逆子の灸
学校の授業で、
逆子に効く灸は至陰であり、鍼灸師ならみんな知っている有名な経穴の一つだと教わりました。
でもなぜ至陰が逆子に効果あるといわれているのか?理由が気になるので調べてみました。
逆子は中医学では「腎の気に問題がある」と考えられる。
至陰は腎経ではなく膀胱経なのに、なぜつかわれるのか?
腎と膀胱は表裏の関係にある
中医学では表裏を応用した治療法が多様され、1つ1つのツボまで陰陽や五行に分類する。
至陰は「金」に属し「金」は「水」の母。
水(腎)を治療するので水の母である金に属するツボを選んでいる。よって至陰がそれにあたる。
(『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』著 小金井 信弘 より抜粋)
至陰を使うことは、逆子=至陰の灸と、ただ暗記するよりかは理解できたのですが、
では、腎経のツボをつかったら効果はどうなのか?
そもそも逆子は「腎」だけの問題なのだろうか?
気になるので、逆子について中医学の婦人科系の本なども読んでみて引き続き探ってみようと思います。
山崎、太陰など
山崎
色々取っ払うために学生時代から何となく好きだった山崎駅にいきました。
特に何かがある訳ではないのですが、人通りもそんな多くなく、鳥や風の音が聞こえる中にある踏切の音もいい感じです。
何もない中、外の世界と向き合った時に以前教わった環境のお話が思い返された。
自分だけになってもいけませんが、自我の確立のさせ方も少し見えてきた気がします。
自分の課題と向き合う時、人と関わってどうこうするよりも先にそっちが必要ですね。
太陰など
太陰は太陰と呼ばれるだけあってやはり陰が一番深いところなんだと実感。
心の在り方にも影響するなと思います。
ベクトルが自分に向いて陰鬱な時、脾の弱りも考えられる。
思考がどう向かうかもわかりやすいです。
先週聞かせて頂いた話も水に関係していて、これから梅雨時に入ってどう臓腑が変化していくかみていくと勉強になりそうです。
また、ここで生まれた痰湿は氣滯と結びついて胆に波及する事もあると思う。
胆経に反応がある場合、痰湿を兼ねていることが多いと思います。
權・衡・規・矩
陰陽應象大論篇第五
善診者、察色按脉、先別陰陽、 審清濁、而知部分。
視喘息、聽音聽聲、而知所苦。
觀權衡規矩、而知病所主。
按尺寸、觀浮沈滑濇、而知病所生。
以治無過、以診則不失矣。
善く診る者は、色を察し脉を按じて、先ず陰陽を別ち、清濁を審らかにして、部分を知る。
喘息を視、音声を聴きて苦しむ所を知る。
權・衡・規・矩を観て、病の主たる所を知る。
尺寸を按じ、浮・沈・滑・濇を観て、病の生ずる所を知る。
以て治すれば過ちなく、以て診すれば則ち失せざらん。
※權衡規矩
→馬蒔の説「春は規に応じるとは、陽気の柔軟なのが、丸い規のようであることをいう。
夏は矩に応じるとは、陽気の強く盛んなのが、方形の矩のようであることをいう。
秋は衡に対応するとは、陰が昇り陽が降り、高下が必ず平となることをいう。
冬は權に応じるとは、陽気が下にあるのが、重い權のようであることをいう。』
權(ケン、ゴン)
(01) 木の名
(02) おもり。ふんどう。
(03) はかり。てんびん。
(04) はかりにかけて重量を知る。
(05) たいらにする。ならす。
(06) たいら。
(07) いきおい。
(08) はたらき。能力。
衡(コウ)
(01) よこ。よこたわる。
(02) 牛のつのぎ。牛の両角に横に結んで人に抵触するのを防ぐ木。
(03) くびき。轅の端に設けて牛馬の頸につける木。
(04) こうがい。
(05) よこぎ。はり・けた。
(06) てすり。
(07) はかり。はかりざお。
(08) はかる。
(09) たいら。ひとしい。
(10) ただしい。
(11) ひしゃくの柄のかしら。
☆權衡(ケンコウ)
(01) はかりの重りと竿。転じて、物事の釣り合いをいう。
(02) 事物を品評する標準。比較。
(03) 二星の名。軒轅と太微。
規(キ)
(01) ぶんまわし。円を畫く道具。
