学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

新緑がさらに色濃く

治療問診の中で

数年前よりずっと体が重い と訴えられる方 先週の治療から当日までの調子を尋ねたときに 前回の治療のあと帰りから軽い「けど」まだしんどい。 他の点でも状態は良い「けど」まだ悪い、という矛盾表現が印象的だった 脈診がよく分からない自分にも治療前の左右のバラつきが治療後に 整うのがはっきりと分かる、お腹の全体のおさまりが良くなったと感じられる 数回目の治療で体にそれまでに見えなかった調子が現れていることが感じられる 今週のコンディションは良い状態にあることに違いはないが、 そのことを受け入れる準備が整っていない それは葛藤の様なものとして映った 治療的にはどんな意味を持つものになるのか

表陽の虚は胃腸の虚に係がる

傷寒論攷注 「案ずるに前條云う所の悪寒已めども、「発熱汗出」然れども猶戸隙の風、傍人起居衣袖の扇風を悪、其脈必ず浮緩、此の証元来表気疏泄有り、故に邪の発散は表実証于速い、然れども表陽の虚は胃腸の虚に係がる、故に表実の一汗にして解するに比べれば、則ち其癒は却って遅く…」   この文から色々発展して思考できそうです。 ここは中風について述べている文で、表陽の虚がなぜ胃腸の虚に繋がるのか。 ここの繋がりはなんなのか。 調べていきます。   傷寒論攷注 「案ずるに「中風」の一証、其人素衛気疏泄して堅からず、或いは労力奔走等の事有り、陽気を擾動かし、表をして開泄せしめて、其虚隙に乗じる也…」   これは霊枢の下の文に繋がると思います。   『現代語訳 黄帝内経霊枢』 営衛生会篇 P 340、341 「 「黄帝がいう。人が熱い飲食物を食べて、これが胃中で未だ精微物質に消化されていないのに、食べるとすぐに発汗する。汗は顔面から出ることもあり、背中から出ることもあり、半身だけ出ることもある。この様に衛気が通常の通路を通らないで、汗となって出るのは何故か。」 岐伯が答える。 「それは、外表に風邪の侵襲を受けて、腠理が開き、毛孔は緩んで、衛気が体表に向かって走り、正気の通路を通ることができないからです。 これは衛気の本性が慓悍ですばやく、どこかに弛緩して開いている部位があれば、そこから出ていこうとするためです。」 」   とりあえず汗に関しては風邪に襲われて腠理が開き、衛気がそこから出ていくから。   『現代語訳 黄帝内経素問』 五臓別論篇 P212 「 黄帝がいう。 「気口の脈を単独で診察するだけで、五臓の変化を知ることができるのはなぜであろうか。」 岐伯がいう。 胃は水穀の海であり、六腑の源泉となっています。 飲食物は口から胃に入り、全て胃に貯留し、脾による輸化の働きによって五臓の気を滋養しています。 気口もまた太陰経であり、さまざまな脈に朝見することを主ります。 こうしたわけで、五臓六腑の気と味は、いずれも胃に源をもって気口に反映するのです。」 」 」   肺経が脾胃の気を受けている事が分かります。 手太陰肺経の始まりである中府の名前も 「中焦の気が集まるところ」 である事から納得できます。   また、脈診で寸口を取るのは、八会穴の脈会である太淵あたりが良く反映されるからではないかと思いました。   最初の傷寒論攷注の文の 「表陽の虚は胃腸の虚に係がる」 とはこういう事なのかなと思いました。   『中医臨床のための方剤学』 P 29 桂枝湯「生姜・大棗の配合は、脾胃を昇発し営衛を補充し振奮させる。」 とあり、桂枝湯に脾胃の薬が配合されている意味にも繋がると思いました。   参考資料 『現代語訳 黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社 南京中医薬大学編著 『現代語訳 黄帝内経素問』 東洋学術出版社 南京中医学院編 『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編著

順気一日為四時篇 第四十四(01)

黄帝曰、願聞四時之気。 岐伯曰、春生、夏長、秋収、冬蔵、是気之常也、人亦応之。 以一日分四時。 朝則為春、日中為夏、日入為秋、夜半為冬。 朝則人気長、長則勝邪、故安。 夕則人気始衰、邪気始生、故加。 夜半人気入蔵、邪気独居干身、故甚也。 黄帝曰く、願わくば四時の気を聞かん。 岐伯曰く、春は生、夏は長、秋は収、冬は蔵、これは気の常なり、人もまたこれに応ず。 以て一日を四時に分つ。 朝は則ち春を為し、日中は夏を為し、日入は秋を為し、夜半は冬を為す。 朝は則ち人気が長じ、長則ち邪に勝り、故に安なり。 夕は即ち人気が衰え始め、邪気が生まれ始まる、故に加なり。 夜は人気が蔵に入り、邪気が独り身に居り、故に甚だしきなり。 【参考文献】 『黄帝内経 霊枢 下巻』東洋学術出版社

