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東洋医学・鍼灸医学の研究用ブログです。

寺子屋にて

◯ 歴史 東洋医学は、どのように発展してきたのか。 かつて東洋医学を受けられた人々とは、どんな人々だったのか。 ドラマで、ホ・ジュンが腕を斬られそうになったけど、「いや、ホ・ジュンは悪くない!」と視聴者は思った筈です。 でも、大抵の人は腕は斬られたくない。 下野先生と東洋医学が発展した背景をお話しして、私が勉強したいと思う東洋医学の「立ち位置」とは何か、ヒントを得る事ができた。 とにかく解剖生理と病理を徹底的に勉強するべし。     ○ 工場 季節の食べ物を食べると良いと言われますが、 ダイレクトに胃に入るものだけど、それらを納め、吸収して加工する工場が壊れていたらどうだろう? 他にも、自分の力ではなく、薬で勝手に臓腑を動かすとどうなるか。 薬を辞めた後、自分の力で動かし始めた時、 どのような動きをするのか。 「夏風邪にはコレ!」と特効薬のように処方された漢方。 それを飲み始めてから咳が出てきた患者さん。 食養生、漢方を全て否定するわけではないが、 その人の臓腑の状態をしっかり把握しなければ 悪化してしまうケースを診せてもらいました。 何でもダメダメと言うのもストレスですが、 疲れている時は嗜好品を食べたくなったり 食事を抜いたりするけど、 薬やサプリに頼るなら、 3食キチンと取って、 睡眠の時間を取るようにしていきます。     ◯ 聞いてるだけ 問診も、せっかくの時間を割いているのに、 ただ聞いてるだけやなと反省する事があります。 下野先生が初診の患者さんに問診される所を 扉の向こうから聞かせてもらいました。 今後治療をしていく上で自分が指標となる事、 患者さんが指標になる事、短時間でも 内容が整理されていてとてもわかりやすかったです。

表陽の虚は胃腸の虚に係がる

傷寒論攷注 「案ずるに前條云う所の悪寒已めども、「発熱汗出」然れども猶戸隙の風、傍人起居衣袖の扇風を悪、其脈必ず浮緩、此の証元来表気疏泄有り、故に邪の発散は表実証于速い、然れども表陽の虚は胃腸の虚に係がる、故に表実の一汗にして解するに比べれば、則ち其癒は却って遅く…」   この文から色々発展して思考できそうです。 ここは中風について述べている文で、表陽の虚がなぜ胃腸の虚に繋がるのか。 ここの繋がりはなんなのか。 調べていきます。   傷寒論攷注 「案ずるに「中風」の一証、其人素衛気疏泄して堅からず、或いは労力奔走等の事有り、陽気を擾動かし、表をして開泄せしめて、其虚隙に乗じる也…」   これは霊枢の下の文に繋がると思います。   『現代語訳 黄帝内経霊枢』 営衛生会篇 P 340、341 「 「黄帝がいう。人が熱い飲食物を食べて、これが胃中で未だ精微物質に消化されていないのに、食べるとすぐに発汗する。汗は顔面から出ることもあり、背中から出ることもあり、半身だけ出ることもある。この様に衛気が通常の通路を通らないで、汗となって出るのは何故か。」 岐伯が答える。 「それは、外表に風邪の侵襲を受けて、腠理が開き、毛孔は緩んで、衛気が体表に向かって走り、正気の通路を通ることができないからです。 これは衛気の本性が慓悍ですばやく、どこかに弛緩して開いている部位があれば、そこから出ていこうとするためです。」 」   とりあえず汗に関しては風邪に襲われて腠理が開き、衛気がそこから出ていくから。   『現代語訳 黄帝内経素問』 五臓別論篇 P212 「 黄帝がいう。 「気口の脈を単独で診察するだけで、五臓の変化を知ることができるのはなぜであろうか。」 岐伯がいう。 胃は水穀の海であり、六腑の源泉となっています。 飲食物は口から胃に入り、全て胃に貯留し、脾による輸化の働きによって五臓の気を滋養しています。 気口もまた太陰経であり、さまざまな脈に朝見することを主ります。 こうしたわけで、五臓六腑の気と味は、いずれも胃に源をもって気口に反映するのです。」 」 」   肺経が脾胃の気を受けている事が分かります。 手太陰肺経の始まりである中府の名前も 「中焦の気が集まるところ」 である事から納得できます。   また、脈診で寸口を取るのは、八会穴の脈会である太淵あたりが良く反映されるからではないかと思いました。   最初の傷寒論攷注の文の 「表陽の虚は胃腸の虚に係がる」 とはこういう事なのかなと思いました。   『中医臨床のための方剤学』 P 29 桂枝湯「生姜・大棗の配合は、脾胃を昇発し営衛を補充し振奮させる。」 とあり、桂枝湯に脾胃の薬が配合されている意味にも繋がると思いました。   参考資料 『現代語訳 黄帝内経霊枢』 東洋学術出版社 南京中医薬大学編著 『現代語訳 黄帝内経素問』 東洋学術出版社 南京中医学院編 『中医臨床のための方剤学』 東洋学術出版社 神戸中医学研究会編著

