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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

六經病機(02)

太 (01)はなはだしい。 (02)とおる。 (03)おおきい。 (04)尊稱に用いる。→太后、太君など (05)秦・大に通ず。 (06)夳に同じ。 (07)姓。 明 (01)あきらか。あかるい。 (02)あきらかにする。 (03)あきらかに。はっきりと。 (04)あける。夜がしらむ。 (05)よあけ。あけがた。 (06)あけて。つぎ。 (07)ひる。日中。 (08)あかるみ。 (09)おもて。そと。うわべ。 (10)ほがらか。 (11)おこる。ひらく。 (12)大きい。 (13)さかん。 (14)陽。陰の對。 (15)雄。雌の對。 (16)有形。 (17)この世。現世。 (18)かみ。神靈。 (19)日。月。星。 (20)天。 (21)賢人の述作をいう。 (22)よく治まる。ひらけた國。 (23)視力。 (24)たぐふ。 (25)水道。水の流れみち。 (26)ちかう。盟に通ず。 (27)萌に通ず。 (28)孟に通ず。 (29)猛に通ず。 (30)望に通ず。 (31)朝代の名。朱元璋が元を滅ぼし建てた國。 (32)諡。 (33)姓。 (34)眞言の異名。 少 (01)すくない。すこし。 (02)すこしく。わずか。やや。 (03)すくなしとする。不足に思う。 (04)そしる。かろんずる。 (05)しばらく。しばらくする。 (06)おとる。 (07)かすか。おとろえる。 (08)へる。 (09)かく。 厥 (01)石を発掘する。 (02)ほる。 (03)つくす。つきる。 (04)つく。突きたてる。 (05)病名。のぼせ。足が冷え、頭がのぼせる。 (06)その。それ。 (07)の。 (08)句調を調へる助辭。 (09)みじかい。又、尾の短い犬。 (10)石の名。 (11)ゆれ動くさま。 (12)蹶に通ず。 (13)橛に通ず。 (14)古は氒につくる。 (15)姓。 【参考文献】 『大漢和辭典』大修館書店 (太:第三巻763頁、明:第五巻763頁、少:第四巻89頁、厥:第二巻659頁) 『中医病因病機学』東洋学術出版社

五行大義(08)

学生時代に教科書『新版 東洋医学概論』より 第3章 東洋医学の思想 第2節 五行学説 Ⅱ 東洋医学における五行学説の運用 のところに 『五時(春、夏、長夏、秋、冬):五時は四季(春夏秋冬)に土用を加えたものであり、五季という・・ 』 ここに違和感を覚えておりましたが、 五行大義を拝読し、全てを網羅した分けではありませんが、 五時ではなく、四時(春、夏、秋、冬)としての記述であり、”土”は別の価値観としてあります。 この四時とした方が、立体的に五行として捉えており、 五時(春、夏、長夏、秋、冬)とした場合の、平面的な詰め込んだような違和感が無いように思います。 精査を続けたいと思います。   第二辯體性 (淮南子云)  「形体と性質について」淮南子(思想書)から引用すると、 淮南子云、天地之襲精爲陰陽。 陰陽之專精爲四時、四時之散精萬物。 積陰之寒氣、反者爲水、積陽之熱氣、反者爲火。 水雖陰物、陽在其内。 故水體内明。 火雖陽物、陰在其内。 故火體内暗。 木爲少陽、其體亦含陰氣。 故内空虚、外有花葉。 敷榮可觀。 金爲少陰、其體剛利、殺性在外、内亦光明可照。 土苞四德。 故其體能兼虛實。 淮南子がいうには、天地の襲精は陰陽となす。 陰陽の専精は四時となす、四時の散精は万物なり。 積陰の寒気、反なるもの水となし、積陽の熱気、反なるもの火となる。 水 陰物といえども、内に陽あり。 故に水の体内は明なり。 火 陽物といえども、内に陰あり。 故に火の体内は暗なり。 木 少陽たり、その体または陰気を含む。 故に内は空虚、外は花葉あり。 敷栄して観ることが出来る。 金 少陽たり、その体は剛利、殺性は外にあり、内はまた光明して照らすことが出来る。 土 四徳を苞む。 故にその体はよく虚実を兼ぬ。 【参考文献】 『五行大義』株式会社 明德出版社 『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社

中国の思想(02)

