学生・研究生によるブログ

学生・研究生による学びと発見のブログです。

美しさ。

東洋医学で言うと、 一般的にブラックボックス化されているイメージでした。 しかし、 林先生の治療をみて、それが改めて覆されました。 先生の治療はブラックボックス化させるのではなく、外部で症状として出ているものを、内部の原理や構造を理解し、それをわかりやすく伝える。 そしてそれに合った配穴する。 その治療に感動し、そして、美しさを感じました。 これが自分の目指す治療だなと。 生意気ですが、将来、自分にも治療ができるという根拠のない自信が湧いてきます。 想像すると、鳥肌が立つように心躍ります。 好きな人ができたような感覚で笑 好奇心と情熱を持って東洋医学に向き合いたいと思います。

施術日記(03)

T.I 先生との治療練習3回目です。 週ごとに、同じ経脈上に刺鍼する事で変化をとります。 舌診の鍛錬 【目的】 ① 一週間前と同穴にて、鍼の番号を変えて違いを診る。 ② このシリーズは今回で3回目。 鍼の ”前後” という短期的にできる変化とは違う、中期的な変化を探す。   舌の中央の苔・裂紋には長い歴史を感じるので、 この変化を狙うのは、 長期的に考えなくてはならないのかもしれません。 舌尖と舌辺の赤みは、ぼんやりといつものようにある。 舌の出し方に、強張った感じはみられない。 陰陵泉(右):0番鍼にて置鍼(5分) 一段と力が抜けたように感じる。 刺鍼後には舌尖と舌辺の赤みは、淡く穏やかになるのはいつもの通り。 舌の水分量の違いが、事前事後で間違いなく変化する。 2週間前は・・ この2週間前に舌診した際、 舌の出し方が右へ傾いていたのが特徴的でした。 舌尖の尖がり具合や舌の周辺の赤みは現在もありますが、 現在は少しマイルドになっているように感じます。 ご自身で治療をされているのもあり、 このシリーズでの正確なエビデンスという訳ではありませんが、 変化は感じられます。

うつ病の第一選択

以前いた職場にはうつ病や心の不安を抱える10〜20代の子たちが沢山いました。 寄り添うことしかできず、相談に乗っている時、背中がふと空虚な感じがして撫でた時、「なんだか安心してスッとしました」と言う子がいました。 鍼灸学校に入り、その場所が身柱穴や神道穴と知りました。 私の背中もそうですが、体表観察でもこの辺りが大きく落ち込んだり、なだらかでない時は気鬱が関連していると思います。 私自身10年前にうつ病になりました。 その頃は鍼灸が治療の第一選択となるとは知らず、抗うつ剤をメインに対処療法として鍼灸治療を受けていました。 なぜ自分がそうなったのか、なぜこんなにもうつ病が多いのか、東洋医学を学びルーツを辿っています。   「脾」=後天の元気を生み出す 「腎」=先天の元気を生み出す とされるが、最終的な生死は「胃の気=脾の臓」によって決まる。 『臓腑経絡学 藤本蓮風著』 つまり、自殺念慮が起きることは、脾が密接に関わるということだと思います。 (五志病機については今勉強中なので、またいずれ…) 【脾胃なるもの、倉廩の官、五味出づ】 五味とは気血化生の源である。臓腑と全身を栄養するエネルギーを輩出する大本。 『臓腑経絡学 藤本蓮風著』   営衛気血を生み出す脾胃の失調すると、あらゆる臓腑に影響し、うつ病や精神疾患においても食欲減退は真気(元気の根本)が作れないということになります。 【脾は四肢を主る】 手足を動かす事で脾胃の働きがよくなる。 逆に脾の働きが弱ってくると手足の働きも鈍ってきたり… 『臓腑経絡学 藤本蓮風著』   気鬱の時は体を動かす=疏肝の効果があると思います。 しかし、気鬱が進み動けなくなるということは臓腑の力も衰弱しており、しっかり治療して脾胃の力を立て直さなくてはなりません。   うつ病の発症基礎は、肝失疏泄による肝気鬱結である。 『「証」の診方・治し方 -実例によるトレーニングと解説-  呉澤森著』 気鬱の病理は肝、心との関係が最も密接である。『中医病因病機学』 とありますが、自殺念慮やうつ病など精神疾患になるまでには、それ相応の時間経過があり、久病になればなる程「生命の根本」に立ち帰らねばならないと思います。 脾を補うに腎を補うにしかず。腎を補うに脾を補うにしかず。 脾の臓が弱っている場合に脾の臓を補う事もいいけれど、同時に命門の火・腎の働きを強化する。 『臓腑経絡学 藤本蓮風著』   生命の根本、脾、腎を立て直すことが重要であると考えます。     今日は寄り添う立場から、治療家になるために、患者さんと接するための大切な心掛けも院長からお話しいただけました。   「うつ病や自殺念慮の治療として、鍼灸治療は第一選択になることができる」 という院長の言葉が心強かったです。 副薬しなくても自分自身の臓腑の力と鍼灸で治せる。 それが1日でも早くスタンダードになるために、私も治療家となるべく多くの人の力になりたいです。