西葫芦(ズッキーニ)

数か月前から外食が多くなったせいか、身体の不調が5月から改善しないので、薬膳を取り入れて少しでも食生活を改善してみようと思いました。 ズッキーニとウインナーのカレーマヨ炒め 【料理家ぐっち夫婦のRECIPE BOOK】参照 材料 2人分 ズッキーニ 1本 ウインナー 5本 オリーブオイル 小さじ2 【A】 マヨネーズ 大さじ1 カレー粉 小さじ1/2 にんにく(すりおろし) 少々 ①ズッキーニはヘタを落とし、縦半分に切り、1cm幅の半月切りにする。ソーセージは斜め半分に切る。パセリは細かく刻む。Aはあらかじめ混ぜておく。 ②フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、ズッキーニを両面焼く。ズッキーニに焼き色がついたら、ソーセージを加えて炒める。 ③【A】を入れて炒め合わせる。 ④全体に味がなじんだら皿に盛り、完成。   水の巡りを担う「脾と腎」に働くズッキーニ 性味:甘/寒 帰経:脾腎 効能:清熱、生津、通淋 現代の食卓に生かす「食物性味表」参照 転職してから仕事で夜遅くになることか増えて、外食で済ましてしまうことが多くなりました。そうなると油物に偏りがちだったり、コッテリ系の味になりがちで、普段の食事量より必然的にご飯の量が多くなり、かと言って残すのももったいないので、無理に食べすぎて自分の容量をオーバーしてしまう。駄目なスパイラルにハマっています。 初めは強い胃もたれの症状だったのが、鍼治療のおかげもあって最近は胃もたれは強くないのですが、下焦にきたのか尿の出が悪くなったなと思っていたら、股関節や膝関節が痛くなって治らないです。今では陽明と少陽ラインが、更に厥陰、太陰の内側も痛いんじゃなかろうかという状態です。 きっと季節的にも湿邪が絡んでるに違いないと、ズッキーニを食べてみました。 カレー粉も入れて鬱金の効果もプラスして気血の流れも良くなりますように。          

閃めく経絡

以前から気になっていた本を読んでます。図書館で借りれました。 「閃めく経絡」ダニエル・キーオン著 私は今まで東洋医学について記した本で、西洋人が書いた本を読んだことがありませんでした。振り返れば、ほぼ日本人か中国人で、韓国人は1人か2人くらいでしょうか。なのでとても珍しく感じました。ちなみにこの本はアマゾンでも好評価です。 著者はどんな人なのかと見てみたところ、救急診療専門医のイギリス人で、中国に留学して鍼灸を学ばれていたようです。 なので、もともと現代医学に明るく、特に発生学が得意なのか、その知識の上で鍼灸を学ばれて感じたことを掘り下げ、分析して想像した内容になっているのかなぁという印象を受けました。 著者は、「発生学からの知識に数学を取り入れて、鍼灸がどのように作用するか理解するようになる方程式を作り上げる。それは無限に複雑で美しい形であると同時に洗練された単純性を表したものになる。」ということを記しています。 今まで東洋的な言い回しに慣れてきた私には、いかにも西洋的な文面だなと感じざるおえませんが、このような考え方で西洋医学はここまで発展してきたのだろうとも思います。 まだ、この本を半分くらいしか読んでいませんが、著者は「気」とは何か、なぜ「経絡」がこのような配置になっているのかを、人体がどのように発生し、どのように作用しているのかを理解すれば明らかになると考え、発生学の見地から答えを見出そうとしています。 この後の展開が楽しみです。   近年、西洋圏でも東洋医学が盛んに学ばれ、人気があると聞いています。そうなることで、この著者のような人も増えてきて、今までになかったいろんな切り口で考えられるようになり、東洋医学もより発展していくかもしれません。そしてそうなればいいなとも思います。

「11/10(土) 漢方薬「桂枝湯」を学ぼう!」の感想

講師は大原先生より学びました。 傷寒論より太陽病~厥陰病を説明され、 実際に桂枝湯を煎じ、飲用を楽しみながら温かい時間を過ごさせて頂きました。 学生の身で、混沌の日々を過ごしておりますが 通行人や電車で同乗する人達を観る際に、仕草や素行を観察してしまいます。 例えば この人は落ち着きがない、汗が多い、座り方が横柄、疲れてる、顔色が悪い、 歩き方、目の力強さ、物の持ち方、声の大きさ、、、、 その標は?本は? 虚している?、実している?、陽虚?、陰虚?、内熱?、肝気?、腎虚?、、、、と しかし、本日の漢方講座を経験すると、今までは力の入り過ぎた感覚で見ていた様に思いました。 飲用より身体を整えていく感覚を思うと 力を抜いて観察し、全体像より症状とか異変の把握に努めなくてはならないと感じました。 臓腑を補した影響が、体全体へと達すると思えたからなのでしょうか。 この”『補する』を重点とする”という事を 「10/7(日) 学生向け勉強会」後半戦の院長特別講座で教えて頂きました。 その後半戦のフィーリングは一つの起点となっていますが、共通項を得られたのが本日の収穫の一つです。 大原先生、お疲れ様でした。 いつも配慮頂く院長に感謝いたします。ありがとうございました。 【番外編】 (講座が終了し、方剤の効能についての雑談中) 大原先生 「・・は腎陽と腎陰の両方を補うんですよ。逆じゃなくて両方を補えるんです!」 稲垣 「なるほど、太極を大きくするのですか・・」 と返答した際の大原先生の顔が 『稲垣、易経できやがったな』的な顔は脳裏から離れません( ̄▽ ̄)
開放感

