胃火上炎について
胃熱証について学んでいて気づいたことです。
胃火上炎:胃で滞った熱が経に沿って上昇する病理変化
胃熱が強くなると上方へ昇る。
辛い物、アルコール、脂っぽいものなど刺激の強いものの取り過ぎ
外感した熱邪が胃に伝わること
ストレスなど情志に内傷され肝鬱が起こること
などによる火熱化火により胃の津液が損傷して胃気が消耗する。
→受納、和降の機能低下が起こる
胃津が損傷され、腸の潤いがなくなる→大便秘結
+胃熱の亢進により胃濁を伴って上昇→口臭発生
消化器の機能失調→胃気上逆?→呑酸
胃熱→口渇、冷たいものが欲しくなる、食欲亢進
深部で熱が鬱滞→口渇、煩熱、嘈雑、灼熱痛←拒按
熱邪が胃を破る→吐血
火熱が経脈を塞ぐ→血分が乾く→歯肉炎、歯周炎
胃で水穀を受納できない→食欲低下?→水穀を得られない
→気血不足?→津液不足亢進
胃に火熱が発生→上炎→頭痛、咽頭痛、顎、顔面部の腫れ
(経に沿って熱が上昇するため)
熱は摂取した水穀をどんどん消化する働きがあり、食べても食べても
空腹感を感じてしまう状態になる。
お正月に胃熱によって食欲が亢進するのは何故なのか、と考えていましたが
この症状のことを、「消穀善飢」ということがわかりました。
【memo】
肝鬱との関連
水穀を消化することで火熱は更に強くなってしまうのか?
水穀を入れないことで火熱が鎮まることはあるのか?
(火熱の原因による?)
胃濁とは 胃で本来降ろすはずだったものなのか?
消化しきれなかったもの、ということなのか?
痰
今日は痰について書いていこうと思います。
痰は津液が濃密になり、粘ることにより形成されるものだそうです。
ネバネバ、ドロドロしたイメージです。
津液はサラサラした水のイメージです。
ではなぜサラサラしたものがドロドロに変わってしまうのでしょうか?
津液というのは飲食物が水穀の精に変化してそれが津液に変わる
また、気が津液の元という考えもあります。
つまり、津液を作る過程でなんらかの異常があり、痰ができてしまうのでしょうか?
あるいは、津液がなにか不純物が混ざってドロドロになってしまうのか。
あるいは、熱で津液が焼かれてドロドロになってしまうのか。
何が原因で痰が形成されてしまうのかが疑問です。
津液を形成するのは基本的には脾の役割で、つまり脾の失調によって痰が形成されてしまう。
そして、痰は気に従ってあらゆるところへ留まるとあるので、痰による症状は様々です。
肺に行けば痰や咳嗽が出る
脾に行けば胸焼け
経絡上に留まればあらゆる部位の疼痛、など症状は多岐に渡ります。
そして、気の流れを止めれば、気鬱、気滞が起こり、万病の元です。
脂肪は痰という考えにも至るのでしょうか?