想像

先日不調だという友人の舌の写真を送ってもらいました。 絳舌、舌尖は鮮紅色で細かな裂紋を認め心火が旺盛。胖大、舌痕があり、舌面はやや乾燥し、津液の損傷も考えられました。 脈を直接みることができませんでしたが、 「脈を予想してみることも大切」だと下野先生に教えていただきました。 普段、友人の脈は細く針金のような輪郭の脈で速く、不調になると輪郭がはっきりせず弛緩して沈取りで消えそうになります。 後日舌と脈を見させてもらいました。 舌はあまり変化がありませんでした。 脈は右は前述したようでしたが、左は細く上焦で指腹を弾くような感触でした。 上焦は実し、下焦は虚しているのでは?と考えました。 脈の左右差をどう捉えるかはこれから勉強が必要です。 舌も脈も時々で変化していくものなので、定期的に診させてもらおうと思います。 今回の経験を機に舌を診て脈を想像する、またその逆も日頃から実戦してきます。

合谷の穴性「生血」を考える

合谷の穴性について調べてみます。 穴性学ハンドブックでは補で生血の効果があるとの事です。 しかし「補血」ではなく「生血」である事に違和感を覚えます。 血を生み出す効果がある様なので、中医鍼灸臨床経穴学を中心に調べていきます。   P 65 <効能> ③補法:補気固表・益気固脱・益気摂血・行血・生血 湯液における黄耆、人参、党参、白朮、炙甘草、百合、黄精などの効に類似   P 79 「合谷を補すと補気の作用があり、瀉すと行気散滞の作用がある。したがって、気虚のために統血が悪くなっておこる失血証、「有形の血は自ずとは生じず、無形の気により生じる」という道理によって起こる血虚証、気虚による血行障害の病証に対しては、本穴を補して補気をはかると、摂血、生血、行血の作用をもたらすことができる。」   →つまり 「気血両虚の状態で補血だけ行っても自身の血を作る力は回復しない。 合谷による補気を行う事で血を生じさせる力を付けましょう。」 これが合谷の生血なのだと思いました。 実際どの様な使われ方をしているか見てみます。   P 69 「膿は気血が変化して生じる。久瘡には、膿が外溢して気血両傷となるものが多い。または瘡が長期にわたって治癒せず食欲も低下し、さらに膿が外溢することにより気血大傷、正気虚衰となり久瘡がおこる場合もある。 1.瘡面の肉芽の生成が遅い場合 合谷、三陰交(補)…気血の補益」   P229 三陰交 「本穴には、統血、凉血、全身の血分の虚損を補益する、全身の血液の運行をよくするなどの作用がある。」   中医臨床のための方剤学 P260 当帰補血湯 「皮膚化膿証が潰破したのち瘡口が癒合しにくいのは、気血が不足して肌肉の産生が悪いためである。」   医学三蔵弁解 P133 「気血は互いに根ざしていますので、これを気虚とするときにはすなわち血虚しているものであり、血虚するときには気もまた虚しているものです。 治法には標本の区別があります。 気虚によって血虚となっているものは、気虚を本として血虚を標とします。 血虚によって気虚となっているものは、血虚を本として気虚を標とします。」   →生血で血を生むと言っても血虚していれば、三陰交の様な補血の効果を持つ経穴との配穴が必要なのだと分かりました。 他に合谷・血海(補)などの配穴も見られたので、状況に応じた「補血」の効果を持つ配穴を行う必要があるのだと思います。   今のところは 生血=気の血を作る力をつける事で血を補う 補血=血を直接的に増やす事で補う との認識になったのですが、間違っている可能性もあるので一穴一穴を確認しながら調べていきたいと思います。   参考資料 中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社 穴性学ハンドブック たにぐち書店 中医臨床のための方剤学 東洋学術出版社 医学三蔵弁解 たにぐち書店    

