学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

舌を考察②

前回の続きです。 寺子屋で患者様の舌を見せて頂きました。 受けた印象は白滑苔淡白胖大でした。 このケースでの白苔に関しては、以前書いた風寒邪の欬嗽から穴性を学ぶ②で院長からコメントで教えて頂いた様に重要視しない事にしました。 この時に舌色や舌を潤す津液をよく観察するべきとも教えて頂いたのでむしろこちらを見るべきなのでしょう。   《中医臨床のための舌診と脈診》 P40 滑苔 「滑苔は寒証・湿証を示す。 陽虛のために水湿の運化ができなくなり寒湿や痰飲が内生したり、寒邪により陽気が鬱阻されて水湿が停滞したり、湿邪が停聚して痰飲が発生するなどの機序で引き起こされる。 臨床的には、陽虛による痰飲水湿の内停がよくみられる。」   以上から、前回の記事と合わせて何らかの要因で陽虛になっているのでは?と思いました。   参考資料 中医臨床のための舌診と脈診 神戸中医学研究会編著 医歯薬出版株式会社  

病因について(3)

自身に降りかかった病について~ 以前に目の病気を患いました。 正に、お先真っ暗・・の感がありました。 当時の健康状態では、肝臓が極めて悪い状態。 (現在は問題なく完治しております。) 【五行】 ・五蔵  肝、心、脾、肺、腎 ・五官  目、舌、口、鼻、耳 東洋医学の道に入り”肝”と”目”の繋がりを学ぶにつれ、感嘆します。 肝を傷る原因とは・・ 【内因】 〇七情 ・怒   気機を上昇させる    肝 ・喜   気機を緩ませる     心 ・思   気機を鬱結させる    脾 ・憂   気機を鬱滞させる    肺 ・悲   気機を消耗させる    肺 ・恐   気機を下降させる    腎 ・驚   気機の乱れを起こす   腎 当時の年月を思い出せば、”怒”というのが日常であったように思います。 肝の持ってる昇発という特性が過度となり、蔵を損傷させていたのでしょうか。 鶏が先か?卵が先か? 肝を損傷したので、易怒となるのか・・ 易怒となったので、肝を損傷するのか・・ デフレスパイラルの様に悪循環に陥った先に”病”があるように思います。 〈肝火上炎〉 肝気鬱が火に変化し、気と火が上逆したために起きる事多い。 ...

ホップ

豊中に行って業務終わりくらいに先生が受付さんに話をしていた。 横で話を聞かせて頂く。 その話と単語から連想するイメージ。 トーン、雰囲気もあるのかな。 心が軽くなった。 その時の感情を食材で表現したくてスーパーへ行く。 今回はホップで試してみたけど、少し違うな… でも、ホップが含まれるものを採ると眠くなると言うのは収穫でした。 もちろんノンアルコールです。  

穴性について思うこと

先日母が風邪をひき、熱は下がったが咳が治り切らずに寝れないとの事で治療した。 脈は寸部が圧迫されている印象。   腹診後、腹を出した状態で咳をする時の動き方をみる。 触った感覚と視覚的なもの、腹の動き方を確認する。 何となくここかな?と思う部分がある。   配穴では、最初手足で使う。 しばらく置いて、マシにはなるんだけどまだ残っている印象。   背中を出してもらう。   確認すると、膈兪の周辺が湿気を帯びて一部硬くなっている。 そこに鍼を置く。 しばらくすると溢れ出す鼻水。 咳も治ってきた。   後々、学術的にも考え直した。 膈兪は血会であり、本ではやはり血の鬱滞に特に多く使われている印象。   今回は、舌下の血色や舌下静脈・脈などからでも瘀血所見は見られたが、そこは痰湿が中心に絡んでいて起きたものだと感じた。 後々考えると、「血会」に縛られすぎて感覚を疑う怖さも感じた。   また、東洋医学に限らず、一面を見たものがそれが全てだと感じて範囲外の認識が見えなくなる現象は良くある。 全てにおいて太極的な視点は必要だと改めて感じた。

