学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

相手

  リアルタイム 腹がリアルタイムで変化を表す場所だという事が実感できました。 場所的に当たり前ですが、逆にそこまで臓腑との結びつきが強い場所であれば腹診時は少し怖いものがあります。 気をつけたいと思います。 また、先日学校の授業で神門へ灸を受けたのですが、似たような場所の腹の変化が見られました。 脈も心の原穴にやられたからと言って寸に反応が出る訳ではない現象も見られて勉強になりました。   脈 お腹も変化していましたが、あの時脈はどう変わったのか。 今まで似た体質のお二人を見せて頂いたので、整理して治療のイメージができればなと思います。   労宮 ここでみる様にしていたのですが、この前の当て方はきちんと当たっていないというか、自分が良いなと思っていた時に感じた当て方とズレていました。 手で探る様な仕草に近づいている印象があったので改善します。 また、右手の方が感度が低いので普段から合掌して変化しないかやってみます。   案内 最初に先生に案内の仕方を教わった時、患者さんの歩くペースに合わせる事を教わりました。 意識はしていたのですが、そこの意識が甘い事に気付かされました。 改善します。     鍼灸師 きちんと人を治せる様になるために足りないものが多すぎる。 できていないことだらけですが、頑張って出来る様になりたいと思います。 相手があっての事ですが、最終的には全て自己責任。 変わるも変わらないも崩れないも自分次第。 全部受けとり、向き合い、幅広く合わせられる様に努力します。 また、本に全てを頼る訳ではありませんが、必要性を感じたので論語の勉強もやっていきます。 変わらなければいけないきっかけにまた遭遇できて本当に良かったなと思います。 気を引き締めて頑張ろう!

緊張など

ワクチン 先週に引き続き、ワクチン後遺症の方の体を見させて頂いた。   舌では先週に引き続き辺縁に付いた黒いものが気になる。   少し薄れた様に見えるが、腹部にも邪気の停滞は残っている様に見え、背部にもその様子だ出ていると感じた。   脈は浅い位置で硬くなっていて根が張っていない。   腹部では八味地黄丸でよく出る様なお腹も混合されている。   ワクチンは要因の一つに過ぎないのでそこに引っ張られない様にしたい。   ベースを考える。   しかし心を触るのは怖くてできない。     緊張   その方の体は朝見させて頂くスケジュールだった。   起きて準備する時、どう気を引き締めるか。   余分なものが浮かび上がらない様に厳粛な気持ちにする。   今までにない良い緊張感ができた気がする。   そんな必要はないけど、この状態を無理矢理中医学に置き換えてみる。   張錫純の識神(心)を使わない事で元神(腎)を使わないみたいな認識が一致すると感じた。   そこから診病奇侅にある経穴の認識とも結びつけれそうな気もしてるけど、もう少ししっかり読み込んでいきたい。   参考資料 診病奇侅 医道の日本社 中医臨床のための医学衷中参西録 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編訳  