(02) まる。円形。
(03) まるい。まどか。
(04) そら。あめ。
(05) まるをかく。えがく。
(06) うつす。模写する。
(07) のっとる。
(08) かぎる。くぎる。
(09) たもつ。領有する。
(10) はかる。
(11) ただす。
(12) いさめる。
(13) のり。おきて。さだめ。
(14) ようす。風釆。儀容。
(15) てほん。儀範。
矩(ク)
(01) さしがね。四角形を正しく畫くのに用いるもの。
(02) 四角形。
(03) かど。
(04) のり。きまり。おきて。
(05) 地。(天圓地方の説:天は円くて、地は方形)
(06) さし。長さをはかる器。
(07) きざむ。しるしをする。
(08) 秋。
(09) 幅と長さ。たてよこ。
(10) 萬に通ず。
☆規矩(きく)
(01) ぶんまわしとさしがね。転じて、規則。てほん。常道。
(02) 戎(遊牧民族)の名。
(03) 高さが略々一様で綠色の毛氈を敷いたように生える草。
★
馬蒔のいわゆる”四季に応じる”とする説(規→春、矩→夏、衡→秋、權→冬)。
理解になじめず、一言ずつ調べてみました。
この”權衡規矩”ですが、馬蒔は四季との対応させる事を表現に用いておりますが、
計量や法則の意味と捉えられる単語を、四季に相応させる不思議を感じます。
四つの単語の權・衡・規・矩ですが、
実は權衡・規矩のような二字熟語の組み合わせで表現してみては、、
との仮説を考えてみます。
陰・陽も”陰陽”、清・濁も”清濁”で通りますので、
浮・沈・滑・濇も”浮沈”と”滑濇”にて。
『陰陽を別ち、清濁を審らかにして、喘息を視、音声を聴き、
權衡や規矩、浮沈や滑濇を観て、病の生ずる所を知る。』
より探求が進んで、洗練された答えにたどり着く事を夢見て、
内經を読みといていきたいと思います。
【参考文献】
『現代語訳 黄帝内経素問 上巻』東洋学術出版社
『黄帝内經』中医戸籍出版社
『大漢和辞典』大修館書店
(權:六巻605頁、衡:十巻165頁、規:十巻322頁、矩:八巻288頁)
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
脈診(02)
四季の脉(瀕湖脉学)
春弦夏洪、秋毛冬石。
四季和緩、是謂平脉。
太過実強、病生於外、不及虚微、病生於内。
四時百病、胃気為本。
脉貴有神、不可不審。
春は弦脉、夏は洪脉、秋は毛脉、冬は石脉。
四季に和緩して、これを平脉という。
太過し実強は病が外より生じ、不及し虚微すれば病が内より生ずる。
四時の百病は、胃気を本となす。
脉貴は神を有し、詳しく知ろうとしないという事はあってはならない。
(゜-゜)
院長はじめ、先生方にご教授をうける中において、脉中を問われることがあります。
正直、悶絶しますが、詳細を感受するのに精一杯であったりします。
四季に脉があり、個体差があり、
脉が強くなるという事だけが、治療後において正とは限らないように思います。
【参考文献】
『中医脉学と瀕湖脉学』たにぐち書店
『大漢和辞典(第三巻、P1101「審」)』大修館書店
練習
カルテを書く練習と情報を振り返って考えを整理する目的のために記載してみます。
一週間後、再び研究生での練習会。
前回に引き続き、状態の確認をする。
腰痛はやや持ち直したが、今朝から新たな症状である胸の辺りの痛みが気になるように。息を吸うときに顕著化するとのこと。場所で言うと胸骨と左第3肋骨の接着部あたり。今までにないような倦怠感や感覚鈍麻様もあり。
舌質:淡紅暗(いつもより鮮やかさに欠ける)
舌苔:舌根部を中心に厚膩
脈:沈で脈壁はあるが中身が足りない薄い感じがする。(→まだ何脈なのか分類する能力が足りない)
腹診:両脾募の胸脇部の張り感。中脘を中心に抜け感。右肝相火の張り。臍下下焦の湿熱感。
背侯診:T3のつまり感。T7、T9、T12の黒ずみ感。左側のT12〜L4に渡っての張り感、逆に右側の抜け感。
その他気になったところ:
足のふくらはぎは、左が張っていて、右が弛緩している。
