春
試験が終わり、色んなことに挑戦する余裕が出てきました。
色々調べていくと、1、2回生の時の様に好きな事に浸かっていき、その中で想像が膨らんで楽しいです。
最近は「生きるとは何なのか」といったテーマで調べ物を進めています。
その中で季節感というものも改めて取り入れたいと思いました。
今の季節で言うと春に何を感じるか。
1日1日と変わりますが、今は冬のキリッとした厳しさに比べてフワフワする日が多い様な…
色々体感しながら学びを進めていきます。
鍼治療を受けて
先日鍼治療を受けて感じたこと
鍼を置かれた後、
即座に足底の方に向けて動き出す
勢いがあってまるで足から抜けていくような動き
同時に大きな呼気が生じる、
呼吸が何度か続けて起こる。
ふと治療に入る前に心に抱えていた、感情的なこだわり
(直近で起こった事について「解せない」と思う、苛立ち、怒りに似た感情)
が手放せて軽くなったことに気づく
(これは気滞に当てはまるのか?)
この直後に体の別の部位、
肩の力みについて意識が入り、肩の緊張が緩む。
この肩の力みは腰の弱さ(慢性腰痛あり)と関連していると自覚する
____________________________
ある部分の滞りが他の部位にも波及していくように
ほどける時にも推進力のようなものが働くのだろうか
普段はおとなしい腰痛が悪化する時には、
体が疲労倦怠の状態にあることが多い。
腰に違和感を感じ始めた後に続くのが、
上半身と下半身の疎通不良、からだ全体の動きの硬さや気鬱の症状
(気虚が先で、気滞が後か?)
記事を書きながら、考えていたが
「どちらが」という検討に意味がないと思えてきた
ただ、はっきりとしたこと
これまでは気病が4種に分類されていること、
この4つをこれまで概念的にしか見てこなかった。
表れる症状を単語と結んで並べていただけだった。
痹と痺
もう直ぐ国家試験となると授業も過去問を対象とした時間が大半です。
期末試験は期間がとれないので、各教科の試験は授業内で実施されていきます。
試験や資料の誤字については3年間で、かなり慣れました。
○ 井・滎・兪・經・合
× 井・榮・兪・經・合
○ 噯氣
× 曖氣 など
本日は痹と痺について
痹(ひ)
1⃣しびれる
2⃣リウマチ
痺(ひ)
1⃣うずらの雌
大漢和辞典の”痺”の欄には”参考”として「俗に此の字を痹に用いるは誤」と、
『字彙』からの引用も記載されています。
「痺與痿痹字不同」との事。
※字彙(じい)は、明代の梅膺祚(ばいようそ)により編纂された中国の漢字字典。
明の時代から「同じ字じゃないよ」との注意書きがある以上、
出来るだけ正確を期したいと”しびれる”は”痹”で書き通しておりますと、
同じような人がいた時に、ほっこりします。
【参考文献】
『大漢和辞典』(株)大修館書店
中国の思想(08)
老子
六十三章 聖人は大をなさず
為無為、事無事、味無味。
大小多少、報怨以徳。
図難於其易、為大於其細。
天下難事必作於易、天下大事必作於細。
是以聖人終不為大。
故能成其大。
夫軽諾必寡信、多易必多難。
是以聖人猶難之。
故終無難矣。
無為をなし、無事を事とし、無味を味わう。
小を大とし少を多とし、怨みに報ゆるに徳をもってす。
難きをその易きに図り、大をその細になす。
天下の難事は必ず易きより作り、天下の大事は必ず細より作る。
ここをもって聖人はついに大をなさず。
故によくその大を成す。
それ軽諾は必ず信寡く、易きこと多ければ必ず難きこと多し。
ここをもって聖人すらなおこれを難しとす。
故についに難きことなし。
(引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P101~103)
” 怨みに報ゆるに徳をもってす。”
解説の中には「大戦後の蒋介石による対日政策の基調をこの言葉に置いたのを
民族の総意の表現だったと見られる。」とある。
中国大陸に残留孤児が多かったのを
民族性と連ねる説を読んだことがあり、符合するように思います。
その地域性を感じる事ができたようで、面白く思いました。
そして日々の生活の中で
