湿が熱化することについての疑問点
湿熱証は湿と熱が合わさった状態で人体に入り、病になっている。
湿や熱が蘊結(こもって停滞する)、薫蒸(いぶすこと)して起こる。
湿も熱も気の1つ(?)で口鼻から人体へ侵入する。
前回のブログを書いた時には皮毛から湿邪が侵入するという風に書いてあるのを読みましたが、口鼻から侵入する湿、熱と、湿邪は別物なのか?
湿邪が体内でこもって停滞し熱が生まれることと、脾胃の湿から熱が生じるというのは、
前者は外からの要因によるもの、後者が内からの要因によるもの、という認識でいいのか。それともどちらも体内で起こっていることで、単純に湿→停滞→湿を解消するために熱化する、ということなのか。
熱化することで、体内に分散させて湿をなくそうとしている、ということなのか。
(でも熱化することで、津液が少なくなる、臓腑の機能が失調する、などの問題も生じれば、熱化は身体にとっては良くないことになってしまうような気も・・・)
湿熱証の性質は「湿」ではなく「熱」という記載もあり、2つが合わさっているのに性質が熱というのは、熱の方が湿より強い、ということなのか?
確かに湿のことだけを考えていると湿が強くなることで熱化し、熱が発生してから熱が弱から強に変化していくようなイメージになってしまって湿と熱を同列にしているとやはり変な感じもあります。
【memo】
・〇湿が熱化→湿熱に転じる
・脾胃だけで熱化を考える
・熱の影響
水気凌心
水気凌心とは、水湿が氾濫して心臓に影響し、そのために心機能が減退して起こる。
(中医弁証学 /東洋医学術出版社 p234 より引用)
水気とは、体内に発生した異常な水液のこと。(「新装版」中医学入門/神戸中医学研究会 p13 より引用)
凌は押し伏せる。下に抑えるようにする。おおいかぶさるという意味。
今日教えていただいた言葉。忘れないように覚え書きです。
メモ
・七衝門
これについて気になるきっかけがあったのでテストが終わったらまた調べていきたいと思います。
調べると背中の診断でも使えるのではと思いました。
・流れ
身体を触らせて頂いていて、流れを止めてはいけない。
そう思った出来事がありました。
・左右差と土台
左手と右手の感覚が違う。
以前から感じていたけど、手首、足首ともに右の方が硬い。
脈も左右差がある。
これを気血の流れの影響として捉えた時、土台となる部分に着目。
お腹にも停滞が現れている。
そこを改善するための動きとして
「左足の中段回し蹴り」の動きを取り入れてみました。
これをきちんと行うには体感として、
股関節の柔軟性ももちろん必要ですが、それよりも大切な事が
「腰を入れる動き」
しっかり腰が入ると自然と股関節のストレッチにもなる。
股関節が柔らかくなったタイミングで右の手首・足首・肩・顎関節の動きも良くなるから身体って繋がっているなあと面白かったです。
顔面部でも顎は下焦の位置に属しますが、そういった認識にも繋がる気がする。
また「腎は作強の官」と言われますが、その意味合いにもリンクするかもしれないなと思いました。
しかし上段蹴りできる人はすごいなぁ…
胃の冷えと肝経
太衝穴を調べていると、瀉法に灸を配すと暖肝散寒理気の効能を持つとの事です。
その効能は湯液における呉茱萸、橘核、茘枝核、小茴香などの効に類似
<治療範囲>
3.肝経経脈上の病変
太衝は、厥陰肝経の経脈、経別の循行路線上で肝と関係する膝、大腿、陰器、小腹、少腹、上腹、膈、乳、脇肋、眼目、巓頂、喉、口唇などの部位を治療することができる。
との事です。
ここで巓頂とあったので、呉茱萸で治せる厥陰頭痛にも使えるのだろうなと思いました。
厥陰頭痛は頭頂部に起こる痛みとされます。
なぜ起こるか調べていくと、
中医病因病機学 P304
「虚寒とは、中焦が虚寒で土が木を養えなかったり、命門の火が衰えたために肝の温煦作用が失調したりして、肝陽不足・陰寒内生という病理に陥ったものである。臨床症状としては、足腰がだるく力が入らない・異常に疲れる・憂鬱感・びくびくする・涎を嘔吐する・頭頂部痛などがある」
という事なのですが、慢性病の事しか言っていないのであまりしっくり来ませんでした。
確かにその様な時もあるのでしょうが、自分の体の経験から急性病のパターンもあると思います。
高校時代、かき氷を一気にかき込んで頻繁に頭頂部に痛みを走らせていましたし、
大学時代に奈良の極寒の中コンビニでキンキンのビールを飲んだ時も頭頂部に鋭い痛みが走っていました。