脈診で脈を抑えたり、切経で手の経脈を触ると連続して咳が出てくる。(→気滞、気逆を悪化させるのか)
弁証
腎の納気が弱まり、肺で気滞を起こしているのか。
治法
腎気を補い、肺の母である脾を助ける。
配穴
前回と同様に補腎の(右)太渓 (左)上巨虚(→反応点であり、肺経の表裏関係、脾胃にも影響できるのではないか)
治療後の変化
舌の色にやや赤みがさした。
急な唾液、鼻水、涙が増量(不思議な現象→副交感神経優位にシフト? 気が動いて詰まっていたものが流れ出たのか、はたまた気の固摂作用が弱まって漏れ出たのか、後者でないことを祈る)
手掌の温かさがアップ
脈状は中位にまで起き上がり膨らんで、脈壁が緩んだ感じ。
背中の左右差がやや均一化
胸の痛みは若干の軽減あり。
今後の課題
治法と配穴を結びつけるのが難しいです。
私の場合、手が育っておらず、必要な反応穴が取れない。
身体の観察力も何となくそんな感じがするとか、まだまだぼや〜とした感じで、はっきりした明確さをもって表現できない。
地道に積み重ねていきます。
できる事だらけ
体の使い方でずっと指導して頂いている事を強く意識する。
方向性。
土台を固めた上で預けて脈をみる。
鍼を行うときにもその感覚が活きる気がする。
押手などでしっかり固定化した上でどこに届けるのか。
人に練習させてもらって、この意識で置いたらいい感覚だった。
この先に微細な調整などもあるんだろうな。
指の使い方なんかも少し馴染んできて良い感じです。
生まれた感覚を大切に、ブラッシュアップしていきます。
寺子屋時に学びの姿勢に関して受けた言葉に対して思うところ。
結局のところ、それを生業とするプロとしての責任感を持った上で、楽しんで学びを進めれるかというところに帰ってくると思う。
伝えて頂いた学び方なら、何事にも答えや正解といった枠を作らないので限界がないし、やれる事は無限に広がっていく。
先に患者さんの治療があるならこれ以上の事はないよなと思う。
動かし方など
動かし方
自身の受けた治療について。
下焦を動かしたいからと言ってアプローチするところは下焦に直接的にアプローチすればいいとは限らない。
上からのアプローチは自身で受けたものでは2回目ですが、何故か新鮮に感じられ、治療翌日の動き方も今までと違う気がして勉強になりました。
標本?
症状には経絡・経筋など枝葉があるけども、それを考える時は臓腑でも同じ。
相剋・相生など五行では習いますがそう言ったものに限らない話で、あるのかもしれませんが書籍ではなかなか載っていない自身の知らない繋がりが隠れている。
何か教わった事で一つのキッカケで色んな関連したものが「バババっ!」と繋がっていく感覚。
自分の中で発見があるとても楽しい時間でした。
自分の体で灸を受けた時も同じ反応が出ます。
本体性振戦
調べると「原因はよく分からないけど震える状態」に付けられる病名。
場所は手指・頭・声に多いらしい。
薬はβ遮断薬が良く使われる。
陽明蓄血
現代語訳 宋本傷寒論 P422
「陽明の証があり、患者に健忘がある場合は、必ず蓄血がある。なぜかというと、その患者にはもともと瘀血があり、これが患者に健忘をおこさせている。大便は乾燥して硬くなっていても、かえって排便は容易で、しかも大便の色が必ず黒ずんでいる。この場合は、抵当湯で瘀血を攻下すればよい。」
役立ちそうなのでメモとして残します。
この本再販されないかな…
生き方
とても大切だと感じる出来事が最近多い。
どんな過酷な環境でも自分を失わず、自分の思う正しい生き方をして鍼灸師として治療にあたれる。
そういう治療家になりたい。
参考資料
現代語訳宋本傷寒論解説 東洋学術出版社 生島忍編著
針先、切経、治療報告
切経
経まずは形を追ってみた。
その後、手を当てる時にしっかり当たれば深さと方向が感じられた様な気がする。
また、その他の関連部位と反応を繋げても勉強になりました。
みるときの心の状態、大切だなと感じました。
変な緊張感は不要。
自分を作らない。
また、日常の訓練として、全てにおいて距離感を大切にしたい。
鍼先
学校で鍼を受けました。
