脈診(01)
二十八脉
浮脉
・軽く指を当てると拍動が感じられ、按じると感じ方が弱くなる、もしくは感じられなくなるもの。
・風邪が表にある場合、陽邪が存在する場合、陰陽の制約関係が失調した場合。
沈脉
・軽く指を当てただけでは拍動は感じられず、筋骨の間まで按じると感じるもの。
・病邪が裏に入った場合、内生の邪がある場合、陽気が損傷した場合。
遅脉
・脈拍が遅く、1呼吸に3拍以下のもの。
・陽気の損傷など。
数脉
・脈拍が速く、1呼吸に6拍以上のもの。
・陽邪(暑邪。火邪)を感受した場合、内熱・内火がある場合など。
虚脉
・浮・中・沈いずれも無力で、指を押し返す力の弱いもの。
・気血が不足した場合など。
実脉
・浮・中・沈いずれも力強く指を押し返すもの。
・正気が充実している場合、邪正相争がある場合。
伏脉
・沈脉より深く、骨につくほど重按して初めて触れるもの。
疾脉
・脉拍が極めて速く、1呼吸に7,8拍以上のもの。
滑脉
・脉の流れが滑らかで、円滑に指に触れるもの。
濇脉
・脉の流れが悪く、ざらざらとして、渋滞したようなもの。
短脉
・脈の長さが短く、寸・関・尺の範囲に満たないもの。
・気の推動作用が低下、気血の運行が滞った場合など。
長脉
・脉の長さが長く、寸・関・尺の範囲を超えるもの。
・陽邪を感受した場合、内熱・内火がある場合など。
弦脉
・琴の弦に触れたような、長く真っすぐで緊張したもの。
・肝の疏泄失調により気機が失調した場合など。
緊脉
・張った縄に触れたような、緊張した有力なもの。弦脉に似る。
・寒邪の侵襲を感受した場合など。
細脉
・脈幅が小さく、細かいが指にはっきり感じられるもの。
・陰血が消耗した場合、陰血が相対的に減少した場合。
微脉
・極めて細く、柔らかく、拍動がはっきりせず、按じると絶えそうなもの。
洪脉
・浮位で触れ、脈幅が大きいもの。拍動が勢いよく触れ、去る時に勢いが衰える。
結脈
・脈拍がやや遅く、不規則に時々止まるもの。
代脉
・脈拍が規則的に止まり、拍動が回復するまでの間欠時間がわりと長いもの。
促脈
・脈拍が速く、不規則に時々止まるもの。
緩脈
・脈拍が1呼吸に4拍と緩やかで、遅脈より少し速いもの。
芤脉
・浮位で触れ、脈幅が大きく、軟らかい。按じると中空で、脉の輪郭を触れるが中が空虚なもの。
革脉
・浮位で触れ、脈幅が大きく、緊張していて、按じると中空なもの。弦脉と芤脉を合わせたような脉。
濡脉
・浮位で触れ、脈幅が小さく、軟らかい。少し按じると絶えそうなもの。
弱脉
・沈位で触れ、脈幅が小さく、軟らかい。少し按じると絶えそうなもの。
散脉
・浮位で触れ、拍動のリズムが一定せず、按じると消えてしまうもの。
動脈
・脉の長さが非常に短く、関の一点に現れ、脉が速く、円滑に触れるもの。
牢脉
・沈脉あるいは伏脉のように沈んでいて、弦脉のように緊張していて、拍動が強く有力なもの。
★
時間のある時に、先生がたと練習させて頂いておりますが、ダメ出しやアドバイスを忘れない為に、”脉とり器”を自作しました。
脉診での悪い癖の再確認と、教えて頂いた事の癖をつけるために。
【参考文献】
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
舌を考察①
寺子屋で患者様の舌を見せて頂きました。
受けた印象は白滑苔淡白胖大でした。
舌だけで結論付ける訳にはいきませんが、考えない訳にはいかないので何を表すのか考察していきます。
白苔は一般的には表証・寒証を表すとされます。
中医臨床のための舌診と脈診 P33
陽虛が基本にある内傷の場合には舌質が淡白・胖嫩であり、寒邪直中の場合には青紫舌の事が多い。
との事です。
もう少し詳しい箇所を見てみます。
同書籍 P 53
陽虛寒湿
淡白舌は気血不足であり、白滑苔は寒湿をあらわす。一般には、陽虛で陰血の化生が不足し、津液の蒸化もできず水湿が貯留して寒化した状態が多く、舌質が胖嫩で歯根が明らかである。
まず、「陽虛で陰血の化生が不足して淡白舌」とはどういう事か考えてみます。
現代語訳 黄帝内経素問 上巻 P112 陰陽応象大論篇
南方は陽気が盛んで、熱を発生します。熱は火気を盛んに生じ、火気は苦味を生じ、苦味は心気を滋養し、心気は血気を変化生成します。血気は充足すると脾を生じ養います。心気は舌と関連しています。
