肺と皮毛の関係
前回につづいて呼吸に関してまとめてみます。
蔵象として、肺は皮毛との関係が深いとされます。
(皮毛とは体表部のことをいい、
皮膚、および皮膚に付着する豪毛/ほそい毛 などを指す)
『肺は皮毛を主る』
皮毛が潤沢であるかどうかは肺気の機能で決まります。
肺はその宣発の働きを通して、
体の表面に気や栄養を行き渡らすことをしています。
なので正常な状態では、皮膚のキメが細かくて色艶もよく
体には抵抗力があって簡単に風邪を引いたりしません。
そして『肺は体に在っては皮毛に合す』ともいわれます。
この文について “肺は皮毛とリンクしている“
参考にした書籍では、このようにあらわされていました。
とても分かりやすい表し方だと思いました。
リンクしているー つまり
皮膚もまた肺と共同で(衛気の働きの元で)呼吸ををしている、
ということ。
「呼吸は、宣発・粛降という気の流れを生み出しますが、
宣発という流れは、皮膚の呼吸がなければ完成しない」
考えてみると、とても当たり前のことにも思えるのですが、
そこから、皮膚(つまり体のいちばん外側)の状態という情報のもと、
肺気の働き方をみていく考え方が導かれることに改めて
面白さを感じました。
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【参考文献】
『図説東洋医学‹基礎編›』学研
『中医学ってなんだろう』東洋学術出版社
『中医基本用語辞典』東洋学術出版社
先日の症状より(続き)
前回(先日体調を崩したケース)の続き。
体に合わないものを食べたことがきっかけだったと考える。夜間、悪寒にはじまり悪心、煩躁、考えがまとまらなくなり、とても苦しく、手探りで押圧したのが合谷。気が降りていって上部にかかった力が解けて頭部にスペースができた。一度ここで助かったと思った、が実際は違った。下方に押し下げられたが依然そこでうねり向かう先が必要としていると感じた。外に出すべきーそして百会を用いた。体内を一気に突き上げる流れが生じ、嘔吐する。結果的には必要以上に気を漏らしたこの対処が体にもたらした負担によりこの後がしんどかった。
ツボの実相の一端を身をもって知れたことはとても良かった。
脈診(06)
引用:『中医診断学ノート』P30 ” 3、正常な脈象 ”
平脈
正常な脈象のことをいう。
脈位は浅くも深くもなく、
脈拍は速くも遅くもなく(一呼吸4〜5ーーー60〜90分)、
ゆったりとおだやかで、しかも力強い。
さらに、脈拍の律動が規則正しい。
有胃・有神・有根
正常な脈象(平脈)の特徴は
有胃・有神・有根の三つに表現される。
有胃
脈位は浅くも深くもなく、
脈拍は速くも遅くもなく、規律が正しい。
有神
ゆったりとしていて、しかも力強い。
有根
尺脈を沈取したとき十分に力強い。
そもそも平脈を臨床上で知り得るのはいつなのか?
主訴をもって来られた初診時ではないので、いつ?
”尺脈の沈取で力強い”とするのが、有根とあるが
邪によって強くなることもあるのでは?
人の個性や今まで歩んできた歴史によっても異なり、
”正常な脈象”の把握って実は難しいように思う。
【参考文献】
『中医診断学ノート』東洋学術出版社
複雑
五臓の生理に陰陽、虚実がからんでくるといつも頭の中がこんがらがってしまいます。
脾気虚 心血虚 肝火上炎 肝陽上亢・・・
脾気虚や腎気虚はあるのに、なぜ肝気虚はないのか?などなど。
複雑だと感じるのは五臓や陰陽の生理作用を私がよく理解していないということなので、
教科書や本で文字を追ってみるもなかなかイメージしにくいです(-ω-)もどかしい。。
図をかいてみるなどして関係性を整理しイメージできるように勉強することにします。
鍼とからだ
2021/11/10
深部、からだの奥で結ばれていた熱。
それが体の表層にはっきりと立ち上がるのを
目の当たりにして、
患者は横になって静かなのに
静けさのなか躍動する。
ただその現象に立会い驚いた。
奥に押し留めていたのは何の作用を受けてか。
潜在するもの表に現すきっかけをもたらす鍼。
言葉に置き換えるのがとても難しい。
舌診(07)
受付のNさんに舌の研究の為にご協力頂きました。
即答にて快諾いただける皆さんに感謝しております。
表
裏
舌質
舌色:淡紅舌
舌形:嫰・胖大・点刺
舌苔
苔色:白黄苔
苔質:全体・薄苔
全体的に苔が少なく薄いのと、舌尖・舌辺に対しての点刺がみられる。
それより、各所に少なからず熱化の可能性をみます。
舌の出し方に力が無いように思える。
舌裏を観るときに舌の薄さが気になる。
舌態の力なき姿と薄さより生気の弱りを感じます。
臓腑配当は控え、舌象に注視し経過を観察したいと思います。
シズル感
レストランのメニューなどで見かける美味しそうな写真、新鮮な肉や野菜の色をした写真を「シズル感」といいます。