異名同穴④

腧穴(しゅけつ)とは、いわゆる「つぼ」と呼ばれるものの総称である。 腧穴には、十四経脉上(正経十二經脉・督脈・任脈)にある「經穴(正穴)」、経脉に所属せず治療効果から発生し名称と部位が定まっている「奇穴」、奇穴の中でも1901年以降になってから定められた「新穴」、押すと心地がよかったり、圧痛を感じたりするが、名称も部位も定まっていない「阿是穴(天応穴、圧痛点)」などが含まれる。 經穴(正穴)      : 十四經脉上にあり名称、部位が定まっている。 奇穴          : 十四經脉上になく名称、部位、主治症が定まっている。 (新穴         : 1901年以降に定められた奇穴) 阿是穴(天応穴、圧痛点): 名称や部位は定められていないが、病態と深く関わって出現したり、治療点となる部位がある。   ④4つの異名のあるもの 穴名         異名 陰交穴    :   少関穴、横戸穴、丹田穴、小関穴 陰都穴    :   食呂穴、食宮穴、石宮穴、通関穴 横骨穴    :   下極穴、屈骨穴、曲骨穴、下横穴 客主人穴   :   上関穴、客主人穴、客王穴、太陽穴 曲地穴    :   鬼臣穴、陽沢穴、鬼臣穴、鬼腿穴 頬車穴    :   機関穴、鬼牀穴、曲牙穴、鬼林穴 曲骨穴    :   尿胞穴、屈骨穴、曲骨端穴、回骨穴 三陰交穴   :   承命穴、太陰穴、下三里穴、女三里穴 心兪穴    :   背竅穴、俉焦の間穴、心の兪穴、背兪穴 上脘穴    :   上管穴、上紀穴、胃脘穴、胃管穴 衝陽穴    :   会原穴、趺陽穴、会湧穴、会骨穴 神門穴    :   兌衝穴、中郄穴、鋭中穴、兌骨穴 身柱穴    :   知利気穴、散気穴、塵気穴、知利毛穴 臑会穴    :   顴髎穴、臑交穴、臑輸穴、臑兪穴 太谿穴    :   昌細穴、照海穴、陰蹻穴、大系穴 中府穴    :   膺中兪穴、肺募穴、府中兪穴、膺兪穴 中極穴    :   気原穴、玉泉穴、膀胱募穴、気魚穴 瞳子髎穴   :   太陽穴、前関穴、後曲穴、童子髎穴 命門穴    :   属累穴、竹杖穴、石門穴、精宮穴 腹結結    :   腹屈穴、腸結穴、腸屈穴、陽屈穴 陽関穴    :   関陽穴、寒府穴、陽陵穴、関陵穴 湧泉穴    :   地衢穴、地衝穴、蹶心蹶、涌泉穴 労宮穴    :   五里穴、鬼路穴、掌中穴、鬼窟穴 【参考文献】 『新版 経絡経穴概論』医道の日本社 『鍼灸医学事典』医道の日本社

五行大義(06)

天皇陛下は、5月に皇居内の生物学研究所脇の水田にて、田植えをされます。 皇后陛下は、5月に蚕に桑の葉を与える御給桑(ごきゅうそう)をされます。 五行大義の水の性のところ、 「天子は耕に親しみ・・、王后は蚕に親しみ・・」とある。 我が国の文化の一端を知ることができ、興味深く思います。 潤下 水曰潤下。潤下者、水流濕就汗下也。 北方至陰、宗廟祭祀之象。 冬陽之所始、陰之所終。終始者、綱紀時也。 死者魂氣上天爲神、魄氣下降爲鬼。 精氣散在於外而不反。故爲之宗廟、以収散也。 易曰、渙亨、王假有廟、此之謂也、夫聖人之德、又何以加於孝乎。 故天子親耕、以供粢盛、王后親蠶、以供祭服、敬之至也。 敬之至、則鬼神報之、以介福。此順水氣。 水氣順、則如其性。如其性、則源泉通流、以利民用。 若人君廢祭祀、漫鬼神、逆天時、則水失其性、水暴出、漂溢没溺、壊城邑、爲人之害。 故曰水不潤下也。 水に潤下という。潤下なるもの、水 湿に流れ、汗に就れ下るなり。 北方は陰に至り、宗廟・祭祀の象なり。 冬 陽の始まるところ、陰の終わるところ。終始なるも、綱紀の時なり。 死なるもの、魂氣 天に上がり神となし、魄氣 下降して鬼となす。 精氣 散りて外に在りてかえらず。故に此を宗廟となりて散ずるを収るなり。 易にいわく、渙は亨り、王は有廟にいたると、これこれというなり、それ聖人の徳、また何をもって孝と加えるか。 故に天子は耕に親しみ、もって粢盛を供し、王后は蚕に親しみ、もって祭服に供し、敬これに至るなり。 敬 これに至れば、すなわち鬼神はこれに報いて、介福をもってす。これ水氣の順なり。 水氣の順、則その性の如く。その性ごとくは、すなわち源泉・通流し、もって民用に利する。 若い人君は祭祀を廃し、鬼神をあなどり、天時をかえし、すなわち水のその性を失い、水にわかに出て、漂溢・没溺し、城邑を壊し、人の害をなす。 ゆえに水、潤下ならずという。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『易経』徳間書店 『安岡正篤 易経講座』致知出版社

