舌診(04)
舌苔について整理する
【苔色】
白苔
表証を示し、傷寒の太陽病や温熱病の衛分証でみられる。
黄苔
熱証を示す。表に熱が留まったり、邪熱が裏に入ったり。
化熱もあり表寒化熱や陽虚の水湿不化をあらわす。
灰苔
裏証を示し、裏熱・痰飲・寒湿などでみられる。
黒苔
裏証を示し、熱極か陽虚寒盛など病変の重篤な段階でみられる。
緑苔
瘟疫や湿温などであらわれ、湿熱・痰飲などの化熱が考えられる。
霉醤苔
紅・黒・黄の混ざった苔で、湿濁が長期にわたって化熱を示す。
【参考文献】
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
そうだ、古典を読もう
そろそろ、古典を読んでみないといけないかな。という思いに至ったので、
とりあえず、ずいぶん昔に購入していた「難経鉄鑑」を引っ張り出してみました。
かなり分厚くて重い本です。
口語で訳されて、更に詳しい解説もついているので自習できそうですが、1日一難やっても81日かかります。
数年前に一度サラッと読んではいる筈なのですが、ほとんど記憶の彼方です。
今回はじっくりと読んでみようかと思います。
難経八難を読んでみたところ
腎間の動気について書かれています。
①生気の原
②五臓六腑の本
③十二経脈の根
④呼吸の門
⑤三焦の原
⑥守邪の神
かっこいい言葉が満載です。
おばあちゃん(95歳)と鍼
祖母(95歳)に鍼をしてあげて欲しいと、母から連絡がありました。
3年ぶりに施設に行ってきました。
傾眠状態が続き、食事、歩行は自力でできず、ADLは全介助。
両手を腕組みした状態で蹲ったような姿勢でした。
2ヶ月前から急に拘縮が悪化したようです。
担当の按摩師さんと電話で話したところ、
主動筋と拮抗筋を軽く摩った後、
声をかけながら他動介助運動すると伸ばせるそうです。
四肢共に正常関節可動域まで動かせると教えてもらいました。
体がいつも冷たいと職員さんや母からも聞いていましたが、
午前中に按摩師さんがマッサージをしてくれたのか
思っていたより顔色が良く四肢末端も温もりがありました。
ガチガチに固まった体。
人の手に触れらてもらえることは大切ですね。
今日の目的は祖母に鍼をすること。
傾眠しているので問診、舌診できず、
車椅子に乗った状態で、硬く組まれた腕が邪魔して脈診もかろうじてできる程度、腹診はできません。
四診総てが叶わない時もある。
「どんな体勢からでも診れること。」
「寝ることのできる状態でなくても、鍼を打てるように。」
事前に下野先生に相談し、アドバイスをいただいていたので少し落ち着いて取組めました。
下肢を切経しながら指を角度を変えながら当てて
反応があった所に鍼をしました。
寝て鍼をすることが当たり前だと思っていたので、車椅子に乗った人への施術は初めてでした。
背中は車椅子の背もたれに当たり、
鍼ができなかったので肩甲骨下角を軽擦してみると、
「ああ、気持ちいい」
と傾眠していたのに目を開いて大声を上げました。
祖母がどうなりたいのか、
問診ができず分かりませんでしたが、
ずっと顰めっ面をしていた、
これがサインだったと気づきました。
緊張が続いて不快だったんだなと。
脈が引き締まり、ほんの少し自発運動が起きました。
鼻水、涙が出て、手足はじんわり発汗していました。
偶然で起きたことにはならいように
反応のあった所と体の変化を結びつけ考察したいのですが中々難しい。
制約の中での施術は非常に勉強になりました。
ありがとう、おばあちゃん。
鍼をするため、定期的に祖母の元に通います。
