学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

処置後のからだで

切経で、腰部の経穴に 置鍼後にはその穴の部位を中心に 揺らぐように広がるものがあった。 (処置の前にそこに特に拾えるものが無かった) 処置後の患者は体の力が程よく抜けて 安心しているように見えた。 穴性について考察する起点にしたい。

知らず知らず

加味平胃散を飲んでいると調子が良い人の足を触らせてもらいました。   その人は普段から腐膩がたくさん付く人で、酷い時は口を開けると唾液粘性を帯びているからか糸を引く時もあった。   食事も過剰摂取気味で、脈をとると滑が顕著。   朝、腹痛が起こる事があるらしい。   腸鳴があり、食事量を減らせばゲップが無くなる。   お腹、背中は触れませんでしたが、服の上からでも何となく胃の隆起がわかる。   話を聞くと天枢あたりに痛みが走る事があるらしい。   足を触らせて頂くと右の上巨虚がパンパンで左は色が変わっていた。   下合穴は診断、治療に使えるらしいので刺してみるとどうなるか気になるところでした。   また、穴性学の本では天枢と同時に使われる事もあるが、天枢は大腸の募穴でもある。   どちらも大腸の状態が反映されやすいのかな。   しかし知らず知らず胃腸にバイアスがかかりすぎているなぁ。   初診では広くみようとしたはずなのに、いつの間にか細部に引きずり込まれている。   完全に整体観念の欠如です。   もっときちんと向き合わなくてはいけない。

上ル・下ル(01)

四方八方ありますが、 東洋医学に関して言えば、”上下” の問題をよく目にします。 上がってはいけないものが上がったり、 下げる力が弱くて下がらなかったり。 亢害承制 「肺氣の清粛下降機能は、肝木が昇発しすぎるのを防止し制御して、全身の協調と安定を保っている」 と、『中医病因病機学』においては、このバランスを保っている法則を”亢害承制”と呼んでいます。 【病理】 〇金不制木 肺金の粛降機能が失調し、肝火相火が制御できずに上昇してしまう。 〇木火刑金 肝氣不疏により気鬱が火に変化し、肺金を犯す。 【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社

舌診(02)

舌象について整理する 【舌神】 有神 生き生きとして生気があり、運動性も十分なもの。 疾病に罹患しても有神であればよい兆候。 無神 乾枯して硬く光沢もなく、生気がなく、運動性も悪い。 危急の可能性。 【舌色】 淡白舌 陽虚の為に営血不足により舌体を充養できず淡い色調となる。 紅舌 舌体の脈絡が充盈している。 絳舌 紅絳舌 営血が熱の煎熬を受け、濃縮されている為に絳舌となる。 紫舌 熱盛傷津や陰虚で気血の壅滞、陰寒での凝滞により紫色となる。 青舌 陰寒の邪により陽気凝滞し血行の瘀滞による。 【参考文献】 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

感覚と理論

ふたりの先生と寺子屋生の方に背侯診をしてもらった。 触られた瞬間に、あ!ここ嫌だなって把握できる手。 うーん、私自身もどこが不快かわからないなぁという手。 不快な所を術者が吸い込んでいくような手。 不快な所が術者と呼応するけど、 吸い込まれず淡々と通り過ぎる手は、 観察力と客観力のある手に思えた。 点、面、3D感のある触り方。 特定の線上をなぞる触り方。 体全てを覆うような触り方。 触り方から受ける印象がそれぞれに違った。 圧痛を探るような切経が当たり前と思っていたけれど、どこに重きを置くかで、常識が覆され全く違った景色が見えて興味深い。   後日、実技の授業にて。 私が痛いと言ったエリアを、パートナーが経絡の流れに沿って触れるか触れないかの力で切経した。 ある部分で腸脛靭帯から侠渓にかけてビリビリと走る点があった。 次は押圧で探していったが同じ現象は起こらず、最初の触り方でやっても何度も触っていくうちに反応点は分からなくなった。 押圧を続けているうちに順応して新鮮味がなくなってしまったのか。 反応というのは、探そうと意識すると見えなくなってしまうのかもしれない。 感覚を研ぎ澄まし精神を集中させるために相応しい環境や、光量も大切だと思った。 薄暗い灯りの中の方が陰影が生まれて 望診の時も肌肉の色が浮き上がってよく見える。 世の中はとにかく明るすぎるのかもしれない。 便利さと引換えに、感覚や感性みたいなものが 失われてしまったのかもしれない。 この間の勉強会の後、寺子屋メンバーで話していた。   “感覚的に選んだら、理論的に証明できる。 理論的に選んだら、感覚的に判断できる。” 「スクールオブグラフィックデザイン2」 水野学 著   感覚一点張りの私が、デザインの仕事をしていた時に訓練していたこと。 鍼灸の世界でも通じることだなと思う。 まだまだ磨かねばならないことがいっぱい。 今、この学びが楽しくて仕方がない。

