食べることについて②
皆さまこんにちは、イワイです。
前回の続きです。
〝後天の精〟とは生まれ持った〝先天の精〟とは別に
飲食物から補います。この後天の精の全身へのルートをみてみますと、
後天の精
↓
別名 水穀の精微といわれる
↓
一部は気、血に化生→全身の組織、器官に行き渡る
↓
残りの一部は 腎 に収まる
となっています。
次は〝精〟の作用についてです。①〜③
①生殖
②滋養→人体の組織、器官に滋養する
詳しくみてみると、
精は必要に応じて、血へ変化。
↓
血も旺盛、正常に各組織、器官を滋養。
精は気へ化生。
↓
人体の新陳代謝を推動、抑制し生命活動を維持する。
精は人体を構成する基本物質と捉えられており、
東洋医学では精が充足していると、
生理機能は正常に働くと考えられています。
③神の維持
神:広義では、生命活動の総称であり、精が充足することで、神の機能が保たれる。
狭義では、精神、意識 、思惟活動を主るもの。
ここからは、勉強した感想です。
飲食物を食べることで、西洋医学的に考えるとエネルギー源となるということ、一方で東洋医学的に考えると、エネルギー源という役割と五臓六腑が正しい働きを出来るようにしていたり、精神活動も主ることになるので、幅広い意味で捉えることが出来ることに気づきました。
【参考文献】
『新版 東洋医学概論 』東洋療法学校協会
舌診(06)
舌形について整理する
【舌形】
老
粗糙(そそう) :舌面の紋理のきめが粗い。
堅斂(けんれん):舌体が堅くしまった感じ。
蒼老(そうろう):色が濃い。
嫰
細膩(さいじ):舌面の紋理がきめ細やかで潤いがある。
浮胖嬌嫰(ふはんきょうどん):舌体がはれぼったくて柔らかい感じ。
胖大
舌体が正常よりはれぼったくて大きく、舌を伸出した時に口の幅いっぱいになる。
腫脹
舌体が堅く腫脹し、甚しければ口腔内を満たしたり、
口外に出たままで回縮・閉口ができない。
歯痕
舌体の辺縁に見られる歯による圧迫痕。
痩薄
舌体がやせて小さくなったり薄くなったもの。
裂紋
陰血が不足して舌面を栄潤できなかったり、陰津の散布を阻滞したりして発生する。
苔のみの裂紋と混同に注意が必要。
光滑
舌面に苔が無く乳頭が消失し、光ったように見える。
点刺
点は紅・白・黒色を呈し舌面の点状隆起であり、熱入営血や心肝火旺などを示す。
刺は舌面に立ち上がった軟刺や顆粒のことで、気分熱盛や胃腸熱盛などを示す。
瘀点、瘀斑
舌面より隆起しない斑点で、点状のものを「瘀点」、斑状のものを「瘀斑」という。
紫舌と同意であったり、熱入営血での斑疹出現の前兆であったり、血瘀であったりする。
舌下脈絡
舌下静脈の怒張・蛇行があれば気滞血瘀の可能性。
重舌、舌衄、舌癰、舌疔、舌瘡、舌菌
・重舌
腫脹などにより小舌が生じたように見えるもの。
小児などにみられ、心経化熱の上衝によったりする。
・舌衄
舌面からの出血で、血熱妄行や脾の不統血。
・舌癰
舌面の化膿症で大きく腫脹するのが”癰”
・舌疔
舌面の化膿症で紫色であったり小豆大であったりするのが”疔”
・舌瘡
舌面に生じるアフタ。
・舌菌
舌面から隆起する新生物。
【参考文献】
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
食べることについて①
皆さま、初めまして。
受付をしております、鍼灸学生のイワイです。
ここでは、日々の学習のことやそこで生じた疑問など様々なことについて、学生なりに書いていきます。
どうぞよろしくお願いします。
早速ですが、新年度になりました。
桜が満開で見頃を迎えてますね!
春といえば、「新しいこと」を始めるのに適した季節だというわれています。新しいチャレンジや生活など、楽しみな気持ちと新しいことに取り組む不安もあると思います。
私達の身体は何か取り組むとき必ずエネルギー、気力、体力が必要になります。
そこで、新しいことに向き合うために、日々の生活の中で欠かすことのできない〝食事〟について勉強し、食べることで身体へどういう影響がでるのか、西洋医学と東洋医学での、それぞれの概念について勉強しました。
西洋医学的には、私達が食事した際、口から入った食べ物は 口→食道→胃→小腸→大腸→肛門 という順ではいって、外で便として出て行きます。この過程の中で、体内に栄養素を取り込み、身体に必要な物資に再合成し、吸収されています。
では、東洋医学的にはどういう概念でしょうか?