補瀉

補寫に関して気になったので調べていきます。   《現代語訳 黄帝内経霊枢上巻》P 14 九鍼十二原篇 「針の技術の要は、刺鍼の部位が適当であることと徐疾の手法の正確な運用にあります。」 「気の働きの虚実変化を理解すれば、補瀉の手法を正確に運用でき、毛筋ほどの間違いも起きる様なことがありません。」 「気の往来の時期を理解してはじめて刺鍼の正確な時間を理解できるのです。」 「気が去るとき経脈が空疎になるのを『逆』、気が来るとき経脈が充実するのを『順』といいます。」   《現代語訳 黄帝内経霊枢上巻》P 18、19 九鍼十二原篇 「瀉法を用いるときは、かならず鍼を素早く刺入して気を得たのちゆっくり抜き去り、大いに鍼孔を揺らして、表用を開けば、邪気を外に洩らすことが出来ます」 「補法を用いるときは、経脈の巡行方向にしたがって鍼を向け、ゆっくりと散漫な様子でそっと刺します。鍼をめぐらして気を導き、経穴を按じて鍼を刺すとき、あたかも蚊が皮膚の上を刺しているようなあるかなきかの感覚があります。鍼を抜き去るのは速く、矢が弦から放たれたかのように、右手で鍼を抜き、急ぎ左手で鍼穴を按ずれば、経気は留まり、外は発散せず、中は充実し、留血の弊害もありません。」 「鍼を刺すときは経気の到来を候わなくてはなりません。」   《現代語訳 黄帝内経素問》P272 鍼解篇 「虚証を鍼治療する際には、鍼下に熱感がなくてはなりません。なぜなら正気が充実すると熱感が生まれるからです。 実証を治療するときには、鍼下に涼感を感じなくてはなりません。なぜなら邪気が衰えてはじめて涼感が起こるからです。」   →補寫どちらにおいても気が至ったり去ったり、熱感・涼感を感じる感覚が重要。 手技としては、どういった速度で刺し抜きするか・どの様な角度で刺すか・揺らすか・案じるか。     《鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇》P344 「臨床的には、かつては太い鍼をゆっくり入れて気を温め集めて、スッと抜いていた。抜くときにゆっくり抜くと、鍼穴が余計に広がって、気が漏れやすく散りやすくなるためである。現在の鍼は細くなっているのでその必要がない。ゆっくり入れてゆっくり抜けば良いのである。」   →古代と現代の違いを感じました。昔と全く同じ条件ではないので、形ではなくそれが何を意味するのかきちんと理解していないとこれからズレた認識が生まれてきそうです。 また、ここから補瀉の際にどんな鍼を選ぶかなどのヒントにもなっていそうな気がします。   読んでいて、昔の人はどんな方法で鍼を作って保管していたのか。 現在は鍼をどの様にして作っているのか。 現在の鍼になった分岐点などはいつなのか。 なども気になってきました。   参考資料 《現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻》 東洋学術出版社 南京中医学院編著 《現代語訳 黄帝内経素問 中巻》 東洋学術出版社 南京中医学院編著 《鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇》 緑書房 一般社団法人 北辰会学術部編著            

