気色と光
以前、先輩の先生から直接教わったことのあることだった。
今回、この文章に触れて改めてハッとさせられる
“「気色」というのは「色」ではありません。
「色」であれば光をあてればあてるほどハッキリしてくるものだけれども、
この「気色」というのは少し薄暗くした状態でうっすら浮上するもの ”
(引用:『鍼灸医学における実践から理論へ パート1』 P68)
先日、切経の練習をさせてもらう中で
背中は広くて目にとまる情報が多く拾いあげるべきものはどれか迷う、
と考えたことがあった
基礎となる理論が身についてないこと
情報を整理するための軸がないこと、
他にも理由はいくらでもあると思うが
拾いあげる情報がつながらず混乱しているとき、
この光のあて方のような意識からは程遠いことは確か
邪実や正虚を探るときに
ひとつ、これからの指針にしたい
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【参考文献】
『鍼灸医学における実践から理論へ パート1』 藤本 蓮風 著/谷口書店
臓腑について学ぶ(01)
肺
上焦にあり、静粛下降の役割を持つ
気や水液が下降し全身を巡る事によって五臓の気機は昇降のバランスを保つ。
《肺が粛降機能を失う阻害要因》
実の病理変化:外邪や瘀血痰湿などの病理産物により水道が塞がる→痰水壅肺
虚の病理変化:虛寒などにより津液を宣発散布することが出来なくなる→肺虚失制
【痰水壅肺】
息切れ・咳逆・喘息で横になれない。胸脇満痛。飲邪の氾濫による水腫。など
【肺虚失制】
遺尿・頻尿。など
ーーー関連領域より病理を考えるーーー
鼻・涕:鼻閉、鼻汁。呼吸や嗅覚に影響あり。
皮・毛:易感冒。皮膚の乾燥。掻痒感。
魄 :感覚・運動・情志などの本能的な精神活動の失調。
憂・悲:憂う。悲しむ。
辛 :気の消耗や熱化。大腸の機能に影響あり。
【参考文献】
『中医病因病機学』東洋学術出版
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
舌診(03)
受付のKさんに舌の研究の為にご協力頂きました。
飲食物の影響による舌苔が染まる、
いわゆる”染苔”をさける為に、わざわざ調整していただきました。
表
裏
舌質
舌神:有神
舌色:淡白舌
舌形:嫰・胖大・歯痕・点刺
舌苔
苔色:白苔
苔質:全苔・薄苔
気鬱
こんにちは高山です。
気鬱について書こうと思います。
生き物は全身に気が流れていて、いろいろな活動に使われていますが、
この気がスムーズに流れなくなってしまう状態を気鬱といいます。
イメージ的には、ホースに水が流れていて、そのホースに何かが詰まって上手に水が流れない感じ。
そして、気鬱になると、気がいくべき場所に行かない状態になるのですから、あらゆる症状が出てくるのではないかと思います。
心に気が渡らなければ、精神に異常が出たり。
脾に気が渡らなければ、代謝異常を起こしたり。
頭に気が昇らないと、頭がボーっとしたり。
あらゆる器官が気をエネルギー元に活動を行なっているので、当然たくさんの病的症状が顕著になってくると考えます。
ではなぜ、気鬱になってしまうのでしょうか、これもたくさん理由があると思います。
一つ目が肝鬱気滞。
これはよく聞きます。
肝は気の流れのバランスを整える役割がありますが、この肝が虚してしまうと、この機能が失われます。
そうすると、気の流れに異常をきたし、よくあるのが、
胸脇部の痛み、太息、など
そこから、衝任脈へ波及し、月経痛が現れる。
二つ目が、感情による気鬱。
思い悩んだり、考えすぎたりしても気の流れが悪くなるようです。
自分はよく思い悩むことが多々あるのですが、
その時は、確かに頭がボーってしたり、体が普段よりだるくなります。
そして、三つ目が痰です。
痰というのは、どろどろねばねばした塊で、この痰が気の流れを滞らせるようです。
これだけでなく他にも気を滞らせる原因があると思います。
でも、一つ目、二つ目と三つ目の気鬱の形態の違いが見られます。
肝の疎泄と、感情の異常はホースと水で例えると、
ホースに流れている水の勢いが弱ってしまっているイメージが思い浮かびます。
痰の形成による気鬱は、ホースに石が詰まってしまって、水の出が悪くなっているイメージがあります。
