学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

仕事の帰りに少彦名神社

少彦名神社 【御鎮座】 道修町には、明暦四年(1658)頃から薬種商が集まっており、享保七年(1722) 124軒が幕府より道修町薬種中買仲間として公認された。 この仲間が生命に関する薬を神の御加護のもとに間違いなく取り扱えるよう、中国の薬祖神・神農氏と共に、 安永九年(1780)京都・五条天神から少彦名命をお招きして、仲間会所(現在地)におお祀りした。(引用:神社の案内より) (´ー`) 仕事の帰りに足を延ばし、少彦名神社に参拝に行ってきました。 御鎮座より今年で240年という事で、お薬と大阪との長い付き合いを感じます。 学生時代より度々お参りに来ておりますが、卒業後では初めて来させて頂き、試験合格のお礼をさせて頂きました。 卒業し、鍼灸師となった立場で神様に手を合わすというのは違った思いがあります。 本日は梅雨時の隙間、暑さは止みませんが、良い風が吹いていたように思いました。

六經病機(02)

太 (01)はなはだしい。 (02)とおる。 (03)おおきい。 (04)尊稱に用いる。→太后、太君など (05)秦・大に通ず。 (06)夳に同じ。 (07)姓。 明 (01)あきらか。あかるい。 (02)あきらかにする。 (03)あきらかに。はっきりと。 (04)あける。夜がしらむ。 (05)よあけ。あけがた。 (06)あけて。つぎ。 (07)ひる。日中。 (08)あかるみ。 (09)おもて。そと。うわべ。 (10)ほがらか。 (11)おこる。ひらく。 (12)大きい。 (13)さかん。 (14)陽。陰の對。 (15)雄。雌の對。 (16)有形。 (17)この世。現世。 (18)かみ。神靈。 (19)日。月。星。 (20)天。 (21)賢人の述作をいう。 (22)よく治まる。ひらけた國。 (23)視力。 (24)たぐふ。 (25)水道。水の流れみち。 (26)ちかう。盟に通ず。 (27)萌に通ず。 (28)孟に通ず。 (29)猛に通ず。 (30)望に通ず。 (31)朝代の名。朱元璋が元を滅ぼし建てた國。 (32)諡。 (33)姓。 (34)眞言の異名。 少 (01)すくない。すこし。 (02)すこしく。わずか。やや。 (03)すくなしとする。不足に思う。 (04)そしる。かろんずる。 (05)しばらく。しばらくする。 (06)おとる。 (07)かすか。おとろえる。 (08)へる。 (09)かく。 厥 (01)石を発掘する。 (02)ほる。 (03)つくす。つきる。 (04)つく。突きたてる。 (05)病名。のぼせ。足が冷え、頭がのぼせる。 (06)その。それ。 (07)の。 (08)句調を調へる助辭。 (09)みじかい。又、尾の短い犬。 (10)石の名。 (11)ゆれ動くさま。 (12)蹶に通ず。 (13)橛に通ず。 (14)古は氒につくる。 (15)姓。 【参考文献】 『大漢和辭典』大修館書店 (太:第三巻763頁、明:第五巻763頁、少:第四巻89頁、厥:第二巻659頁) 『中医病因病機学』東洋学術出版社

院長の治療を受けて(平成30年12月)

院長の治療を受けております。 【主訴】 背中の痛み(肩甲骨内側と下部周辺の張痛)と 慢性腰痛(痛みは軽微で動作開始時痛)。 出来るだけ、些細な変化も記憶に留めておきたいと思い、身体の全体を観察します。 治療に関しての全てが”学び”です。 問診での着目するポイント、 舌など望診における情報をキャッチする速さ、 繊細でありながら落ち着いている切診の感覚。 そして、治療。 背中の痛み関しては即座に無くなります。 腰部の痛みについては、 朝の起きる際やソファーに長時間座った後などのスターティングペインなので、 この時には変化は分らなかったですが、効果は翌朝に十分感じ取れました。 伝えはしたものの、後回しでも良いと考えていた膝の痛みも同時に無くなります。 結果、 嘘のように無くなっています。 鍼を受けて寝ている際に、身体に集中すると 手指の末端がピクピクし、腹部も微妙に内部が動くのを感じます。 刺鍼と、この感覚。結果を思うと、 身体を巡る気血や臓腑からの学術と臨床の関係を感じるに十分です。 日頃学ぶ東洋医学の論理を目の当たりに体感できた素晴らしい時間です。 『開業以来、鍼一本。』 この”鍼一本”の可能性の楽しさを見せて頂いたように思います。  

