院長の治療を受けて(平成30年12月)
院長の治療を受けております。
【主訴】
背中の痛み(肩甲骨内側と下部周辺の張痛)と
慢性腰痛(痛みは軽微で動作開始時痛)。
出来るだけ、些細な変化も記憶に留めておきたいと思い、身体の全体を観察します。
治療に関しての全てが”学び”です。
問診での着目するポイント、
舌など望診における情報をキャッチする速さ、
繊細でありながら落ち着いている切診の感覚。
そして、治療。
背中の痛み関しては即座に無くなります。
腰部の痛みについては、
朝の起きる際やソファーに長時間座った後などのスターティングペインなので、
この時には変化は分らなかったですが、効果は翌朝に十分感じ取れました。
伝えはしたものの、後回しでも良いと考えていた膝の痛みも同時に無くなります。
結果、
嘘のように無くなっています。
鍼を受けて寝ている際に、身体に集中すると
手指の末端がピクピクし、腹部も微妙に内部が動くのを感じます。
刺鍼と、この感覚。結果を思うと、
身体を巡る気血や臓腑からの学術と臨床の関係を感じるに十分です。
日頃学ぶ東洋医学の論理を目の当たりに体感できた素晴らしい時間です。
『開業以来、鍼一本。』
この”鍼一本”の可能性の楽しさを見せて頂いたように思います。
肺陰虚証を勉強していて思った事2
乾燥する、という部分について思うところがあったので書いていきます。
咳をし過ぎる:
水分を失っていき乾燥する。
肺が乾燥し肺の熱が上逆することで咳になり、下気道、上気道、口腔内が
熱を受けて乾燥し、乾咳がでる。
津液が減るため?痰はない、または少量。
しゃべり過ぎ、エアコン、喫煙によっても乾燥する、また
久病によっても身体の潤いが失われることがあるとのこと。
煙が陽熱にあたり、その熱で乾燥すると聞きましたが
煙にあたることによって熱を受けるということなのか、それとも
煙を身体に取り込むことによって肺が熱を受けることなのか。
灸実技の授業で教室が煙だらけになっているときは、すごく
陽熱にあたっているということになるのか?
脾で作られた津液が肺にいき、乾燥により、粛降機能が働かなくなると
大腸や腎に影響がおきる。腎は根源的な陰をもつといわれていて
そこが働かなくなることで、再利用できる津液を上昇させることができず
肺や全身に津液を運べなくないために熱を持った肺を冷ますことができなくなる。
肺は津液が少なくなってもひたすら上気道や体表に運んで発散させる。
(この機能は熱で弱まったりしないのでしょうか…?)
腎は再利用できない濁は膀胱を通じて尿となって排出される。
(再利用できる出来ないは、腎の機能?作用?の具合にも関係がある?)
身体が乾燥する病は「痩せる」場合が多いということですが
津液が減り、身体に潤いが足りないためにやせるということは
身体が海藻のように乾くと干からびていくような感じなのか。
色々考えていたら肺陰虚証を忘れそうになってきました。。
皮膚と内臓
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2021/09/18 『皮膚と内臓』
内熱を存在を示すものと考えていた、ある患者さんの上背部で観察された毛穴の広がり。その範囲では肌質も乾燥度合いが顕著にあった。
今日見せてもらったときには、毛穴は開いておらず、元より開いてなかったところと比べると「閉じた」跡が確かに見てとれる。
患者は、以前はしきりに訴えていた胃脘部から食道上部にかかる、突き上げるような気持ち悪さを今は訴えない。皮膚が内臓の状態を反映していることを再認識する。
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2021/09/19 『考察の材料として』
川を運航する水上バス ー 通過する際におこした波が川岸に到達し、また返して複雑な波紋を生む。分岐する右手の水路に向けて舵を切り船が消えていった後しばらくの間観察された。
空気の流れが目にみえたならー
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2021/09/20 『怒』
「怒」に振り回されている、とまでいかなくても適切に取り扱うことができていない人は自分も含めて多数あると感じる。治療中にからだの内に静かにおさまっている感覚を知る、その時間を経験することだけでも価値があると感じている。怒気に振り回されない自分、またはありのままを見るのにつながるのかも知れない。