食事制限など

空気感 自身の出す空気がいい状態の時はキチンと周りを見れている。 悪い状態の時は何か引っ掛かりがあってそこに引っ張られている。 自分をしっかり持つ。 それしか解決策はなさそうです。   腹の陰圧 体の使い方で自分の中で大きな発見があった。 自分の身体は片方の腹筋が弱い。 特に陰圧をかける動作を怠っていた様で、そこが原因で側面の筋肉や腰に負担をかけていた。   過度な食事制限 長期的に続くと脾胃飲みではなく腎も痛める。 すると志も傷つくので継続する事が難しくなり、パニックも起こしやすくなるし、記憶への影響も現れる。 拒食症の方は何人か出会った事がありますが、深いものになると中々治療が難しそうだなと感じます。  
苔を育成中

胖大にて白苔の舌を観察します。

【舌診(09)】 こんにちは稲垣です。 患者さんのHさんに舌の研究の為にご協力頂きました。 学術の為にご協力頂き感謝いたします! 《令和3年1月22日》 表は白苔が強く水泛しているように思います。 嫰であり、胖大。 湿に覆われているように思います。 表と裏の違いが謙虚。 舌下静脈が中央に近い形でストレートに伸びている。   《令和3年1月27日》 表は全苔より苔の剥離が診られ、 溢れていた水が引き始めているように思います。 胖大はやや狭まりつつあるように思いますが、 22日よりも白苔は強く感じます。 裏は舌下静脈の形は変わりませんが、色が薄くなっています。 舌裏全体の色が淡くなっていますが、 左前に舌瘡のようなものが出来ています。   《令和3年1月30日》 苔全体が薄くなっているのが顕著。 剥離され舌体がみえるところと苔との境目が緩やか。 全体的に赤みを帯びてきたように感じます。 全体的に水が引いた状態と共に 歯痕も少なくなってきたように思います。 舌裏の色合いがかなり薄くなってきており、 舌下静脈も姿が薄くなってきたように思います。   苔が少なくなる経過には、 一時的に苔が強くみえる現象があるのかもしれないと感じました。 これは苔だけの現象ではないのかもしない、と感じております。 来院と来院の間に何があったのか、 舌の情報だけでは足りないところです。 皮膚の肌荒れも、おさまりつつあるように感じています。

肺・大腸

    9/26 大腸兪に1cm刺入するという授業があった。   そこまで刺すとやはりどうしても強刺激になりやすく、自身の体には負荷が大きい。   ただ良くなるだけが勉強ではないと思ったし、その時の変化を追うにはいい穴なんだろうなと思ったので状態を探ってみた。   まずはざっくり感じた変化は左半身。   左だけ2回刺入したという事もあるし、ビン!といった感覚を覚えたのも左だったからか左半身に反応が出る。   左扶突、天鼎あたりにスッと清涼感がきて自汗があった。   仕事終わり院でバイトだったので、到着して汗が引いたくらいのタイミングで左右触ってみるが左のみ汗が引きにくい。   左膝がバキ!と音がなったがあれが何を指すのかはまだ分からない。   原穴を探ってみると合谷が冷えて左の方が発汗が強い。   また大腸経を一連の流れで広く探ると合谷あたりに出やすいが、そこに限った話でもないんだなと感じた。   力のない咳が数回でるといった症状もあった。   表裏関係にある肺にきたのかと思って太淵を探ると同じような感じでした。   また、気虚症状も伴い、倦怠感も発生。   精神変化としては、憂が近い感じがする。   とりあえずフ〜といった感じで、少なくともいつもに比べて元気な精神!って感じではない。   じゃあ帰宅して自身に鍼でカバーと行きたいところだけれども、その技術もないし明日治療して頂ける日なのでそこは触らなかった。   ただこういった時は冬虫夏草と黄耆を使えばある程度良くなる事は患者さんで経験した事があるので、 自宅にある冬虫夏草と黄耆建中湯(メーカーの考え?で膠飴の入っていないもの)を使うと幾分かマシになりました。     9/27 大腸の反応が昨日より広がっている気がする。   朝から泄瀉で少し口渇がある。   大腸の穴埋めをしないといけないな。   右足の上巨虚にひんやり感があるのだけど使えるんだろうか。   生薬では止瀉薬である山薬や肉荳蔲を使うシーンな気がする。    

