学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

膩苔が強い舌を観察します。

こんにちは稲垣です。 舌診について研究を重ねてまいります。 【前】 舌体は紫舌で、 舌尖から舌辺にかけての歯痕の部分に 赤みが強く感じらます。 舌尖に点刺が多く、舌尖より舌根にかけての 中央部分に黄膩苔が強い。 潤いが少ないように思います。 舌裏に関しては舌下静脈がハッキリと見え、 両側が暗く血の滞りを感じます。 【後】 今回は、刺鍼中もコミュニケーションをとりながらでしたので、 ゆっくりと休んで頂く形ではありませんでした。 舌面に関しては、変化は少ないですが 舌尖あたりの苔が少し引いて 舌体の色が見やすくなったように感じます。 舌裏の色調が明るくなったように感じるのと 両側の暗さが少し明るくなっていうように思います。   舌面の黄苔や潤いの少なさより 熱が強く津が焼かれているように感じます。 その熱の所在が重要に思いますが、 舌尖の点刺との共通点が気になります。 以前より練習として診させて頂いており ひどい時は紫舌と膩苔が極めて強くなります。 化火をどのように抑えるのかが課題と思いますが、 舌裏からみえる瘀血が下焦を滞らせ、 気機を上昇させてる要因と考えております。 熱化させずに自身でセーブできる力を持つ事 を長期的に考えて施療を行っております。 経過を観察していきます。

五行大義(06)

天皇陛下は、5月に皇居内の生物学研究所脇の水田にて、田植えをされます。 皇后陛下は、5月に蚕に桑の葉を与える御給桑(ごきゅうそう)をされます。 五行大義の水の性のところ、 「天子は耕に親しみ・・、王后は蚕に親しみ・・」とある。 我が国の文化の一端を知ることができ、興味深く思います。 潤下 水曰潤下。潤下者、水流濕就汗下也。 北方至陰、宗廟祭祀之象。 冬陽之所始、陰之所終。終始者、綱紀時也。 死者魂氣上天爲神、魄氣下降爲鬼。 精氣散在於外而不反。故爲之宗廟、以収散也。 易曰、渙亨、王假有廟、此之謂也、夫聖人之德、又何以加於孝乎。 故天子親耕、以供粢盛、王后親蠶、以供祭服、敬之至也。 敬之至、則鬼神報之、以介福。此順水氣。 水氣順、則如其性。如其性、則源泉通流、以利民用。 若人君廢祭祀、漫鬼神、逆天時、則水失其性、水暴出、漂溢没溺、壊城邑、爲人之害。 故曰水不潤下也。 水に潤下という。潤下なるもの、水 湿に流れ、汗に就れ下るなり。 北方は陰に至り、宗廟・祭祀の象なり。 冬 陽の始まるところ、陰の終わるところ。終始なるも、綱紀の時なり。 死なるもの、魂氣 天に上がり神となし、魄氣 下降して鬼となす。 精氣 散りて外に在りてかえらず。故に此を宗廟となりて散ずるを収るなり。 易にいわく、渙は亨り、王は有廟にいたると、これこれというなり、それ聖人の徳、また何をもって孝と加えるか。 故に天子は耕に親しみ、もって粢盛を供し、王后は蚕に親しみ、もって祭服に供し、敬これに至るなり。 敬 これに至れば、すなわち鬼神はこれに報いて、介福をもってす。これ水氣の順なり。 水氣の順、則その性の如く。その性ごとくは、すなわち源泉・通流し、もって民用に利する。 若い人君は祭祀を廃し、鬼神をあなどり、天時をかえし、すなわち水のその性を失い、水にわかに出て、漂溢・没溺し、城邑を壊し、人の害をなす。 ゆえに水、潤下ならずという。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『易経』徳間書店 『安岡正篤 易経講座』致知出版社

美しさ。

東洋医学で言うと、 一般的にブラックボックス化されているイメージでした。 しかし、 林先生の治療をみて、それが改めて覆されました。 先生の治療はブラックボックス化させるのではなく、外部で症状として出ているものを、内部の原理や構造を理解し、それをわかりやすく伝える。 そしてそれに合った配穴する。 その治療に感動し、そして、美しさを感じました。 これが自分の目指す治療だなと。 生意気ですが、将来、自分にも治療ができるという根拠のない自信が湧いてきます。 想像すると、鳥肌が立つように心躍ります。 好きな人ができたような感覚で笑 好奇心と情熱を持って東洋医学に向き合いたいと思います。
新緑がさらに色濃く

治療問診の中で

数年前よりずっと体が重い と訴えられる方 先週の治療から当日までの調子を尋ねたときに 前回の治療のあと帰りから軽い「けど」まだしんどい。 他の点でも状態は良い「けど」まだ悪い、という矛盾表現が印象的だった 脈診がよく分からない自分にも治療前の左右のバラつきが治療後に 整うのがはっきりと分かる、お腹の全体のおさまりが良くなったと感じられる 数回目の治療で体にそれまでに見えなかった調子が現れていることが感じられる 今週のコンディションは良い状態にあることに違いはないが、 そのことを受け入れる準備が整っていない それは葛藤の様なものとして映った 治療的にはどんな意味を持つものになるのか