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2021/09/21 『思い込み』
自分が鍼を受けているときには、中から感じる動きがめまぐるしくて、その感じをどのようにして察知されているのか不思議で仕方なかった。でも、今日そのほんの一端を今日見せて頂いた。
短時間で下腿の浮腫がすっきりとしていく。そのエリアが広がっていく。形に表れるのは時間がかかる、という思い込みが浮きあがって軽くなった。(そういえば初めてのことではなかった、数年前にも見せてもらっていたのだったと後から思いだされた。)
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2021/09/22 『舌の変化』
先日、ある患者さんの舌状で、それまで見られなかった苔が初めて見られるようになった様を観察したことにを記した。その後の展開として、苔が同じエリアにまずは定着していくこと、つまり緩やかな変化を前提にイメージしていた。
今週は、舌体一面に広く薄白苔がみられ、(内熱の反映と考えられる)紅絳舌だったのが、薄紅の部分が主だってみられるようになった。ずっと同じような舌状だったのが、こんなに変化を見せるものなのか。
五月山
久々に自然の中でリフレッシュしてきました。
ちょうどモミジも真っ赤になっていて、晴天とのコントラストが綺麗に映えてました。
それからコロナ禍が始まってから、ずっと会えてなかった友達と久々に会うことができました。
机に向かう時間をキャンセルして、たまにはスローライフもいいですね。
京都薬用植物園の呉茱萸(ごしゅゆ)
武田薬品工業(株)の京都薬用植物園で、年に4回行われている研修会があります。
今回は『晩秋の研修会』との事。
一般向けの研修会で、特に専門的な講義が行われるというものでは無いのですが、実体験もさせて貰えるのを楽しみに参加しています。
私は2回目の参加となります。
今回は漢方処方園、樹木園、温室を回りました。
「味見してみますか?」のコーナーでは呉茱萸(ごしゅゆ)を頂きます。
物凄く辛いのをご存知でしょうか?・・辛いです!
呉茱萸
[効能]
◦ 暖肝・散寒止痛
◦ 下気止嘔 など
この辛さを感じると”効能”になんとなく納得が・・
前回の研修会でも味見をさせて頂きましたが、体験する度に植物のもっている”力”を強く感じます。
漢方薬においては、個々の植物を適切な配分でコーディネートする事で、服用の効果を最大にしているのだろうと考えさせられます。
逆に、個々の主張が強いので、調和をとる材料、飲み易くする材料を共に配合する必要があるのかとも思います。
鍼の調和は切経や刺鍼をする”その時”に、人間の手によって加減できるところなのでしょうか。
薬との違いであったりするように思うのですが、いかがなものでしょう?
薬草のあまりの刺激の強さに色んな事を考えてしまう『晩秋の研修会』でした。
【参考文献】
・中医臨床のための中薬学(東洋学術出版社)
風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ②
前回の続きを書いていきます。
中医鍼灸 臨床経穴学 P25
「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調)
症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。
処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」
2パターン目は発熱〜です。
これは太陽傷寒病であると思いました。
なぜこの様な事が起こるのか調べてみます。
中国傷寒論解説 P43
「太陽傷寒病の要点は衛気の閉塞であり、衛気が閉じる原因は外寒が凝滞することである。」
→つまり発熱から後の部分も外寒が凝滞した結果、衛気を閉塞させて起こっている状態と言えると思います。
この様な状態が発熱以下を起こす理由を見てみます。
中国傷寒論解説 P43
「寒邪によって脈が収縮して拘急するので、「陰陽倶に緊」の脈象となり、寸関尺の部位に浮緊の脈象が現れる。
寒邪に傷めつけられると、まず衛陽が圧迫されるので、太陽傷寒では常に悪寒が現れ、引き続いて発熱する。」
P27
「太陽が邪を受けると、温煦衛外機能が失調するので悪寒が現れる。…
太陽病では、衛陽の気が圧迫されると、正気は奮起して邪気と闘争を始めるので、当然発熱が見られるはずである。」
→つまり①悪寒…衛気の温煦衛外機能失調 ②発熱…正気と邪気の闘争反応 ③脈浮…正確には浮緊で寒邪によって脈が収縮
