学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

施術日記(04)

T.I 先生との治療練習4回目です。 同じ経脈上に刺鍼する事で、軸を作りたいと考えております。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 同經への刺鍼にて、短期的・中期的・長期的な観察。 ② 四診も含め、複合で考察。 舌を出した瞬間に思ったのは『紅くなった?』 いつもより、白っぽさが減って このシリーズが始まって以来、刺鍼前の舌の表情では目立った違い。 舌の出し方も、リラックスが感じられます。 舌尖・舌辺の感じは前回と同じ様子ではあるが、雰囲気が違う。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 全体的に水分量の調整は出来たと感じ、 所々に赤みが見て取れるも、 一皮剥けて、深層が顔を出しているようにも感じる。 舌の出し方も、締まりを感じる。 これは変な緊張が高まったというよりも、 適正な気力をもって来てるように思える。 舌の中央当たりも、渇きが出てきてる。 もしかしたら、苔を取るのはこの渇きを持たせる事で、 剥離させて行くのでは??と妄想する。 腹診も刺鍼前後に変化は感じられ、 中脘あたりの変化が興味深い。

魂と魄

癲狂(てんきょう) 「癲」とは無症状、寡黙、無気力などが出現する抑鬱状態を指し、西洋医学のうつ病やうつ状態に相当する病状。多くは痰気鬱結による心神の活動低下などで出現する。 「狂」は落ち着きがなくなったり、騒がしく、怒ったり、罵ったり、イライラしたり、異常行動をとるなどの興奮状態の病状で、西洋医学の躁病や躁状態に相当する。多くは痰火による心神不安により出現する。 〜実践漢薬学 用語解説 三浦於菟〜 東洋医学の考えに五臓・五神・五志があります。 肝ー魂ー怒 肺ー魄ー憂 例えば統合失調症や双極性障害の治療は脳内の伝達物質を増やしたり減らしたり調整することによって症状を改善する薬物療法が行われます。 大脳の構造は発生学的に古い脳である大脳辺縁系に新しい脳である大脳皮質が外からかぶさってできています。 大脳辺縁系は人の本能的、原始的な反応が行われているところであると習ったと思います。 例えば物事の好き嫌いを一瞬で反応して記憶する扁桃体や海馬があるところです。 一方大脳皮質の特に前部である前頭前野は理性的に判断して、その場にふさわしい言動をとるようコントロールしていると言われています。 となると 肝ー魂ー怒ー大脳皮質ー新ー外ー陽 肺ー魄ー憂ー大脳辺縁系ー旧ー内ー陰 ちなみに統合失調症や双極性障害はこの大脳辺縁系のドパミンの過剰を調節する治療がメインです。抑えすぎるとうつ状態にもなってきます。 症状の一部に幻覚や幻聴、幻視などがあります。→魄のトラブル 現実には起こり得ない事を信じ込んでしまう妄想も強いです。→魂のトラブル 東洋医学からのアプローチでは魂・魄の調整も必要になってくるのかもしれません。  

体が重い

  先週から体調が変化してなかなか身体が重くてしんどい。   舌をみると真っ白な豆腐の粕の様なもので覆われており、脾募を労宮で触ると掌から抜けていく感じがし、指腹で触るとゆるゆるになっていて、両手が重い。   お風呂で温もると脾募が赤くなっていました。   数日前は入浴時、肺経が赤くなっていました。   関係あるかわかりませんが、最初に感じた身体の変化は1ヶ月くらい前で、胸のあたりに肌荒れが起こっていて、それが段々下に降りてきていた。   今は荒れが治ってきて少し脱皮し始めた。   調べると膜原に問題がある可能性もあるかも知れないと思った。   <中医臨床のための温病学入門> P136 「呉有可が「膜原は、外は肌肉に通じ、内は胃腑に近く、すなわち三焦の門戸、実に一身の半表半裏なり、邪は上より受け、直ちに中道に趨く、故に病は多くは膜原に帰す。」と述べるように、湿熱濁邪は膜原に鬱伏して、本証を発病しやすい。」   しかしこの邪が潜伏と言うけどもいつから潜伏しているかなど書いていないので気になる。   背中を診てもらっているとき膈のあたりがと言われた事があるが繋がっていないのか。   臓腑の働きが良くなると伏せていたものが浮き出てきたりすることはないのか。   気になるのでしばらく追ってみようと思います。     参考文献 中医臨床のための温病学入門 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編著      
六甲山