どちらのパターンでもその後、しばらくは薄い大量の唾液が出る状態でした。
肝経の走行経路を見ていくと、
臓腑経絡学 P255
「挟胃屬肝絡膽:胃の腑を前と後ろから挟むように、または囲むように流注している。」
例えば、胃を強烈に冷やし、寒邪が居座る事で側を通る肝経に影響をしているなら
この場合は 胃=本、肝=標 になるのではないかと思います。
そうなると一生懸命に太衝や太敦を治療しても枝葉の治療に過ぎず、
根本の胃を治さなければ治らないのではないかと思います。
胃を治す治療としては、よく中脘に灸をする様です。
大学時代の胃を痛めたパターンの時ですが、帰宅後に猫がお腹の上に乗ってきたのでそのままにしておくととても楽になりました。
思い返すとあれは中脘あたりだったので、手元に灸が無くても何とかなるのでは?と思いました。
参考資料
中医鍼灸臨床経穴学 東洋学術出版社
穴性学ハンドブック たにぐち書店
中医病因病機学 東洋学術出版社
臓腑経絡学 アルテミシア
中国傷寒論解説 東洋学術出版社
五行大義(05)
【更】
01:かえる、あらためる
02:かわる、あらたまる
03:こもごも、かわるがわる
04:さきもり、交代して役に服する義
05:夜閒の時限の稱呼(称呼:よび名)
06:つぐ、つづく
07:つぐなう
08:経る
09:ふける、すぎる
10:よい
11:としより
12:姓
從革
金曰從革。從革者、革更也。從範而更。
形革成器也。西方物旣成、殺氣之盛。
故秋氣起、而鷹隼撃、春氣動、而鷹隼化。此殺生之二端。
是以白露爲露。露者殺伐之表。
王者敎兵、兵集戎事、以誅不義、禁暴亂、以安百姓。
古之人君、安不忘危、以戒不虞。
故曰、天下雖安、忘戰者危、國邑雖强、好戰必亡。
殺伐必應義。應義則金氣順。
金氣順、則如其性。如其性者、工治鑄作、革形成器。
如人君樂侵凌、好攻戰、貧色賂、輕百姓之命、
人民騒動、則金失其性、治鑄不化、凝滯渠堅、不成者衆。
秋時萬物皆熟、百穀已熟。
若逆金氣、則萬物不成。故曰金不從革。
金は従革という。従革なるもの、革は更なり。範にしたがい更となす。
形あらたまりて器を成すなり。西方の物、既になりて殺氣盛んなり。
故に秋氣が起こりて鷹隼を撃ち、春氣動きて鷹隼を化す。これ殺生の二端なり。
これをもって白露は露となす。露なるもの殺伐の表なり。
王なるもの兵に教え、兵を戎事の為にで集め、以って不義をうち、暴乱を禁じ、もって百姓を安ず。
古の人君、安ずれど危うきを忘れず、もって不具をいましめる。
故にいわく、天下が安といえども、戦いを忘れたものは危うき、国邑が強といえども、戦いを好めば必ず亡ぶ。
殺伐は必ず義に応ず。義は則ち金氣の順に応ず。
金氣の順、その性のごとく。その性の如くは、工治・鋳作し、形をあらため器をなす。
もし人君が侵凌を楽しみ、攻戦を好み、色賂をむさぼり、百姓の命を軽んじ、
人民の騒動、則ち金がその性を失い、治鋳は化せずに、凝滞し渠堅する、ならないもの衆し。
秋は万物みな熟し、百穀はすでに熟す。
若し金氣に逆らえば、則ち万物ならず。故に金は従革せずという。
【参考文献】
『五行大義』明德出版社
『大漢和辞典(第5巻、962頁)』大修館書店
痛みの誘因と脈状と
痛みを訴えられるのは左側の股関節。
脈弱、左右では右手で捉えにくいと感じる。
とくに右側関上で弱く感じられる。
その他の所見から脾胃に一定の弱り、
また津液不足があることを拾いつつ
主訴との関連性は不明ながら、
数カ所に鍼を置き立ちあがってもらいどうか尋ねると
最初より痛みが強くなったと言われる。
この時、脈に大きな変化はない。
疎通目的で同側、経絡の走行上に取穴したところ
ここで脈が変化、左側の捉えにくさは感じられなくなり、
今度は先程までの痛みは軽くなった。
来院された時より軽減していた。
一穴目からの取穴含めて
脈状の変化の関連性については今は不明。
どのくらい経れば整理されるのかも分からないが
経験として留め置く。
外界への扉
皮膚は外界と内界を隔ててくれる人体最大の臓器です。
(膈といえば、いろんな邪が停滞して潜んでいそうなイメージが湧きます)
また皮膚は肺のように呼吸をしているといいますし、また体内の老廃物を汗として分泌排泄しているというのですから、五臓でいうと肺と大腸ということになります。
一方で「皮膚は内臓の鏡」とも言いますので、肺・大腸に限定するものでもなく、五臓全体と関わっている臓器ともいえます。
体表観察をしていると皮膚はいろんな情報を発信しているのを診てとれます。