逆子

テーマ「逆子」 逆子を治したいとご相談に来られたら。   西洋医学的に知っておくべきこと 医学用語「骨盤位」 ・骨盤位の分類(大きく分けて三種) ・骨盤位の誘因(母体側、胎児側) ・そのまま経膣分娩するリスク ・帝王切開によるリスク ・いつまでに自然回転しておいた方が良いのか ・回転しない時の対処法 など   踏まえた上で確認すること ・現在何周目 ・お医者さんの見解 など   自身の課題 帝王切開について調べ不足。 妊婦さんの不安も知っておく。 その他妊婦さんへの気遣い。 お腹が膨れたり、つわり、精神的な不安など状況に応じてその人が不安に思わない様に心がける。 医療人としての意識と知識と態度。 相手に対しての共感。 安心して頂ける様に。 相手に対する優しさが足りない。   調べてわかった事と考察 子宮筋腫も逆子の原因となる。 それが原因で回りづらい事も。 一般に至陰・三陰交の灸は逆子に良いとされる。 実際に治った例も沢山あるので体質に合う人には良いものなのだと感じる。 しかし合わない場合。 例えば三陰交(大陰)は書物によれば病がない場合は禁灸穴にも指定されている。   金匱要略解説 P575 婦人妊娠病脈治 「懐妊後、最も怖いのは湿熱が胎気を損傷することである。胎が湿熱を受けると、胎は不安定になる。」 中医鍼灸臨床経穴学 P 78 「妊娠期間の母体には、「血を以て用と為す」という特徴がある。臓腑経絡の血は、衝任に注ぎ胎児を滋養している。そのため、妊婦の全身には血分が不足し、気分が偏盛となっている。」   以上から場合によれば熱入血室も起こりえる。 すると衝任脈を通して他経に移り、他臓腑を傷つける可能性もある。 そうなった場合、直接的に湿熱になるケース、欝熱になり気の停滞を起こし血の巡りも悪くなって養胎しづらくなるケースなども考えられる。 そもそも逆子が血室で起こることなら直接的でなくとも間接的でもそこにアプローチをかければ治るのかもしれない。 ただし、動きやすいタイミングなどもあるのでそこは注意が必要。   参考資料 中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 李時珍著 金匱要略解説 東洋学術出版社 何任著

施術日記(04)

T.I 先生との治療練習4回目です。 同じ経脈上に刺鍼する事で、軸を作りたいと考えております。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 同經への刺鍼にて、短期的・中期的・長期的な観察。 ② 四診も含め、複合で考察。 舌を出した瞬間に思ったのは『紅くなった?』 いつもより、白っぽさが減って このシリーズが始まって以来、刺鍼前の舌の表情では目立った違い。 舌の出し方も、リラックスが感じられます。 舌尖・舌辺の感じは前回と同じ様子ではあるが、雰囲気が違う。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 全体的に水分量の調整は出来たと感じ、 所々に赤みが見て取れるも、 一皮剥けて、深層が顔を出しているようにも感じる。 舌の出し方も、締まりを感じる。 これは変な緊張が高まったというよりも、 適正な気力をもって来てるように思える。 舌の中央当たりも、渇きが出てきてる。 もしかしたら、苔を取るのはこの渇きを持たせる事で、 剥離させて行くのでは??と妄想する。 腹診も刺鍼前後に変化は感じられ、 中脘あたりの変化が興味深い。