決して偉そうにしない”立場ある人”と出会う度に、
丁寧に一つ一つを対応される姿をみて感心することがあります。
この延長線上に大事ができるのだろうな、、と思います。
先ずは、小さな事をおろそかにしないように心がけたいと思います。
【参考文献】
『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店
手の置き方 など
礼儀
こちらがどう思おうが、伝わらなかったら意味がない。
過剰なものは不必要だけど、最低限の事を伝えられなかったら相手にも失礼だし、自分の心持ちも悪くなる。
気をつけます。
空気感
体質によって作られる空気感を言語化できる様になれればなと思います。
心脾両虚の人はどこか「心が丸裸」で繊細な印象で、
肝火がある時は「空気が怒気(?)を孕んでて見てて怖い」など
言動、様子などでもある程度弁証できる気がしています。
先入観になってはいけないので、実際の体の反応と結びつけて勉強していければなと思います。
熱
学校の授業で灸を行ったり、熱を持たせられる様な実技が多いです。
先週受けた授業で、自身の体に熱が籠っていた。
後の反応として、翌日「こうなるかも?」と伝えて頂いていた事と、一時的に体が熱くなり放熱する様な感覚を覚えた。
どこかに出口はあると改めて実感しました。
手の置き方
先週ご指摘頂いた腹診時の手の置き方、問題は自分の意識にあると感じた。
もし患者さんに
「ここの手を置いて下さい」
と言われたらああいった感じにはならないと思う。
問診・切経に合意してご協力頂いたのだから、患者さんにとっての失礼はあってはいけないけど、こちら側で作った問題を持ち込む訳にはいかない。
明日の課題です。
山楂子など
山楂子
実験として無理して食事を大量に摂取。
やはり次の日は大ダメージ。
症状として気になったところは鼻詰まり・咳・軽い腰痛・股関節痛
舌下静脈が浮き出て、脈は沈気味になった。
行った実験は山楂子を大分多めに摂取。
気になる原穴付近にも体感として反応あり。
勿誤薬室方函口決には浄府湯という処方がありますが、ここで大切なのは山楂子だと思いました。
ネットでは処方構成、文章を確認しましたが今手元に本がないので、また原文を確認したいと思います。
とにかく身体への現れ方がとても勉強になりました。
命
生命の危機に瀕したとき、人間は一番能力を発揮する。
最近そう思う事が増えました。
事象
東洋医学を考えるとき、文字面になってはいけない。
一定の揺らがない法則があり、それは日常の現象でも当たり前に観測される。
人間も自然の中の一部なのだからそれは当てはまる。
そのイメージを持ってくると見えてくるものもあるのではないか。
そう考えてみています。
環境
沢山の勉強をさせて頂いている本当にありがたい環境にいるなと思います。
発見があるとやはり嬉しいし、拡がってくる。
しかしそうなった時に怖いのが自分。
それが日常になっては絶対にいけない。
自分自身で非日常にする努力を行うべきで、そこに甘えてしまう事は本当に恥ずかしい事だと思います。
自分なんて碌でなしを肯定するわけにはいかない。
切脈一葦 上巻1
こんにちは、大原です。
前回まで、『切脈一葦』の序文を
2回に分けて読んでいきました。
前回の記事 (切脈一葦 序文2)
今回から、上巻を読んでいきます。
切脈一葦 巻の上
常陽 中茎謙 著
脈位
寸口の脈は、顕然として見(あらわ)る処なり。
故に上古より今に至る迄、
動脈の流行をここに診して。
血気の盛衰をうかがうこと何の時より始めと云うことを。
明らかにせずといえども、古書に脈を論ずるときは、
必ず寸口を主とするを以て考えるときは
上古の脈位なるこを疑いなし。
寸尺は、人の体より出(いで)たる者にて、説文に、
「周制の寸尺(すんしゃく)咫(し)尋常の諸度量は、皆人体をもって法と為す」と。
の語あり。
家語に、
「指を布(し)き寸を知る。
手を布(し)き尺を知る。
肘を舒(の)ばし尋(ひろ)を知る、の語あり」。
素問に、
「尺内の両傍はすなわち季肋なり」の語あり。
また、寸尺按じるの語あり。
