勝負
「患者さんが鍼灸院に入った時からが勝負です!」と下野先生からの一言。
一挙手一投足、速度、歩き方、手つき、表情、声色、姿勢、皮膚の色、身なり、体型…
私は舌や脈に固執していた事に気付きました。
院内はもちろんのこと、街でも、学校でも。
意識して目を養うこと、記録すること、真似ること、毎日が勝負です。
心がけていきます!
こんにちは高山です。
頭痛や、食欲不振も、不眠も、疲れも、風邪も、
全てが五臓の弱りや、働き過ぎ、
そして、切診や望診、ツボの反応はその五臓の失調を表しているのだと感じます。
しかし、ツボに至っては特殊で、そこに針を刺すと
その五臓の失調が改善されたり、体の熱を取り除けたり、
外邪を撃退することができるようです。
これに関しては、なかなかの不思議です。
お腹の中に全て収まっている五臓が、なぜ手や足、背中、
体中のある特定の部位で反応が出るのか。
五臓と経絡は繋がっているからというかのもありますが、
それだけでじゃないような気もします。
そして、一鍼堂の先生たちは、そこに小さい鍼で刺して
大きい五臓を動かす。小さい力で大きなものを動かす。
それだけツボには大きな力があると言うことでしょうか。
「ツボにはこんな効果があって、こういう症状の時に使うといいよ」って学校では単純に教えられていますが、
実際そういうものでもない感じがします。
そこが、西洋医学との大きな違いかもしれませんね。
いくらツボの部位を見たって自分には目では見えませし、よくわかりません。
わからないことがありすぎます。笑
でも今は、目でも見える、頭でも考えられる弁証ををしっかり学びます。
症状の記録として②
2021/03/18
前回記した不眠の症状について、この数日で動きが見え始めたので経過を記録
・夜間覚醒時に自汗、煩悶などを伴う激しい熱感あり(発症当初はこの連続だった)
・依然として目覚めてしまうが状況に変わりはないが、暴れるような熱感はなく
落ち着いている(しばらくすればまた眠れる)
・落ち着いている、が再度入眠できない。仕方なく起きて活動を開始する(昼間眠たくなる)
・朝方に目覚めて、そういえば夜間1度か2度起きたなと思い出す
(夜間に「また起きてしまった」と考えは抱かず精神的な負荷が少ない)
・それまで長く眠れても3時間くらいだったのが、5時間半くらい眠れる
何より起床時の安心感というか体の充実感が違う
日ごとに見ると、一進一退で改善に向かっているのか分からず
精神的にもしんどく感じる期間がありながら、
大きなスパンで経過を振り返って見ると、点が線に繋がり緩やかなカーブで
調子を取り戻していることが分かる
刻々と変わる
移り変わる
同じでない
急性の症状だけでない、
こうした緩やかな症状においても
細かく見れば変化の仕方はダイナミックであることを体験的に認識
教科書的には陰虚の時には舌苔が少なくなって現れるとある
自分の体を通してみた時、
紫舌にびっしりとついた膩苔に黄苔が載ることが多い普段の状態が
朝まで問題なく眠れた朝には、膩苔はなく程よく潤った舌体には歯痕も少なかった
舌診考察
[ケース①]
舌色
表 淡紅
裏 褪せた紅
気の虚損がありながらも、裏に熱をはらむのか。
舌形
胖大 歯痕
陽気を損ない気虚になって、津液の停滞を招き痰湿を生ずる。
脾の運化作用の低下か。
腫れたようにも見えて、湿熱をはらむのか?
(腫れた舌は発熱やその後の舌にも見ることができると思う。)
舌裏
表より濃い色を呈し、気虚がありながらも内熱の存在が伺える。
推動作用が落ちているので怒張により瘀血も。
或いは、虚熱による瘀血とも考えられる。
舌苔
薄苔〜やや厚苔、潤苔
中焦にかけて苔が緻密で濃くなり脾胃虚による痰湿か。
[ケース②]
舌色
表・裏共に褪せた紅
所々まだらに舌辺に紫色があり瘀血。
舌尖紅く心火も伺える。
舌形
脾腎共に弱り水邪の停滞がある。歯痕から気虚。
舌裏
表と色差なく、怒張により瘀血も。
舌苔
微黄苔。厚苔。
中焦〜下焦にかけて苔が厚なる。
気虚による痰飲。
中焦には微黄苔。痰飲が裏に入り化熱したか。
体表観察メモ
9月27日 晴れ
たしか先週末はまだ日中に暑ささえ感じていた筈が
もうすっかり秋らしく夕暮れ時には肌寒さを覚えた。
切経の練習で自分の下肢に感じるはっきりとした冷え感にはっとする。
夏場にはどんな感じだったのか、少し前のことなのに思い出せない
のが惜しい。左足での冷えがより強い。
ひだりに顕著な前脛骨筋部の過度な膨らみとのつながりは?