脈診について

長い年数をかけて習熟していくものと習う 書籍では列記されているけど、 遅数をみるのと、浮沈や虚実をみるのとでは全然ニュアンスが違うと考える 「ぴんと張った弦に触れたように、まっすぐで長くはっきりと触知できる」 このような書き表し方になるのは 脈気を捉えるためには、実際指先に触れる感覚を通して行うことになる為で 時間をかけて養っていくべきは、脈状分類の技術というより、脈に触れてリンクするため の意識の向け方なのかも知れない そもそも、この考え方は全くの検討違いなのかも知れないが今は分からない 疑問が変化した記録として

一年経過

一鍼堂の寺子屋でお世話になり始めて、今月で1年が経過しました。 この一年の時の流れが早かったのか遅かったのかどちらか改めて振り返ってみて、どちらなんだろうと考えてみましたが、正直即答できる感じではなく、ハッキリわかりませんでした。 早かったように感じますし、遅かったようにも感じます。 ただ充実した1年であったのは間違いないです。 1年を通して、こんなに鍼灸の勉強に向き合ったことは今までになかったと思います。 これもひとえに、一鍼堂という学びの場に参加できたことに尽きると思います。 何かを学ぶ際には周りの環境がとても大事だと思いますし、特に私の場合は自分の意思や決意が軟弱なので、すぐに自分の甘い心に負けてしまいがちです。 でも一鍼堂での院長や各先生方、スタッフの方々の鍼灸に対する向き合い方にプロ意識を強く感じますし、そんな空間に自然と触れていると自分も精進して行きたいという強い気持ちが生まれてきます。 それに他のワクワク感を抱いた優秀な寺子屋生の皆さんと交流することで鍼灸に対する勇気や希望など、とてもよい影響を受けることができます。 只々、今の心境は、この場に居させていただくだけで大変ありがたい気持ちでいっぱいです。  
苔を育成中

胖大にて白苔の舌を観察します。

【舌診(09)】 こんにちは稲垣です。 患者さんのHさんに舌の研究の為にご協力頂きました。 学術の為にご協力頂き感謝いたします! 《令和3年1月22日》 表は白苔が強く水泛しているように思います。 嫰であり、胖大。 湿に覆われているように思います。 表と裏の違いが謙虚。 舌下静脈が中央に近い形でストレートに伸びている。   《令和3年1月27日》 表は全苔より苔の剥離が診られ、 溢れていた水が引き始めているように思います。 胖大はやや狭まりつつあるように思いますが、 22日よりも白苔は強く感じます。 裏は舌下静脈の形は変わりませんが、色が薄くなっています。 舌裏全体の色が淡くなっていますが、 左前に舌瘡のようなものが出来ています。   《令和3年1月30日》 苔全体が薄くなっているのが顕著。 剥離され舌体がみえるところと苔との境目が緩やか。 全体的に赤みを帯びてきたように感じます。 全体的に水が引いた状態と共に 歯痕も少なくなってきたように思います。 舌裏の色合いがかなり薄くなってきており、 舌下静脈も姿が薄くなってきたように思います。   苔が少なくなる経過には、 一時的に苔が強くみえる現象があるのかもしれないと感じました。 これは苔だけの現象ではないのかもしない、と感じております。 来院と来院の間に何があったのか、 舌の情報だけでは足りないところです。 皮膚の肌荒れも、おさまりつつあるように感じています。

天人合一(01)

先輩に許可を頂いた患者さんに、問診に入らせて頂いております。 望診・聞診・問診・切診。 四診合参し、取穴を想定する訓練を一つ一つ手ほどきを頂きます。 患者さんの発するインフォメーションについて 自分の頭の中でシャッターを切りますが、 課題としては、一部分に注視しすぎるところでしょうか。 要は、全体が診えていないなと。 広く全体の情報を、クールダウンして俯瞰しなくては。 と、いう事で自宅に眠っていたカメラを引っ張り出してみました。 情報をいかにキャッチできるのか。 些細な情報の一つ一つを、瞼に撮る訓練をしてみたいと思います。 【参考文献】 『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社