以前の仕事では、「本物を観て美味しそうな色は記憶しておきなさい!」と教わり、何百枚もの写真を「シズル感」のある写真に仕上げてきました。
鍼灸学校に入ってしまってからそんなことすっかり忘れていました…
健全な舌は「淡紅色」という教科書的な表現も、共通言語的なものかもしれませんが、色名というのは国や人によって曖昧なものです。
以前、寺子屋メンバーで舌の色を話していた時に「好感度のある色」「好感度がない色」と表現していましたが、とても感覚的なものでした。
それって、「美味しそう」と「不味そう」に当てはまらないかなと思いました。
スーパーの生鮮コーナーでも「あ、これ買わんとこう…」って思う物って、青みがかっていたり、褪せていたり、黒ずんでいたり、くすんでいたり。
文字を追ってばかりだと忘れてしまいます。
澤田健先生も仰っておられました。
「書物は死物なり. 死物の古典を以て生ける人体を読むべし.」
日々の生活にヒントは沢山あるので、もう少しシンプルに、素直に物を捉えていかないとなぁ、といつも気付かされます。
引用 「鍼灸真髄」代田文誌 著
天人合一(01)
先輩に許可を頂いた患者さんに、問診に入らせて頂いております。
望診・聞診・問診・切診。
四診合参し、取穴を想定する訓練を一つ一つ手ほどきを頂きます。
患者さんの発するインフォメーションについて
自分の頭の中でシャッターを切りますが、
課題としては、一部分に注視しすぎるところでしょうか。
要は、全体が診えていないなと。
広く全体の情報を、クールダウンして俯瞰しなくては。
と、いう事で自宅に眠っていたカメラを引っ張り出してみました。
情報をいかにキャッチできるのか。
些細な情報の一つ一つを、瞼に撮る訓練をしてみたいと思います。
【参考文献】
『新版 東洋医学概論』株式会社 医道の日本社
『舌鑑弁正 訳釈』より”紅にて震える舌”から学ぶ。
こんにちは稲垣です。
顫動する紅舌を『舌鑑弁正 訳釈』より学びます。
第一百十三、紅戦舌。
鸇掉不安、蠕蠕微動也。
深紅、赤紅而戦者、宜三黄石膏等湯。
紫紅、瘀紅而戦舌、宜三黄白虎大承気。
淡紅而戦者、宜十全大補湯。
鮮紅、灼紅而戦舌者、宜六味地黄湯、
此舌虚火、実火皆有之(均裏証、無表証)、誤治即壊。
旧説指為汗多亡陽或漏風所致、
且不詳弁而概用温補、謬也。
(引用:『舌鑑弁正 訳釈』P244~245)
第113 紅戦舌
舌の震えが止まらずクネクネする。
深紅・赤紅で震えるものは、三黄石膏湯がよい。
紫紅・瘀紅で震えるものは、三黄白虎大承気湯がよい。
淡紅で震えるものは、十全大補湯がよい。
鮮紅・灼紅震えるものは、六味地黄湯がよく、
この舌は虚火・実火ともにあり(ひとしく裏証で、表証はない)、誤治は壊証になる。
旧説は汗多くて亡陽であったり、漏風によるというが、
詳しく調べずに概して温補を用いるのは、間違っている。
※十全大補湯については《和剤局方》を出典とする
『中医臨床のための 方剤学』と『舌鑑弁正 訳釈』の生薬について
成分が一部異なっており、精査していきたいと思います。
梁玉瑜は旧説の主治の方として紅戦舌に対して温補剤を一概に用いる事に注意を促し、
戦舌でも、紅舌の様々について湯液を選定されています。
《戦舌》
深紅・赤紅 → 解表清裏剤 「三黄石膏湯」
紫紅・瘀紅 → 寒下剤 「三黄白虎大承気湯」
淡紅 → 氣血双補剤 「十全大補湯」
鮮紅・灼紅 → 補陰剤 「六味地黄湯」
舌体がふるえ動いたり、舌筋がぴくぴくと動き、自分では制御できないことである。
「顫動舌」「顫抖舌」「舌顫」「舌戦」などと呼ふ。
虚損あるいは動風によって生じ、筋脈が陽気の温養と陰液の濡潤をえられないために
安寧を欠いて顫動したり、肝風内動にともなって振戦が引き起こされる。
(引用:『中医臨床のための 舌診と脈診』P30)
内熱の強そうな患者さんの、手足に動きがあるのが気になっており、
戦舌の特徴を調べることにより、熱と体の動きとの共通点を見つける事ができたらと考えました。
現時点では明確な発見には至っておりませんが、今後につなげたいと思います。
【参考文献】
『舌鑑弁正 訳釈』たにぐち書店
『中医臨床のための 方剤学』医歯薬出版
『中医臨床のための 舌診と脈診』医歯薬出版
変えてみること
ここ一週間、歩く際に使う筋肉、重心の乗せ方を変えてみています。
続けてみるとふくらはぎ、内転筋の筋肉のつき方が変わって面白いです。
日常的には以前仰って頂いた様に電車でのバランス感覚も違うなと感じました。
また、私の課題である手が重いという問題ですが、色々原因を考えてみると肘がうまく使えていないことも要因の一つにあるかもしれない思いました。
ひじが上手く使えていないとツッパリ棒を相手に押し付ける様な形になり、余分な力が加わって重さに繋がるのかもしれないと感じました。
ですので、そこを意識しつつ、相手の呼吸などに合わせて背候診を行なっていこうと思います。
