その変化についていうと天にあっては熱気となり、地にあっては火気となり、人体にあっては血脈となり、五臓にあっては赤となり、五音にあっては徴となり、五声にあっては笑となり、病変の現れ方としては憂となり、竅にあっては舌となり、五味にあっては苦となり、こころの変動にあっては喜となります。
同書籍 下巻 P 23 天元紀大論篇
熱気は少陰の根本の気
同書籍 上巻 P 93 金匱真言論篇
南方の赤色の気は、人身の心と相い応じ、心は竅を両耳に開き、精華は心に内蔵され、五味の中では苦味にあたり、五畜の中では羊にあたり…
これらはすべて火の一類に属します。四時でいえば夏の季節で、心は血脈を主り、また、五臓の主ですから、病は往々にして血脈と五臓に現れるのです。
つまり、「陽虛で陰血の化生が不足して淡白舌」とは
陽虛になると心気も不足し、血を変化生成することが出来ない。
結果として赤味が出なくなり、心の竅である舌に色が反映されなくなった状態なのではないかと考えました。
参考資料
中医臨床のための舌診と脈診 医歯薬出版株式会社
現代語訳黄帝内経素問 上巻下巻 東洋学術出版社
舌の考察 2023/12/20
先日、職場の薬局での出来事。
窓口でのやり取りの際、「処方箋に頼んでたお薬が記載されていない。先生が書き忘れている」と、患者様が言われました。
そのお薬の名前を尋ねると、「レイボー」だと言われるが、全く初めて聞く名前だったので、なかなか聴き取れませんでした。
当然薬局の在庫にはないお薬なので、処方医に問い合わせて追加処方してもらい取り寄せという形になりましたが、後で調べたところレイボーなるお薬は偏頭痛のお薬でした。2022年6月8日発売されたばかりの新しいタイプのようです。
今までのトリプタン系の偏頭痛薬とは異なった作用機序で、セロトニン1F受容体に結合して脳の神経に働き痛みを起こす物質の放出を抑えるとありました。
果たしてこの患者さんに効果があるのか。
もうすでに飲んでおられる様で、1錠では効かなかったとのこと。今回からは1回に2錠に増量してみるようです。
結局のところ、偏頭痛の原因や作用機序はまだはっきりわかっていないのが現状なので、あくまでもセロトニン仮説もその一つの考えであるため、その患者さんにフィットするかは未知数なのは必至でしょう。
偏頭痛もなかなか難しい症状です。それでいて結構多くの人が悩まされている頭痛の一つです。
そんな偏頭痛に対して鍼灸はかなり効果があることで知られていますが、実際受ける人はまだまだ少ないのかもしれません。
今週の舌です。
今週もお疲れの様子です。
色味も薄くて気血が足りてない感じです。気の不足により停滞感が見られ、むくんでいます。
脈は浮大滑 やや中空
苔はしっかりついていますが、通常に比べてば、まだまだ薄い方です。写真の写り方にもよりますが、色味はいつもより淡い様に見えます。生理後でやや淡白なのか。
そういえば最近は目が乾燥して疲れやすいです。スマホを見ると悪化します。
補瀉
補寫に関して気になったので調べていきます。
《現代語訳 黄帝内経霊枢上巻》P 14 九鍼十二原篇
「針の技術の要は、刺鍼の部位が適当であることと徐疾の手法の正確な運用にあります。」
「気の働きの虚実変化を理解すれば、補瀉の手法を正確に運用でき、毛筋ほどの間違いも起きる様なことがありません。」
「気の往来の時期を理解してはじめて刺鍼の正確な時間を理解できるのです。」
「気が去るとき経脈が空疎になるのを『逆』、気が来るとき経脈が充実するのを『順』といいます。」
《現代語訳 黄帝内経霊枢上巻》P 18、19 九鍼十二原篇
「瀉法を用いるときは、かならず鍼を素早く刺入して気を得たのちゆっくり抜き去り、大いに鍼孔を揺らして、表用を開けば、邪気を外に洩らすことが出来ます」
「補法を用いるときは、経脈の巡行方向にしたがって鍼を向け、ゆっくりと散漫な様子でそっと刺します。鍼をめぐらして気を導き、経穴を按じて鍼を刺すとき、あたかも蚊が皮膚の上を刺しているようなあるかなきかの感覚があります。鍼を抜き去るのは速く、矢が弦から放たれたかのように、右手で鍼を抜き、急ぎ左手で鍼穴を按ずれば、経気は留まり、外は発散せず、中は充実し、留血の弊害もありません。」
「鍼を刺すときは経気の到来を候わなくてはなりません。」
《現代語訳 黄帝内経素問》P272 鍼解篇
「虚証を鍼治療する際には、鍼下に熱感がなくてはなりません。なぜなら正気が充実すると熱感が生まれるからです。
実証を治療するときには、鍼下に涼感を感じなくてはなりません。なぜなら邪気が衰えてはじめて涼感が起こるからです。」