突発性難聴

突発性難聴の方に柴苓湯が使われていたので調べてみます。 柴苓湯 (中医臨床のための方剤学/東洋医学出版社 P.106より抜粋) 組成:小柴胡湯合五苓散 効能:和解半表半裏(通調少陽枢機)・利水 主治:半表半裏証あるいは少陽枢機不利で、浮腫、水様便などの水湿停滞が顕著なもの。    淡滲利水の五苓散を合方し、水湿の除去をつよめる。   少陽枢機不利とは何なのか? 枢機:肝心かなめの大切なところ。 枢⇒戸の開閉装置のくるる 機⇒石弓の引き金 扉の開閉がうまくいかず水が停滞している状態のことかな?と考えました。 ただ、2週間程度服用していたが症状改善には至っていない様子なので、 漢方変更するなら何になるのか、引き続き考えてみます。   参考文献 中医臨床のための方剤学/東洋医学出版社

胃火上炎について

胃熱証について学んでいて気づいたことです。 胃火上炎:胃で滞った熱が経に沿って上昇する病理変化 胃熱が強くなると上方へ昇る。 辛い物、アルコール、脂っぽいものなど刺激の強いものの取り過ぎ 外感した熱邪が胃に伝わること ストレスなど情志に内傷され肝鬱が起こること などによる火熱化火により胃の津液が損傷して胃気が消耗する。 →受納、和降の機能低下が起こる 胃津が損傷され、腸の潤いがなくなる→大便秘結 +胃熱の亢進により胃濁を伴って上昇→口臭発生 消化器の機能失調→胃気上逆?→呑酸 胃熱→口渇、冷たいものが欲しくなる、食欲亢進 深部で熱が鬱滞→口渇、煩熱、嘈雑、灼熱痛←拒按 熱邪が胃を破る→吐血 火熱が経脈を塞ぐ→血分が乾く→歯肉炎、歯周炎 胃で水穀を受納できない→食欲低下?→水穀を得られない →気血不足?→津液不足亢進 胃に火熱が発生→上炎→頭痛、咽頭痛、顎、顔面部の腫れ (経に沿って熱が上昇するため)   熱は摂取した水穀をどんどん消化する働きがあり、食べても食べても 空腹感を感じてしまう状態になる。 お正月に胃熱によって食欲が亢進するのは何故なのか、と考えていましたが この症状のことを、「消穀善飢」ということがわかりました。 【memo】 肝鬱との関連 水穀を消化することで火熱は更に強くなってしまうのか? 水穀を入れないことで火熱が鎮まることはあるのか? (火熱の原因による?) 胃濁とは 胃で本来降ろすはずだったものなのか? 消化しきれなかったもの、ということなのか?

瘀血について

瘀血は病理産物であり、発病要因でもあり、疾病を引き起こす内部要因。 瘀血の症状は複雑多岐に渡るが、1番多いものが疼痛。 中医学では瘀血について統一された文献はないが 瘀血という病変には様々な名称があり、いずえの名称においても 病状の軽重、経過の新旧、性質などが表現されている。 (滞血、留血、閉血、蓄血、宿血、乾血、 老血、死血、敗血、悪血、賊血など) 滞血、留血、閉血:血液が蓄積して流れず、滞りふさがったもの 蓄血:一般に発病が急激で中・下焦の瘀血。全身性の瘀血を指す場合もある。 宿血、乾血、老血、死血:経過が長く、瘀積が古く短時間では散らせないもの 敗血:血が既に腐敗し正常な生理機能が失われた状態 悪血、賊血:瘀血が人体に及ぼす危害が凶悪で残忍であることの形容 たくさんの表現があるけど、どれも「瘀血」という1つの名称で まとめられている。 参考文献 新版 東洋医学概論 / 医道の日本社 中医病因病機学 / 東洋学術出版社