脾胃湿熱の「湿熱」について

東洋医学概論の教科書にあった脾胃湿熱でしたが、湿熱とは 食べ過ぎ・飲みすぎが原因で体内に入ったままになっている「水」が 熱の影響で湿気?のようになっているものなのか? ヒントを探して中医弁証学を読んでみましたが、今日はハテナが多いです。 湿は重濁性と粘滞性をもっていて、湿邪による病は長引きやすく、進行が緩慢 粘滞性があるために長引きやすいような感じがしますが、 病の進行が緩慢というのはいいことなんでしょうか? それともわかりにくい?ということなのでしょうか。。 気機を阻滞させやすく清陽(?)に影響しやすい。 湿気の多い環境や居住地の場合、湿邪は外から皮毛に入る。 また、脾胃虚弱や水分の取りすぎ、過食などは湿の内生をまねく。 湿の病は内外の湿が合わさって発生することが多い。 私自身が雨の多い土地で生まれましたが、どれくらいの期間その環境で過ごすか、というのも関係があるのでしょうか。 (それによって湿邪に対して耐性ができるみたいなことはあるのか?そもそも邪に対して耐性ってなんだろう…) (大阪は日本の中でも湿度が高い土地柄から、梅雨の時期になると湿邪による症状が起きやすい、と授業の時に聞いたことがあり、根拠を調べてみましたが思うような答えは出てきませんでした…)

感受性

人の感覚、感じ方、反応って個人差が大きいなと改めて感じています。 私はとても鈍感で、敏感な人の感覚に日々とても驚き、感心してしまいます。 学生の時に鍼を受けるのも、とても敏感な人がいて少しの刺激で悶絶するような激痛を受けるみたいで、辛そうにされていました。 そこまでの敏感さは要らないですが、もう少し繊細な感覚が知覚できるようになりたいです。 そう言えば以前、一ヶ月近く東南アジアを旅行した時は、私はお腹を壊したのは1回だけで、他の日本人旅行者はほぼずっと下痢が続いていると言っていたので、その時は私の鈍感力が功を奏したのでよかったですけど。    

症状の記録

記録/9月22日午前 食後数分で胃のあたりがキュウと縮こまるように詰まる感じが苦しい。程度は強め。 座っているより楽なので横になっていると、 足の裏が熱くて気持ちが落ち着かず、やたら口渇感を覚えた。 昨夜はまるで嵐のようだったと思い返しながら軽めに済ませた朝食、 そのすぐ後で同じような胃脘部の苦しさに見舞われてまたかと驚く。 舌体紅、白膩苔、舌先に点刺、舌辺に歯痕あり。 脈は弦、やや数(普段との違いが感じ取れていないだけの可能性が高い) 20日の夕食にめずらしく焼肉を腹一杯頂いた。 からだは対応に追われているのかとも知れない。 食滞胃脘。ベースに脾腎の虚があり? 足底の熱感と同時に表れた口渇がかなり顕著だったこと 自分の舌であまり見ない紅色の舌を観察したこと