霊枢に、「尺を調う」の語あり。
これらの語を合わせて考えるときは、人の体を指して尺と称すること、見るべし。
尺は度量の統名なるをもってなり。
調尺の尺は広く人身を指し、
尺内の尺は腹を指す。なお腹内というが如し。
尺寸の尺は手を指す。
寸に対するをもってなり。
寸口は尺を診するところなるをもって名づけ、
尺沢は尺より寸に、血脈の流行する処をもって名づけたる者なり。
動脈の見る処多しといえども、
その著名なる者は、寸口を第一とす。
人迎趺陽は、これに次ぐ者なり。
人迎は常に寸口より大く、
趺陽は、常に寸口より小なる者は、脈道に本末あるをもってなり。
これ仲景氏の寸口人迎趺陽をもって三部と為すといえども
その大ならず。
小ならざる所の寸口を主として、人迎趺陽を参考に備えるゆえんなり。
虛里少陰膻中も、また其の著名なる者なり。
故にその証によって、参考に備えることあり。
寸口は手の掌の後、高骨の側に見る動脈なり。
人迎は、結喉の両傍に見る動脈なり。
結喉は喉嚨なり。頤(あご)の下に高く尖りたる骨をいう。
趺陽は趺の上に見る動脈なり。足の跗の上、大指と次指との両骨の間を上へ去ること五寸、
動脈手に応ずる所なり。
虛里は左の乳下に見る動脈なり。
少陰は足の内踝の後ろ、陥なる中に見る動脈にして、
いわゆる少陰の道、是なり。
臍中はいわゆる腎間の動、是なり。
(続く)
参考文献
『切脈一葦』(京都大学附属図書館所蔵)
画像は京都大学デジタルアーカイブより
五行大義(04)
稼穡
土爰稼穡。稼穡者、種曰稼、歛曰穡。
土爲地道、萬物貫穿而生。故曰稼穡。
土居中、以主四季、成四時。
中央爲内事。宮室夫婦親屬之象。
古者天子至於士人、宮室寝處、皆有高卑節度。
與其過也寧儉。禹卑宮室孔子善之。
后夫人左右妾媵有差、九族有序、骨肉有恩、
爲百姓之所軌則、則如牝。
順中和之氣、則土得其性。
得其性、則百穀實、而稼穡成。
如人君縦意、廣宮室臺榭、鏤雕五色、罷盡人力、
親踈無別、妻妾過度、則土失其性。
土失其性則氣亂、稼穡不成、故五穀不登、風霧爲害。
故曰土不稼穡。
土は稼穡。稼穡とは、種を稼といい、歛を穡という。
土は地道。万物は貫穿して生ず。故に稼穡という。
土は中にあり、四季を主り、四時を成す。
中央を内事となす。宮室、夫婦、親属の象なり。
古なる者、天子から士人に至るまで、宮室、寝処、皆が高卑の節度を有する。
その過を興するよりは、むしろ倹なり。禹は宮室を卑し、孔子はこれを善とす。
后、夫人、左右の妾媵に差を有し、九族に序を有し、骨肉に恩を有し、
百姓の軌則のところとなす、すなわち牝のごとし。
中和の氣に順じ、すなわち土はその性を得。
その性を得れば、すなわち百穀を実して、稼穡をなす。
もし人君の意をほしいままにし、宮室、台榭をひろめ、五色の鏤雕、人力を罷つくし、
親踈に別を無くし、妻妾の度を過ぐれば、すなわち土はその性を失う。
土はその性を失えば氣が乱れ、稼穡ならず、ゆえに五穀を登せず、風霧の害をなす。
ゆえに曰く、土は稼穡せず。
【参考文献】
『五行大義』明德出版社
『漢語林』大修館書店
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
【用語集】肝血虚
肝血虚
肝の機能の一つとして、
血を貯蔵し、血流量を調整する「蔵血作用」がある。
具体的な例として
日中など身体を動かす際には、
全身に(気)血がめぐり滋養される。
一方、安静時や就眠時は一部の血は肝に帰り蔵される。
肝が血の滋養を得られないと
肝血虚となるが、
その原因として、
出血過多や病気を長く患うことにより
気血が消耗することがあげられる。
また、血自体が生成されにくい状況も原因となりうる。
『黄帝内経霊枢』 決気篇には、
“焦受気取汁、変化而赤、是謂血。”
→中焦で気を受け汁を取り、変化して赤し。これを血という。
とあり、中焦の脾胃が水穀の精微を血へ変化させるが、
脾胃の働きが悪くなると血の生成にも影響が現れる。
腎との関わりでいえば、
肝血は腎精から化し、腎精は肝血によって補うというように、
相互に助け合っているが、それらのバランスが崩れると肝血の不足となる。