胆など

猫 猫の体調が悪くなり始め、治療を行っていた。 その中で一番勉強になった事が相手との向き合い方と治療のスタンス。 本に書かれている「成功したとされる治療」が本当に相手に満足のいく治療になるのか。 寺子屋に来て最初に教わった事が活きました。 死の直前の様子などからも今の自分に出来る限りは尽くせた。 自分の家族だから行えた事にはしないでおきたい。 過去に教わった言葉が思い返され、体感する事で重みが増しました。   猫に最後の方に起こった症状 ・目の陥没、横からみると隙間が出来ていた。 ・舌質が黒くなった ・太渓が最後は暗くなった ・呼吸が下に入らなくなった ・排便、食欲が無くなった ・涙目の日が増えてきた   などが起こっていました。 記録として残します。   舌の考察   舌に湿潤が多く、静脈の怒張がきつい。 胖大。 舌色は薄いが辺縁のみ他に比べて赤みがある。   飲料が多いというより、臓腑の機能低下により水が捌けていない。 怒張もその影響だと思われる。 そこに氣滯も兼ねていると思いました。     先週に比べて舌のテカリ、むくみは無くなった。 依然として気虚。 赤みが他に比べて舌先端に偏るが、病的とまで言えないと思う。     胆 最近胆のワードをよく聞くので自分でも調べてみている。 方剤で言えば代表的なものが温胆湯。 その中でも生薬として竹筎が胆に効く薬とされる。   黄帝内経太素 「胆病者善く大息し、口が苦く宿汁を欧き、 心下が澹澹として恐れて人が将に捕之ようとするが如く、 嗌中が吤吤然として数腄し、候は足少陽之本・末に在り、亦其の脈之陥下者視て灸之、 其の寒・熱也陽陵泉に取之ます」   竹筎 「胆虚の熱痰鬱結による驚きやすい・不眠・不安などの症候に、半夏・枳実・茯苓などと用いる。」   中医病因病機 胆気阻滞 「虚煩してびくびくするのは、中正の官が高熱のため乱れているからである。」   邪気論にはなってしまうが、このケースは胆に籠った邪熱が昇って心神を乱すという事ではないかと思われる。 胆の気鬱からの熱化により起こる心煩。 でもこれは一つのパターンでしかないし薄い。 もう少し調べていきます。  

観察のしかた

舌診の撮影をさせてもらった。 色と苔と形に必死で、 厚みはどうだっけ? あまり覚えていないし写真にも残っていなかった。 舌診の本の写真は正面がほとんど。 本は平面。 人体は立体。 これからは色んな角度から観察しよう。

弦脉

弦脉 瀕湖脉学では 「主病:肝胆病、痛病、痰飲等」 よく見ていくと 「虛勞内傷・中焦の気不足・肝病の脾に乗じた病証等でも弦脉が見られる。 …もし弦で、細く、刀の刃に添うようにきつい感じのする弦脉が出現するなら、胃気のまったくない脈なのでその病は難治と心得なければならない」 と記載あり。 中医臨床のための舌診と脈診 「動脈硬化の老人などにみられる弦で硬い脈は、胃気が低下していることを示す。」 こちららでは硬いと表現。 二つあれば大体の感じは伝わる。   少し東洋医学からは逸れるが、動脈硬化について調べる。   病的な分類としては ①粥状硬化 ②細動脈硬化 ③メンケベルグ型動脈硬化 もしくは加齢による生理的変化。 コレステロールによる粥状硬化、AGEsによって修復されたコラーゲンの問題などにより硬くなったり色々。 慢性的な痛みによる脈管の緊張も考えられる。 勉強不足なので断定を避ける。   実際の症例を見ていくと重症患者には弦脉が現れている。 相剋。   邪気 実の反応ばかり邪気と言われるけども虚も邪。      

張景岳曰、

明清時代、痰に関する研究は日増しに整備されていった。 張景岳は「痰には虚と実とがあり、・・・最良の治療は、痰を発生させない事である。これが天を補うということである。」 と述べている。(『中医病因病機学』第20章 痰飲病機) 気になりましたので備忘録として置いておきたいと思います。 先生方で『景岳全書』を購入するなら、”この出版社がおススメ”などあればご教授頂ければありがたく思います。 【参考文献】 『中医病因病機学』東洋学術出版社