よくあるパターンだったのでそこからどう動くのかは経験済みだったので自分でリカバリーできるか試してみた。
ただ自分のリカバリーする為の治療でも失敗を沢山しているので同じ穴でもやり方は変えてみた。
針先から伝わる感覚がいつもと違い、以前失敗した時と脈の前後の反応も違うのでここからどう動くか。
処置が今日なので明日以降どう変化するか楽しみです。
日曜鍼を受けて
結論から書いていくと翌日以降は調子が良くなって施術を受けさせてもらって良かったなと思いました。
お腹が弱ると自身の体感として猫背気味になるのでそのへんもピンとしましたし、翌日のある変化が起こったあとは脈も均等でした。
学校の授業での鍼などもあり、純粋な前後の状態を確認してもらえなかったのが残念なくらいです。
前後変化としては、その日はとても口が渇き、冷たいものを飲みたくなる現象と睡眠が浅いと言った状態になりました。
翌日、倦怠感があり何となく湯船に浸かったら変わるかなと思って入浴しました。
しばらく浸かっていると急にお腹が膨れて汗がひき、一瞬の不安感、吐き気が出た後、排便したくなり急いでトイレに駆け込むと排便と共に状態が良くなると言った経過でした。
その後の反応や施術後の変化を見ると選穴は合っていたはず。
後の反応は必ず起こり得るものなのか、もしくはコントロールできるものなのか。
自分が治療する時のために頭の隅に置いておこう。
風邪の引き始め、切り替え
風邪のひき始め
涼しくなってきました。
でも未だに人によっては暑いという人がいる。
クラスでも空調が未だに24くらいに設定しようとする人も。
当然寒いので風邪をひきかけた。
症状としてはまず悪寒・鼻水(量多め)・喉のイガイガ・脈緊。発熱がないからか、浮いてはいない。
典型的な小青龍湯証なのでお湯で服用て暖かい服を来た。
じんわり汗をかき、暑くなってくる。
薬によって反応する穴はどこだろうと探ってみる。
申脈がかなり熱を持ってきた。
理論的にも説明がつくし、勉強になる。
あくまで肺は邪気の付着部位だなぁ。
昔の人は「手首足首を冷やさないよう」と言っていたけど、そういう事かと納得。
首にネギも実は理論的な気がする。
今度同じ状況で反応があったら申脈試してみよう。
発汗が終えると喉の痛みと緊脈は消えたので、一旦は凌いだ。
でも、膀胱経にムチを打って働かせたという事は背景にある腎や他臓も弱める。
実際腹部にも出ている気がした。
他気になる変化として、ふと手のひらを見たら左手の労宮がゲッソリしてたのだけど、これは薬の反応なのか。
気になります。
切り替え
最近いい経験ができている。
この状況で頭を使うのは仕方ない。
それは使うべきところだと思う。
今の課題として、その状態から治療に移る時、一気に切り替える精度の高い方法を模索中。
自身の一つの状態確認法としては、周りの音がどう聞こえているか。
そこである程度確認できるので、いい状態に一瞬で持っていける様にしたい。
最近の興味
最近、水に興味を持ち始めました。
今までは普通に蛇口からの水道水を飲んでいました。
時には浄水器を通してアルカリイオン水や水素水にしたりして飲んでいた時期もありましたが、最近はその土地でしか飲めないお水に興味があります。
ネットで調べてみると、様々な種類の水があるのですね。
湧水
地下水
温泉水
ゲルマニュウム水
海洋深層水
伏流水
などなど
全国各地の名水と言われているお水が、ワンクリックひとつで自宅に届けらけるとはありがたい世の中です。(配達員の方々有難うございます)
水は健康を語る上で、必ず出てくるキーワードと言えます。
「身体の半分以上は水分でできている」
「その半分以上の水をよい水に変える事は非常に重要なことである」
これはよく聞く鉄板の言葉だと思います。
また東洋思想では、
「天一水を生ず」
とも言いますし、世の中を作る最初は水からを→身体をつくる最初は水からと置き換えて考えてみることにします。
また今の世の中は防災にも備える必要があるので、水の備蓄にも役立つのではないかと思います。
