舌の考察 2023/11/22
最近は舌の考察を寺子屋生どうして写真をとってみたりして行なっています。
今までこんなにじっくり舌を観察する機会がなかったので、やはり勉強になるなと改めて思っています。
自習の方では難経鉄鑑の34難まで進みました。
以前読んだ時は33難が難しくて、一体何のことを言っているのかチンプンカンプンでしたが、今回改めて読み返してみると何となく全体像を理解できたような感じになり、繰り返し読み返す意味を再確認することができました。
舌質 胖大 やや淡白より。
厚みがあって、パンと張った気が充実している舌で、気滞があるのかなと思われる。
しかし舌尖の赤味が他の2人とは違ってみられない。
舌苔も薄く消化管も問題なさそうに見える。
舌の張り感がなく、だらんとした気が抜けた舌。
舌苔は粘稠で厚みがあり、低速モードで消化管の働きが追いついてない。中焦、下焦に停滞している。
備考:生理が終わって、口周りの吹き出物の活動が治ったように思う。
上の2人に比べると、舌の色が暗く、鮮やかさに欠ける印象をもつ。
舌の弾力性も以前の写真に比べると低下している雰囲気がして、気虚が増したように感じる。
舌裏も白抜け感があり、まだらで血の停滞が見られる。
六經病機(02)
太
(01)はなはだしい。
(02)とおる。
(03)おおきい。
(04)尊稱に用いる。→太后、太君など
(05)秦・大に通ず。
(06)夳に同じ。
(07)姓。
明
(01)あきらか。あかるい。
(02)あきらかにする。
(03)あきらかに。はっきりと。
(04)あける。夜がしらむ。
(05)よあけ。あけがた。
(06)あけて。つぎ。
(07)ひる。日中。
(08)あかるみ。
(09)おもて。そと。うわべ。
(10)ほがらか。
(11)おこる。ひらく。
(12)大きい。
(13)さかん。
(14)陽。陰の對。
(15)雄。雌の對。
(16)有形。
(17)この世。現世。
(18)かみ。神靈。
(19)日。月。星。
(20)天。
(21)賢人の述作をいう。
(22)よく治まる。ひらけた國。
(23)視力。
(24)たぐふ。
(25)水道。水の流れみち。
(26)ちかう。盟に通ず。
(27)萌に通ず。
(28)孟に通ず。
(29)猛に通ず。
(30)望に通ず。
(31)朝代の名。朱元璋が元を滅ぼし建てた國。
(32)諡。
(33)姓。
(34)眞言の異名。
少
(01)すくない。すこし。
(02)すこしく。わずか。やや。
(03)すくなしとする。不足に思う。
(04)そしる。かろんずる。
(05)しばらく。しばらくする。
(06)おとる。
(07)かすか。おとろえる。
(08)へる。
(09)かく。
厥
(01)石を発掘する。
(02)ほる。
(03)つくす。つきる。
(04)つく。突きたてる。
(05)病名。のぼせ。足が冷え、頭がのぼせる。
(06)その。それ。
(07)の。
(08)句調を調へる助辭。
(09)みじかい。又、尾の短い犬。
(10)石の名。
(11)ゆれ動くさま。
(12)蹶に通ず。
(13)橛に通ず。
(14)古は氒につくる。
(15)姓。
【参考文献】
『大漢和辭典』大修館書店
(太:第三巻763頁、明:第五巻763頁、少:第四巻89頁、厥:第二巻659頁)
『中医病因病機学』東洋学術出版社
素問 陰陽応象大論篇(第5)から
<学生向け 近日開催予定のイベント>
【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう!
→(随時お問い合わせ受付中です!)