気が昇る

こんにちは高山将一です! 最近の人には気が過度に昇ってしまう人が多いような気がします。 よく怒ったり、イライラしたり、カーッとなる人が多いような感じがします。 そうすると身体が熱くなり、顔が真っ赤になる傾向がある、特に上半身にかけて。あまり下半身が熱くなるって言うイメージはありません。 なぜすぐに気が昇ってしまうのでしょうか? それは気をあるべき場所に留めておくことができなるからではないかと思います。 気をしっかりと留めておくことができればすぐにカーッとなったり怒ったりしてしまうことが少なくなるのではないかと思います。 気をしっかりと留めておくにはどうすればいいのでしょうか? やはりこれも臓腑が関係してくるのでしょうか? イメージ的には腎か肝か心の作用が関わってくるような気がします。 腎は気を留める、肝は気のバランスを整える、心は精神を整える。 この3つの失調が入り組んで気の過度な上昇を導いているような気がします。 ps写真は、太陽が東から昇ってまいりました!

難経十六難

先日、難経十六難を読みました。 印章に残ったところを書き留めてみます。 肝は色を司ります。 色は眼を喜ばせる原因となるもので、目は鮮麗なもの(鮮やかで美しいもの)をみるのを好みます。これが人情です。 →ふむふむ 芸術肌の人は肝タイプが多いのかも知れません。あくまでも個人の感想です。 肝が病んでいる時は、肝の本質的な性質が現れて、浄潔なもの(清浄で清潔なもの)を喜ぶようになります。 →いたって普通ではないでしょうか。これも人情だと思います。不潔で汚いものを好む人は少ないと思います。ひょっとして病んでいる時だから偏って過剰に好むようになるということでしょうか。例えば潔癖症みたいな感じ? 怒りは自分の思いと異なる時に表れます。自分の思いは陽であり、それと異なるものは陰です。陰が陽を抑える時、陰中の陽となり、春の少陽の状態と合致することになります。陽が抑鬱されると逆します。怒りは逆上の気ですので、肝木の本気が現れたものと考えることができます。 →肝気が条達できるように、自分の思いも大切にしてあげないといけませんね。 『難経鉄鑑』第十六難 たにぐち書店より引用

ファッシア

引き続き「閃めく経絡」を読んでいます。 一番気になっていた経絡や経穴とは何かについてですが、 気が知性を持った代謝であるならば、鍼灸のツボは発生的な形成中心であり、経絡はこれらを接続するファッシア面ということになる。 ツボがファッシアに存在すると完全に確信している。 と筆者はこう記しています。 ファッシアって何でしょうか? ファッシアとは「膜」のことであり、臓器、骨、筋肉、脂肪、靭帯、血管、神経などの組織を覆う膜の総称です。 そのファッシア面にツボがあり、そのファッシア面に沿って気の通り道となる経絡が走っているとの見解が書かれています。 そうなんですね。 まだ正直なところあまりピンとこないですが、そうなんでしょう。 膜にはいろいろな感覚受容器が備わってそうですが、実際、肩が凝っているところに鍼を刺してもらうと、鍼が筋膜を破る際にプツンという衝撃を感じる事があって筋肉が緩む経験を何度かしたことがあります。その時に「響き」「得気」と言われる感覚も起こりやすいです。電気が走るような感覚、それが冷たいとか熱いとか寒熱を感じる場合もあったり、ズーンとした心地良い圧迫感などなど、いろいろ起こると思います。 東洋医学の考え方に、一部は全体を表し、全体は一部を反映している。 その理論を応用して、頭皮鍼や耳鍼などで治療する方法もあります。 そうであれば肌も一番外側の膜に相当するファッシアと考えると、わざわざ(ツボがあるとされている内部の)危険の伴う関節部や筋肉の裏側、血管や神経の密集したところに刺さなくても同じような効果を引き出せるとしたら、 それを薄い皮膚表面で再現できるとすれば、 安全かつ確実に代用できるのかもとフト思いました。