外界への扉
皮膚は外界と内界を隔ててくれる人体最大の臓器です。
(膈といえば、いろんな邪が停滞して潜んでいそうなイメージが湧きます)
また皮膚は肺のように呼吸をしているといいますし、また体内の老廃物を汗として分泌排泄しているというのですから、五臓でいうと肺と大腸ということになります。
一方で「皮膚は内臓の鏡」とも言いますので、肺・大腸に限定するものでもなく、五臓全体と関わっている臓器ともいえます。
体表観察をしていると皮膚はいろんな情報を発信しているのを診てとれます。
●肌の色、ツヤ感
くすんでいる、青ずんだ、焦げた、赤らんでいる、血の気が引いたなど
●毛穴の状態・肌目
ザラザラ、ゴワゴワ、ラップのような、シワシワなど
●肌の温度
冷えている、あったかい、熱いなど
●発汗具合
サラサラ、つるつる、カサカサ、しっとり、ベタベタなど
●肌の弾力・緊張・弛緩・膨隆・陥没
ブヨブヨ、ふっくら、もちもち、カチカチ、パンパンなど
●肌感覚
くすぐったい、ゾワゾワする、気持ちがいい、苦しい、チクチクする、痛いなど
これらの情報が具体的にどういう状態を表しているのか、どの臓腑経絡からのメッセージなのかを読み取るのはまだまだ難しい部分も多いですが、今後、舌や脈、腹診などともっと紐付けできるようにしていけたらと思います。
背中と手
豊中院にて
患者さんから東洋研の記事を見ていますよと嬉しいお声がありました。
いつも見て頂いてありがとうございます。
最近書けてなかったので、また時間があるときは書いていこうと思います。
臨床にて
背中をみせて頂いて、情報を追っていくのですが、この間みせて頂いた方の脊中を見た時に、虚の反応が大きく、広がっていた印象が強かったです。
一連の流れでみないとわからず、手の当て方を変える事で以前よりわかりやすくなった景色でした。
また、変化を感じる前提条件としては、頭で考えるのではなく、患者さんに良くなっていただくために一心不乱になる必要があり、そこで初めて得られるものがあるというものを感じています。
手の当て方も事前にそうしようとしていたわけではなく、自然とそうなった印象です。
スポーツでも集中していたら無意識のアドリブで最適解?に近いものが出るので、同じ感覚だと思います。
この状況になると無我夢中なので、自分なんてものはないですね。
臨床から日々、大切な事を身をもって教わっています。
また、一つ発見したことにも深さはあり、その先があるはずなので、わかった気にならない事を肝に銘じて進めていく必要があるかと思います。
学びとして、枠を作った瞬間にその先の事は答えてくれない気がします。
祖母の脈を診る。
祖母。94歳。要介護4。今年2月に脳梗塞。
30年前ぐらいに大腸癌→人工肛門。
発声はあれど会話は覚束ない。
食欲旺盛。
六部定位脈診……の真似事をしてみる。
……
肝心脾肺腎のうち、腎が沈なのは予想通りだったか、脾がやたら強いのには腰を抜かした。
次いで、肺も強い。
肝心はかなり弱かった。
うーん、もっと色んな人の脈を診ないと比較ができん。
水レポート
前回に水をこだわってみようというブログを書きましたが、現時点で2種類のお水を試してみました。
初めは「ごろごろ水」を20ℓほど購入して飲みました。
奈良の霊峰大峯山からの鉱泉水で採水地に五代松鍾乳洞ごろごろ水と記載がありました。
何だがありがたいお水だなと思い飲んでいました。
実際に飲んでみた感じもクセもなくクリアですっきりとした喉越しの美味しいお水でした。
やっぱり天然水は普通の水とは違うんだな思い、気をよくした私は、次に一番口コミが良かった「温泉水99」というお水を入手して今飲んでいます。
「常温でもおいしい水」SNSでも話題沸騰中、
モデルや芸能人も違いを実感!
とのキャッチコピー付きです。
ところが、かなり期待して飲んでみたのですが、私には美味しくなかった。
そんな筈はないと思いながら、今も飲んでいます(笑)
「温泉水99」
鹿児島垂水温泉、火山帯の地下750mより47℃で湧き出す温泉水
浸透力:食材によく浸透して旨み成分等を引き出す、お茶の出がよい、お米がふっくら炊きあがる
油と混ざる水:乳化作用により白く濁り、混ざったまま
さびにくい:酸化が遅いため、水道水と比べて錆びがでにくい
アルカリ:pH9.5~9.9の高アルカリ性、美容と健康に
軟水:硬度2mg/1Lといった驚異的な低硬度の軟水 (ラベルに記載)
なぜ美味しくないと感じるのか?
