぼずっと下痢が続いていると言っていたので、その時は私の鈍感力が功を奏したのでよかったですけど。    
庭園

『舌鑑弁正 訳釈』より”紅にて震える舌”から学ぶ。

こんにちは稲垣です。 顫動する紅舌を『舌鑑弁正 訳釈』より学びます。 第一百十三、紅戦舌。 鸇掉不安、蠕蠕微動也。 深紅、赤紅而戦者、宜三黄石膏等湯。 紫紅、瘀紅而戦舌、宜三黄白虎大承気。 淡紅而戦者、宜十全大補湯。 鮮紅、灼紅而戦舌者、宜六味地黄湯、 此舌虚火、実火皆有之(均裏証、無表証)、誤治即壊。 旧説指為汗多亡陽或漏風所致、 且不詳弁而概用温補、謬也。 (引用:『舌鑑弁正 訳釈』P244~245) 第113 紅戦舌 舌の震えが止まらずクネクネする。 深紅・赤紅で震えるものは、三黄石膏湯がよい。 紫紅・瘀紅で震えるものは、三黄白虎大承気湯がよい。 淡紅で震えるものは、十全大補湯がよい。 鮮紅・灼紅震えるものは、六味地黄湯がよく、 この舌は虚火・実火ともにあり(ひとしく裏証で、表証はない)、誤治は壊証になる。 旧説は汗多くて亡陽であったり、漏風によるというが、 詳しく調べずに概して温補を用いるのは、間違っている。 ※十全大補湯については《和剤局方》を出典とする 『中医臨床のための 方剤学』と『舌鑑弁正 訳釈』の生薬について 成分が一部異なっており、精査していきたいと思います。 梁玉瑜は旧説の主治の方として紅戦舌に対して温補剤を一概に用いる事に注意を促し、 戦舌でも、紅舌の様々について湯液を選定されています。 《戦舌》 深紅・赤紅 → 解表清裏剤 「三黄石膏湯」 紫紅・瘀紅 → 寒下剤   「三黄白虎大承気湯」 淡紅    → 氣血双補剤 「十全大補湯」 鮮紅・灼紅 → 補陰剤   「六味地黄湯」 舌体がふるえ動いたり、舌筋がぴくぴくと動き、自分では制御できないことである。 「顫動舌」「顫抖舌」「舌顫」「舌戦」などと呼ふ。 虚損あるいは動風によって生じ、筋脈が陽気の温養と陰液の濡潤をえられないために 安寧を欠いて顫動したり、肝風内動にともなって振戦が引き起こされる。 (引用:『中医臨床のための 舌診と脈診』P30) 内熱の強そうな患者さんの、手足に動きがあるのが気になっており、 戦舌の特徴を調べることにより、熱と体の動きとの共通点を見つける事ができたらと考えました。 現時点では明確な発見には至っておりませんが、今後につなげたいと思います。 【参考文献】 『舌鑑弁正 訳釈』たにぐち書店 『中医臨床のための 方剤学』医歯薬出版 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版

柑橘の皮の力量は

何の理気剤がいいだろうか。 自分の身体の不調としては、中焦、下焦にものが停滞しやすい感じがします。ものを食べると確実に悪化します。お腹の張りやもたれ感があって便秘しやすいです。 ♦︎陳皮 ミカン科ウンシュウミカンなどの成熟果実 性味 辛苦 温 帰経 脾胃肺 肺胃の気をよく巡らせ整え化痰燥湿する。行気燥湿の常用薬。薬力は強くなく比較的軽度な病態に使用される。青皮に比べ行気作用は温和で、脾胃気滞証に多用される。 無難な印象。 ♦︎青皮 ミカン科オオベニミカンやコベニミカンなどの未熟果皮 性味 苦辛 温 帰経 肝胆胃 陳皮より強力な行気作用(破気)作用を有し、よく鬱滞を除く。主に肝気を巡らせる。 青みかんの皮がこんなに強力に作用するなんで不思議です。一番興味がある生薬です。破気だなんてちょっとスリリング。でも帰経的にも求めているものにピッタリかも。 ♦︎枳実 ミカン科酸橙などの幼果 性味 苦辛 寒 帰経 脾胃大腸 強力な行気力を有し、凝縮停滞した気・痰・食積を取り除く寒性の理気薬。熱証をはじめ、各種の気滞にも多用される。枳穀に比べて行気力が強く、中下焦(胃腹部)に主に作用する。 今飲んでいる柴胡桂枝湯に枳実を足すと、四逆散の働きが加わりそうです。 ♦︎枳穀 ミカン科酸橙などの未熟果実 性味 苦辛 寒 帰経 脾胃大腸 薬効は枳実と同様。枳実に比べ行気作用は弱いが、中上焦(胃・胸部)によく作用する。腹部膨満感(痛)などに多用される。 枳穀は手に入らなかったのでお試しは今回は見送ることになります。残念。他の柑橘系にはない胸部にも作用するとあるので、実際に飲んでみてどうなるのか、気になるところではあります。 ーーーー実践漢薬学 東洋学術出版社ーーーー