肝血虚が進行すると
「心」や「腎」に影響が及ぶ。
心は血を主るといわれ、
心が血虚となると、
「心悸」(しんき:動悸がして不安を伴う状態)
「怔忡」(せいちゅう:心臓が激しく動悸する症状)
などがあらわれる。
肝腎は同源であり、
精と血も互いに転化する関係性にあるが、
肝血の不足が長期化すると、
生殖機能の低下や小児の発達遅滞など腎精不足の症状があらわれる。
参考文献:
『黄帝内経素問』
『黄帝内経霊枢』
『中医基本用語辞典』 東洋学術出版社
『基礎中医学』 神戸中医学研究会
『中国医学辞典』 たにぐち書店
『臓腑経絡学』 アルテミシア
『鍼灸医学事典』 医道の日本社
【学生向け勉強会】「素問を読もう!」終了しました
以下、終了しました。
再会する場合はまたお知らせいたします。
2018年10月
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こんにちは、一鍼堂の大原です。
鍼灸学生の皆さんへお知らせです。
この春から、東洋医学のバイブルである黄帝内経を
週1回ペースで読んでいこうという勉強会を
開催しております。
(素問を最初から読んでいってます。)
いつでも参加可能ですので
気になる方はぜひお問い合わせください!
次のうち、どれかにあてはまる方にオススメです↓↓
「黄帝内経を読んだ方が良いと言われたけれど、どうやって読んだら良いか分からない」
「自分一人では勉強がなかなか続かない」
「将来は、東洋医学の伝統的な考えに基づく鍼灸治療を行っていきたい」
「黄帝内経に書かれている内容を、実際に読んで学んでいきたい」
週1回ペースで素問を読んでいくことで、
半年後には漢文を読めるようになることを
目標にしたいと思います。
興味がありましたらぜひお問い合わせください!
参加希望・お問い合わせはこちらへ↓
学生向け勉強会フォーム
↑「エントリーしたい議題」の欄に
「火曜」か「木曜」のどちらかをご記入ください。
以下、詳細です。
【予定内容】
座学で、黄帝内経(素問)の内容を読み合わせていく。
目標としては「週1回ペースで古典に触れていくことで、
半年後には漢文を読めるようになる」
【参加対象】
鍼灸学生(1年生~3年生)
【日時】
(1)火曜の部
毎週火曜日 19時00分 ~ 20時30分頃
(2)木曜の部
毎週木曜日 13時00分 ~ 14時30分頃
火曜か木曜のどちらか参加しやすい方に
ご参加ください。
※上記(1)と(2)について、
同じ週の火曜と木曜は基本的に同じ内容の予定ですが、
進捗状況が異なってくると
少しずつずれてくるかも知れませんので
できるだけ同じ曜日に出席されるのが良いかと思います。
【参加費】
1回あたり2,500円
【会場】
一鍼堂 大阪本院 内(緑地公園駅から徒歩2〜3分)
気になる方は
ぜひお問い合わせください!
エントリーされる方はこちらへ↓
学生向け勉強会フォーム
↑「エントリーしたい議題」の欄に
「火曜」か「木曜」のどちらかをご記入ください。
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【最後に】
鍼灸の学生さんは、学校や勉強会、仕事等で
色々な技術を習得していく中で、
将来自分が進むべき道というのが
少しずつ見えて来たかも知れません。
また、夢を持ってこの業界に進まれた学生さんも
いらっしゃるると思います。
ですが、伝統的な鍼灸をやってみたいが
古典を学ぶ場所が無いという声を聞きます。
そんな学生さんの為に、
継続して学習していく勉強会を開催しております。
参加者の方と一緒に
自分も勉強させていただく気持ちを忘れず、
共に学んでいけたらと思います。
一定数に達した場合は
定員とさせていただきますので、
ご容赦下さいませ。
(人数が集まらない場合は中止とさせて頂きますので
ご了承くださいますようお願いします。)
【講師】一鍼堂 大原
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一鍼堂