東洋医学的に考えると、まず人体の構成や生命活動を維持するのに最も基本的な物資のことを〝精〟といいます。
この〝精〟には、父母から受け継いだ〝先天の精〟と飲食物を摂取することにより得られる〝後天の精〟の2つから成り立ちます。先天の精の量は生まれたときから決まっていますが、後天の精は飲食物を摂取することで絶えず補充されています。
次回は、後天の精について勉強したことを書いていきたいと思います。
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【参考文献】
「生理学 第3版 」東洋療法学校協会 編
「新版 東洋医学概論」東洋療法学校協会 編
病因について(3)
自身に降りかかった病について~
以前に目の病気を患いました。
正に、お先真っ暗・・の感がありました。
当時の健康状態では、肝臓が極めて悪い状態。
(現在は問題なく完治しております。)
【五行】
・五蔵 肝、心、脾、肺、腎
・五官 目、舌、口、鼻、耳
東洋医学の道に入り”肝”と”目”の繋がりを学ぶにつれ、感嘆します。
肝を傷る原因とは・・
【内因】
〇七情
・怒 気機を上昇させる 肝
・喜 気機を緩ませる 心
・思 気機を鬱結させる 脾
・憂 気機を鬱滞させる 肺
・悲 気機を消耗させる 肺
・恐 気機を下降させる 腎
・驚 気機の乱れを起こす 腎
当時の年月を思い出せば、”怒”というのが日常であったように思います。
肝の持ってる昇発という特性が過度となり、蔵を損傷させていたのでしょうか。
鶏が先か?卵が先か?
肝を損傷したので、易怒となるのか・・
易怒となったので、肝を損傷するのか・・
デフレスパイラルの様に悪循環に陥った先に”病”があるように思います。
〈肝火上炎〉
肝気鬱が火に変化し、気と火が上逆したために起きる事多い。
...
相手
リアルタイム
腹がリアルタイムで変化を表す場所だという事が実感できました。
場所的に当たり前ですが、逆にそこまで臓腑との結びつきが強い場所であれば腹診時は少し怖いものがあります。
気をつけたいと思います。
また、先日学校の授業で神門へ灸を受けたのですが、似たような場所の腹の変化が見られました。
脈も心の原穴にやられたからと言って寸に反応が出る訳ではない現象も見られて勉強になりました。
脈
お腹も変化していましたが、あの時脈はどう変わったのか。
今まで似た体質のお二人を見せて頂いたので、整理して治療のイメージができればなと思います。
労宮
ここでみる様にしていたのですが、この前の当て方はきちんと当たっていないというか、自分が良いなと思っていた時に感じた当て方とズレていました。
手で探る様な仕草に近づいている印象があったので改善します。
また、右手の方が感度が低いので普段から合掌して変化しないかやってみます。
案内
最初に先生に案内の仕方を教わった時、患者さんの歩くペースに合わせる事を教わりました。
意識はしていたのですが、そこの意識が甘い事に気付かされました。
改善します。
鍼灸師
きちんと人を治せる様になるために足りないものが多すぎる。
できていないことだらけですが、頑張って出来る様になりたいと思います。
相手があっての事ですが、最終的には全て自己責任。
変わるも変わらないも崩れないも自分次第。
全部受けとり、向き合い、幅広く合わせられる様に努力します。
また、本に全てを頼る訳ではありませんが、必要性を感じたので論語の勉強もやっていきます。
変わらなければいけないきっかけにまた遭遇できて本当に良かったなと思います。
気を引き締めて頑張ろう!
