学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

緑地公園の桜

症状の記録として②

2021/03/18 前回記した不眠の症状について、この数日で動きが見え始めたので経過を記録 ・夜間覚醒時に自汗、煩悶などを伴う激しい熱感あり(発症当初はこの連続だった) ・依然として目覚めてしまうが状況に変わりはないが、暴れるような熱感はなく  落ち着いている(しばらくすればまた眠れる) ・落ち着いている、が再度入眠できない。仕方なく起きて活動を開始する(昼間眠たくなる) ・朝方に目覚めて、そういえば夜間1度か2度起きたなと思い出す (夜間に「また起きてしまった」と考えは抱かず精神的な負荷が少ない)  ・それまで長く眠れても3時間くらいだったのが、5時間半くらい眠れる  何より起床時の安心感というか体の充実感が違う 日ごとに見ると、一進一退で改善に向かっているのか分からず 精神的にもしんどく感じる期間がありながら、 大きなスパンで経過を振り返って見ると、点が線に繋がり緩やかなカーブで 調子を取り戻していることが分かる 刻々と変わる 移り変わる 同じでない 急性の症状だけでない、 こうした緩やかな症状においても 細かく見れば変化の仕方はダイナミックであることを体験的に認識 教科書的には陰虚の時には舌苔が少なくなって現れるとある 自分の体を通してみた時、 紫舌にびっしりとついた膩苔に黄苔が載ることが多い普段の状態が 朝まで問題なく眠れた朝には、膩苔はなく程よく潤った舌体には歯痕も少なかった

舌診(04)

舌苔について整理する 【苔色】 白苔 表証を示し、傷寒の太陽病や温熱病の衛分証でみられる。 黄苔 熱証を示す。表に熱が留まったり、邪熱が裏に入ったり。 化熱もあり表寒化熱や陽虚の水湿不化をあらわす。 灰苔 裏証を示し、裏熱・痰飲・寒湿などでみられる。 黒苔 裏証を示し、熱極か陽虚寒盛など病変の重篤な段階でみられる。 緑苔 瘟疫や湿温などであらわれ、湿熱・痰飲などの化熱が考えられる。 霉醤苔 紅・黒・黄の混ざった苔で、湿濁が長期にわたって化熱を示す。 【参考文献】 『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社 『新版 東洋医学概論』医道の日本社

舌の観察 その1

家族の舌を観察しました。 舌を出してもらう時に歯で舌をはさんでしまって、奥までみえないので もっと口を開いてべーって出してみてと話しても、 やっぱりはさんでしまうので舌中までしか見えない。 舌を巻いて裏をみせる動作も苦手な様子。 舌の出し方もなにかヒントがあるのかな。 舌の色、質、形、出し方、、、。 観察することがたくさんあり、 そこからいろいろ考察するのがとても面白いです。

鍼とからだ

2021/11/10 深部、からだの奥で結ばれていた熱。 それが体の表層にはっきりと立ち上がるのを 目の当たりにして、 患者は横になって静かなのに 静けさのなか躍動する。 ただその現象に立会い驚いた。 奥に押し留めていたのは何の作用を受けてか。 潜在するもの表に現すきっかけをもたらす鍼。 言葉に置き換えるのがとても難しい。

診病奇侅(01)

中脘 脾部中脘塞り、中脘水分に動あり、 又脾塞り、水分に動ありても、中脘に動なきは、食にあらず、 《私議》 中脘と水分について感じるところあり、考察を深めたいと思います。 【参考文献】 『診病奇侅』医道の日本社

施術日記(04)

T.I 先生との治療練習4回目です。 同じ経脈上に刺鍼する事で、軸を作りたいと考えております。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 同經への刺鍼にて、短期的・中期的・長期的な観察。 ② 四診も含め、複合で考察。 舌を出した瞬間に思ったのは『紅くなった?』 いつもより、白っぽさが減って このシリーズが始まって以来、刺鍼前の舌の表情では目立った違い。 舌の出し方も、リラックスが感じられます。 舌尖・舌辺の感じは前回と同じ様子ではあるが、雰囲気が違う。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 全体的に水分量の調整は出来たと感じ、 所々に赤みが見て取れるも、 一皮剥けて、深層が顔を出しているようにも感じる。 舌の出し方も、締まりを感じる。 これは変な緊張が高まったというよりも、 適正な気力をもって来てるように思える。 舌の中央当たりも、渇きが出てきてる。 もしかしたら、苔を取るのはこの渇きを持たせる事で、 剥離させて行くのでは??と妄想する。 腹診も刺鍼前後に変化は感じられ、 中脘あたりの変化が興味深い。

西葫芦(ズッキーニ)