脾胃に優しく過ごしてみました

1月7日は無病息災を願って七草がゆを食べる日!と短絡的に考えていましたが、調べてみると中国から渡ってきた風習とのこと。「人日」という五節句(陰陽五行説に由来して定着した日本の暦における年中行事を行う季節の節目の日)の1つで、「人を大切にする日」なのだそうです。 一般的に春の七草(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ)が使われていますが、何を使ってもいいみたいです。食材には五味、五性があり、春の七草は涼性の性質を持つものが多く、熱証(陽盛、陰虚)にいいとされているため、食べ過ぎて熱を持っている胃腸に優しいのかな。胃が熱を持つと過食になり、脾に負担がかかる、脾の働きが弱まると胃にも影響がでる?そもそも胃は疲れてるのになぜ過食がちになってしまうのか…と色々考えてしまいました。 人を大切にする=自分や家族のからだを大切にする日ということでもいいのかな?と私は思います。普段めったにキッチンに立つことがない私ですが、せっかくなので七草セットを買ってきて七草がゆを作ってみました。作りすぎたので明日の朝も脾胃に優しく過ごしたいと思います。

神闕

 寺子屋で診させていただいた臍は独特な形状でした。 「臍の形状は深く落ち込んでいた方が良い」 と書籍などに記載があります。 色々と空間論の話は読むが中々理解ができません。 臍の「気の偏在を診る」とはどのような診察意義があるか再度整理していきます。   【臍(神闕)及び臍周の見解】 1.臍の形の傾斜(変形)は気の偏在(邪の方向性)を示す。 2.臍周囲の緊張・膨隆は肝気と関わりがある(気滞)。 睡眠不足で神経が疲れているとき等は、臍周囲の邪(膨隆、緊張、動悸、冷え等)がみられる。 3.臍周の弛緩は生気の弱りを示す。 甚だしい場合は臍が中心から移動する。 4.臍周の気の流れの方向は時計周りである。   臍もまた、腹部の肌肉を大地と見立てた時に、地形が崩れて形状が変わるのだと思いました。 臍周囲の肌肉が上部に引きつれ緊張した場合は上逆を示し、相対的に下に引っ張る力が劣り肌肉も弛緩して平衡が崩れていることを示しているそうです。 臍の形状だけではなく、周囲の肌肉の状態を切経することで、気のベクトル=「気の偏在」を診ることが重要だとわかりました。 臍周囲の緊張、膨隆などは肝気と関わるとありますが、引っ張られる方向が左右だと肝相火に関与するのか? 腹診は邪を診ているのであるのであれば、 臍とはまた区別して考えるべきか⁈ ちょっとわからないので実践を積みながら観察していくことが、これからの課題です。   臍の中央、神闕穴についても調べてみました。 【神闕】 臍中、気舎、闕会、維会、命蒂、気合 等の別名がある。 神闕という名は外台秘要よりはじまった。 神は心に蔵される。 闕は宮城の門観である。 故に神闕は神の出入りする門である。 救急療法に用いられる所以である。 「闕」とは宮殿の門。転じて、天子の居る所。 宮城。 任脈上で心包絡の膻中穴と同じ名前でもあり、 「膻中は気の海たり」と言われることから 神闕は気の様子を伺う穴として重要そうです。   「臨床を重ねていくうちに分かるようになってきますよ」 と下野先生も仰っていました。 腹証奇覧ならぬ、臍証奇覧のようなものが できてくるのかもしれません。 楽しみです。   【参考文献】 「鍼灸療学基礎学」 代田文誌 著 「体表観察学」藤本蓮風 著 「経穴解説」 藤本蓮風 著