背中・寺
姉の身体を触らせて貰いました。
気になったのは右の腎兪のあたりのエリアが落ち込んでいると思った。
お腹を向けてもらうと夢分流腹診の表で左の腎に当たるエリアが右に比べて力がなく柔らかかった。
実際のところ背中の臓腑の反応は腹とリンクするのか、またリンクするとしたらそこに規則性はあるのか気になります…。
腹、背中と触っていたら左の踵が痒いと掻き始めたのでこれも何なのか考えてみます。
また、背候診とは別件ですが、先日京都の法然院に行ってきました。
銀閣寺から哲学の道をしばらく歩いていった場所にあるお寺なのですが、行ってみると観光客もおらずゆっくり見て周ることが出来ました。
静かなのでセミや鳥の鳴き声、水の音などをじっくり聴け、生えている苔などもとても綺麗でいい場所でした。
また気が向いた時に行こうと思います。
写真撮影可能なお寺でしたのでアイキャッチ画像に設定しています。
傷寒論の学習 その1
こんにちは。
傷寒論をはじめて勉強していく場合、
学校の教科書や入門書では
・太陽病:表寒証
・陽明病:裏実熱証
・少陽病:半表半裏証
・太陰病:裏虚寒証(脾陽の虚)
・少陰病:裏虚寒証(心腎の虚)
・厥陰病:外感病の末期で陰陽の失調
と学習していくと思います。
これらは主となる証であり、
専門書では
この主となる証のことを
「提綱証(ていこうしょう)」と言ったりします。
たとえば太陽病の提綱証は表寒証であり、
その綱となる症候として、
脈は浮脈、症状は悪寒、頭痛(頭項強痛)とされます。
太陽病以下、
陽明病では便秘、潮熱、舌は黄色く乾燥するなど、
それぞれの綱となる症候があり、
これらは入門書にも書かれていて
学校の教科書にもほとんど載っている内容ですので
国試にも出題されていますね。
さて、ここからが本題なのですが、
このような入門書や学校の教科書だけで
学習が終わってしまうと、
傷寒論のごく一部しか
知らないことになってしまうということです。
太陽病だからといって表寒証だけかというと
実はそうではなく、裏証もあります。
同様に、陽明病だからといって裏熱証だけかというと
そうではなく、
陽明病の裏寒証と分類する証候もあれば
裏虚証と分類する証候もあります。
具体的には、
太陽病の綱証は表証と述べましたが、
太陽病自体を表裏で分けて考えてみると、
太陽病には
①太陽経証
②太陽腑(実)証
があるとされています。
①太陽経証は上述した表寒証のことですが、
②太陽腑証とは
膀胱の機能が失調して小便が出ない太陽蓄水証、
瘀血が停滞する太陽蓄血証があり、
裏である膀胱腑の機能が失調するものをいいます。
表裏、虚実、寒熱、陰陽は
それぞれ相対的な概念で、
太陽病だからといって必ずしも表証であるということではなく、
表にある邪が内陥して膀胱の機能を失調させることは
可能性として
普通に考えられることです。
<続く>
五行大義(08)
学生時代に教科書『新版 東洋医学概論』より
第3章 東洋医学の思想
第2節 五行学説
Ⅱ 東洋医学における五行学説の運用
のところに
『五時(春、夏、長夏、秋、冬):五時は四季(春夏秋冬)に土用を加えたものであり、五季という・・ 』
ここに違和感を覚えておりましたが、
五行大義を拝読し、全てを網羅した分けではありませんが、
五時ではなく、四時(春、夏、秋、冬)としての記述であり、”土”は別の価値観としてあります。
この四時とした方が、立体的に五行として捉えており、
五時(春、夏、長夏、秋、冬)とした場合の、平面的な詰め込んだような違和感が無いように思います。
精査を続けたいと思います。
第二辯體性 (淮南子云)
「形体と性質について」淮南子(思想書)から引用すると、
淮南子云、天地之襲精爲陰陽。
陰陽之專精爲四時、四時之散精萬物。
積陰之寒氣、反者爲水、積陽之熱氣、反者爲火。
水雖陰物、陽在其内。
故水體内明。
火雖陽物、陰在其内。
故火體内暗。
木爲少陽、其體亦含陰氣。
故内空虚、外有花葉。
敷榮可觀。
金爲少陰、其體剛利、殺性在外、内亦光明可照。
土苞四德。
故其體能兼虛實。
淮南子がいうには、天地の襲精は陰陽となす。
陰陽の専精は四時となす、四時の散精は万物なり。
積陰の寒気、反なるもの水となし、積陽の熱気、反なるもの火となる。
水 陰物といえども、内に陽あり。
故に水の体内は明なり。
火 陽物といえども、内に陰あり。
