学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

体表観察メモ

9月27日 晴れ たしか先週末はまだ日中に暑ささえ感じていた筈が もうすっかり秋らしく夕暮れ時には肌寒さを覚えた。 切経の練習で自分の下肢に感じるはっきりとした冷え感にはっとする。 夏場にはどんな感じだったのか、少し前のことなのに思い出せない のが惜しい。左足での冷えがより強い。 ひだりに顕著な前脛骨筋部の過度な膨らみとのつながりは? 気になるところに鍼を置いてみる。左膝関 膝と足首、足部に感じる冷え。この時期にこの程度の強い冷えは、 上肢との落差は、どうなのか。体調が変わった時にどう変化していくのか。 備忘録として記録

合谷の穴性「生血」を考える

合谷の穴性について調べてみます。 穴性学ハンドブックでは補で生血の効果があるとの事です。 しかし「補血」ではなく「生血」である事に違和感を覚えます。 血を生み出す効果がある様なので、中医鍼灸臨床経穴学を中心に調べていきます。   P 65 <効能> ③補法:補気固表・益気固脱・益気摂血・行血・生血 湯液における黄耆、人参、党参、白朮、炙甘草、百合、黄精などの効に類似   P 79 「合谷を補すと補気の作用があり、瀉すと行気散滞の作用がある。したがって、気虚のために統血が悪くなっておこる失血証、「有形の血は自ずとは生じず、無形の気により生じる」という道理によって起こる血虚証、気虚による血行障害の病証に対しては、本穴を補して補気をはかると、摂血、生血、行血の作用をもたらすことができる。」   →つまり 「気血両虚の状態で補血だけ行っても自身の血を作る力は回復しない。 合谷による補気を行う事で血を生じさせる力を付けましょう。」 これが合谷の生血なのだと思いました。 実際どの様な使われ方をしているか見てみます。   P 69 「膿は気血が変化して生じる。久瘡には、膿が外溢して気血両傷となるものが多い。または瘡が長期にわたって治癒せず食欲も低下し、さらに膿が外溢することにより気血大傷、正気虚衰となり久瘡がおこる場合もある。 1.瘡面の肉芽の生成が遅い場合 合谷、三陰交(補)…気血の補益」   P229 三陰交 「本穴には、統血、凉血、全身の血分の虚損を補益する、全身の血液の運行をよくするなどの作用がある。」   中医臨床のための方剤学 P260 当帰補血湯 「皮膚化膿証が潰破したのち瘡口が癒合しにくいのは、気血が不足して肌肉の産生が悪いためである。」   医学三蔵弁解 P133 「気血は互いに根ざしていますので、これを気虚とするときにはすなわち血虚しているものであり、血虚するときには気もまた虚しているものです。 治法には標本の区別があります。 気虚によって血虚となっているものは、気虚を本として血虚を標とします。 血虚によって気虚となっているものは、血虚を本として気虚を標とします。」   →生血で血を生むと言っても血虚していれば、三陰交の様な補血の効果を持つ経穴との配穴が必要なのだと分かりました。 他に合谷・血海(補)などの配穴も見られたので、状況に応じた「補血」の効果を持つ配穴を行う必要があるのだと思います。   今のところは 生血=気の血を作る力をつける事で血を補う 補血=血を直接的に増やす事で補う との認識になったのですが、間違っている可能性もあるので一穴一穴を確認しながら調べていきたいと思います。   参考資料 中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 穴性学ハンドブック たにぐち書店 中医臨床のための方剤学 東洋学術出版社 医学三蔵弁解 たにぐち書店    

花筏

桜も終わりかけの頃、 普段通らない川沿いを自転車でひた走っていた時、 川面を見てあらっと思わず自転車を停めて撮影しました。 川を堰き止めて川面は花びらで埋め尽くされています。 古い桜は徐々に褐色と化し、 グラデーションになっています。 もう、見ていてゾワゾワ〜っとしました。 (悪い意味で) 「人の気道はうまく通じるのにこしたことはない。 うまく通じれば津液は流通し まず痰飲の病が起きることはない。 しかし一旦不調になれば 気道は塞がり、膈の上に集まって痰をつくる」 これだけ溜まった桜の花びらが 逆流したり、四方八方に飛散していけば 小さな穴や細い通常に 容易く入り込んで塞いで またまた不通を起こして 大変なことになりますね。 水面の桜は流れているから良いんです。   参考文献 「中医病因病機学」  東洋学術出版
苔を育成中

