学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

緊張など

ワクチン 先週に引き続き、ワクチン後遺症の方の体を見させて頂いた。   舌では先週に引き続き辺縁に付いた黒いものが気になる。   少し薄れた様に見えるが、腹部にも邪気の停滞は残っている様に見え、背部にもその様子だ出ていると感じた。   脈は浅い位置で硬くなっていて根が張っていない。   腹部では八味地黄丸でよく出る様なお腹も混合されている。   ワクチンは要因の一つに過ぎないのでそこに引っ張られない様にしたい。   ベースを考える。   しかし心を触るのは怖くてできない。     緊張   その方の体は朝見させて頂くスケジュールだった。   起きて準備する時、どう気を引き締めるか。   余分なものが浮かび上がらない様に厳粛な気持ちにする。   今までにない良い緊張感ができた気がする。   そんな必要はないけど、この状態を無理矢理中医学に置き換えてみる。   張錫純の識神(心)を使わない事で元神(腎)を使わないみたいな認識が一致すると感じた。   そこから診病奇侅にある経穴の認識とも結びつけれそうな気もしてるけど、もう少ししっかり読み込んでいきたい。   参考資料 診病奇侅 医道の日本社 中医臨床のための医学衷中参西録 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編訳  

京都薬用植物園の呉茱萸(ごしゅゆ)

武田薬品工業(株)の京都薬用植物園で、年に4回行われている研修会があります。 今回は『晩秋の研修会』との事。 一般向けの研修会で、特に専門的な講義が行われるというものでは無いのですが、実体験もさせて貰えるのを楽しみに参加しています。 私は2回目の参加となります。 今回は漢方処方園、樹木園、温室を回りました。 「味見してみますか?」のコーナーでは呉茱萸(ごしゅゆ)を頂きます。 物凄く辛いのをご存知でしょうか?・・辛いです! 呉茱萸 [効能] ◦ 暖肝・散寒止痛 ◦ 下気止嘔  など この辛さを感じると”効能”になんとなく納得が・・ 前回の研修会でも味見をさせて頂きましたが、体験する度に植物のもっている”力”を強く感じます。 漢方薬においては、個々の植物を適切な配分でコーディネートする事で、服用の効果を最大にしているのだろうと考えさせられます。 逆に、個々の主張が強いので、調和をとる材料、飲み易くする材料を共に配合する必要があるのかとも思います。 鍼の調和は切経や刺鍼をする”その時”に、人間の手によって加減できるところなのでしょうか。 薬との違いであったりするように思うのですが、いかがなものでしょう? 薬草のあまりの刺激の強さに色んな事を考えてしまう『晩秋の研修会』でした。 【参考文献】 ・中医臨床のための中薬学(東洋学術出版社)

施術日記(03)

T.I 先生との治療練習3回目です。 週ごとに、同じ経脈上に刺鍼する事で変化をとります。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 一週間前と同穴にて、鍼の番号を変えて違いを診る。 ② このシリーズは今回で3回目。 鍼の ”前後” という短期的にできる変化とは違う、中期的な変化を探す。   舌の中央の苔・裂紋には長い歴史を感じるので、 この変化を狙うのは、 長期的に考えなくてはならないのかもしれません。 舌尖と舌辺の赤みは、ぼんやりといつものようにある。 舌の出し方に、強張った感じはみられない。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 一段と力が抜けたように感じる。 刺鍼後には舌尖と舌辺の赤みは、淡く穏やかになるのはいつもの通り。 舌の水分量の違いが、事前事後で間違いなく変化する。 2週間前は・・ この2週間前に舌診した際、 舌の出し方が右へ傾いていたのが特徴的でした。 舌尖の尖がり具合や舌の周辺の赤みは現在もありますが、 現在は少しマイルドになっているように感じます。 ご自身で治療をされているのもあり、 このシリーズでの正確なエビデンスという訳ではありませんが、 変化は感じられます。