神闕

 寺子屋で診させていただいた臍は独特な形状でした。 「臍の形状は深く落ち込んでいた方が良い」 と書籍などに記載があります。 色々と空間論の話は読むが中々理解ができません。 臍の「気の偏在を診る」とはどのような診察意義があるか再度整理していきます。   【臍(神闕)及び臍周の見解】 1.臍の形の傾斜(変形)は気の偏在(邪の方向性)を示す。 2.臍周囲の緊張・膨隆は肝気と関わりがある(気滞)。 睡眠不足で神経が疲れているとき等は、臍周囲の邪(膨隆、緊張、動悸、冷え等)がみられる。 3.臍周の弛緩は生気の弱りを示す。 甚だしい場合は臍が中心から移動する。 4.臍周の気の流れの方向は時計周りである。   臍もまた、腹部の肌肉を大地と見立てた時に、地形が崩れて形状が変わるのだと思いました。 臍周囲の肌肉が上部に引きつれ緊張した場合は上逆を示し、相対的に下に引っ張る力が劣り肌肉も弛緩して平衡が崩れていることを示しているそうです。 臍の形状だけではなく、周囲の肌肉の状態を切経することで、気のベクトル=「気の偏在」を診ることが重要だとわかりました。 臍周囲の緊張、膨隆などは肝気と関わるとありますが、引っ張られる方向が左右だと肝相火に関与するのか? 腹診は邪を診ているのであるのであれば、 臍とはまた区別して考えるべきか⁈ ちょっとわからないので実践を積みながら観察していくことが、これからの課題です。   臍の中央、神闕穴についても調べてみました。 【神闕】 臍中、気舎、闕会、維会、命蒂、気合 等の別名がある。 神闕という名は外台秘要よりはじまった。 神は心に蔵される。 闕は宮城の門観である。 故に神闕は神の出入りする門である。 救急療法に用いられる所以である。 「闕」とは宮殿の門。転じて、天子の居る所。 宮城。 任脈上で心包絡の膻中穴と同じ名前でもあり、 「膻中は気の海たり」と言われることから 神闕は気の様子を伺う穴として重要そうです。   「臨床を重ねていくうちに分かるようになってきますよ」 と下野先生も仰っていました。 腹証奇覧ならぬ、臍証奇覧のようなものが できてくるのかもしれません。 楽しみです。   【参考文献】 「鍼灸療学基礎学」 代田文誌 著 「体表観察学」藤本蓮風 著 「経穴解説」 藤本蓮風 著

春になると・・・

私はいつも春先になると不調がでることが多く、 今までは梅核気や左中指に見に覚えのない腫れ(今でも原因わからず、1ヶ月位腫れていた) 今年は生理不順に胃の不調と、気分も落ち込みやすくなったりするので 春がくるのが待ち遠しい反面、不調がくることに怯え毎年身構えてしまいます。。。 でも。もう私も3年生になりますし、下野先生の施術も受けつつ、 せっかくなので自分でも鍼してみようとあれこれ原因を考えてみました。 生理不順については、最近は17日くらいの短い間隔で生理がはじまっておりそのせいで貧血気味で 胃の調子も悪いので脾の弱りが原因?年齢的に腎も原因かも?いつも春先に不調でるし肝の気があがっていることも考えないといけないのか?思いつく限りいろいろ自分の身体に鍼をして変化を観察しようと思います。 寺子屋でも先生方に、脈の変化を観察する方法や毎日自分に鍼してみたら?とアドバイスをいただいたので さっそく実践してみます! やっと暖かくなってウキウキする季節を心も身体も元気に過ごしていきたいです。