血の運行

血の運行について

現代語訳 景岳全書

現代語訳 景岳全書 伝忠録 著:張景岳 訳:伴尚志 今の自分のレベルを考えたら、”原文からのディテールの正確さ”よりも 精度が落ちたとしても全体像の把握を優先したいと考え、 たにぐち書店さんの景岳全書を選択しました。拝読いたします。 いきなり、劉河間や朱丹溪をディスっているので、 何故そういう考えに至ったのか・・理由を知りたいと思います。 【参考文献】 『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店

五行大義(05)

【更】 01:かえる、あらためる 02:かわる、あらたまる 03:こもごも、かわるがわる 04:さきもり、交代して役に服する義 05:夜閒の時限の稱呼(称呼:よび名) 06:つぐ、つづく 07:つぐなう 08:経る 09:ふける、すぎる 10:よい 11:としより 12:姓 從革 金曰從革。從革者、革更也。從範而更。 形革成器也。西方物旣成、殺氣之盛。 故秋氣起、而鷹隼撃、春氣動、而鷹隼化。此殺生之二端。 是以白露爲露。露者殺伐之表。 王者敎兵、兵集戎事、以誅不義、禁暴亂、以安百姓。 古之人君、安不忘危、以戒不虞。 故曰、天下雖安、忘戰者危、國邑雖强、好戰必亡。 殺伐必應義。應義則金氣順。 金氣順、則如其性。如其性者、工治鑄作、革形成器。 如人君樂侵凌、好攻戰、貧色賂、輕百姓之命、 人民騒動、則金失其性、治鑄不化、凝滯渠堅、不成者衆。 秋時萬物皆熟、百穀已熟。 若逆金氣、則萬物不成。故曰金不從革。 金は従革という。従革なるもの、革は更なり。範にしたがい更となす。 形あらたまりて器を成すなり。西方の物、既になりて殺氣盛んなり。 故に秋氣が起こりて鷹隼を撃ち、春氣動きて鷹隼を化す。これ殺生の二端なり。 これをもって白露は露となす。露なるもの殺伐の表なり。 王なるもの兵に教え、兵を戎事の為にで集め、以って不義をうち、暴乱を禁じ、もって百姓を安ず。 古の人君、安ずれど危うきを忘れず、もって不具をいましめる。 故にいわく、天下が安といえども、戦いを忘れたものは危うき、国邑が強といえども、戦いを好めば必ず亡ぶ。 殺伐は必ず義に応ず。義は則ち金氣の順に応ず。 金氣の順、その性のごとく。その性の如くは、工治・鋳作し、形をあらため器をなす。 もし人君が侵凌を楽しみ、攻戦を好み、色賂をむさぼり、百姓の命を軽んじ、 人民の騒動、則ち金がその性を失い、治鋳は化せずに、凝滞し渠堅する、ならないもの衆し。 秋は万物みな熟し、百穀はすでに熟す。 若し金氣に逆らえば、則ち万物ならず。故に金は従革せずという。 【参考文献】 『五行大義』明德出版社 『大漢和辞典(第5巻、962頁)』大修館書店

施術日記(02)

T.I 先生との治療練習2回目です。 前回の経験を元に、同穴への刺鍼にて変化をとります。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 前回と同穴で、少し深めへの刺入を試して違いを診る。 ② 事前・事後の同じところ、違うところを診る。   舌は右に傾いているが、ほぼ正中線上に出ている。 前回のように舌尖が細くなっているような力が入っている姿ではない。 舌根あたりの苔の薄い黄色が、舌診の際にとりにくく工夫を必要とする。 舌の先端より舌辺への淡い斑点が特徴的。 一週間前より、やや歯痕が発生しかけのようにも思える。 陰陵泉(右)に3番鍼にて置鍼(10分) 刺鍼について疼痛があったせいか、 舌尖が細くなり力が入っているように感じる。 この穴であるかどうかが不明であるが、 舌の周囲にあった斑点が目立たなくなるのは前回と同様。 わずかな歯痕はほとんど無くなり、 舌全体に水分の量が調整されたように感じる。 出来る限り、専門用語を使わずに表現する事で、 発見があればと考えております。
阿部 11/17水 投稿用