私には苦く感じるし、重く感じるのです。
口コミには
「まろやか・マイルドな味わいに、ほのかな甘み」
とあります。
私の体質や体調によるのでしょうか。残念です。
食べることについて②
皆さまこんにちは、イワイです。
前回の続きです。
〝後天の精〟とは生まれ持った〝先天の精〟とは別に
飲食物から補います。この後天の精の全身へのルートをみてみますと、
後天の精
↓
別名 水穀の精微といわれる
↓
一部は気、血に化生→全身の組織、器官に行き渡る
↓
残りの一部は 腎 に収まる
となっています。
次は〝精〟の作用についてです。①〜③
①生殖
②滋養→人体の組織、器官に滋養する
詳しくみてみると、
精は必要に応じて、血へ変化。
↓
血も旺盛、正常に各組織、器官を滋養。
精は気へ化生。
↓
人体の新陳代謝を推動、抑制し生命活動を維持する。
精は人体を構成する基本物質と捉えられており、
東洋医学では精が充足していると、
生理機能は正常に働くと考えられています。
③神の維持
神:広義では、生命活動の総称であり、精が充足することで、神の機能が保たれる。
狭義では、精神、意識 、思惟活動を主るもの。
ここからは、勉強した感想です。
飲食物を食べることで、西洋医学的に考えるとエネルギー源となるということ、一方で東洋医学的に考えると、エネルギー源という役割と五臓六腑が正しい働きを出来るようにしていたり、精神活動も主ることになるので、幅広い意味で捉えることが出来ることに気づきました。
【参考文献】
『新版 東洋医学概論 』東洋療法学校協会
湧く泉
最近、母親に鍼をしています。
体表観察の練習に観させてもらってるうちに、ちょっと打っておこうかなと選んだツボが湧泉でした。足裏にあるので普通は他人に打つのには躊躇しがちなツボかと思いますが、そこは家族なので変な遠慮もありませんでした。本人も痛くないとも言っているので、実家に寄った時にはお決まりのように打っています。
何年も前から、母親から足の異常は聞いていて、足の裏から指先にかけて痺れた感じがあり、本人にとってかなり気持ちが悪く気になっているみたいでした。病院で診てもらったことがありましたが、特に異常はないと言われて治療はされなかったようです。ひどい時には指先が赤く腫れた感じになったり見た目の変化も現れるとも言っていました。
私としては、老化が原因で足の屈筋支帯のような神経の通るトンネルがダメになって神経を圧迫して痺れてるのかな?と漠然と想像していました。だからもう治らないのでは?と。
そしたら一回打ったあと、また打って欲しいとお願いしてきました。
本人曰く、鍼を一回打った翌日に何だか足の裏の感覚がいつもと違ったようで、歩いていても足裏の感覚が良くなってる感じがしたそうです。それは回を重ねるごとに改善していると今は喜んでいます。足の甲の氷を載せたような冷えも取れたとも言っています。
湧泉
本穴は足心に位置する腎経の井穴であり、脈気が湧き出す処であるため、湧泉と命名された。
~鍼灸学 東洋学術出版社~
湧泉にそんな力があるんでしょうか。
問診
問診情報こそ重要ー 自分でそうインプットした
のは何がきっかけになったか、思い返してみて
理由のひとつが案外浅いところに見つかる。
3年次に学校のある授業で、
はじめの問診でできるだけ疾患の特定までなされるべきと教えられた。
授業中は、その為の説明が訝しい内容に聞こえ、
かといって先生に何か質問をぶつけるとこもできず、
後味の悪い思いも残った。
なのに(だから?)拘っている。(おかしな話です)
でも1番は、他の診察で得る情報を整理できないからに他ならない。
それらをつなげていけるように。
夢魇
知人が金縛りになったきっかけで昨年から金縛りについて調べています。
不眠の類と考えましたが、病因病機が見つけられず、ようやく金縛りについて書かれた書籍を見つけました。
「夢魇」とは、悪夢のこと。
例えば何かに押し潰されるなどして、驚いて目が醒めることが多い。
いわゆる金縛り状態になることもある。
心火熾盛を原因とすることが多い。
(針灸二穴の効能 呂景山著)
心火熾盛とは、心神が内擾すると心神不寧となる。
心は舌に開竅し心火上炎だと口舌に瘡が生じる。
(中医針灸学の治法と処方 : 弁証と論治をつなぐ邱茂良, 孔昭遐, 邱仙霊 編著 p.225)
「夢魇」というキーワードを見つけたものの、書籍を見つけられずネット検索してみました。
中医认为梦魇发生是患者体质虚弱、贫血,疲劳过度、及抑郁、生气、发怒等情志因素导致气血不和,神明失调所致。
(中医では、夢魇は患者の虚弱体質、貧血、過度な疲労、抑鬱、怒り、怒りなどの情緒的な要因が、気血不和、神明失調によるものだと考えている。)
【弁証】
肝胆鬱熱、肝胆上亢、心肝血虚、心虚胆怯、痰熱内擾、気血凝滞
(鬼压床的中医辨证及临床验方より 李士懋氏による臨床験治から抜粋)
ちなみに、「夢魇」は中国の俗語では「鬼圧床」ともいうそうです。
先日、知人を診せていただきました。
【現病歴】
長年不眠。2年前にインフルエンザに罹患して以来、間欠的に金縛りの症状が出現した。
強いストレスや過労の後は頻繁に起こる。
睡眠薬を服用しないと眠れない。
【問診】
考えて思い悩むことが多い、情志抑鬱、繰り返す悪夢、入眠困難、眠りが浅い、心悸、耳鳴、頭痛、咽頭痛、のぼせ、頸部の脹痛、倦怠無力、手汗、勝手に手を握る、歯を食い縛る、視力減退
【切経】
褪紅舌 歯痕舌 黄膩苔
舌裏は細脈が多く舌下静脈怒張 脈 細 数?