●肌の色、ツヤ感
くすんでいる、青ずんだ、焦げた、赤らんでいる、血の気が引いたなど
●毛穴の状態・肌目
ザラザラ、ゴワゴワ、ラップのような、シワシワなど
●肌の温度
冷えている、あったかい、熱いなど
●発汗具合
サラサラ、つるつる、カサカサ、しっとり、ベタベタなど
●肌の弾力・緊張・弛緩・膨隆・陥没
ブヨブヨ、ふっくら、もちもち、カチカチ、パンパンなど
●肌感覚
くすぐったい、ゾワゾワする、気持ちがいい、苦しい、チクチクする、痛いなど
これらの情報が具体的にどういう状態を表しているのか、どの臓腑経絡からのメッセージなのかを読み取るのはまだまだ難しい部分も多いですが、今後、舌や脈、腹診などともっと紐付けできるようにしていけたらと思います。
中国の思想(05)
老子
六十六章 統治者はへりくだらねばならぬ
江海所以能為百谷王者、以其善下之。
故能為百谷王。
是以欲上民、必以言下之、欲先民、必以身後之。
是以聖人、処上而民不重、処前而民不害。
是以天下楽推而不厭。
以其不争故、天下莫能与之争。
江海のよく百谷の王たるゆえんは、その善くこれに下るをもってなり。
故によく百谷の王たり。
ここをもって民に上たらんと欲すれば、必ず言をもってこれに下り、
民に先んぜんと欲すれば、必ず身をもってこれを後る。
ここをもって聖人は、上に処るも民は重しとせず、前に処るも民は害とせず。
ここをもって天下推すことを楽しみて厭わず。
その争わざるをもっての故に、天下よくこれと争うことなし。
(引用:『中国の思想[Ⅳ]老子・列子』P105~P107)
《私議》
以前、会社員をしていた時は『人・物・金』を管理するのが仕事でした。
その時の上司からよく言われたのが「頭を垂れる稲穂かな」。
経験豊富な年功を積まれた方々の立ち居振る舞いをみて、
内心『流石!』と思う事は本当によくありました。
今は臨床に立っておりますが、患者さんを目の前にして思う事もあり、
繊細さも難しさも感じます。
【参考文献】
『中国の思想[Ⅵ]老子・列子』徳間書店
どうなんだろう
勉強で母親の身体を診させてもらった。
特に気になる点は左少腹急結・左少腹部や股関節あたりの色が黒くなっている・中脘あたりが緊張・舌は腐膩があり、全体的に紫舌・舌下脈絡の特に左側の怒張・脈は渋・左のみ深く沈めると脈が確認出来なくなる・左太渓の顕著な陥没と発汗・足先は冷えている。
以前脈を取らせてもらった時は疲れると脈が7回に一回飛んでいた。
問診はせずに症状で気になる点を後で確認すると左腰に違和感があり、まれに左少腹部に張った感じが起こるとの事。
根本は腎の弱りなのか。
瘀血を取るにしても正気を立て直す必要があると感じた。
よくゲップが出る人なのですが、この胃の働きの低下にも腎虛・瘀血が関係してそうな気がする。
治療穴としては左太渓で腎の立て直しを行うシーンかなと想像。
また、活血も組み合わせる必要があるのかと思った。
左の三陰交を抑えると軽い圧痛があるとの事だったのでここも治療穴に含めることができるのか。
色々考えてみたものの分からない点だらけで難しい。
先ずは基礎から
ほぼ10年ぶりに東洋医学の基礎理論の本を開いてみました。
結構忘れています。
東洋医学、特に中医学の言い回しって独特ですよね。元々が中国語の表現からの解釈になるせいもあるんだと思いますが、それが余計に理解するのを困難にさせます。
例えば
肝についての記載
陰を体とし、陽を用とす (基礎中医学 神戸中医学研究会 p45参照)
なんのこっちゃです。抽象的すぎて困ります。もっとハッキリ具体的に書いて欲しいものです(笑)
柔肝という文字もよく見ます。
肝の陰血を補うことで、肝陽を調整する治法
肝の陰血をもとに陽気が作動(陰を体とし、陽を用とす)し、肝陰の柔潤によって肝陽の剛強を抑制し、和らげている。 (基礎中医学 神戸中医学研究会 p46参照)
肝陰がなくなると柔→剛強に変貌するとあります。何だか物騒なことになりそうです。
そういえばC型肝炎の治療にインターフェロン療法が行われますが、昔に医療の現場で聞いたことがあります。治療を受けている患者さんの性格がだんだん変貌するそうです。怒りっぽくなったり、抑鬱症状が出たり、そうなると家族は大変なようで、そういう症状が強いと治療を一旦中断することも多いそうです。もしかしたら東洋医学的に考えてみると、インターフェロンによって肝陰が傷つけられてしまうのかもしれません。
