素問 陰陽応象大論篇(第5)から その3

<学生向け 近日開催予定のイベント> 【学生向け勉強会のお知らせ】東洋医学概論をモノにしよう! →(随時お問い合わせ受付中です!) 【学生向け勉強会】「素問を読もう!」申込み受付中です →毎週火曜19時〜 または 毎週木曜13時〜(途中からの参加も可能です。) こんにちは、大原です。 前回の続きです。 (前回の記事→素問 陰陽応象大論篇(第5)から) (前回の記事→素問 陰陽応象大論篇(第5)から その2) 前回は、「陰為味」すなわち 飲食物は陰(地)の気によって生じるという記述から 考察していきました。 続いて、今回は「味」と「気」が 身体にどのように作用するかについてを 陰陽で考察していく内容になります。 【原文と読み下し】 ・・・ 陰味出下竅、陽氣出上竅。(陰味は下竅に出て、陽気は上竅に出(い)ず。) 味厚者為陰、薄為陰之陽。(味厚き者は陰と為し、薄きは陰の陽と為す。) 氣厚者為陽、薄為陽之陰。(気厚き者は陽と為し、薄きは陽の陰と為す。) 味厚則泄、薄則通。(味厚ければすなわち泄し、薄ければすなわち通ず。) 氣薄則発泄、厚則発熱。(気薄ければすなわち泄を発し、厚ければすなわち熱を発す。) 壮火之氣衰、少火之氣壮。(壮火の気は衰え、少火の気は壮んなり。) 壮火食氣、氣食少火、壮火散氣、少火生氣。(壮火は気を食らい、気は少火に食らい、壮火は気を散じ、少火は気を生ず。) 氣味辛甘発散為陽、酸苦涌泄為陰。(気味の辛甘は発散して陽と為し、酸苦は涌泄して陰と為す。) 1行目ですが、 味(身体を作る飲食物)と気(身体を動かすための力)は、 味は有形なので身体の下竅(=尿道・肛門)へおもむき、 気は無形なので身体の上竅(=目・耳・鼻・口)へおもむく、とあります。 この関係からすると、味と気を陰陽で分けると、 味は陰で気は陽となります。 そして2〜3行目、 厚い味は陰で、薄い味は陽、 厚い気は陽で、薄い気は陰であると続きます。 すなわち、味は陰に属するので、 厚い味は陰中の陰、薄い味は陰中の陽であり、 気は陽に属するので、 厚い気は陽中の陽、薄い気は陽中の陰である、とあります。 これは 陰が厚くなればさらに陰に傾き(=陰中の陰)、 陽が厚くなればさらに陽に傾く(=陽中の陽)ということです。 気や味について陰陽の分類がなされていますが、 これらをよりイメージしやすくするために 次のように具体的な食材を考えてみました。 (私のイメージですが・・・) ・厚い味 → 濃い味の食べ物:ラーメン、スイーツ、お酒のおつまみ、・・・ ・薄い味 → 薄味の食べ物:おかゆ、豆腐、生野菜、だし汁・・・ 気についても、飲食物で喩えてみると分かりやすいかも知れません。 ・薄い気 → 程良い温度の料理、水、番茶、・・・ ・厚い気 → お酒、熱々の料理、わさびなど鼻がツンとする薬味、・・・ といったところでしょうか? これらが体内ではどのように働くかが4〜5行目にあります。 味厚則泄、→「泄」は泄瀉で下痢のことです。 薄則通。→「通」は気血がよく通じるということでしょう。 氣薄則発泄、→「発泄」とは発汗ということだと思います。 厚則発熱。→「発熱」はそのまま熱を発するということでしょう。 6行目から、「少火」と「壮火」という言葉が出てきます。 「壮火」とは壮(さか)んな火で、「気を散じ」とあることから 過度な陽気を表していると解釈され、これに対し、 「少火」とは「気を生ず」とあることから 正常な陽気を表していると解釈されます。 喩えると、 正常な体温ではなく、発熱した状態が続くと 体力が消耗してしまうようなことだと思います。 最後の行では 味の性質についての説明で 辛甘は発散する性質があるので陽、 酸苦は涌泄させる性質があるので陰、 とあり、五味の性質が書かれています。 「涌泄」とは吐下の作用すなわち 吐かせたり、下したりする作用をいうようです。 さて、五味の性質を陰陽で分けていますが、 なぜこのように分類されるのでしょう?考えてみます。 「辛」→ 働きは「散」 → 発散に働く → 陽 「甘」→ 働きは「緩」 → 気を緩める → 停滞している流れを動かす → 陽 「酸」→ 働きは「収」 → 引きしめる作用 → 陰 「苦」→ 働きは「堅」 → 固める作用 → 陰 (五味の働きについては 前回の記事→素問 陰陽応象大論篇(第5)から その2 を参照ください) ということでしょうか。 また、五味にはあと1つ「鹹」がありますが ここでは述べられていません。 考えてみますと 「鹹」→ 働きは「軟」 → 柔らかくする → 陽 となるかと思います。 味や気について、身体への作用を、 陰陽で考察してきました。 全体として抽象的な内容ではありますが、 自分なりに具体例を考えていくと面白いかも知れません。 参考文献 『黄帝内経 素問』 東洋学術出版社