心窩部の詰まり
太渓穴の左右差、左霊道穴上方1寸に虚、合谷穴と太衝穴の圧痛、神道穴の詰まり、膈兪穴の隆起
顔色不華、頬紅潮、上肢の熱感、掌は汗をかくが冷たい、爪甲不栄、仰臥位で下肢の外転が強く小指がつく
収集がつかなくなってきたので、書籍から幾つかのヒントを得ました。
不寐証は病であるが一様ではない。ただ邪生の二字で知りつくすことができる。(中略)不寐の病は主として気血や臓腑失調のものである。(中略)気血を調和させ臓腑の機能を正常にさせることが主な原則となる。
長期に渡って鎮静安眠薬を服用している患者は、薬の関係で精神不振、倦怠、無力感(中略)といった虚に類似した証候が出現する場合がある。弁証を行う場合には、こういった証候を弁証ほ根拠とすべきではない。
(中医鍼灸臨床発揮 李世珍...
気の分類について
気は、その働きにおいてー
臓腑、経絡、組織などにくまなく分布していて、
生理活動が正常に行なわれるようにする。
心気の推動作用を助け、心の拍動を行う。呼吸と発声を担う。
血と共に脈中を休みなく巡りながら各組織、器官を栄養する。
体表を保護し、外邪の侵入を防ぐ。
汗孔の開閉を調節し、体温を一定に保つ。
皮膚、肌肉、臓腑、筋骨を温める。
それぞれ、元気・宗気・営気・衛気 といい、人体における気のうち
主たるものとされる。
気の概念について、あらためて見直しているとき
先天の気と後天の気を「源による分類」、
そして、前述の4種類を「機能による分類」
と整理して述べている部分が目に入ってきました。
気とは「人体を構成し、生命活動を維持する精微物質を表すとともに機能を表す」とされます。
実はこれまで、この物質という表現にどこかしっくりこない印象を
持っていたのですが、それは、物質=静止した物
というニュアンスを持たせて、読み取っていた為だと知りました。
気の本質が運動にあることについて、考え直すきっかけになりました。
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【参考文献】
『新版 東洋医学概論』医道の日本社
『古典に学ぶ鍼灸入門』医道の日本社
練習
カルテを書く練習と情報を振り返って考えを整理する目的のために記載してみます。
一週間後、再び研究生での練習会。
前回に引き続き、状態の確認をする。
腰痛はやや持ち直したが、今朝から新たな症状である胸の辺りの痛みが気になるように。息を吸うときに顕著化するとのこと。場所で言うと胸骨と左第3肋骨の接着部あたり。今までにないような倦怠感や感覚鈍麻様もあり。
舌質:淡紅暗(いつもより鮮やかさに欠ける)
舌苔:舌根部を中心に厚膩
脈:沈で脈壁はあるが中身が足りない薄い感じがする。(→まだ何脈なのか分類する能力が足りない)
腹診:両脾募の胸脇部の張り感。中脘を中心に抜け感。右肝相火の張り。臍下下焦の湿熱感。
背侯診:T3のつまり感。T7、T9、T12の黒ずみ感。左側のT12〜L4に渡っての張り感、逆に右側の抜け感。
その他気になったところ:
足のふくらはぎは、左が張っていて、右が弛緩している。
脈診で脈を抑えたり、切経で手の経脈を触ると連続して咳が出てくる。(→気滞、気逆を悪化させるのか)
弁証
腎の納気が弱まり、肺で気滞を起こしているのか。
治法
腎気を補い、肺の母である脾を助ける。
配穴
前回と同様に補腎の(右)太渓 (左)上巨虚(→反応点であり、肺経の表裏関係、脾胃にも影響できるのではないか)
治療後の変化
舌の色にやや赤みがさした。
急な唾液、鼻水、涙が増量(不思議な現象→副交感神経優位にシフト? 気が動いて詰まっていたものが流れ出たのか、はたまた気の固摂作用が弱まって漏れ出たのか、後者でないことを祈る)
手掌の温かさがアップ
脈状は中位にまで起き上がり膨らんで、脈壁が緩んだ感じ。
背中の左右差がやや均一化
胸の痛みは若干の軽減あり。
今後の課題
治法と配穴を結びつけるのが難しいです。
私の場合、手が育っておらず、必要な反応穴が取れない。
身体の観察力も何となくそんな感じがするとか、まだまだぼや〜とした感じで、はっきりした明確さをもって表現できない。
地道に積み重ねていきます。