この考え方であるならば治療のアプローチも変わってくる気がします。
そして、気鬱の病理の変移に気鬱が火に変わるとあるのですが、これもすごく興味深いなと思います。
これは五行的に考えて、肝が心になんらかの影響を与えて、火を生み出したのかなと考えました。
気鬱になった人が全員火に変化するという事もないと思いますので、それは体質からくるのものなのかなと思いました。
自分はよく、火が昇ったように上半身が熱くなるので、この体質に当てはまるのかなと思いました。
そう考えると自分はもしかしたら気鬱傾向が強いのかもしれません。
気鬱を、解消できる方法も考えていきたいと思います。
舌診(01)
舌の研究
修行生のSさんと勉強をします。
「左腕の外転について難あり。」との主訴により
刺鍼を行いました。
〈前〉
〈後〉
上逆し易い体質と考え、
上がらない重しをしっかりとさせる事を
長期的な目標としております。
主訴を受け、
気血の巡りをよくしたいと思い
その阻害要因が中焦より下焦へと続く
舌の苔に診られる通りの邪熱かと考えます。
刺鍼後、
左腕の外転にやや改善が診られた事で好転反応はあり。
舌苔が面積も厚さも少なくなってる事、
舌体より気虚症状の減少が診られる事などから
ある程度の効果があったのかと推測されます。
経過を観察をしていきます。
逆子の灸
学校の授業で、
逆子に効く灸は至陰であり、鍼灸師ならみんな知っている有名な経穴の一つだと教わりました。
でもなぜ至陰が逆子に効果あるといわれているのか?理由が気になるので調べてみました。
逆子は中医学では「腎の気に問題がある」と考えられる。
至陰は腎経ではなく膀胱経なのに、なぜつかわれるのか?
腎と膀胱は表裏の関係にある
中医学では表裏を応用した治療法が多様され、1つ1つのツボまで陰陽や五行に分類する。
至陰は「金」に属し「金」は「水」の母。
水(腎)を治療するので水の母である金に属するツボを選んでいる。よって至陰がそれにあたる。
(『中医学ってなんだろう ①人間のしくみ』著 小金井 信弘 より抜粋)
至陰を使うことは、逆子=至陰の灸と、ただ暗記するよりかは理解できたのですが、
では、腎経のツボをつかったら効果はどうなのか?
そもそも逆子は「腎」だけの問題なのだろうか?
気になるので、逆子について中医学の婦人科系の本なども読んでみて引き続き探ってみようと思います。
舌診(02)
舌象について整理する
【舌神】
有神
生き生きとして生気があり、運動性も十分なもの。
疾病に罹患しても有神であればよい兆候。
無神
乾枯して硬く光沢もなく、生気がなく、運動性も悪い。
危急の可能性。
【舌色】
淡白舌
陽虚の為に営血不足により舌体を充養できず淡い色調となる。
紅舌
舌体の脈絡が充盈している。
絳舌
紅絳舌
営血が熱の煎熬を受け、濃縮されている為に絳舌となる。
紫舌
熱盛傷津や陰虚で気血の壅滞、陰寒での凝滞により紫色となる。
青舌
陰寒の邪により陽気凝滞し血行の瘀滞による。
【参考文献】
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版社
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
『舌鑑弁正 訳釈』より”紅にて震える舌”から学ぶ。
こんにちは稲垣です。
顫動する紅舌を『舌鑑弁正 訳釈』より学びます。
第一百十三、紅戦舌。
鸇掉不安、蠕蠕微動也。
深紅、赤紅而戦者、宜三黄石膏等湯。
紫紅、瘀紅而戦舌、宜三黄白虎大承気。
淡紅而戦者、宜十全大補湯。
鮮紅、灼紅而戦舌者、宜六味地黄湯、
此舌虚火、実火皆有之(均裏証、無表証)、誤治即壊。
旧説指為汗多亡陽或漏風所致、
且不詳弁而概用温補、謬也。
(引用:『舌鑑弁正 訳釈』P244~245)
第113 紅戦舌
舌の震えが止まらずクネクネする。
深紅・赤紅で震えるものは、三黄石膏湯がよい。
紫紅・瘀紅で震えるものは、三黄白虎大承気湯がよい。
淡紅で震えるものは、十全大補湯がよい。
鮮紅・灼紅震えるものは、六味地黄湯がよく、
この舌は虚火・実火ともにあり(ひとしく裏証で、表証はない)、誤治は壊証になる。
旧説は汗多くて亡陽であったり、漏風によるというが、