合谷の穴性「生血」を考える

合谷の穴性について調べてみます。 穴性学ハンドブックでは補で生血の効果があるとの事です。 しかし「補血」ではなく「生血」である事に違和感を覚えます。 血を生み出す効果がある様なので、中医鍼灸臨床経穴学を中心に調べていきます。   P 65 <効能> ③補法:補気固表・益気固脱・益気摂血・行血・生血 湯液における黄耆、人参、党参、白朮、炙甘草、百合、黄精などの効に類似   P 79 「合谷を補すと補気の作用があり、瀉すと行気散滞の作用がある。したがって、気虚のために統血が悪くなっておこる失血証、「有形の血は自ずとは生じず、無形の気により生じる」という道理によって起こる血虚証、気虚による血行障害の病証に対しては、本穴を補して補気をはかると、摂血、生血、行血の作用をもたらすことができる。」   →つまり 「気血両虚の状態で補血だけ行っても自身の血を作る力は回復しない。 合谷による補気を行う事で血を生じさせる力を付けましょう。」 これが合谷の生血なのだと思いました。 実際どの様な使われ方をしているか見てみます。   P 69 「膿は気血が変化して生じる。久瘡には、膿が外溢して気血両傷となるものが多い。または瘡が長期にわたって治癒せず食欲も低下し、さらに膿が外溢することにより気血大傷、正気虚衰となり久瘡がおこる場合もある。 1.瘡面の肉芽の生成が遅い場合 合谷、三陰交(補)…気血の補益」   P229 三陰交 「本穴には、統血、凉血、全身の血分の虚損を補益する、全身の血液の運行をよくするなどの作用がある。」   中医臨床のための方剤学 P260 当帰補血湯 「皮膚化膿証が潰破したのち瘡口が癒合しにくいのは、気血が不足して肌肉の産生が悪いためである。」   医学三蔵弁解 P133 「気血は互いに根ざしていますので、これを気虚とするときにはすなわち血虚しているものであり、血虚するときには気もまた虚しているものです。 治法には標本の区別があります。 気虚によって血虚となっているものは、気虚を本として血虚を標とします。 血虚によって気虚となっているものは、血虚を本として気虚を標とします。」   →生血で血を生むと言っても血虚していれば、三陰交の様な補血の効果を持つ経穴との配穴が必要なのだと分かりました。 他に合谷・血海(補)などの配穴も見られたので、状況に応じた「補血」の効果を持つ配穴を行う必要があるのだと思います。   今のところは 生血=気の血を作る力をつける事で血を補う 補血=血を直接的に増やす事で補う との認識になったのですが、間違っている可能性もあるので一穴一穴を確認しながら調べていきたいと思います。   参考資料 中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 穴性学ハンドブック たにぐち書店 中医臨床のための方剤学 東洋学術出版社 医学三蔵弁解 たにぐち書店    

手で感じたこと

手の感覚について。 人によってそれを捉えた時の表現方法が違うと言ったお話は聞いていた。 自身で湿邪を感じた時の感覚は「ゾワっとして気持ち悪い」だった。 他のその感覚の時、別の人が言っていた感覚も何となく分かる気がした。 でも同じ湿邪でも部位によって感じる感覚が違うと思うところも正直ある。 色々疑って検証していきたい。

本音と建前

東洋医学では、当然のように弁証を立てることを行なわれているが、弁証で心火があるから…と 心にアプローチする事が正解とは限らないようだ。 心包経を触って状態が悪い方向に行ってしまう。 状態と穴性しか診ていなかった。 考察する事は難しく、先生にアドバイスをいただいてばかりだが、 自分の失敗を機に、大切な事を教わった。 本音と建前 原因と結果 よく混同してしまうので、 ここに書き留めておこうと思う。   -------------------------------------------------- 「恋愛みたいなもの」 と院長が仰っていたが、 聞いた時はよく分からなかった。 最近失恋が続いたので ちょっと気持ちが滅入ってしまった。 何故そうなったか。 考えてもわからない時、 離れていくことがわかる時もある。 失恋しても、グズグズするよりか、 自分を磨くしかない。