胖大にて白苔の舌を観察します。

【舌診(09)】 こんにちは稲垣です。 患者さんのHさんに舌の研究の為にご協力頂きました。 学術の為にご協力頂き感謝いたします! 《令和3年1月22日》 表は白苔が強く水泛しているように思います。 嫰であり、胖大。 湿に覆われているように思います。 表と裏の違いが謙虚。 舌下静脈が中央に近い形でストレートに伸びている。   《令和3年1月27日》 表は全苔より苔の剥離が診られ、 溢れていた水が引き始めているように思います。 胖大はやや狭まりつつあるように思いますが、 22日よりも白苔は強く感じます。 裏は舌下静脈の形は変わりませんが、色が薄くなっています。 舌裏全体の色が淡くなっていますが、 左前に舌瘡のようなものが出来ています。   《令和3年1月30日》 苔全体が薄くなっているのが顕著。 剥離され舌体がみえるところと苔との境目が緩やか。 全体的に赤みを帯びてきたように感じます。 全体的に水が引いた状態と共に 歯痕も少なくなってきたように思います。 舌裏の色合いがかなり薄くなってきており、 舌下静脈も姿が薄くなってきたように思います。   苔が少なくなる経過には、 一時的に苔が強くみえる現象があるのかもしれないと感じました。 これは苔だけの現象ではないのかもしない、と感じております。 来院と来院の間に何があったのか、 舌の情報だけでは足りないところです。 皮膚の肌荒れも、おさまりつつあるように感じています。

舌を考察②

前回の続きです。 寺子屋で患者様の舌を見せて頂きました。 受けた印象は白滑苔淡白胖大でした。 このケースでの白苔に関しては、以前書いた風寒邪の欬嗽から穴性を学ぶ②で院長からコメントで教えて頂いた様に重要視しない事にしました。 この時に舌色や舌を潤す津液をよく観察するべきとも教えて頂いたのでむしろこちらを見るべきなのでしょう。   《中医臨床のための舌診と脈診》 P40 滑苔 「滑苔は寒証・湿証を示す。 陽虛のために水湿の運化ができなくなり寒湿や痰飲が内生したり、寒邪により陽気が鬱阻されて水湿が停滞したり、湿邪が停聚して痰飲が発生するなどの機序で引き起こされる。 臨床的には、陽虛による痰飲水湿の内停がよくみられる。」   以上から、前回の記事と合わせて何らかの要因で陽虛になっているのでは?と思いました。   参考資料 中医臨床のための舌診と脈診 神戸中医学研究会編著 医歯薬出版株式会社  

台風の役割

大型台風が接近しています。 過去に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風並みの台風だと連日報道されています。 そんなニュースの中で台風(低気圧)は反時計回りで、高気圧は時計回りに回転していると聞いて、ふと鍼を施す時の補瀉の考えが頭をよぎりました。 鍼の手技の中で 補法は右回旋(時計回り)、瀉法は左回旋(反時計周り)の考え方があります。 となると高気圧は補の働きで、台風(低気圧)は瀉の働きになります。 高気圧は上空から地上に向かって下降気流が発生しています。 低気圧は地上から上空に向かって上昇気流が発生しています。 ネジや瓶などの蓋も右に回す→閉まる(下向きの方向性)。左に回す→開ける(上向きの方向性) これはたまたまの偶然? 再び鍼の手技の考え方に戻って 右回旋→補法→気を集める 左回旋→瀉法→気を抜く 天気の移り変わりも陰陽のバランスの均衡が保たれるようになっていると考えると、台風は地球において高まりすぎた陽気を瀉して気を抜いているのでしょうか? 確かに台風が過ぎ去った後には、爽やかな秋晴れになることが多いかも。  

傅と傳

霊蘭秘典篇 第八 黄帝問曰・・ 心者、君主之官也。神明出焉。 肺者、相傅之官、治節出焉。 肝者、将軍之官、謀慮出焉。 胆者、中正之官。決断出焉。 膻中者臣使之官。喜樂出焉。 脾胃者倉廩之官。五味出焉。 大腸者傳道之官。變化出焉。 小腸者受盛之官。化物出焉。 腎者、作強之官、伎巧出焉。 三焦者、決瀆之官、水道出焉。 膀胱者、州都之官、津液蔵焉、気化則能出矣。 凡此十二官者、不得相失也。・・ 十二の臓腑を政府の官職に例えて働きを説明している章ですが、似ている字があり確認の為に書き留める事といたします。 肺  :相傅之官(そうふのかん) 大腸 :傳道之官(でんどうのかん) 傅(ふ、ぶ) 1⃣もり、かしづき、もり役(左右に奉侍して養育する職) 2⃣ひかえ、かはり ・ ・ 【傅育(ふいく)】まもり育てる、保育 【傅相(ふそう)】もりやく、つきそい 傳(てん、でん)”伝”の旧字体 1⃣つたへる、つたわる 2⃣のべる 3⃣おくる ・ ・ 【傳意(でんい)】わが心を他へつたえる 【傳記(でんき)】人間の一代の事がらを記した記録 『霊蘭秘典篇 第八』の官位への例えですが、”心”を中心として役職を配置していますが、それが解剖学的とも思え、例えば”脾胃”を中心として他の臓器の配置してみたらどうなるのかと・・ 【参考文献】 『大漢和辞典』大修館書店 『現代語訳 黄帝内経素問』東洋学術出版社
葉っぱ