→補寫どちらにおいても気が至ったり去ったり、熱感・涼感を感じる感覚が重要。
手技としては、どういった速度で刺し抜きするか・どの様な角度で刺すか・揺らすか・案じるか。
《鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇》P344
「臨床的には、かつては太い鍼をゆっくり入れて気を温め集めて、スッと抜いていた。抜くときにゆっくり抜くと、鍼穴が余計に広がって、気が漏れやすく散りやすくなるためである。現在の鍼は細くなっているのでその必要がない。ゆっくり入れてゆっくり抜けば良いのである。」
→古代と現代の違いを感じました。昔と全く同じ条件ではないので、形ではなくそれが何を意味するのかきちんと理解していないとこれからズレた認識が生まれてきそうです。
また、ここから補瀉の際にどんな鍼を選ぶかなどのヒントにもなっていそうな気がします。
読んでいて、昔の人はどんな方法で鍼を作って保管していたのか。
現在は鍼をどの様にして作っているのか。
現在の鍼になった分岐点などはいつなのか。
なども気になってきました。
参考資料
《現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻》 東洋学術出版社 南京中医学院編著
《現代語訳 黄帝内経素問 中巻》 東洋学術出版社 南京中医学院編著
《鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇》 緑書房 一般社団法人 北辰会学術部編著
肺と皮毛の関係
前回につづいて呼吸に関してまとめてみます。
蔵象として、肺は皮毛との関係が深いとされます。
(皮毛とは体表部のことをいい、
皮膚、および皮膚に付着する豪毛/ほそい毛 などを指す)
『肺は皮毛を主る』
皮毛が潤沢であるかどうかは肺気の機能で決まります。
肺はその宣発の働きを通して、
体の表面に気や栄養を行き渡らすことをしています。
なので正常な状態では、皮膚のキメが細かくて色艶もよく
体には抵抗力があって簡単に風邪を引いたりしません。
そして『肺は体に在っては皮毛に合す』ともいわれます。
この文について “肺は皮毛とリンクしている“
参考にした書籍では、このようにあらわされていました。
とても分かりやすい表し方だと思いました。
リンクしているー つまり
皮膚もまた肺と共同で(衛気の働きの元で)呼吸ををしている、
ということ。
「呼吸は、宣発・粛降という気の流れを生み出しますが、
宣発という流れは、皮膚の呼吸がなければ完成しない」
考えてみると、とても当たり前のことにも思えるのですが、
そこから、皮膚(つまり体のいちばん外側)の状態という情報のもと、
肺気の働き方をみていく考え方が導かれることに改めて
面白さを感じました。
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【参考文献】
『図説東洋医学‹基礎編›』学研
『中医学ってなんだろう』東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社
お灸のダメージを減らせるか など
受付にて
仕事をしていて、ある時に先生にあるべき景色を見せて頂いた。
イメージされたのは波打たない湖の様な景色。
静かでどこまでも続く様でした。
頭ではわかったつもりでも体感して深みを知る。
以前院長も見せて下さった様に思うがまた違う景色。
とても良い経験になりました。
お灸のダメージを減らせるか
月曜の授業内容に百会に置鍼というものがあった。
切皮→弾入→5分くらい置鍼→抜針といった感じ。
ただやった事あるしあんまり置かれたくないので切皮したらすぐ抜いてとお願いした。
それだけだとあまり変化なし。
しばらくして自分で思うやり方ならどう変化するだろうと思って
同じ種類の鍼で置鍼はなしという基本的な条件は同じで施術してみた。
結果として起立性低血圧のような眩暈を引き起こす事ができた。
月曜、火曜に膀胱経辺りに過去最大量のお灸を受けるのでちょっとでも防止できないかなと実験してみました。
鍼の感覚も含めて勉強になりました。
左右対称
ずっと体の癖を治す為に色々工夫している。
その中でもふと自身の右目が乱視である事に気づく。
知らず知らず左ばかり使っていれば顔の中心から見ていない訳でズレも生まれやすい。
という事で今家で左目に眼帯をつけて過ごしています。