どうなんだろう

勉強で母親の身体を診させてもらった。   特に気になる点は左少腹急結・左少腹部や股関節あたりの色が黒くなっている・中脘あたりが緊張・舌は腐膩があり、全体的に紫舌・舌下脈絡の特に左側の怒張・脈は渋・左のみ深く沈めると脈が確認出来なくなる・左太渓の顕著な陥没と発汗・足先は冷えている。   以前脈を取らせてもらった時は疲れると脈が7回に一回飛んでいた。   問診はせずに症状で気になる点を後で確認すると左腰に違和感があり、まれに左少腹部に張った感じが起こるとの事。   根本は腎の弱りなのか。   瘀血を取るにしても正気を立て直す必要があると感じた。   よくゲップが出る人なのですが、この胃の働きの低下にも腎虛・瘀血が関係してそうな気がする。   治療穴としては左太渓で腎の立て直しを行うシーンかなと想像。   また、活血も組み合わせる必要があるのかと思った。   左の三陰交を抑えると軽い圧痛があるとの事だったのでここも治療穴に含めることができるのか。   色々考えてみたものの分からない点だらけで難しい。

小児の舌診

地図舌について調べていると 地図舌は小児によくみられると記載されており(針灸舌診アトラス P46より) なぜ小児によくみられるのか疑問に感じたので考察します。 舌苔の剥落は陰虚、血虚、胃の気の衰を意味することから、 小児は陽の気が強いため熱により苔が剥げている。 また、臓腑がまだ発達しきれていないことから胃の気も不十分なため地図舌が多いのかなと思いました。 実際に小児の舌を診ることがなかなかないので、機会があればみてみようと思います。 参考資料 針灸舌診アトラス 緑書房

私の相方は何なのか

陰陽とはどういったものなのだろうか? 陰は月、陽は太陽  陰は水、陽は火というイメージが 自分の中にある。 世の中の一切の物事には陰と陽で振り分けられていて、 お互いを助け合い、依存し、制約しあっていて、片方の 存在が消えれば、一方も存在しなくなるようだ。 では、もし私が陽であると仮定すると、相方の陰は 何になるのだろうか? 家族?友人?恋人?それとも人間とは全然関係のない ものなのだろうか。 僕が生まれてこなかったと仮定してみる。 僕がこの世に存在していなければ、私の妹達には兄がいなかった。家族や、友人、恋人の記憶にも存在しない。 小学生の時クラブチームで決勝ゴールをあげたあのゴールも存在しない。 友人と他愛もない話で笑い合った日常も存在しない。 今書いてる文書も存在しない。 未来に作り上げる物も子供も存在しない。 その先続く子孫もその歴史もない。 あげればキリがないほど消えていく。 私の相方は私の歩んできた道なのかもしれない。 私の全ての道とそれを作り上げてくれた一切の物事に感謝と敬意を表します。 PS.写真は私の地元の丹波篠山の朝日です。

方剤学(03)

呉鞠通「・・胃陰を救えば、なお胃腑本来の下降の気を承るに系る、・・故に湯は承氣と名づく」 承気湯 方剤学に於いては「瀉下剤」に含まれます。 『中医臨床のための方剤学』によれば、「瀉下薬を主体として大便を通導し、腸胃積滞の排除・実熱の蕩滌(とうでき)・ 水飲寒積の攻逐などを行い、裏実を解消する方剤」とあります。 「瀉下剤」も種類に「寒下剤」「温下剤」「潤下剤」「逐水剤」「攻捕兼施」がありますが、 承気湯類は「寒下剤」に含まれます。 《寒下剤の一覧》 ・大承気湯 ・小承気湯 ・腸胃承気湯 ・複方大承気湯 ・大陥胸湯 ・宣白承気湯 ・陥胸承気湯   【大承気湯】 〈効能〉 峻下熱結 〈主治〉 熱血腸胃(陽明病腑実証) 発熱・悪熱・日晡潮熱・意識障害・うわごと・汗が出る・口渇・尿が濃く少ない・便秘あるいは悪臭のある水様下痢・ 腹満・腹痛・圧痛がつよく触れさせない・舌苔は黄厚で乾燥し甚だしいと焦黒色や芒刺すを呈する・脉は沈実あるいは沈遅で有力など。 手足の冷え・ひきつり・狂躁状態などがみられることがある。 《胃の生理と特性》 胃が飲食物を一時的に納める機能を受納、飲食物を消化する機能を腐熟という。 胃は飲食物がおさまるところなので、水穀の海と称される。 消化物を下降させる役割を担っている。この消化物を小腸・大腸に降ろす特性を降濁という。 胃は陽明に属し、六腑の中でも熱が旺盛であるため熱化しやすい。 そのため、胃が正常な機能するためには十分な潤いが必要であり、 水湿を好み、乾燥を嫌う特性を喜湿悪燥とよばれる。 (´ー`) 大承気湯とは少々荒っぽくはあるけれど、腑に対して一気にダウンバーストを起こし、 熱を吐き出すといったイメージでしょうか。 症状を取り除くというのは傷寒論によるとして、気になるところは「意識障害」「うわごと」「狂躁状態」。 修行中に稀な舌を拝見できる機会を頂きましたが、 上がるものは上がり(昇清・脾)、下がるものは下がる(降濁・胃)、 中焦の重要性を思います。 なんとなくですが、”臓” と ”腑” の問題からくる症状に、違いがあるように感じられます。 【参考文献】 『中医臨床のための方剤学』東洋学術出版社 『傷寒雑病論』東洋学術出版社 『中医病因病機学』東洋学術出版社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