経験

=========================== 2021/11/16 『経験』 さらけ出してもらったことを受けて動かされるものがあると思った。患者さんから、痛みが少し和らいだ、マシになった、と伝えてもらうことが、こんな風に推進力になるとは以前想像しなかった。そしてまた、それを先生方に共有してもらえることが、自分の内にこんな感情を生むのかと新鮮だった。 =========================== 2021/11/17 『得難い日』 届けたいところに鍼を届けらるように。そう考えている時点でもう違ってしまっていることは明確なのに、あれこれ考えがよぎるし、体が硬い、頭も硬い。そんな折、院長から意識の置き方について話して頂く機会があった。同じ日、下野先生から、体の使い方について具体的な指導をして頂いた。得難い日について、これ以上書きようがないくらいです。 =========================== 2021/11/24 『お腹』 裏熱を孕むお腹。実際の患者さんのからだを診せてもらう中で、手で触れることを通して、裏熱という言葉が採用されているその意味が少しだけ知れたと思った。 触れて、感覚として最初に覚えたのは、鈍い・鈍磨、ということ。そして、そう感じたのには、皮膚表面付近がいやに分厚く感じられることが関係していると言えそうだと考えた。この厚みは何がもたらすのか?また、分厚さが遮蔽しているためか内側からの温感が感じにくい。もっと他にも、何か絡み合ってこじれた感じも受ける。通りにくいのは熱だけか?熱は籠り、その熱はどこへ移動する?体のほか精神面ではどの様に影響するのか?検討を続けたい。

山崎、太陰など

山崎 色々取っ払うために学生時代から何となく好きだった山崎駅にいきました。   特に何かがある訳ではないのですが、人通りもそんな多くなく、鳥や風の音が聞こえる中にある踏切の音もいい感じです。   何もない中、外の世界と向き合った時に以前教わった環境のお話が思い返された。   自分だけになってもいけませんが、自我の確立のさせ方も少し見えてきた気がします。   自分の課題と向き合う時、人と関わってどうこうするよりも先にそっちが必要ですね。     太陰など 太陰は太陰と呼ばれるだけあってやはり陰が一番深いところなんだと実感。   心の在り方にも影響するなと思います。   ベクトルが自分に向いて陰鬱な時、脾の弱りも考えられる。   思考がどう向かうかもわかりやすいです。   先週聞かせて頂いた話も水に関係していて、これから梅雨時に入ってどう臓腑が変化していくかみていくと勉強になりそうです。   また、ここで生まれた痰湿は氣滯と結びついて胆に波及する事もあると思う。   胆経に反応がある場合、痰湿を兼ねていることが多いと思います。    

髄海

来週末に解剖生理のテストがありまして、 脳について頭の中を西洋医学に染めていってる最中ですが、 東洋医学ではどのように捉えられているのかな?ということで 髄海について。 ーーーーーーーーーーー 脳は奇恒の腑のひとつである。 脳は、生命活動を主宰し、精神活動および感覚や運動を主る。 これらは、心の神志を主るという機能に包括されるため、脳は元神の府とも呼ばれる。 また、腎精から化生した髄がおさまる場所であり、髄海とも呼ばれる。 このため、脳は心・腎と密接な関係にある。 奇恒の腑 奇恒は常と異なるという意味。形状が六腑に似ているが飲食物を伝化する作用はなく、生理作用は五臓に似ているため奇恒の腑と呼ばれている。 生命活動を主宰する 生理:脳は心拍・呼吸・排泄などの生理活動を発現し、生命力や健康の維持に寄与している。脳の機能の多くは心の機能に内包されており、これらの働きは、心の「神志を主る」という生理作用に含まれ、心と同様に生命活動を主宰すると認識されている。 病理:脳の機能が失調すると、臓腑の機能に影響を与え、様々な症状が起こり、重篤な場合は生命活動が停止する。 精神活動を主る 生理:神志を主るという心の生理作用は、脳(髄海)の機能を包括した概念であり、心の精神・意識・思惟活動の調節は、脳の働きによると考えられる。そのため、脳は精神活動を主るといわれ、生理物質の滋養を十分に受けることができれば、精神活動は安定する。 病理:生理物質による滋養が不十分であったり、内熱・瘀血・痰湿などにより生理機能が阻害されたりすると、精神活動に影響を及ぼし、健忘・情志の失調・意識障害などが起こる。 感覚と運動を主る 生理:感覚および運動機能は脳に帰属されており、脳の機能が維持されることにより、見る・聞く・嗅ぐ・言う・動くなどの活動を正常に行うことができる。 病理:脳の機能が失調すると、その程度に応じて感覚障害・言語障害・運動障害などが起こる。 腎精から化生された髄がおさまる場所である 生理:脳は髄海と呼ばれ、精から化生された髄によって耐えず滋養されている。髄が脳を十分に滋養することにより、精神活動は安定し、よく見え、よく聞こえ、身体も壮健となる。 病理:精が不足し、髄を十分に化生することができず、髄海を養うことができないため、目眩・耳鳴・健忘などが起こる。 ーーーーーーーーーーー それにしても、西洋医学はほんとに細かいですね。 それでもって、数冊しか文献に当たれていないのと、心・腎・精・神などについてあまり読み込めていないので もう少し深めていきます。 参考文献 『新版 東洋医学概論』 医道の日本 『やさしい中医学入門』 関口善太 西