老子 八章 水にまなべ 上善若水。 水善利万物而不争、処衆人之所悪。 故幾於道。 居善地、心善渕、与善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。 夫唯不争、故無尤。 上善は水のごとし。 水はよく万物を利して争わず、衆人は悪なる所におる。 故に道にちかし。 居は地に善し、心は渕に善し、与は仁に善し、言は信に善し、正は治に善し、事は能に善し、動は時に善し。 夫れただ争わず、故にとが無し。 上善は水のごとし 「水は方円の器に随う」といい、「行雲流水」という。 いずれも水の流動してやまぬところをひいてのたとえだが、 老子は水にダイナミックな「不争の徳」を象徴させた。流動するからこそ力をもつのである。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P42) 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店

朱丹溪の処方について。

反佐論 『たとえば近代の医家が宗とし法とするものに丹渓の書がある。その朱丹溪が呑酸を治療する際には炒黄連(さおうれん)を君とし呉茱萸(ごしゅゆ)を佐とする《左金丸》のが常である。また心腹が痛むものを治療する際には、山梔子(さんしし)を倍加して炒乾姜(さかんきょう)を佐とするとよいと言っている。このように寒薬を君とし熱薬を佐とするような処方の構成は、私には理解できない。もしその症状が熱によって出ているものなら冷やせばよいだろうが、どうしてさらに呉茱萸や生姜といった熱する薬を用いるだろうか。もしその症状が寒によって出ているものなら熱せばよいだろうが、どうしてさらに黄連や梔子といった冷やす薬を用いるのだろうか。・・・その疾病の原因を理解できないので、熱薬を用いたり寒薬を用いたりするのである。また、病状と方剤の寒熱が同じか違うかを判断できないので、その病気に対して真の見解を持つことができず、寒熱両方の見解を持ったまま治療していくことになるのである。これが医家における病の最たるものであり、自分自身を深く反省しよく戒めなければならないところである。』 黄連  :清熱燥湿、清熱瀉火、瀉火解毒 呉茱萸 :暖肝・散寒止痛、下気止嘔 山梔子 :清熱瀉火・除煩、清熱利湿、清熱涼血・止血、清熱解熱 炒乾姜 :温中散寒、回陽通脉、温肺化痰・化飲 左金丸(別名:回令丸、萸連丸):清肝瀉火、降逆止嘔 君薬 :主となる病態を治療するもので配合薬の中で最も重要なもの 臣薬 :君薬の作用を強めたり主証に付随する兼証を治療するもの 佐薬 :君薬・臣薬を補助するもの 使薬 :諸薬を調和したり服用しやすくするもの   張景岳は景岳全書の陰陽論の中で劉河間と朱丹溪を、陰陽に対しての治療方針について批判的でありましたが、反佐論の中でも丹渓の書を用いて説明がされています。 病因の把握、治療方針の見立てなど、歴代の医家達にも様々違いがあるように難しいところなのかと思います。 そして、そこが研究し続ける重要なテーマに思います。   【参考文献】 『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店 『中薬学』東洋学術出版社 『方剤学』医歯薬出版株式会社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

自分、胆経

  自分 頭ばっかり使うタイプなので、極力頭を使わずに1人で暗い世界で生きていこうと思ったけどその中で自分を失ったら意味がない。   人それぞれのやり方はあると思いますが、自分自身に過度な自己否定も行ってはいけない。   奥底にしっかりと自分を持ち、外は柔らかい状態で相手に合わせる。   つけ上がらせず、奥底の正しい位置でしっかり抱え込んでいれば外への興味も湧いてくる。   また、外界の物事に引っ張られてはいけないけど、形は合わせなければいけない。   形を合わせるために色んなことを学んでいかなければいけないし、全部できる様にならなければいけない。   しっかり抱え込んでいればどんな形にもなれる。   現状として、自分が崩れてしまったせいで弱いものへの合わせ方をさせてしまっている。   過去にあった事実は変えられないので、それはそれとして受け入れた上でやっていくしかない。   胆経 胆経で停滞が起こっている時、丘墟にも出るとは思うのですが、もう少し上の懸鐘あたりも反応が出る事もあると思いました。   表裏なので背景に肝鬱が絡んだ邪気かもしれません。   この状態を変えるにはどうするか、色んな角度からみていきたいと思います。