「11/10(土) 漢方薬「桂枝湯」を学ぼう!」の感想

講師は大原先生より学びました。 傷寒論より太陽病~厥陰病を説明され、 実際に桂枝湯を煎じ、飲用を楽しみながら温かい時間を過ごさせて頂きました。 学生の身で、混沌の日々を過ごしておりますが 通行人や電車で同乗する人達を観る際に、仕草や素行を観察してしまいます。 例えば この人は落ち着きがない、汗が多い、座り方が横柄、疲れてる、顔色が悪い、 歩き方、目の力強さ、物の持ち方、声の大きさ、、、、 その標は?本は? 虚している?、実している?、陽虚?、陰虚?、内熱?、肝気?、腎虚?、、、、と しかし、本日の漢方講座を経験すると、今までは力の入り過ぎた感覚で見ていた様に思いました。 飲用より身体を整えていく感覚を思うと 力を抜いて観察し、全体像より症状とか異変の把握に努めなくてはならないと感じました。 臓腑を補した影響が、体全体へと達すると思えたからなのでしょうか。 この”『補する』を重点とする”という事を 「10/7(日) 学生向け勉強会」後半戦の院長特別講座で教えて頂きました。 その後半戦のフィーリングは一つの起点となっていますが、共通項を得られたのが本日の収穫の一つです。 大原先生、お疲れ様でした。 いつも配慮頂く院長に感謝いたします。ありがとうございました。 【番外編】 (講座が終了し、方剤の効能についての雑談中) 大原先生 「・・は腎陽と腎陰の両方を補うんですよ。逆じゃなくて両方を補えるんです!」 稲垣 「なるほど、太極を大きくするのですか・・」 と返答した際の大原先生の顔が 『稲垣、易経できやがったな』的な顔は脳裏から離れません( ̄▽ ̄)

募原など

理由 最近、陽明と厥陰の古代の認識を調べていて面白い認識を見つけた。 部位で結びついている可能性、面白いです。   募原 起きた現象があったので、募原(膜原)について調べ中。 見ていくと温疫論(呉有性)の認識がとても勉強になる。 また、現代医学的に考えてもコロナと脂肪細胞の関連から説明できそう。 メトホルミンがコロナの後遺症予防に有効とされる理由もわかる。 募原の認識と一致するところも多い。

刺したり刺されたり

  中都 自分の身体で実験しました。   最初ただでさえテスト前で好調って状態でない状態からコーヒーを飲む。   案の定、軽い胸脇苦満が起こり、脈と太衝の状態も変化した。   じゃあ変化を追おうと思って気になった穴の中都を刺してみた。   脈、症状、精神状態の一定の変化は見られた。   一時的な変化かもしれないし色々見ていきたい。     実技で 自分の弱点なのかどうかわからないけど、大腸兪を刺されたら絶望的に体調が悪くなる。   ただ悪くなる中でも勉強できるものがあるので変化を追う。   一番顕著に感じた事は気持ちの変化。   肺と表裏関係である大腸兪を刺したからか、憂が出てくる。   疲れて喋る気にもならないし、授業も聞いてられない。   「気を損なった」という感覚が近いと思います。   休憩中に顔色をみると、いつもより暗く感じる。   脈をみると幅はなく、力も弱くなっていた。   腹診でこの前教わった場所にも変化がありました。   膀胱経なので腎にも影響があったのかな。   追記 立ちくらみも起こった。 腎虛の眩暈でしょうか。    

心血虚証

心の血不足によって血脈が空虚になり、身体を滋養することができなくなる。 心血が不足すれば「神」にも影響が出る。 思慮過多、心労過多、目の使い過ぎ、血の生成不足(脾胃の失調からくる)などが原因。 心悸、怔忡、胸悶、眩暈、健忘、不眠多夢、顔面蒼白などの症状が現れる。 心血虚が痩せやすいのは、脾胃からの影響を受けて血の生成不足が起こり、 身体が栄養を吸収できないため。(舌もやせてくる) 心血が不足し、神を滋養できなくなると落ち着かなくなり、不安になる、心悸怔忡がおこる。 (眩暈や健忘が現れるのは血が少なくなり、髄海を養えないため)   - - - - - - - - -  - - - - - - - - - -...

舌診(01)

舌の研究 修行生のSさんと勉強をします。 「左腕の外転について難あり。」との主訴により 刺鍼を行いました。 〈前〉 〈後〉 上逆し易い体質と考え、 上がらない重しをしっかりとさせる事を 長期的な目標としております。 主訴を受け、 気血の巡りをよくしたいと思い その阻害要因が中焦より下焦へと続く 舌の苔に診られる通りの邪熱かと考えます。 刺鍼後、 左腕の外転にやや改善が診られた事で好転反応はあり。 舌苔が面積も厚さも少なくなってる事、 舌体より気虚症状の減少が診られる事などから ある程度の効果があったのかと推測されます。 経過を観察をしていきます。