発見として面白い事が右目ばかり使うと体は右軸で動き始めるという事。
使っていない部分が使われたのか体のアチコチがバキバキいいます。
治療問診の中で
数年前よりずっと体が重い
と訴えられる方
先週の治療から当日までの調子を尋ねたときに
前回の治療のあと帰りから軽い「けど」まだしんどい。
他の点でも状態は良い「けど」まだ悪い、という矛盾表現が印象的だった
脈診がよく分からない自分にも治療前の左右のバラつきが治療後に
整うのがはっきりと分かる、お腹の全体のおさまりが良くなったと感じられる
数回目の治療で体にそれまでに見えなかった調子が現れていることが感じられる
今週のコンディションは良い状態にあることに違いはないが、
そのことを受け入れる準備が整っていない
それは葛藤の様なものとして映った
治療的にはどんな意味を持つものになるのか
第28回 はり師・きゅう師 国家試験。
令和2年2月23日、『第28回 はり師・きゅう師 国家試験』を受験しました。
解答速報での自己採点では、ある程度余裕をもって合格点を越えていますので、致命的なマークミスが無い限り大丈夫と思われます。
試験が終わって、”やり終えた感”の試験後を過ごしておりますが、
本日も朝の目覚めの時に「勉強せな!」と起きて・・
「あれ?模試?、、卒試?、、国試?、、、?、いやいや、全部終わってるやん。」
となってしまいました。
先生方にしてみれば、懐かしい感覚ではないでしょうか。
私のクラスは最後の一ヶ月間、皆が共に勉強する雰囲気が出来て、ラストスパートが上手くいった様です。
その結果、卒業できる者は全員、国家試験に合格点をクリアする事ができました。
それが、一番嬉しく思っています。
卒業式が3月に行われますが、変に気を使わずに最後の3年生の1日を皆と過ごせそうです。
院長はじめ、皆様には学生の期間中に大変お世話になりました。
お一人ずつに顔をみてお話が出来たら良いのですが、一先ずこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
受付をしていると云う事で、各種勉強会に優遇措置にて参加させて頂き、院長のご厚意に大変感謝しております。
学生中の勉強会の一つ一つが貴重な時間であり、お世話になりました。
これからが本当の意味での勉強の始まりと考えております。
厚生労働省の正式な発表まで、まだ時間は少しありますが、
日々、医学の探求に精進して参りたいと思います。
宜しくお願い致します。
緊張など
ワクチン
先週に引き続き、ワクチン後遺症の方の体を見させて頂いた。
舌では先週に引き続き辺縁に付いた黒いものが気になる。
少し薄れた様に見えるが、腹部にも邪気の停滞は残っている様に見え、背部にもその様子だ出ていると感じた。
脈は浅い位置で硬くなっていて根が張っていない。
腹部では八味地黄丸でよく出る様なお腹も混合されている。
ワクチンは要因の一つに過ぎないのでそこに引っ張られない様にしたい。
ベースを考える。
しかし心を触るのは怖くてできない。
緊張
その方の体は朝見させて頂くスケジュールだった。
起きて準備する時、どう気を引き締めるか。
余分なものが浮かび上がらない様に厳粛な気持ちにする。
今までにない良い緊張感ができた気がする。
そんな必要はないけど、この状態を無理矢理中医学に置き換えてみる。
張錫純の識神(心)を使わない事で元神(腎)を使わないみたいな認識が一致すると感じた。
そこから診病奇侅にある経穴の認識とも結びつけれそうな気もしてるけど、もう少ししっかり読み込んでいきたい。
参考資料
診病奇侅 医道の日本社
中医臨床のための医学衷中参西録 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編訳
今日の気付き
今日は白石さんの舌の写真を撮りました。
なかなか思うようにうまく撮れない・・。
教えていただいたコツを忘れないようメモして次回の撮影に活かします。
その後、腰の調子がイマイチと白石さんがお話されていたので、腰をみさせてもらったところ、
左の腰が右にくらべ張っており色も暗い感じがあったので、そこばかりに意識がいっていたのですが、
診る人によっては右の腰のほうがよくないと言われることもあるよ〜とお話されていました。
考えが偏りすぎて情報を見逃してはいけないですね。
まだまだ私の視野が狭いので毎回毎回学ぶことばかりで、勉強会、楽しいですo(´∀`)oワクワク