数か月前から外食が多くなったせいか、身体の不調が5月から改善しないので、薬膳を取り入れて少しでも食生活を改善してみようと思いました。 ズッキーニとウインナーのカレーマヨ炒め 【料理家ぐっち夫婦のRECIPE BOOK】参照 材料 2人分 ズッキーニ 1本 ウインナー 5本 オリーブオイル 小さじ2 【A】 マヨネーズ 大さじ1 カレー粉 小さじ1/2 にんにく(すりおろし) 少々 ①ズッキーニはヘタを落とし、縦半分に切り、1cm幅の半月切りにする。ソーセージは斜め半分に切る。パセリは細かく刻む。Aはあらかじめ混ぜておく。 ②フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、ズッキーニを両面焼く。ズッキーニに焼き色がついたら、ソーセージを加えて炒める。 ③【A】を入れて炒め合わせる。 ④全体に味がなじんだら皿に盛り、完成。   水の巡りを担う「脾と腎」に働くズッキーニ 性味:甘/寒 帰経:脾腎 効能:清熱、生津、通淋 現代の食卓に生かす「食物性味表」参照 転職してから仕事で夜遅くになることか増えて、外食で済ましてしまうことが多くなりました。そうなると油物に偏りがちだったり、コッテリ系の味になりがちで、普段の食事量より必然的にご飯の量が多くなり、かと言って残すのももったいないので、無理に食べすぎて自分の容量をオーバーしてしまう。駄目なスパイラルにハマっています。 初めは強い胃もたれの症状だったのが、鍼治療のおかげもあって最近は胃もたれは強くないのですが、下焦にきたのか尿の出が悪くなったなと思っていたら、股関節や膝関節が痛くなって治らないです。今では陽明と少陽ラインが、更に厥陰、太陰の内側も痛いんじゃなかろうかという状態です。 きっと季節的にも湿邪が絡んでるに違いないと、ズッキーニを食べてみました。 カレー粉も入れて鬱金の効果もプラスして気血の流れも良くなりますように。          

施術日記(03)

T.I 先生との治療練習3回目です。 週ごとに、同じ経脈上に刺鍼する事で変化をとります。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 一週間前と同穴にて、鍼の番号を変えて違いを診る。 ② このシリーズは今回で3回目。 鍼の ”前後” という短期的にできる変化とは違う、中期的な変化を探す。   舌の中央の苔・裂紋には長い歴史を感じるので、 この変化を狙うのは、 長期的に考えなくてはならないのかもしれません。 舌尖と舌辺の赤みは、ぼんやりといつものようにある。 舌の出し方に、強張った感じはみられない。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 一段と力が抜けたように感じる。 刺鍼後には舌尖と舌辺の赤みは、淡く穏やかになるのはいつもの通り。 舌の水分量の違いが、事前事後で間違いなく変化する。 2週間前は・・ この2週間前に舌診した際、 舌の出し方が右へ傾いていたのが特徴的でした。 舌尖の尖がり具合や舌の周辺の赤みは現在もありますが、 現在は少しマイルドになっているように感じます。 ご自身で治療をされているのもあり、 このシリーズでの正確なエビデンスという訳ではありませんが、 変化は感じられます。

中国の思想(06)

老子 六十八章 「不争の徳」 善為士者不武。 善戦者不怒。 善勝敵者不与。 善用人者為之下。 是謂不争之徳、是謂用人之力、是謂配天之極。 善く̪士たる者は武ならず。 善く戦う者は怒らず。 善く敵に勝つ者は与わず。 善く人を用うる者はこれが下となる。 これを不争の徳と謂い、これを人の力を用いると謂い、これを天の極みに配すと謂う。 (引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P108) 《私議》 以前は戦時中を題材にした書物を読む事が多かったですが、 その中にあった『海軍士官たるもの、常に激してはならない』との教訓を覚えております。 日露戦争の終わった後に、連合艦隊が解散する時、 『連合艦隊解散告別之辞』というのが発せられます。 一番有名なのは最後の一文なのですが「・・勝って兜の緒を締めよと」です。 そこに至るまでの文面においては、日本という地形上に海軍が重要である事や 日々の訓練が重要であるとの教えを説いています。 戦うというのは腕力だけに限らないですが 日々の心の持ちよう、日々の努力、俯瞰して全体を観る能力とか、 人との関わりあいとか、為になります。 【参考文献】 『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店
夜 小雨

衛気と発汗

専門学校で使った教科書では衛気に関する項で、その作用として「外邪の侵襲を防ぐ他、皮毛を潤沢に保ち、肌肉声 •皮毛 •臓腑などを温め、腠理の開闔(皮膚の収縮と弛緩)により発汗を調整し、体温を一定に保つ働きがある」と説明する。 (そもそも異なる分野の言葉を同じく取り扱うことが間違っているのかも知れないが)生理学の教科書では、発汗に関する基礎として発汗を温熱性発汗と精神性発汗とに大別している。教科書レベルの説明であったとしてもこの括り方に誤りはないはずですが、寝汗や自汗の説明に使えないと考えます。 同じく生理学の蒸発の項で体表面からの蒸発が不感蒸散と発汗によってなされることを教わります。一般的には、呼吸の際に呼気に含まれる水分、皮膚や気道の粘膜から蒸発する水分を合わせたものを指すようですが、衛気が主るところの水分の排出はどちらかというとこの不感蒸散の方を当てはめる方がしっくりくる気がします。はっきり「発汗」と書いている以上、それは学校で習った様に衛気と汗腺の働きを結ぶのが正解なのかも知れませんが、分からない、まま保留としたいと思います。 体表観察で拾う情報に湿り気や冷たさがあるが、それが体に備わる発汗の機構の顕れである場合ととそうでない他の理由による場合とを区別しておく必要がある、体表が冷たいことが体が冷えを表すわけではないことを再認識する機会になりました。 ______________________________________________________ 【参考文献】 新版 東洋医学概論/医道の日本社 生理学 第3版/医歯薬出版株式会社