故に火の体内は暗なり。
木 少陽たり、その体または陰気を含む。
故に内は空虚、外は花葉あり。
敷栄して観ることが出来る。
金 少陽たり、その体は剛利、殺性は外にあり、内はまた光明して照らすことが出来る。
土 四徳を苞む。
故にその体はよく虚実を兼ぬ。
【参考文献】
『五行大義』株式会社 明德出版社
『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社
京都薬用植物園の麻黄
先日、武田薬品工業(株)京都薬用植物園の『初秋の研修会』に行ってまいりました。
東洋医学の理解の為に、漢方の勉強の一環です。
ガイドの案内で植物園を一周します。
管理する研究員の方々は展示に趣向を凝らしていました。
「麻黄は砂漠に生息しているので、砂漠を模したスペースを造園中です」との事。。
『中薬学』などで、麻黄の効能(辛温解表薬・・)などについて書物の中を散策する事はありましたが、その植物の生息環境を考える事はありませんでした。
その気づきを頂いただけでも行った甲斐はあったように思います。
実際には麻黄の種類も豊富で砂漠のみの生息ではないようですが、基本的には乾燥した地域に生息するようです。
”乾燥した地域に生息し、解表薬となる”
この自然環境が導き出した答えに、探求心が沸き起こります。
水の上限で潤いの必要な華蓋に対して、効能のある植物が乾燥した地域に生息し、成分を蓄える・・
私は中国で砂漠となると、思いつくのがタクラマカン砂漠でした。ゴビ砂漠もあり、砂漠は実際には複数存在します。
解表、皮毛、肺、砂漠・・西?、金の相生⇒水
『五行大義』
金居少陰之位。西方成物之所。物成則凝強。少陰則清冷。故金以強冷為體、従革為性。
現在は『五行大義』をよく読みますが、面白いルールが隠れていうように思えて仕方がありません。
【参考文献】
中薬学(東洋学術出版社)
方剤学(東洋学術出版社)
五行大義(明德出版社)
朱丹溪の処方について。
反佐論
『たとえば近代の医家が宗とし法とするものに丹渓の書がある。その朱丹溪が呑酸を治療する際には炒黄連(さおうれん)を君とし呉茱萸(ごしゅゆ)を佐とする《左金丸》のが常である。また心腹が痛むものを治療する際には、山梔子(さんしし)を倍加して炒乾姜(さかんきょう)を佐とするとよいと言っている。このように寒薬を君とし熱薬を佐とするような処方の構成は、私には理解できない。もしその症状が熱によって出ているものなら冷やせばよいだろうが、どうしてさらに呉茱萸や生姜といった熱する薬を用いるだろうか。もしその症状が寒によって出ているものなら熱せばよいだろうが、どうしてさらに黄連や梔子といった冷やす薬を用いるのだろうか。・・・その疾病の原因を理解できないので、熱薬を用いたり寒薬を用いたりするのである。また、病状と方剤の寒熱が同じか違うかを判断できないので、その病気に対して真の見解を持つことができず、寒熱両方の見解を持ったまま治療していくことになるのである。これが医家における病の最たるものであり、自分自身を深く反省しよく戒めなければならないところである。』
黄連 :清熱燥湿、清熱瀉火、瀉火解毒
呉茱萸 :暖肝・散寒止痛、下気止嘔
山梔子 :清熱瀉火・除煩、清熱利湿、清熱涼血・止血、清熱解熱
炒乾姜 :温中散寒、回陽通脉、温肺化痰・化飲
左金丸(別名:回令丸、萸連丸):清肝瀉火、降逆止嘔
君薬 :主となる病態を治療するもので配合薬の中で最も重要なもの
臣薬 :君薬の作用を強めたり主証に付随する兼証を治療するもの
佐薬 :君薬・臣薬を補助するもの
使薬 :諸薬を調和したり服用しやすくするもの
張景岳は景岳全書の陰陽論の中で劉河間と朱丹溪を、陰陽に対しての治療方針について批判的でありましたが、反佐論の中でも丹渓の書を用いて説明がされています。
病因の把握、治療方針の見立てなど、歴代の医家達にも様々違いがあるように難しいところなのかと思います。
そして、そこが研究し続ける重要なテーマに思います。
【参考文献】
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
『中薬学』東洋学術出版社
『方剤学』医歯薬出版株式会社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社