であると思います。
中国傷寒論解説 P26
「いわゆる「頭項強痛」とは、頭が痛み項が強ばることの形容で、首が左右に廻らず、前後に曲げられない状態をいう。
「霊枢」本蔵篇では、「経脈は、血気行きて陰陽を営むがゆえに、筋骨を濡して関節を利するなり」
と言っている。
いま太陽に邪を受けると、経気の運行が妨げられるので、頭項強痛の証候が出現するのである。」
→頭痛は経気不利によって起こっています。
舌診カラーガイド
薄白苔「苔が白いのは寒邪を、薄いのは浅い病位と軽い病状を示す」
→苔薄白はこの理由かと思います。
また、肺気の宣発機能に影響して咳が出ることもあるので、パターン①と②が複合した状態も起こり得ると思います。
参考資料
中国傷寒論解説 東洋学術出版社 劉渡舟著
中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 李世珍著
舌診カラーガイド エルぜビア・ジャパン 原敬二郎監修
日々の発見
○ 格言
パニックを起こす私にも
ポンっと思い出せる先生の言葉があって、
その言葉は大抵10文字以内ぐらいです。
カルテに書き留めた走り書きやメモを読み直たり、
先生とお話しして突き刺さるシンプルな言葉。
今の支えとなり、課題であり、目標となっています。
◯ 波長が合う
ガードが堅い患者さんだ、とそれとなく聞いていました。
「先入観は置いときましょう」
と下野先生から言葉をいただき、どんなもんかなぁと
患者さんの世界感にお邪魔してきました。
中々言葉では表現できませんが、
自然と問診、切経ができる不思議な経験をしました。
これを波長が合うという事だそうです。
肺・大腸
9/26
大腸兪に1cm刺入するという授業があった。
そこまで刺すとやはりどうしても強刺激になりやすく、自身の体には負荷が大きい。
ただ良くなるだけが勉強ではないと思ったし、その時の変化を追うにはいい穴なんだろうなと思ったので状態を探ってみた。
まずはざっくり感じた変化は左半身。
左だけ2回刺入したという事もあるし、ビン!といった感覚を覚えたのも左だったからか左半身に反応が出る。
左扶突、天鼎あたりにスッと清涼感がきて自汗があった。
仕事終わり院でバイトだったので、到着して汗が引いたくらいのタイミングで左右触ってみるが左のみ汗が引きにくい。
左膝がバキ!と音がなったがあれが何を指すのかはまだ分からない。
原穴を探ってみると合谷が冷えて左の方が発汗が強い。
また大腸経を一連の流れで広く探ると合谷あたりに出やすいが、そこに限った話でもないんだなと感じた。
力のない咳が数回でるといった症状もあった。
表裏関係にある肺にきたのかと思って太淵を探ると同じような感じでした。
また、気虚症状も伴い、倦怠感も発生。
精神変化としては、憂が近い感じがする。
とりあえずフ〜といった感じで、少なくともいつもに比べて元気な精神!って感じではない。
じゃあ帰宅して自身に鍼でカバーと行きたいところだけれども、その技術もないし明日治療して頂ける日なのでそこは触らなかった。
ただこういった時は冬虫夏草と黄耆を使えばある程度良くなる事は患者さんで経験した事があるので、
自宅にある冬虫夏草と黄耆建中湯(メーカーの考え?で膠飴の入っていないもの)を使うと幾分かマシになりました。
9/27
大腸の反応が昨日より広がっている気がする。
朝から泄瀉で少し口渇がある。
大腸の穴埋めをしないといけないな。
右足の上巨虚にひんやり感があるのだけど使えるんだろうか。
生薬では止瀉薬である山薬や肉荳蔲を使うシーンな気がする。
実験、公孫など
珈琲
私はコーヒーが合いません。
香りや苦味が好きなんですが、身体に合わない。
自分の感覚として体感しているのは肝の暴走。
散々書籍にあることなので発見でも何でもないのですが、体感としても感じます。
じゃあ、それを思いっきり飲んだらどうなるか。
ボトルコーヒーを一本一気飲みしてみた。
自分の体の反応と術者としての感覚を飲む前、飲んだ後と比較してみました。
術者として
普段から鋭くない感覚が更に鈍くなる。
全く相手を感じる事ができない。
身体を触らせて頂く時に頭に言葉が多くなる。
体感として
自意識が強くなる。
ナポレオンはコーヒーを勇気の出る飲み物として愛用していたらしいのですが、鈍感になっただけじゃないのか。と思った。
また、時間差があるので直後には出ない。
ただ影響がマックスになった時、酒で酔った感覚になる。
調べるとコーヒー酔いというものもあるらしいです。
気逆を起こすと気が大きくなる?