始めまして、のご挨拶。

徒然なるままに、日暮らし、キーボードに向かいて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 …… 始めまして。 某所にて、鍼灸学校での2年生をさせていただいております、仁と申します。 この度、ご縁があり、一鍼堂さまの東洋医学研究所で学生Blogを書かせていただくこととなりました。年齢は三十路半ば過ぎ、独身男性とだけ…… 私は2005年、メンタルや睡眠の不調をきっかけに鍼灸に出会い、それから寛解やぶり返しを繰り返しつつ、徐々に良くなってきていき、定期メンテナンスの意味も込めて、鍼灸の患者を13年ほどやってます。 また、その間、色々な鍼灸院を渡り歩き、一般患者向けの東洋医学の勉強会にも参加させていただいたことがあります。 なので、私の心身の中において、東洋医学については、偏った思想・知ったかぶりの姿勢が根深く存在します。 ひょんなことから、東洋医学をやる鍼灸師となろうと決意したものの、その偏った「どうしょうもない、もう一人の自分」と格闘している真っ最中です。 東洋医学の鍼灸医術は、他の医療職とは違うベクトルの勉強方法……中国を始めとした他国の文献(をベースにした日本製の教科書)をチェックし、それだけでなく、自分の感性、五感を研ぎ澄ます訓練・稽古を、心身にインストールしつづけなければなりません。 …… 要は、「ショッカーに誘拐されて、現在進行形で改造手術を受けさせられてる、昭和の仮面ライダー」の【候補生】といったところでしょうか。 ※適切な例えかどうかはさておき…… その【候補生】が、 ★「イーッ!」と叫んで騒ぐだけの「単なる戦闘員」という名の【モブキャラ】で終わるのか。 ★毎週、仮面ライダーに殺られる、気持ち悪いデザインの「怪人」という名の【当て馬】で終わるのか。 それとも………… ★「そこ」から逃げて、普通の人間には戻れない悲壮感を持ちながらも、腹を括って覚悟を決めて、【仮面ライダー】として生きていくのか。 正直、自分自身、全く自信がありません。 でも、乗りかかった船です。やれるだけやってみます。 …… 現在は、一鍼堂さまにおける、林院長の治療や先生方の勉強会や、各種鍼灸勉強会に参加させていただきつつ、また、学校で学んだことを活かし、試行錯誤・悪戦苦闘しながら、自分自身や家族・親族の病気・不調・不定愁訴を治療をしています。 ※人体実験…… それらの経験を生かして、中間目標としては、猛烈に高難易度になった、2020年度のはり師・きゅう師の国家試験の合格と、 それを通過点とし、さらには、2025年までには社会福祉士や精神保健福祉士も取得したいなと考えております。 (社会福祉士は2017年1月の国試で2点たりず、不合格……いつかはリベンジしたい。) また、将来的には、 ・自閉症スペクトラム障害や発達障害、精神疾患や睡眠障害などの、いわゆる「気の病」に強い鍼灸師になれないか? ・鍼灸・福祉・合気道を三位一体で組み合わせた、統合療育院ができないか? との漠然としたコンセプトと方向性を持ちながら、日々、基礎研究に励む毎日です。 ………… Blog記事のポリシーは、「Keep it rockin'!!」でいきます。 ですが、くれぐれも、「深夜に書いたラブレター」な記事を乱発する口先だけ人間にならないように、林先生はじめ、一鍼堂の先生方、諸先輩方、また読者の皆々様からのご指導ご鞭撻のほど、切によろしくお願いします。
庭園