詳しく調べずに概して温補を用いるのは、間違っている。
※十全大補湯については《和剤局方》を出典とする
『中医臨床のための 方剤学』と『舌鑑弁正 訳釈』の生薬について
成分が一部異なっており、精査していきたいと思います。
梁玉瑜は旧説の主治の方として紅戦舌に対して温補剤を一概に用いる事に注意を促し、
戦舌でも、紅舌の様々について湯液を選定されています。
《戦舌》
深紅・赤紅 → 解表清裏剤 「三黄石膏湯」
紫紅・瘀紅 → 寒下剤 「三黄白虎大承気湯」
淡紅 → 氣血双補剤 「十全大補湯」
鮮紅・灼紅 → 補陰剤 「六味地黄湯」
舌体がふるえ動いたり、舌筋がぴくぴくと動き、自分では制御できないことである。
「顫動舌」「顫抖舌」「舌顫」「舌戦」などと呼ふ。
虚損あるいは動風によって生じ、筋脈が陽気の温養と陰液の濡潤をえられないために
安寧を欠いて顫動したり、肝風内動にともなって振戦が引き起こされる。
(引用:『中医臨床のための 舌診と脈診』P30)
内熱の強そうな患者さんの、手足に動きがあるのが気になっており、
戦舌の特徴を調べることにより、熱と体の動きとの共通点を見つける事ができたらと考えました。
現時点では明確な発見には至っておりませんが、今後につなげたいと思います。
【参考文献】
『舌鑑弁正 訳釈』たにぐち書店
『中医臨床のための 方剤学』医歯薬出版
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版
最後の夏休み
切経を「練習」という気持ちで取組んでいて、気持ちが緩んでいました。
「学生」というポジションに甘えがありました。
「来年の今頃には臨床に立てるようにせんとな」
昨日に続き今日、2人の先生がお話しされました。
「はい」と即答できない、不安と焦り。
傷寒論を読み始め、原文を読めるようにと
先日父が漢文の読み方を教えてくれました。
後押しをしてくれる人々と寺子屋という恵まれた環境。
わからないなりにも、寺子屋で得たひとつひとつの経験を体に触れ手に染み込ませ、
自分なりに考察を重ねていきます。
寺子屋に来てもうすぐ1年。
あの頃よりかは少し成長できたかな⁈
学生最後の夏休みがもうすぐ終わります。
今日感じた経験を心に留め、
来年の今頃は臨床に立てるように
毎回、集中して本番のごとく取組むべし!
汗を絞りすぎない
肝陽上亢
肝陰虚のため陽気を抑えることができず、陽気が上昇し、主に上半身に動きがある熱性症状が出現した病態。陰虚の結果の陽気亢進であり、下部(肝)は陰証、上部は実証となる。めまい、耳鳴、頭痛、顔面紅潮、焦燥感、不眠、動悸、腰部下肢脱力感、紅色舌、弦細脈などを呈する。
実践漢薬学 三浦於菟 東洋学術出版社 p381
私的に肝陽上亢は前回の肝火上炎と混同しやすいです。
そうそう、肝陽上亢は肝陽上亢に似ているけれどもベースに陰虚あるのでした。
人間の身体はほとんどが水でできているとよく言われます。成人で体重の60%が水だとか。でも子供だと70%と多く、お年寄りだと50%に減ってしまうのだとか。
この身体の構成成分である水は、東洋医学でいう気血水の水であることは間違いないでしょう。水は陰陽に分けると、陰の性質のもの。それが加齢とともに減っていくということは、陰虚体質になっていくということ。
私はホットヨガに8年ぐらい通っていました。普段の生活ではほとんど汗をかくようなことはないので、デトックスにもなって身体にもいいと思っていました。そんなに頻繁に通った訳ではないですが、夏でも冬でも季節を問わず一年を通して汗をかき続けていました。
そうするうちに冷え性だった足が、冷えの感じがなくなってあったかく感じるようになっていいように感じられ、体質が変わったのだと喜んでいたのですが、どうやら良くない方向の陰虚体質になってたみたいです。その頃から寝汗をよくかくようになったり、生理が早まるようになっていました。(さすがに肝陽上亢の症状にまではなってませんが)
なので気虚や血虚など虚証体質の人はホットヨガに気をつけてください。どんどん身体の潤いを失って陰虚体質になって老化が進んでしまうかも知れません。特に40歳以上の方は更年期が早まったり、更年期症状が悪化しやすくなるかもしれませんので注意をしたほうがいいと思います。