気が昇る

こんにちは高山将一です! 最近の人には気が過度に昇ってしまう人が多いような気がします。 よく怒ったり、イライラしたり、カーッとなる人が多いような感じがします。 そうすると身体が熱くなり、顔が真っ赤になる傾向がある、特に上半身にかけて。あまり下半身が熱くなるって言うイメージはありません。 なぜすぐに気が昇ってしまうのでしょうか? それは気をあるべき場所に留めておくことができなるからではないかと思います。 気をしっかりと留めておくことができればすぐにカーッとなったり怒ったりしてしまうことが少なくなるのではないかと思います。 気をしっかりと留めておくにはどうすればいいのでしょうか? やはりこれも臓腑が関係してくるのでしょうか? イメージ的には腎か肝か心の作用が関わってくるような気がします。 腎は気を留める、肝は気のバランスを整える、心は精神を整える。 この3つの失調が入り組んで気の過度な上昇を導いているような気がします。 ps写真は、太陽が東から昇ってまいりました!

舞台など

舞台 主役をどこに置くか。 そこが以前からずっと課題として残っている。 受付でもこのシーンはこの人にやってもらった方がいいかな?と考えたりもするが黒子になる意識が薄い。 これはチームで行っている事。 受付時、一緒に働いている方々にやって頂いている事を思い返す。 上手い人達はサラッとして作意がないが、落としたところを助けて頂いている。 そうなる為にまずは太極的に、先の動きも考える。 感じられるところまでいければいいが、まずは考えてみる。 考えた上で考える事が違っていれば考えを捨てる。 自分の場合、内省して答えを出すというより、他からヒントをもらって練度を上げていきたい。 外を見る目を養う為にも意識を変えなきゃいけないな。 やり方は色々試していきます。   舌の考察①     色:淡紅 形:軽く歯痕舌、軽く胖大 その他:斜舌 裏は出すのに苦労している様子も窺える。 正気が無くて出せないというより、緊張して舌を操作出来ていない印象。 口の開け方、舌下静脈は偏る     脾気虚。 口の開け方や斜舌など偏りを感じる。 気の偏りがあるかもしれない。 また、舌下を見せるのに歯が見えるまで出すところに真面目で気逆を起こしやすい要素があると思われる。   舌の考察②     前回よりも舌下静脈付近の細絡が目立つ。 これも瘀血の症候としてみれそうか。 以前として強い歯痕舌が見られ、気虚の程度が強い。   考察③ 暗紅色、裏に熱がこもり、瘀血。 自身の体なので他の情報と一致させられるが、舌先右の赤みは右の上焦の停滞と一致させられるかもしれない。

易経 その2

つづき この易経ですが、一般的には「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の占いのイメージがつよいですが、本を読んでみてそれだけではないことがわかりました。 易経には大昔の人が、世の中の仕組みや人生においての法則があって、その法則には一定のルールがあり、それを64種類の物語にして教えてくれているらしいのです。 その法則を理解して身につければ、もはや占う必要性もなくなり世の中の森羅万象、物事の道理、そしてその先行きが見通せるようにもなるというのです。 そう聞くと更に興味が湧き、是非理解を深め、その智慧の恩恵に与りたいと思うのも必至です。 そんな易経ですが、いつの時代に出来上がった考え方なのかと調べてみると、今、日本で一般的に使われている「易」は「周易」と言って周王朝時代に確立したそうです。 その周王朝時代の日本は何時代か見ると、縄文時代でした。 恐るべし中国史です。 そんな昔から世の中の道理が解明されていたのにびっくりです。 東洋医学といい、易経といい太古の先人に感謝します。