【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です
→毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜(途中からの参加も可能です。)
こんにちは、大原です。
素問の勉強会では、現在
陰陽応象大論篇(第五)の内容を読み解いていっております。
さて、素問 陰陽応象大論篇(第五)の中に、
気(人体を動かす力)、
形(肉体)、
味(飲食物)、
精(生命活動を維持する源泉)
それぞれの相互転化についての記述があります。
その原文と読み下しは以下になります。
【原文と読み下し】
・・・
水為陰、火為陽。(水は陰となし、火は陽となす。)
陽為氣、陰為味。(陽は気となし、陰は味となす。)
味帰形、形帰氣、氣帰精、精帰化。(味は形に帰し、形は気に帰し、気は精に帰し、精は化に帰す。)
精食氣、形食味、化生精、氣生形。(精は気に食(やしな)われ、形は味に食(やしな)われ、化は生を生じ、気は形を生ず。)
味傷形、氣傷精。(味は形を傷り、気は精を傷る。)
精化為氣、氣傷於味。(精は化して気となし、気は味に傷らる。)
・・・
原文三行目から、
体内での転化について述べられていますが、
どのように起こっているのかを原文通り順番に読んでいくと、
一見このようになります。
味帰形、 「味(飲食物)」→「形(肉体)」
形帰氣、 「形(肉体)」→「気(人体を動かす力)」
氣帰精、 「気(人体を動かす力)」→「精(生命活動を維持する源泉)」
精帰化。 「精(生命活動を維持する源泉)」→「化(必要な気血などを他の物質から変化させる作用)」
さらに4行目以降も転化についてですが、
精食氣、 「気」→「精」 (「精」は「気」によって食(養)われる、という意味から)
形食味、 「味」→「形」 (「形」は「味」によって食(養)われる、という意味から)
化生精、 「化」→「精」
氣生形。 「気」→「形」
となります。
矢印は、物質などの生成の向きを示していますが、
「形」は「気」を生成したり(原文3行目)、「気」は「形」を生成したり(原文4行目)、
また「精」は、「化」を生み出し(原文3行目)、反対に「化」から生成される(原文4行目)とあり、
チャート図のように読んでしまうと、
混乱してしまう印象を受けませんでしょうか?
ですが、ここでのポイントは、
これらの相互の関連は
その調和が保たれているということが重要だということだと思います。
「気」→「精」などのようにそれぞれ別個で抜き出すのではなく、
これらをまとめて、
「味」→「形」⇄「気」→「精」⇄「化」
のように表してみると、「気」について、
例えば次のように意訳できると思います。
「飲食物を得た肉体からは「気」が生じ、
その「気」が充実していると生命活動の源泉である「精」も充実してくる。
その「精」が充実してくると、飲食物から体内に必要な気血を化する作用を生みだす。」
このように、単に、肉体から「気」が生じるというのではなく、
飲食物を得て充実した肉体から「気」が生じるという、
一連の流れが重要なのだと思います。
同様に、単に「気」から「精」が生みだされるというのではなく、
飲食物を得て充実した肉体によって気が生みだされ、
(肉体や気が充実するためには飲食物もしっかりしたものが必要だと思いますが)
その「気」が充実してくると「精」が生みだされるということだと思います。
一連の流れが重要だということだと思います。
以下に、参考までに、上の原文の意訳を記します。
【意訳】
水は陰であり、火は陽である。
火である陽は、人体においては気であり、
水である陰は、飲食物(味)である。
飲食物によって肉体(形)は形成され、
飲食物を得た肉体からは気が生じる。
その気が充実していると、生命活動の源泉である精も充実してくる。
その精が充実してくると、体内に必要な気血に化する作用を生みだす。
すなわち、精を作り出すには気を消費し、
肉体は飲食物を得ることで成り立っているのである。