『舌鑑弁正 訳釈』より”紅にて震える舌”から学ぶ。

こんにちは稲垣です。 顫動する紅舌を『舌鑑弁正 訳釈』より学びます。 第一百十三、紅戦舌。 鸇掉不安、蠕蠕微動也。 深紅、赤紅而戦者、宜三黄石膏等湯。 紫紅、瘀紅而戦舌、宜三黄白虎大承気。 淡紅而戦者、宜十全大補湯。 鮮紅、灼紅而戦舌者、宜六味地黄湯、 此舌虚火、実火皆有之(均裏証、無表証)、誤治即壊。 旧説指為汗多亡陽或漏風所致、 且不詳弁而概用温補、謬也。 (引用:『舌鑑弁正 訳釈』P244~245) 第113 紅戦舌 舌の震えが止まらずクネクネする。 深紅・赤紅で震えるものは、三黄石膏湯がよい。 紫紅・瘀紅で震えるものは、三黄白虎大承気湯がよい。 淡紅で震えるものは、十全大補湯がよい。 鮮紅・灼紅震えるものは、六味地黄湯がよく、 この舌は虚火・実火ともにあり(ひとしく裏証で、表証はない)、誤治は壊証になる。 旧説は汗多くて亡陽であったり、漏風によるというが、 詳しく調べずに概して温補を用いるのは、間違っている。 ※十全大補湯については《和剤局方》を出典とする 『中医臨床のための 方剤学』と『舌鑑弁正 訳釈』の生薬について 成分が一部異なっており、精査していきたいと思います。 梁玉瑜は旧説の主治の方として紅戦舌に対して温補剤を一概に用いる事に注意を促し、 戦舌でも、紅舌の様々について湯液を選定されています。 《戦舌》 深紅・赤紅 → 解表清裏剤 「三黄石膏湯」 紫紅・瘀紅 → 寒下剤   「三黄白虎大承気湯」 淡紅    → 氣血双補剤 「十全大補湯」 鮮紅・灼紅 → 補陰剤   「六味地黄湯」 舌体がふるえ動いたり、舌筋がぴくぴくと動き、自分では制御できないことである。 「顫動舌」「顫抖舌」「舌顫」「舌戦」などと呼ふ。 虚損あるいは動風によって生じ、筋脈が陽気の温養と陰液の濡潤をえられないために 安寧を欠いて顫動したり、肝風内動にともなって振戦が引き起こされる。 (引用:『中医臨床のための 舌診と脈診』P30) 内熱の強そうな患者さんの、手足に動きがあるのが気になっており、 戦舌の特徴を調べることにより、熱と体の動きとの共通点を見つける事ができたらと考えました。 現時点では明確な発見には至っておりませんが、今後につなげたいと思います。 【参考文献】 『舌鑑弁正 訳釈』たにぐち書店 『中医臨床のための 方剤学』医歯薬出版 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版

異名同穴①

一穴で異なった複数の名称をもつものをいう。経穴名は古い伝承から生まれたものであるが、 明らかにもともと異なった名称があったものと、伝承中に誤って伝えられたものなど、 成書によっていくつかの異なった名称が記載されている。異名同穴には次のようなものがある。 ①1つの異名のあるもの 穴名         異名 頭の竅陰穴  :   枕骨穴 陰市穴    :   陰鼎穴 維道穴    :   外枢穴 陰胞穴    :   陰包穴 会陽穴    :   利機穴 解谿穴    :   鞋帯穴 関衝穴    :   関沖穴 間使穴    :   鬼路穴 下膠穴    :   下窌穴 曲差穴    :   鼻衝穴 氣衝穴    :   羊屎穴 玉堂穴    :   玉英穴 肩膠穴    :   肩窌穴 丘墟穴    :   坵墟穴 期門穴    :   肝募穴 侠白穴    :   夾白穴 肩井穴    :   膊井穴 下脘穴    :   下管穴 下廉穴    :   手の下廉穴 迎香穴    :   衝陽穴 下関穴    :   幽門穴 強間穴    :   大羽穴 曲鬢穴    :   曲髪穴 懸鍾穴    :   絶骨穴 後頂穴    :   交衝穴 合谷穴    :   虎口穴 巨闕穴    :   心募穴 五会穴    :   頭五会穴 五處穴    :   巨處穴 神庭穴    :   髪際穴 神道穴    :   臓兪穴 腎兪穴    :   高蓋穴 支溝穴    :   飛虎穴 志室穴    :   精宮穴 照海穴    :   陰蹻穴 至陽穴    :   肺底穴 上髎穴    :   上窌穴 上廉穴    :   手の上廉穴 少沢穴    :   少吉穴 少府穴    :   兌骨穴 小商穴    :   鬼信穴 商陽穴    :   絶陽穴 商曲穴    :   高曲穴 次膠穴    :   次窌穴 水分穴    :   分水穴 前谷穴    :   手の太陽穴 清冷淵穴   :   清冷泉穴 束骨穴    :   刺骨穴 大迎穴    :   髄孔穴 大包穴    :   大胞穴 大杼穴    :   背兪穴 大椎穴    :   百労穴 大巨穴    :   液門穴 大横穴    :   腎気穴 地倉穴    :   会椎穴 中衝穴    :   中冲穴 中緒穴    :   下都穴 中封穴    :   懸泉穴 中庭穴    :   龍頷穴 輙筋穴    :   神光穴 地機穴    :   脾舎穴 天衝穴    :   天冲穴 天鼎穴    :   天頂穴 天牖穴    :   天聴穴 天膠穴    :   天窌穴 天池穴    :   天会穴 天谿穴    :   天溪穴 手の三里穴  :   鬼邪穴 乳根穴    :   薜息穴 乳中穴    :   當乳穴 脳空穴    :   顳顬穴 魄戸穴    :   魂戸穴 扶突穴    :   水穴 風門穴    :   熱府穴 腹哀穴    :   腸哀穴 僕参穴    :   安邪穴 目窓穴    :   至栄穴 幽門穴    :   上門穴 兪府穴    :   輸府穴 陽白穴    :   揚白穴 陽池穴    :   別陽穴 陽交穴    :   足髎穴 梁丘穴    :   跨骨穴 蠡溝穴    :   交儀穴 列欠穴    :   童玄穴 霊墟穴    :   霊墻穴 顱息穴    :   顱顖穴 或中穴    :   惑中穴 和膠穴    :   和窌穴 学生の頃、経穴の覚え方として意味を考えて理解するようにしていました。 例えば ”至陽穴(督脈上、第7胸椎棘突起下方の陥凹部)”ですが、下から上がって膈に当たる所、 つまり「下焦からみて上焦との境目の横隔膜にたどり着いた所」なのかなと。 (この高さにある同列の経穴は”膈兪””膈関”) ”至陽穴”の異名として”肺底穴”とあり、これは上から下に向かって膈に当たる所、 つまり「肺臓から見た場合に横隔膜という底に突き当たる所」という事なのでしょうか。 下から見た場合、上から見た場合の別名があるのが面白いと思います。 歴代の治療家、地域、治療穴の用途の違いによって違いが表れているようで、 経穴の特性を覚えるいい手助けになりそうです。   【参考文献】 『鍼灸医学事典』医道の日本社 『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
早朝の緑地公園から北の空をのぞむ