風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ③

前回の続きです。 中医鍼灸 臨床経穴学 P25 「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調) 症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。 処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」   まずは中府について考えてみます。 中医鍼灸 臨床経穴学 P 24 「肺臓の病証では多くの場合、この募穴に圧痛または異常な反応が現れる。本穴は胸部、とりわけ肺部疾患を治療する常用穴とされている」 同書籍 P 25 「本穴には、清肺宣肺、肺気を調節する作用がある。また咳による胸痛があるもの、本穴の所属部位に圧痛のあるものなどを治療することができる」 穴性学ハンドブックp 31・152 中府(瀉)…宣肺理気 「肺は全身の気を主る。もし寒邪が外束したり 内熱が上を侵すと肺気は その宣降作用を失い 咳嗽し 喘息し 胸満して 脹痛する。 中府は 肺の募穴であり 手足の太陰の会で 穴は胸膺にあり よく上焦を宣発し 肺気を疏調する。 肺気が郁遏される毎に これを鍼し 気を行らし 血調えれば 痛み止まり 胸満感を消すことができる」 つまり、 中府が治すものは「肺が宣降失調を起こして起こす咳嗽」であり、 中府単独で用いても一時的に咳は楽になるかもしれませんが、風寒邪を取り払う事はできないと思いました。 中医鍼灸学の治法と処方 P132 を見ても 発表散寒法 「配穴処方:大椎・風門・風池・合谷・復溜 随症加減:咳嗽ー肺兪・膻中を追加。」 とありました。 肺兪と中府は腧穴・募穴の関係にあり、共通点も非常に多い経穴で、共に肺失宣降に用いられる様です。 この随症加減と同じで、風寒外束の表寒証であっても、肺失宣降が起きていなければ決して使う必要がないのではないかとも思いました。 また、風寒外束で肺失宣降が起きていれば 「中府を触ると痛い、もしくは異常な反応」 が起こりやすい事も分かりました。 鍼灸学 P230では 陽性反応穴「陽性穴は兪募原穴の部位に現れることが多い…陽性反応穴は、臓腑の経絡体表における反応である。この陽性の経穴を刺激すると、臓腑の機能を調整することができる」 との事なので同じ意味かなと感じました。   参考文献: 中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 李世珍著 穴性学ハンドブック たにぐち書店 佐藤弘監修 伴尚志編著 中医鍼灸学の治法と処方 東洋学術出版社 鍼灸学 東洋学術出版社  

印象的だったこと

日曜日、腹診と脈診の勉強会に参加させて頂きました。   その際驚かされた事がお腹の変化の早さ。   白石先生のお身体を衛気診で触らせて頂いた時に特に顕著に感じたのですが、左の肝相火のエリアで強い熱感があり、白石先生もそこを触られている時違和感を感じられる部分でした。   余りにも印象的だったのでここですかと確認していると段々熱感が冷めてきてなくなっていった。   次確認するともう残っていなく、お身体を触らせて頂く時にサッと診る必要性を感じました。   また、脈診を行う際、座った時に腰の角度を変えると左肩の窮屈さが無くなって診やすくなり、患者との距離感も今までよりいい感じに落ち着きました。   その感じで行うと今までと診ている時の景色も変わり、自分自身も小さく感じられた。   受け手にその際の感想を聞いても圧を感じにくかったそうで変化が感じられて嬉しかったです。   寺子屋で椅子に座って勉強させて頂いている時でも実践できそうなのでやっていこう。

魂と魄

癲狂(てんきょう) 「癲」とは無症状、寡黙、無気力などが出現する抑鬱状態を指し、西洋医学のうつ病やうつ状態に相当する病状。多くは痰気鬱結による心神の活動低下などで出現する。 「狂」は落ち着きがなくなったり、騒がしく、怒ったり、罵ったり、イライラしたり、異常行動をとるなどの興奮状態の病状で、西洋医学の躁病や躁状態に相当する。多くは痰火による心神不安により出現する。 〜実践漢薬学 用語解説 三浦於菟〜 東洋医学の考えに五臓・五神・五志があります。 肝ー魂ー怒 肺ー魄ー憂 例えば統合失調症や双極性障害の治療は脳内の伝達物質を増やしたり減らしたり調整することによって症状を改善する薬物療法が行われます。 大脳の構造は発生学的に古い脳である大脳辺縁系に新しい脳である大脳皮質が外からかぶさってできています。 大脳辺縁系は人の本能的、原始的な反応が行われているところであると習ったと思います。 例えば物事の好き嫌いを一瞬で反応して記憶する扁桃体や海馬があるところです。 一方大脳皮質の特に前部である前頭前野は理性的に判断して、その場にふさわしい言動をとるようコントロールしていると言われています。 となると 肝ー魂ー怒ー大脳皮質ー新ー外ー陽 肺ー魄ー憂ー大脳辺縁系ー旧ー内ー陰 ちなみに統合失調症や双極性障害はこの大脳辺縁系のドパミンの過剰を調節する治療がメインです。抑えすぎるとうつ状態にもなってきます。 症状の一部に幻覚や幻聴、幻視などがあります。→魄のトラブル 現実には起こり得ない事を信じ込んでしまう妄想も強いです。→魂のトラブル 東洋医学からのアプローチでは魂・魄の調整も必要になってくるのかもしれません。