八綱弁証
学校で中医学の基礎として教わり、
それからは、考察を立てるうえでの
基礎においてきた。
ただしこれまで、そこに
何故その方法を用いているのか、
そうした視点がまったく抜け落ちていたことを
気付かされた。-蝶番-
一緒に学ぶ者が、
同じポイントで先生の言葉にうなづいている、
そんな空間が無性に嬉しく感じられた。
これもひとつの小さな発見だと思った。
観察のしかた
舌診の撮影をさせてもらった。
色と苔と形に必死で、
厚みはどうだっけ?
あまり覚えていないし写真にも残っていなかった。
舌診の本の写真は正面がほとんど。
本は平面。
人体は立体。
これからは色んな角度から観察しよう。
温煦作用は気の生理作用?
気の生理作用について。
気には推動・温煦・防御・固摂・気化の5種類の生理作用があると授業で教わった。
その時は特に疑問を持つこともなかったが、中医学の本に、
「温煦作用は陰陽の「陽」の機能であり、「気」の機能ではない」と書かれていた。
”「陽」は温煦を主り「陰」は涼潤を主る。陽は温煦すなわち温熱性を主り五臓六腑・組織器官および気・血・津液・精を温暖にし、陰は涼潤すなわち寒冷と滋潤性を備え、陽の温熱性を抑制・調節し陽と共同協調して体温を一定に保っている。”
(『新装版 中医学入門』神戸中医学研究所より抜粋)
一方で、
”温煦作用は気の作用で、気は熱源として働き、気によって産生された熱により組織器官を温めすべての生理機能がスムーズに行われるようにする。”
(『新板 東洋医学概論』 医道の日本社より抜粋)
温煦作用は陰陽?気?結局どっちなのだろう
読んでも答えはわからないので、疑問のままおいておくことにします。
関衝穴
自分で自分のからだのうえで
経穴の反応を追う中で
様々なことをみる。
関衝穴近くをとるとき
緊張が解けて呼吸が一段深まる
ことが(よく)起こる。
反応はダイレクトで即効性がある。
ただ、自分のからだの上だけのものなのか。
ある方から、
5本の指の中で
体幹に直接繋がっているのが薬指と
教わった時のことが思い出される。
陽損及陰
「陽損及陰」の項目を読んでいて
友人の所見が当てはまると思った。
長く患っているのでどちらが根本か。
陰虚症状が顕著、
いま特に行動面で陽が亢進していて、
でも
自分が彼に出会う前の暮らしぶりを
聞くとやはり当てはまるものを感じる。
これをどう処置に結ぶべきか。
処置後のからだで
切経で、腰部の経穴に
置鍼後にはその穴の部位を中心に
揺らぐように広がるものがあった。
(処置の前にそこに特に拾えるものが無かった)
処置後の患者は体の力が程よく抜けて
安心しているように見えた。
穴性について考察する起点にしたい。
脈診について
ある患者さんの脈を見せてもらった。
処置の前後で、自分には
脈の幅や硬さつまり形が(ほとんど)同じに思われた。
一方で
処置の後の脈には、
指腹を通りすぎた直後に伝わってくる
余波というか余力というか、
前に進む力の様なものが加わったと感じられた。
それが脈状の印象を確かに変える。
あるいは処置後であることを知る
自分の主観がそう感じさせるのか。
訓練を積んでいく中で、
今回の様なケースでも前後で形状の差異を
拾えるようになっていくのか。
腹診で 2
(前回の続き)
症状としては
・気鬱
・浮腫み(下肢)
・睡眠は浅く、悪夢が多い
以前にお腹が似た状態だったときも、気鬱があった。
“分厚さ”は何がもたらすのか。
浮腫みとの関係か、精神状態や気鬱の表れか。
処置後には「硬さ」の密度が少し下がり、
ゆとりが生まれた印象を受けた。
腹診で 1
同じ方のお腹を定期的にみる中、
お腹全体に何か分厚い膜でも被さった様に
感じられる場合がある。
普段の
お腹の柔らかさが感じられる時に
受け取れる、内からの感覚が感じ取れず、
温冷どちらも特に立っておらず、
鈍さ・硬さとして感じる。
(続く)
脈診で
患者さんの体を診せてもらい、
脈診で『やや数』として報告したところ、
「脈が細いからそう感じるかもしれないが速くはない」
と聞き、そのあとすぐ、実感を伴ってそれを知る。
処置後、テンポは同じで、脈幅が広がった。
指腹を通して受ける印象がガラリと変わる。
先程の言葉の意味をここで知る。
気血の流れを滞らせていた邪が動く様しむけた、
と説明を受けた。
こういう変化の仕方のときには、
調子が上向くことを予感させるものがある。
できるなら、明日や明後日の脈をみてみたい。