風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ①

初めまして。 2月より寺子屋でお世話になり始めました日下と申します。 先生方の様な治療家になれるよう様々な事を学んで成長したいと思います。 よろしくお願い致します。 最近穴性学を学び始めたので勉強した内容をアウトプットさせて頂きます。 中医鍼灸 臨床経穴学 P25 「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調) 症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。 処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」 この意味を考えていきたいと思います。 まずは穴性を調べる前に、風寒邪がなぜこの様な状況を引き起こすか考えていきます。 記載には2パターンありますが、処方が同じなので異病同治だと思います。 先にパターン①について考察していきます。 ①喉が痒い 霊枢経脈篇に肺経の流れが書かれていますが、その中に「従肺系横出腋下」とあります。 この肺系は喉嚨をさし、肺経の流れが悪くなれば経絡上にある喉にも影響すると考えられます。 また、痒みを感じるのは魄によるものだと思いました。 肺は魄を蔵すと言われますが、魄は魂と比べて、「本能的な、比較的低級な精神活動・神経活動のこと。」と言われ、 ここには痒いといった感覚も含まれます。 風寒邪によって肺経の流れが悪くなった結果、肺の蔵す魄にも影響が及んだのではないでしょうか。 ②咳嗽 肺失宣降とある様に、正常な状態では肺は宣散粛降という働きをしますが、その機能が弱ると気が上逆して咳が現れます。 ③痰は稀薄である。 肺が宣降失調を起こし、通調水道機能に影響を及ぼしたためかと思います。 中医病因病機学P448 「寒痰寒飲は肺に潜伏し、肺の宣降機能が失われる。症状は、咳嗽・喘息・澄んだ痰が出る・大量の白い痰が出る、などである。」 ④鼻閉 素問 金匱真言論篇に「入通於肺。開竅於鼻。」 肺の機能失調が鼻に影響しているのだと思います。 ⑤鼻水 ③と同じ理由かと思います。 ⑥声が重い 風寒喉瘖と言われるものです。 中医基本用語辞典 P209「風寒が外から襲い、肺気の宣発・粛降運動が失われ、風寒の邪気が喉部に停留し、声帯の開閉が不順になって本病証を生じる。」 穴性を学ぶにはその人に何が起こっているのかをまず知る必要があるかと思ったので調べてみました。 経絡の走行経路なども意識できるので勉強になります。 その他記載のない参考文献: 「臓腑経絡学」 アルテミシア 藤本蓮風監修 P39、42、44 「中医学って何だろう」東洋学術出版社 P194、196、211

胆など

猫 猫の体調が悪くなり始め、治療を行っていた。 その中で一番勉強になった事が相手との向き合い方と治療のスタンス。 本に書かれている「成功したとされる治療」が本当に相手に満足のいく治療になるのか。 寺子屋に来て最初に教わった事が活きました。 死の直前の様子などからも今の自分に出来る限りは尽くせた。 自分の家族だから行えた事にはしないでおきたい。 過去に教わった言葉が思い返され、体感する事で重みが増しました。   猫に最後の方に起こった症状 ・目の陥没、横からみると隙間が出来ていた。 ・舌質が黒くなった ・太渓が最後は暗くなった ・呼吸が下に入らなくなった ・排便、食欲が無くなった ・涙目の日が増えてきた   などが起こっていました。 記録として残します。   舌の考察   舌に湿潤が多く、静脈の怒張がきつい。 胖大。 舌色は薄いが辺縁のみ他に比べて赤みがある。   飲料が多いというより、臓腑の機能低下により水が捌けていない。 怒張もその影響だと思われる。 そこに氣滯も兼ねていると思いました。     先週に比べて舌のテカリ、むくみは無くなった。 依然として気虚。 赤みが他に比べて舌先端に偏るが、病的とまで言えないと思う。     胆 最近胆のワードをよく聞くので自分でも調べてみている。 方剤で言えば代表的なものが温胆湯。 その中でも生薬として竹筎が胆に効く薬とされる。   黄帝内経太素 「胆病者善く大息し、口が苦く宿汁を欧き、 心下が澹澹として恐れて人が将に捕之ようとするが如く、 嗌中が吤吤然として数腄し、候は足少陽之本・末に在り、亦其の脈之陥下者視て灸之、 其の寒・熱也陽陵泉に取之ます」   竹筎 「胆虚の熱痰鬱結による驚きやすい・不眠・不安などの症候に、半夏・枳実・茯苓などと用いる。」   中医病因病機 胆気阻滞 「虚煩してびくびくするのは、中正の官が高熱のため乱れているからである。」   邪気論にはなってしまうが、このケースは胆に籠った邪熱が昇って心神を乱すという事ではないかと思われる。 胆の気鬱からの熱化により起こる心煩。 でもこれは一つのパターンでしかないし薄い。 もう少し調べていきます。