周囲

気をどこに使うか。   それも一つの自分の課題な気がした。   受付の時も自分は必要以上に気を分散させてしまっている気がする。   そんな事に気を取られている場合ではない。   周りと自分の境界線を考え直さなきゃいけないと思った。   それが自分の心のありようも繋がってくると思う。   いかに無駄を省けるか。   でもそこに無駄を省くための作為が生じない様にしたい。   また精神状態の変化と手の感覚の変化を追っていても勉強になっている。   どんな時でも手を含め何かを感じる事は忘れない様にしたい。   その為にもっと心を柔らかい状態に保たなければなとも思う。

舌診(01)

舌の研究 修行生のSさんと勉強をします。 「左腕の外転について難あり。」との主訴により 刺鍼を行いました。 〈前〉 〈後〉 上逆し易い体質と考え、 上がらない重しをしっかりとさせる事を 長期的な目標としております。 主訴を受け、 気血の巡りをよくしたいと思い その阻害要因が中焦より下焦へと続く 舌の苔に診られる通りの邪熱かと考えます。 刺鍼後、 左腕の外転にやや改善が診られた事で好転反応はあり。 舌苔が面積も厚さも少なくなってる事、 舌体より気虚症状の減少が診られる事などから ある程度の効果があったのかと推測されます。 経過を観察をしていきます。  

舌の考察 2023/11/1

ポッテリしていて、歯根があるが、張りがあり、少しの気虚と気滞水滞を感じる。 舌苔 白 厚 舌質 淡紅 舌裏 まだら 白いところと赤いところがまだらになっている。精血の枯れはないが、気血の充実度が足りない感じがする。 歯痕あり 舌体が浮腫んでいるが、痩せ感も感じる。気血の枯れなのか。 舌質 どちらかと言うと淡白傾向 充実度が低い。 小さい点刺が舌尖から舌辺などわりと見られる、赤味はキツくない。 うつ熱的なものが気血を消耗しているのか。 舌苔 きめ細かいが、べっとりしている。中央から奥は黄膩苔。長年の湿邪の停滞を思わせる。

舌の考察 2023/12/6

もう、気がついたら今年も残りわずかになってしまいました。また一年が過ぎようとしています。 この一年は毎日、やるべきことはやって、行くべきところに行き、家に帰ったら、家での作業をこなし、寝る。というルーティンを守って生活していた印象です。 もう少し余白の時間も作れればと思っていますが、来年の課題になるでしょうか。   点刺はありますが、前回ほどは舌先の密集度は低下した?かなと思います。でも舌辺に広がったようにも見えます。苔の色が黄色に傾いてきました。胃の停滞もありますが、下焦の停滞間の方が強く感じます。最近は便が硬い状態が続いています。 舌裏の怒張が濃くなっています。血の停滞が見られます。   院での治療直後です。 前回の舌の写真より舌全体に膨らみが増し、ふっくらした状態で、気血の巡りが良くなった様に感じます。色味も明るくなりました。舌の苔も程よくついています。通常のベースはこのような舌なのかなと思いました。 でもこの日に急な鼻水が湧き起こる現象が見られ、頻繁に鼻をかんでいたのが気にかかりました。本人曰く、風邪からでは無く、学校での実技でお灸を中脘に10壮をしたせいだと思うとのことでした。そのせいで気逆を起こし鼻水として上に溢れたようです。 そういうこともあるのですね。