東洋医学の用語に関して

今月初旬より、寺子屋でお世話になっております。 初めて東洋医学の本を読ませて頂いておりますが、用語に関して、特有の世界観を感じました。 例えば、五臓におきまして、 西洋医学では具体的な臓器を意味しますが、東洋医学では機能を意味するということ。 (東洋医学において人体は神様であるため、解剖しないことが前提にあると教えて頂きました。) 五臓をはじめ、用語全般に広い意味合いを含んでいる印象を受けました。 つい、正確な意味を知りたくなりますが、 限定しすぎないからこそ他部位と関連性を持ち、全体を見る(森を見る)東洋医学の世界観に合うのかな、と感じました。 まだまだ、捉え方が曖昧ですが、浅くでも読み進めていこうと思います。

朱丹溪の処方について。

反佐論 『たとえば近代の医家が宗とし法とするものに丹渓の書がある。その朱丹溪が呑酸を治療する際には炒黄連(さおうれん)を君とし呉茱萸(ごしゅゆ)を佐とする《左金丸》のが常である。また心腹が痛むものを治療する際には、山梔子(さんしし)を倍加して炒乾姜(さかんきょう)を佐とするとよいと言っている。このように寒薬を君とし熱薬を佐とするような処方の構成は、私には理解できない。もしその症状が熱によって出ているものなら冷やせばよいだろうが、どうしてさらに呉茱萸や生姜といった熱する薬を用いるだろうか。もしその症状が寒によって出ているものなら熱せばよいだろうが、どうしてさらに黄連や梔子といった冷やす薬を用いるのだろうか。・・・その疾病の原因を理解できないので、熱薬を用いたり寒薬を用いたりするのである。また、病状と方剤の寒熱が同じか違うかを判断できないので、その病気に対して真の見解を持つことができず、寒熱両方の見解を持ったまま治療していくことになるのである。これが医家における病の最たるものであり、自分自身を深く反省しよく戒めなければならないところである。』 黄連  :清熱燥湿、清熱瀉火、瀉火解毒 呉茱萸 :暖肝・散寒止痛、下気止嘔 山梔子 :清熱瀉火・除煩、清熱利湿、清熱涼血・止血、清熱解熱 炒乾姜 :温中散寒、回陽通脉、温肺化痰・化飲 左金丸(別名:回令丸、萸連丸):清肝瀉火、降逆止嘔 君薬 :主となる病態を治療するもので配合薬の中で最も重要なもの 臣薬 :君薬の作用を強めたり主証に付随する兼証を治療するもの 佐薬 :君薬・臣薬を補助するもの 使薬 :諸薬を調和したり服用しやすくするもの   張景岳は景岳全書の陰陽論の中で劉河間と朱丹溪を、陰陽に対しての治療方針について批判的でありましたが、反佐論の中でも丹渓の書を用いて説明がされています。 病因の把握、治療方針の見立てなど、歴代の医家達にも様々違いがあるように難しいところなのかと思います。 そして、そこが研究し続ける重要なテーマに思います。   【参考文献】 『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店 『中薬学』東洋学術出版社 『方剤学』医歯薬出版株式会社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

手で感じたこと

手の感覚について。 人によってそれを捉えた時の表現方法が違うと言ったお話は聞いていた。 自身で湿邪を感じた時の感覚は「ゾワっとして気持ち悪い」だった。 他のその感覚の時、別の人が言っていた感覚も何となく分かる気がした。 でも同じ湿邪でも部位によって感じる感覚が違うと思うところも正直ある。 色々疑って検証していきたい。