【用語集】心腎不交

心腎の関係をあらわす言葉として、 「心腎交通」がある。 本来、 「火」の性質をもつ心と、 「水」の性質をもつ腎とが互いに制約する関係にあり、 心陽が腎に下り、腎水を温め、 腎精が蒸されて上にあがることで、 心が滋養を受けるといった循環が見受けられる。 このような関係を「水火相済」ともいう。 この循環が崩れる事により、 心腎が交通しなくなることを 「心腎不交」という。 心火が上炎することで上に偏ったり、 心気が不足し下に降りきらないことで 心が腎に下らず交わらなくなる。 その結果、 腎水を心の熱で枯らすことで、 腎水も心に上ることが出来なくなり、 心火がますます盛んとなる。 このような状態を 「水火不済」ともいう。 参考文献: 『黄帝内経素問』 『黄帝内経霊枢』 『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社 『基礎中医学』 神戸中医学研究会 『中国医学辞典』 たにぐち書店 『臓腑経絡学』 アルテミシア 『鍼灸医学事典』 医道の日本社

傷寒論の学習 その1

こんにちは。 傷寒論をはじめて勉強していく場合、 学校の教科書や入門書では ・太陽病:表寒証 ・陽明病:裏実熱証 ・少陽病:半表半裏証 ・太陰病:裏虚寒証(脾陽の虚) ・少陰病:裏虚寒証(心腎の虚) ・厥陰病:外感病の末期で陰陽の失調 と学習していくと思います。 これらは主となる証であり、 専門書では この主となる証のことを 「提綱証(ていこうしょう)」と言ったりします。 たとえば太陽病の提綱証は表寒証であり、 その綱となる症候として、 脈は浮脈、症状は悪寒、頭痛(頭項強痛)とされます。 太陽病以下、 陽明病では便秘、潮熱、舌は黄色く乾燥するなど、 それぞれの綱となる症候があり、 これらは入門書にも書かれていて 学校の教科書にもほとんど載っている内容ですので 国試にも出題されていますね。 さて、ここからが本題なのですが、 このような入門書や学校の教科書だけで 学習が終わってしまうと、 傷寒論のごく一部しか 知らないことになってしまうということです。 太陽病だからといって表寒証だけかというと 実はそうではなく、裏証もあります。 同様に、陽明病だからといって裏熱証だけかというと そうではなく、 陽明病の裏寒証と分類する証候もあれば 裏虚証と分類する証候もあります。 具体的には、 太陽病の綱証は表証と述べましたが、 太陽病自体を表裏で分けて考えてみると、 太陽病には ①太陽経証 ②太陽腑(実)証 があるとされています。 ①太陽経証は上述した表寒証のことですが、 ②太陽腑証とは 膀胱の機能が失調して小便が出ない太陽蓄水証、 瘀血が停滞する太陽蓄血証があり、 裏である膀胱腑の機能が失調するものをいいます。 表裏、虚実、寒熱、陰陽は それぞれ相対的な概念で、 太陽病だからといって必ずしも表証であるということではなく、 表にある邪が内陥して膀胱の機能を失調させることは 可能性として 普通に考えられることです。 <続く>