つまり、太り過ぎの方は脾の働きが悪く、
正常に運化が出来なくて、食べてもお腹が減り、
水穀が正常に気化されず痰になって、脂肪として体の周りに痰がついているという考えも一つあるかも知れません。
痰がどのようなことが原因で形成されてしまうことについてよく考えたいと思います。
欲しかった本入手
以前から欲しかった意訳黄帝内経太素が安値で売られていたので手に入れる事ができました。
まだ読み始めたところですが自身が内経を読んで疑問に思っていたところがハッキリ書かれていたりして勉強になります。
今回は勉強用のブログとして、書籍から学んだ事を書いていこうと思います。
本一辺倒にならない様に、モードを切り替えながら生活していこうと思います。
まだパラパラ読み始めたところですが、気になった部分の一部を書いていきます。
意訳黄帝内経太素 P131 五臓命分
「志・意と者(は)精・神を御し魂・魄を収め、寒・温を適え喜・怒を和す所以者也。」
P132
「志・意が和す則(と)精・神は専直(すなお)となり魂・魄は散ぜ不、悔・怒も至ら不、五臓が邪気を受けることは不矣(ない)」
ここでは志・意が切り離されていない点も気になる。
現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻P161 本神篇
「物を任うゆえんの者これを心と謂う。意の存する所これを意と謂う。意の存する所これを志と謂う。」
全訳 内経講義 P201
「李中梓の注「意がすでに決まり、堅固になったものが志である。」」
記憶などで例えられた場合、意は短期記憶力で志は長期的記憶力と説明されていました。
(意の在する所これを志と謂う。)
医学三蔵弁解 P151 帰脾湯
「人参は心気を補い、遠志は腎中の志気を補います。心腎の二気がよく交通すると、脾気がその昇降の間を保ち、三臓の気が自然と充実してきます。」
帰脾湯は心脾両虚の薬ですが、心神不交も兼ねる。
しかし帰脾湯の物忘れの特徴的な現れ方は「直前の記憶がない」という点。
さっきまで何をしていたのか分からなくなる。(意病)
でも、意志は切り離せるものではなく、実際に遠志という生薬で腎気(志気)を心に届ける過程で脾気(意)を巻き込んで治している。
この後のストーリーとして意志が安定して魂・魄なども安定、喜・怒も過剰なものが無くなればいいなと思いました。
参考書籍
意訳黄帝内経太素 第一巻 築地書店 小曽戸丈夫著
現代語訳 黄帝内経霊枢 東洋学術出版社 南京中医薬大学著
全訳 内経講義 たにぐち書店 田久和義隆訳
医学三蔵弁解 たにぐち書店 伴尚志 現代語訳
異名同穴③
李世珍の下で働いていた方に、異名同穴について尋ねたことがあります。
「李世珍の家の伝来の呼び方がある。」との事。
その時は、中国の『宗族(父系中心の一族)』や『圏子(利益を共にする集団)』といった文化圏を想像しました。
③3つの異名のあるもの
穴名 異名
陰郄穴 : 少陰郄穴、石宮穴、手の少陰郄穴
隠白穴 : 鬼疊穴、鬼眼穴、陰白穴
会陰穴 : 下極穴、平翳穴、屏翳穴
京門穴 : 氣付穴、氣兪穴、腎募穴
氣衝穴 : 氣街穴、羊屎穴、氣冲穴
厥陰兪穴 : 関兪穴、厥陰穴、闕兪穴
三陽胳穴 : 通門穴、通間穴、通関穴
上巨虚穴 : 巨虚上廉穴、上廉穴、足の上廉穴
衝門穴 : 慈宮穴、上慈宮穴、前章門穴
水分穴 : 中守穴、分水穴、正水穴
人迎穴 : 頭五会穴、五会穴、天五会穴
兌端穴 : 壮骨穴、兌通鋭穴、唇上端穴
太淵穴 : 鬼心穴、太泉穴、大泉穴
大陵穴 : 心世穴、鬼心穴、心主穴
中膂兪穴 : 脊内兪穴、中膂内兪穴、背中兪穴
通天穴 : 天臼穴、天旧穴、天白穴
手の五里穴 : 尺の五里穴、大禁穴、尺の五間穴
天突穴 : 玉戸穴、天霍穴、天瞿穴
然谷穴 : 龍淵穴、然骨穴、龍泉穴
陽輔穴 : 絶骨穴、分肉穴、分間欠
陽陵泉穴 : 筋会穴、陽の陵泉穴、陽陵穴
白関兪穴 : 玉関兪穴、玉房兪穴、陽兪穴
胳却穴 : 強陽穴、脳蓋穴、絡郄穴
【参考文献】
『臨床経穴学』東洋学術出版社
『鍼灸医学事典』医道の日本社
『新版 経絡経穴概論』医道の日本社
4月のこと。
4月から臨床現場で問診、切経をさせていただく
ことになりました。
先生が「5分で帰って来てください」
と仰っても、
患者さんのペースに嵌ると易々とタイムオーバー。
寺子屋の日の問診は
初日は2人、翌週は4人、今週4人。
え?問診はひとりじゃないの?