気になるところに鍼を置いてみる。左膝関
膝と足首、足部に感じる冷え。この時期にこの程度の強い冷えは、
上肢との落差は、どうなのか。体調が変わった時にどう変化していくのか。
備忘録として記録
処置後のからだで
切経で、腰部の経穴に
置鍼後にはその穴の部位を中心に
揺らぐように広がるものがあった。
(処置の前にそこに特に拾えるものが無かった)
処置後の患者は体の力が程よく抜けて
安心しているように見えた。
穴性について考察する起点にしたい。
方剤学(1)
八法
『医学心悟』(程鍾齢)には「病の源を論ずれば、内傷外感の四字によりこれを括る。病の情を論ずれば、すなわち寒熱虚実表裏陰陽の八字をもってこれを統べる。しかして治病の方は、すなわちまた汗・和・下・消・吐・清・温・補の八法をもってこれを尽くす」とある。
温法
温法とは、温裏・散寒・回陽・通路などの効能により、寒邪を除き陽気を回復し経路を通じて、裏寒を解消する治法である。裏寒の成因には外感と内傷の別があり、外来の寒邪が裏に直中するか、陽気不足や誤治による陽気の損傷によって陰寒が内生する。このほか、裏寒には臓腑経絡という部位の違いがある。それゆえ、温法にも温中散寒・回腸救逆・温経散寒の別がある。
○温中散寒剤
中焦虚寒や中焦の裏寒に適用する。
脾胃の陽気が虚衰して、運化と昇陽が不足し、腹痛・腹満・食欲不振・口渇がない・下痢・悪心・嘔吐・舌苔が白滑・脈が沈細、沈遅などの症候がみられる。このほか外寒が中焦に直中して裏寒が生じることもあり、素体が陽気不足の場合に発症することが多い。
(01)理中丸《傷寒論》
(02)呉茱萸湯《傷寒論》
(03)小建中湯《傷寒論》
(04)大建中湯《金匱要略》
○回腸救逆剤
心腎の陽気衰弱による内外倶寒の陰寒証に適用し、陰寒内盛によって生じる陰盛格陽・戴陽などの真寒仮熱にも用いる。
陽気衰微の内外倶寒では、元気がない・四肢厥冷・畏寒・身体を縮めて寝る・不消化下痢・舌質が淡・脉が沈細、沈で無力などがみられる。悪化し、陽気が格拒されると、体表部の熱感・煩躁など格陽の症状や口渇・煩部紅潮など戴陽の症候があらわれ危急状態となる。
(01)四逆湯《傷寒論》
(02)参附湯《正体類要》
(03)回陽救急湯《傷寒六書》
(04)黒錫丹《和剤局方》
○温経散寒剤
陽気の不足や陰血不足で経脉に寒邪を受け、血の運行が阻滞された状態に用いる。
手足の抹消の冷えや肢体のしびれ痛み・脉が沈細などの症候がある。
(01)当帰四逆湯《傷寒論》
大建中湯(温中散寒剤)
〔主治〕
中焦陽虚・陰寒上逆
〔組成〕
蜀椒・乾姜・人参・膠飴
〔方意〕
急いで温中補虚・散寒降逆して止痛・止嘔する。
主薬は辛・大熱の蜀椒で、脾胃を温め散寒除湿・下気散結に働く。
大辛・大熱の乾姜は、温中散寒して中陽を振奮し、逆気を散じて止痛・止嘔する。
甘温補中の人参・膠飴は脾胃を補益して本治し、膠飴は緩急にも働く。
辛甘の薬物のみで中陽を温建し、補虚散寒の力は小建中湯より峻烈であるので「大建中湯」と名付けられる。
後天の本
脾と胃とはともに中焦にあり、脾は陰であり、胃は陽であるので、両者は表裏の関係にある。
胃は受納を担当し、脾は運化を担当し、互いに協力しあっている。
そのため、どちらかに病変が発生したときには、もう一方に害が及んでしまう。
したがって実際に脾胃の病変が起きた時には、水穀の受納・運化・配布機能の全てに渡って影響が現れる。
脾胃は気血を化生し、五臓六腑と体内外を潤して肌肉を満たし、四肢を壮健にするので、後天の本といわれる。
【参考文献】
『中医臨床のための方剤学』医歯薬出版株式会社
『中医病因病機学』東洋学術出版社
俯瞰
俯瞰
以前も先生からアドバイス頂き、出来ていなかったので院長に更に教えて頂いた。
ありがたい反面、申し訳ない。
言葉にしていただく以前に気づかないといけなかった。
今は動くといった形を使ってカバーしましたが、もっと俯瞰して遠くからでもわかる様にならないと。
先生方を見ると、会話しながらも周りの異変にすぐ気づく。
これもそういう事なんだろうなと思う。
ボランチの様になれる様に、その為にも冷静であるようにします。
舌の考察
先週と比べて舌の表面につく水分が減った。
そのまま湿が減ったと見るべきか。
ただ依然として胖大はあるので傾向としては同じか。
舌鑑弁正 P50
「微白滑苔舌。
図のように、中央が白っぽく光滑で、辺縁は淡紅色で津液がある。これは、脾胃に寒があり、心肝胆が虚しているのである。」
心胆気虚といったところか。
しかし胆虚だと物音にも敏感になるがどうなんだろう。
この感じだと違うかもしれないけど、こんな感じの事が書いていたとの事で記録として残す。