喫茶店

最近の出来事。 時々行く近所のカフェに入ろうとしたら生憎の定休日だった。 そのまま帰っても良かったんだけど、普段あまり通らない場所に目を傾けてみると昔ながらの喫茶店を発見。 入ってみるとお客さんと談笑中の店員のおばあさんが愛想よく出迎えてくれた。 飲み物を準備し、自分に出し終えると再び楽しそうに談笑再開。 良い雰囲気で喋っているので、どんな会話をしているのか耳を傾けてみた。 A「私、炊飯器に直接にカレーを入れて炊き上げるねん」 B「え、そうなん?」 まあ普通の会話。 でもとても楽しそう。 そこに今の自分に必要な要素が詰まっている様な気がしました。

瘀血について

瘀血は病理産物であり、発病要因でもあり、疾病を引き起こす内部要因。 瘀血の症状は複雑多岐に渡るが、1番多いものが疼痛。 中医学では瘀血について統一された文献はないが 瘀血という病変には様々な名称があり、いずえの名称においても 病状の軽重、経過の新旧、性質などが表現されている。 (滞血、留血、閉血、蓄血、宿血、乾血、 老血、死血、敗血、悪血、賊血など) 滞血、留血、閉血:血液が蓄積して流れず、滞りふさがったもの 蓄血:一般に発病が急激で中・下焦の瘀血。全身性の瘀血を指す場合もある。 宿血、乾血、老血、死血:経過が長く、瘀積が古く短時間では散らせないもの 敗血:血が既に腐敗し正常な生理機能が失われた状態 悪血、賊血:瘀血が人体に及ぼす危害が凶悪で残忍であることの形容 たくさんの表現があるけど、どれも「瘀血」という1つの名称で まとめられている。 参考文献 新版 東洋医学概論 / 医道の日本社 中医病因病機学 / 東洋学術出版社