と内心焦りながらもやるしかない。
先生からの「愛ある鞭」です。
その後、証立てをするようにと
ご指導いただいていますが、
興奮して全くまとまりません。
問診、切経「だけ」だと思っていましたが
体力の消耗がとてつもなく激しいのです。
恥ずかしながら、問診と問診の合間の
考察中、寝てしまいました。
【4月の反省と課題】
1週目:
ただ症状を聞いてるだけ。
突っ込んで聞かないといけないこともある。
2週目:
自分を衛ること学ぶ。
切経の手の形の工夫を学ぶ。
3週目:
主訴に引っ張られ思い込んではならない。
本質が見えなくなる。
無心で5分短期決戦は集中できる。
色んな先生の言葉が寺子屋で飛び交います。
言葉で聞いていて分かった風になっていても、
自分で実際に体験しない事には分からんのだなぁと思うのです。
めちゃくちゃ緊張します。
緊張状態やと上手くいったためしがありません。
院長が「楽しんで」と仰っても
果たして、そんな日が来るのだろうか?
自問自答することもあります。
しかし、臨床を見学させていただくと
楽しくてたまらない。
そして、毎度毎度へこたれていても
身体がもちませんから、
学ぶ時、遊ぶ時、寝る時…と
メリハリをつけて、
心身共に解放する時間を作っていきます。
最近、通勤電車で
「老中医の診察室」 著:柯雪帆
を読んでいます。
先生たちが症例検討したり、
治療過程やカルテが記載され、
非常に興味深くワクワクします。
一鍼堂の臨床見学でも芽生える気持ちと同じです。
私もこんな風に寺子屋の仲間と
症例検討できるようになりたいなぁと思います。
先ずはひとつひとつ、
与えて下さった機会を大切に。
失敗を恐れず現場を「楽しむ」気持ちを
数%ずつ増やしていけばいきたいです。
先ずは基礎から
ほぼ10年ぶりに東洋医学の基礎理論の本を開いてみました。
結構忘れています。
東洋医学、特に中医学の言い回しって独特ですよね。元々が中国語の表現からの解釈になるせいもあるんだと思いますが、それが余計に理解するのを困難にさせます。
例えば
肝についての記載
陰を体とし、陽を用とす (基礎中医学 神戸中医学研究会 p45参照)
なんのこっちゃです。抽象的すぎて困ります。もっとハッキリ具体的に書いて欲しいものです(笑)
柔肝という文字もよく見ます。
肝の陰血を補うことで、肝陽を調整する治法
肝の陰血をもとに陽気が作動(陰を体とし、陽を用とす)し、肝陰の柔潤によって肝陽の剛強を抑制し、和らげている。 (基礎中医学 神戸中医学研究会 p46参照)
肝陰がなくなると柔→剛強に変貌するとあります。何だか物騒なことになりそうです。
そういえばC型肝炎の治療にインターフェロン療法が行われますが、昔に医療の現場で聞いたことがあります。治療を受けている患者さんの性格がだんだん変貌するそうです。怒りっぽくなったり、抑鬱症状が出たり、そうなると家族は大変なようで、そういう症状が強いと治療を一旦中断することも多いそうです。もしかしたら東洋医学的に考えてみると、インターフェロンによって肝陰が傷つけられてしまうのかもしれません。
医古文の学習(1)
一鍼堂(大阪本院)で行われる「素問を読もう!」(木曜日)に参加しています。
【黄帝内経素問】
《上古天眞論篇第一》
昔在黄帝.生而神靈.弱而能言.幼而徇齊.長而敦敏.成而登天.
廼問於天師曰.余聞上古之人.春秋皆度百歳.而動作不衰.今時之人.年半百.而動作皆衰者.時世異耶.人將失之耶.
岐伯對曰.
上古之人.其知道者.法於陰陽.和於術數.食飮有節.起居有常.不妄作勞.故能形與神倶.而盡終其天年.度百歳乃去.
今時之人不然也.以酒爲漿.以妄爲常.醉以入房.以欲竭其精.以耗散其眞.不知持滿.不時御神.務快其心.逆於生樂.起居無節.故半百而衰也.