脈の寸には影響があった気がします。
頭には色んな言葉が浮かぶ様に。
エゴが強くなった感覚?
いつも以上に自分の世界だけで全てを完結させている気がしました。
家に帰って自分の肝経の経穴に鍼をしてある程度は和らぎましたが、躁鬱状態ってこんな感じなのかなと思いました。
手に受ける感覚
何か違和感を感じたとして、それぞれ種類が違ってくる。
細分化して言語化できればいいなと思いました。
体感として一つ重い感覚はあったので、まずはそれについて考えていく。
切経
術者と患者が合った時、そこに囚われ過ぎるのは良くないと思いました。
ベタベタ触ると段々反応も薄れ、よく分からなくなってくる。
即時即決、一回でどれだけ情報を頂けるか。
患者とどの様な意識で向き合うか、模索します。
深さも意識したい。
公孫
この穴の認識を深めたい。
奇経八脈考、症例から学ぶ中医婦人科などを中心に調べているのですが、まだイメージが掴めていません。
引き続き調べて行きます。
楽しむこと
表面的なものではなくて、この本質って何なんだろう。
考える事で遠のいていっているかもしれないけど、一旦はこの工程を踏みたいと思います。
風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ③
前回の続きです。
中医鍼灸 臨床経穴学 P25
「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調)
症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。
処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」
まずは中府について考えてみます。
中医鍼灸 臨床経穴学 P 24
「肺臓の病証では多くの場合、この募穴に圧痛または異常な反応が現れる。本穴は胸部、とりわけ肺部疾患を治療する常用穴とされている」
同書籍 P 25
「本穴には、清肺宣肺、肺気を調節する作用がある。また咳による胸痛があるもの、本穴の所属部位に圧痛のあるものなどを治療することができる」
穴性学ハンドブックp 31・152
中府(瀉)…宣肺理気
「肺は全身の気を主る。もし寒邪が外束したり 内熱が上を侵すと肺気は その宣降作用を失い 咳嗽し 喘息し 胸満して 脹痛する。
中府は 肺の募穴であり 手足の太陰の会で 穴は胸膺にあり よく上焦を宣発し 肺気を疏調する。 肺気が郁遏される毎に これを鍼し 気を行らし 血調えれば 痛み止まり 胸満感を消すことができる」
つまり、
中府が治すものは「肺が宣降失調を起こして起こす咳嗽」であり、
中府単独で用いても一時的に咳は楽になるかもしれませんが、風寒邪を取り払う事はできないと思いました。
中医鍼灸学の治法と処方 P132 を見ても
発表散寒法
「配穴処方:大椎・風門・風池・合谷・復溜
随症加減:咳嗽ー肺兪・膻中を追加。」
とありました。
肺兪と中府は腧穴・募穴の関係にあり、共通点も非常に多い経穴で、共に肺失宣降に用いられる様です。
この随症加減と同じで、風寒外束の表寒証であっても、肺失宣降が起きていなければ決して使う必要がないのではないかとも思いました。
また、風寒外束で肺失宣降が起きていれば
「中府を触ると痛い、もしくは異常な反応」
が起こりやすい事も分かりました。
鍼灸学 P230では
陽性反応穴「陽性穴は兪募原穴の部位に現れることが多い…陽性反応穴は、臓腑の経絡体表における反応である。この陽性の経穴を刺激すると、臓腑の機能を調整することができる」
との事なので同じ意味かなと感じました。
参考文献:
中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 李世珍著
穴性学ハンドブック たにぐち書店 佐藤弘監修 伴尚志編著
中医鍼灸学の治法と処方 東洋学術出版社
鍼灸学 東洋学術出版社
