治療後の舌。
翌日の状態を考えると熱を溜め込んでいたのか。
それにしてもいつもに比べて色が薄めだ。
施術前の舌はどうだったんだろう。
このいつもと比べて色が薄い点が治療によって薄くなったか、治療前から薄かったかでも意味が変わってきそう。
参考資料
舌鑑弁正 訳釈 たにぐち書店 杉本雅子監訳 藤本蓮風訳釈
楽しんでみる
最後の定期試験が終わりました。
寝不足と焦りと詰め込み作業で極限状態に追い込まれると友達同士で、目がヤバイな、顔がやつれたなぁ、痩せたなぁ、発狂しそうやなぁ、イライラが止まらんなぁ、下痢が止まらんなぁ…
と話しながらお互い疲労困憊ムードに笑い合う。
お互い助け合い励ましながら、どうにか国試も頑張っていこうねと結束力も出てきたことが嬉しい。
客観的に見たら、クラスメイト全員がグロッキー状態でそれはもう尋常じゃない様子だったんだろうなと思う。(俯瞰して見てみたかったなぁ…)
私もテスト2週間前までは元気だったが、次第に心窩部が詰まり始め、背中の痛みから胃の不調が現れて、腹部の膨満感でワンサイズほどウエストが太くなったのではないかと思った直後に下痢をした。
困ったことに、こういう時と重なっていつも自宅の猫が調子も悪くなる。
私が変なモードに入って構ってもらえず影響するのか。
湿気を嫌う体質で季節的な原因もあるのか。
今まではストレスやな、嫌やな、とネガティブな考えしかなかったけれども、それはそれで体の反応というのは面白いなぁと思い、しんどいなりに一時的なものとして異常な状態を楽しんでみようと思った。
テスト明けに体調が悪くなるか心配ばかりしていたけれど、こんな風に考えられるようになったのも治療を重ねて元気になってきたからかもしれない。
やることがある、目標がある、規則正しくリズムがあるということは、心身にとって良いことだ。
体調を崩しすぎない程度に程々に。
風寒邪の咳嗽から穴性を学ぶ④
前回の続きです。
中医鍼灸 臨床経穴学 P25
「風寒外束、肺失宣降(風寒の邪による宣降失調)
症状:喉が痒い、咳嗽、痰は稀薄である。鼻閉、鼻水。声が重い。または発熱、悪寒、頭痛。無汗。舌苔薄白、脈浮など。
処方:中府、風門、大椎(瀉)…疏風散寒、宣肺止咳。」
残りは風門・大椎の意味を考えてみます。
この組み合わせは風寒外束時によくセットで使われている様です。
差別化してみると、
同書籍 P335
「効能鑑別 風門、大椎、列欠、外関、合谷
この5穴には、ともに解表の効があるが、格穴それぞれに固有の特徴がある。
①風門:去風疏衛解表、宣肺の効がある
②大椎:宣陽退熱解表、項背部の表邪を解表する効がある
③列欠:疏衛解表、宣肺、止咳、平喘の効がある
④外関:清熱解表、上焦の熱を清熱する効がある
⑤合谷:去風疏衛、清熱解表、宣肺、清肺の効がある」
穴性学ハンドブック
風門は風類腧穴に分類され、効能では瀉で疏衛宣肺(+灸で祛風散寒)
大椎は寒類腧穴に分類され、効能では瀉で宣陽解表(+灸or焼山火or吸角で解表散寒)
→ともに解表作用ではありますが、風門は去風、大椎は散寒解表に重きを置いている印象を受けました。もう少し掘り下げてみます。
中医鍼灸学の治法と処方 P259
宣肺止咳法「風門:風門は熱府といい、足太陽膀胱経と督脈の会であり、風寒邪が侵入する門戸である。同穴と大椎を合用すると、疏風散寒・発汗解表が可能となる。」
→逆に言えば、風門は大椎と合わせないと疏風散寒・発汗解表が可能でない状態なのだと思いました。
一方、大椎から考えてみると、
中医鍼灸臨床経穴学 P751
「列欠(瀉)を配穴すると、発汗解表、宣肺平喘の作用が生じる。同作用は湯液における麻黄湯(「傷寒論」方)の効に類似している。」
→つまり風門の代用が列欠でも務まるのだと感じました。
もう一度P 25に戻ると
①風門:去風疏衛解表、宣肺の効がある
②大椎:宣陽退熱解表、項背部の表邪を解表する効がある
③列欠:疏衛解表、宣肺、止咳、平喘の効がある
④外関:清熱解表、上焦の熱を清熱する効がある
⑤合谷:去風疏衛、清熱解表、宣肺、清肺の効がある
→つまり大椎+疏衛解表、宣肺の作用があれば、大椎+風門と同じことが再現できるのではないか?と思いました。
大椎はこう言った状況で変えの効かないものなのか、
また探してみて見つかればなと思います。
参考文献:
中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社
穴性学ハンドブック たにぐち書店 P131、182
中医鍼灸学の治法と処方 東洋学術出版社
