(読み下しや翻訳に関しては、沢山の先生方が訳した書物がありますので割愛させて頂きます。)
黄帝を表して
生 弱 幼 長 成
神靈 能言 徇齊 敦敏 登天
五進法から始まってます。「このリズムでいきますよ。」と感じます。
当時の発音も解れば、より以上感ずることも多いのかと、、残念な思いと探究心が交錯しますが。
法 和 節 常 不作
陰陽 術數 食飮 起居 妄勞
「昔の人は偉かった」との話の中に一つのモデルケースが示されています。
ここの”陰陽”をとってみても、具体的に話しているようで総論的な意味合いも含んでいるように思えます。
素問全体を通して理解が進む事を期待しつつ進んでまいります。
漿 常 入房 竭精 耗散 不知 御 快 逆 無節
酒 妄 醉 欲 眞 滿 神 心 生樂 起居
今度は”今時の人”のダメ出しパターン。
倍の10件も記されています。説教が長い・・・タイプのようです。
エジプトのピラミッドを作った労働者の落書きに「最近の若者はダメだ」とあったように聞いたことあります。
大古の昔より、「変わらぬものは変わらない」と感じた記憶があります。
医古文もまた共通の不変性を示しているように思います。
年を重ねて分かるからこそ、伝えるべき”無駄”を伝えようとしているように感じるのですが、
どうなのでしょうか?
参考文献
「現代語訳 黄帝内経素問 上」東洋学術出版社
「重廣補注 黄帝内経素問」天宇出版社
稲垣英伸
美しさ。
東洋医学で言うと、
一般的にブラックボックス化されているイメージでした。
しかし、
林先生の治療をみて、それが改めて覆されました。
先生の治療はブラックボックス化させるのではなく、外部で症状として出ているものを、内部の原理や構造を理解し、それをわかりやすく伝える。
そしてそれに合った配穴する。
その治療に感動し、そして、美しさを感じました。
これが自分の目指す治療だなと。
生意気ですが、将来、自分にも治療ができるという根拠のない自信が湧いてきます。
想像すると、鳥肌が立つように心躍ります。
好きな人ができたような感覚で笑
好奇心と情熱を持って東洋医学に向き合いたいと思います。
舌の考察 2023/11/8
胖嫩舌 舌体が浮腫んでいて力がない感じで、弱々しい雰囲気。
前回よりも舌が膨れて、全体的に苔に覆われ湿潤してテカリも見られる。津液の巡りが悪く停滞している。
この時期は、サンドイッチや揚げものが多く野菜不足で、食生活が偏っていたせいかもしれません。口の周りにも吹き出物が出て肌荒れが目立っています。顔の皮脂も多めです。
舌質は胖大、あせた紅。
舌辺に歯痕がみられる。どちらかと言うと胖嫩気味。
舌中は無苔でやや乾燥気味に見える。舌尖は赤く無苔です。
舌根は膩で、舌辺はうっすらではあるが黄苔が見られる。
風邪の後の空咳がしばらく続いていたのが、反映されているのかもしれません。
ちなみに脈は 中位で細微弦 沈位で滑 でした。
花筏
桜も終わりかけの頃、
普段通らない川沿いを自転車でひた走っていた時、
川面を見てあらっと思わず自転車を停めて撮影しました。
川を堰き止めて川面は花びらで埋め尽くされています。
古い桜は徐々に褐色と化し、
グラデーションになっています。
もう、見ていてゾワゾワ〜っとしました。
(悪い意味で)
「人の気道はうまく通じるのにこしたことはない。
うまく通じれば津液は流通し
まず痰飲の病が起きることはない。
しかし一旦不調になれば
気道は塞がり、膈の上に集まって痰をつくる」
これだけ溜まった桜の花びらが
逆流したり、四方八方に飛散していけば
小さな穴や細い通常に
容易く入り込んで塞いで
またまた不通を起こして
大変なことになりますね。
水面の桜は流れているから良いんです。
参考文献
「中医病因病機学」 東洋学術出版