また、化する作用によって精は生まれ、
気によって肉体ができるともいえる。
しかしながら、これらの相互関連は、その調和が保たれている場合にうまくいくのであり、
飲食の不摂生・偏った飲食があると、その飲食によって肉体はかえって損傷され、
肉体が損傷するので気も弱り、気から充実するはずの精も傷られることになる。
まとめると、正しい飲食からは肉体や気が充実し、さらに精をも生み、
精が充実していくると気も充実してくる。
反対に飲食の不摂生や偏った飲食は肉体や気が弱り、
精を作り出すこともできなくなるということである。
すなわち気は精をよりどころとしているので、飲食の不摂生によって障害されるのである。
舌の経緯
寺子屋である患者さんの舌診をさせていただきました。
西洋医学的に同じ診断をされた別の方の舌を以前写真に撮っていたので比較してみました。
舌型は異なりますが、どちらも舌色や苔の配置などが特徴的でバランスが極端になっている事に気付きました。
今日見させてもらった舌や、以前写真におさめた舌も断片的で、どのような変化が起きるのかまだ想像ができません。
そこで、症状が悪化した時、快癒に向かった時、舌がどうなるか、患者さんの生活環境や職業、発症しやすい時期など、症状が悪化するまでの経緯も先生に聞いてみました。
「またこの症状が出たらどうしよう…」と不安に思う気持ちが更にプレッシャーを与え症状を悪化させる要因になるという先生の言葉が印象的でした。
真夜中のドン
昨日の事。
寝る前に鍼の事を考えて就寝。
夜中に目が覚める。
うつらうつらしてる。
ふと足を切経する。
寝る前も気になっていたが、薄暗くこの様な状況だと顕著。
明らかに形態もおかしく崩れていて、奥行きを感じる。
ここに置きたいと感じた。
幸い枕元に鍼を置いていたので一連の流れは崩れずに済んだ。
置く直前に東洋医学考で読んだ四肢の経穴を使う時の刺法が浮かんだ。
暗いので鍼先なども見えないけど、刺法だけ注意して後は何となく感覚で照海に置く。
ドンっといった重低音に近い感覚があった。
後の反応を追う前から分かる良い感覚。
しばらくするとこの前教えて頂いた2箇所に変化が現れる。
自分に対してだと今までで一番良い鍼ができた気がして嬉しくなった。
六味丸を使った感覚と少し似てる。
参考資料
東洋医学考 星雲社 一鍼堂出版
魂と魄
癲狂(てんきょう)
「癲」とは無症状、寡黙、無気力などが出現する抑鬱状態を指し、西洋医学のうつ病やうつ状態に相当する病状。多くは痰気鬱結による心神の活動低下などで出現する。
「狂」は落ち着きがなくなったり、騒がしく、怒ったり、罵ったり、イライラしたり、異常行動をとるなどの興奮状態の病状で、西洋医学の躁病や躁状態に相当する。多くは痰火による心神不安により出現する。
〜実践漢薬学 用語解説 三浦於菟〜
東洋医学の考えに五臓・五神・五志があります。
肝ー魂ー怒
肺ー魄ー憂
例えば統合失調症や双極性障害の治療は脳内の伝達物質を増やしたり減らしたり調整することによって症状を改善する薬物療法が行われます。
大脳の構造は発生学的に古い脳である大脳辺縁系に新しい脳である大脳皮質が外からかぶさってできています。
大脳辺縁系は人の本能的、原始的な反応が行われているところであると習ったと思います。
例えば物事の好き嫌いを一瞬で反応して記憶する扁桃体や海馬があるところです。
一方大脳皮質の特に前部である前頭前野は理性的に判断して、その場にふさわしい言動をとるようコントロールしていると言われています。
となると
肝ー魂ー怒ー大脳皮質ー新ー外ー陽
肺ー魄ー憂ー大脳辺縁系ー旧ー内ー陰
ちなみに統合失調症や双極性障害はこの大脳辺縁系のドパミンの過剰を調節する治療がメインです。抑えすぎるとうつ状態にもなってきます。
症状の一部に幻覚や幻聴、幻視などがあります。→魄のトラブル
現実には起こり得ない事を信じ込んでしまう妄想も強いです。→魂のトラブル
東洋医学からのアプローチでは魂・魄の調整も必要になってくるのかもしれません。














