硬さ 柔らかさ
診察で
各所の情報が、そもそも検討するのに足る量を拾うことができていない 尺度がない
その中で観察した情報をすぐに解釈しようとして、できない(できるはずがない)
切診において相手のからだのいづれか部位に接している時に
触れているその部分だけを見て
情報を取りにいく意識が自分の体も思考も硬くしていることに
先輩のされる様子を見て気付かされる
鍼治療を受ける中で気付かされた
自分が力んでいたことを本当に知るのは体の力が抜けたときだった
能動的に取り組むことと硬さはイコールでないのに
そうさせているものは何か
(覚え書きとして)
体表観察メモ
9月27日 晴れ
たしか先週末はまだ日中に暑ささえ感じていた筈が
もうすっかり秋らしく夕暮れ時には肌寒さを覚えた。
切経の練習で自分の下肢に感じるはっきりとした冷え感にはっとする。
夏場にはどんな感じだったのか、少し前のことなのに思い出せない
のが惜しい。左足での冷えがより強い。
ひだりに顕著な前脛骨筋部の過度な膨らみとのつながりは?
気になるところに鍼を置いてみる。左膝関
膝と足首、足部に感じる冷え。この時期にこの程度の強い冷えは、
上肢との落差は、どうなのか。体調が変わった時にどう変化していくのか。
備忘録として記録
五行大義(1)
第二辨體性
體者以形質爲名。性者以功用爲義。以五行體性資益萬物。故合而辨之。
木居少陽之位、春氣和、煦温柔弱。火伏其中。故木以溫柔爲體、曲直爲性。
火居大陽之位、炎熾赫烈。故火以明熱爲體炎上爲性。
土在四時之中、處季夏之末。陽衰陰長。居位之中、總於四行、積塵成實。
積則有間。有間故含容。成實故能持。故土以含散持實爲體、稼穡爲性。
金居少陽之位。西方成物之所。物成則凝强。少陽則淸冷。故金以强冷爲體、従革爲性。
水以寒虛爲體。潤下爲性。
洪範云、木曰曲直、火曰炎上、土曰稼穡、金曰従革、水曰潤下。是其性也。
淮南子云、天地之襲精爲陰陽。陰陽之専精爲四時、四時之散精爲萬物。
積陰之寒氣、反者爲水、積陽之熱氣、反者爲火。
水雖陰物、陽在其内。故水體内明。
火雖陽物、陰在其内。故火體内暗。
木爲少陽、其體亦含陰氣。故空虛、外有花葉。敷榮可觀。
金爲少陰、其體剛利、殺性在外、内亦光明可照。
土苞四德。故其體能兼虛實。
体は形式を以て名となす。性は、功用を以て義となす。
五行の体性を以て、万物を資益す。故に合してこれを弁ず。
木は少陽の位に居り、春氣和し、煦温にして柔弱なり。
火その中に伏す。故に木は、温柔を以て体となし、曲直を性となす。
火は大陽の位に居り、炎熾にして赫烈なり。
故に火は、明熱を以て体となし、炎上を性となす。
土は四時の中に在り、季夏の末に処り、陽衰へ陰長ず。
位の中に在り、四行を総じ、塵を積みて実を成す。積れば則ち間あり。
間あり、故に容を含む。実を成す、故に能く持す。
故に土は、含散・持実を以て体となすし、稼穡を性となす。
金は、少陽の位に居る。四方は物を成すのところ。物成れば、則ち凝強す。
少陽は則ち清冷なり。故に金は、強冷を以て体となし、従革を性となす。
水は、寒虚を以て体となし、潤下を性となす。
洪範に云う、木に曲直といい、火に炎上といい、土に稼穡といい、
金に従革といい、水に潤下というと。これその性なり。
淮南子に云う、天地の襲精は陰陽となり、陰陽の専精は四時となり、四時の散精は万物となる。
積陰の寒気、反する者を水となし、積陽の熱気、反する者を火となす。
水は陰物と雖も、陽その内に在り。故に水の体は内明らかなり。
火は陽物と雖も、陰その内に在り。故に火の体は内暗し。
木は、少陽たり。その体、また陰気を含む。故に内空虚にして、外花葉あり。敷栄して観るべし。
金は少陽たり。その体剛利にして、殺生外に在り、内また光明ありて照すべし。
【参考文献】
『五行大義』明德出版社
国試終わって、景岳全書。
標本論
『病気の本は一つであり、隠れて明らかにし難い。
病変は非常に多く、表面に現れているため明らかにし易い。
そのため最近の治療家には、本末を理解できないまま、ただ目前に現れている症状を根拠にして治療している者が、多いのである。』
『浅い部分を見て深い部分を洞察し、近くを見て遠くを察知する、
これを摽と本として語るなら納得できるが、市井に言われている摽と本はこの足元にも及ぶものではない。』
張景岳は周辺の医家の治療方針に警鐘をならしているようです。
本(病気の源)と摽(病変)を分割してとらえて、本から標に対しての繋がりに希薄な施術家への注意喚起を発しているように思います。
『標本が理解できないために、ただその肉体を見るばかりで、その七情を見ることができない。
緩急が理解できないために、急性の症状があっても、それが生命に関わっているものであるかどうかが理解できないのである。
このためにいつまでたっても標を見ながら本とし、緩を見ながら急として治療しているため完全に混乱し、摽・本・緩・急という四者の意義を全く失ってしまうのである。』
同じ過ちを犯さないためには、四診における正確な情報の取得から、標の奥にある本を逃さない様にすることの様に思います。
正確に本をターゲットと捉える事が出来るようになるのが、治療する上での核のような気がして、修行の重要な課題に思えます。
景岳全書を読んでいると張景岳の力強さを感じますが、万尚志先生の訳にも手助けされているのでしょうか。原文の探求の必要も感じました。
【参考文献】
『現代語訳 景岳全書 伝忠録』たにぐち書店
情報
2022/03/27
長く診させてもらっている、ある患者さんを通して
治療中の調子の移り変わりについて、いまどんな感じか?
当初は、直接尋ねたその返答を元にして凡そ判断しようとしていたことを自覚する。
非言語的な情報を受けて何か感じたあと、
確認のため尋ねることが増えてきたことがこのきっかけにあり
それはその患者さんと重ねた時間の中、通じる様になった為のものだとも考えたが
時間はあまり関係なさそうだと知る。
言葉でない分曖昧であるし、
こちらの期待や思い込みが含まれることはいつも留意しておく必要があるけれど、
不確定な性質の情報をなるだけそのままに受け取ることの重要度は高いと感じる。
それが適うくらい静かな所を自分の内に置いておけたらいいのにと思う。
そのために何ができるか。
噯と曖
読み物で、漢字の微妙な使い方の違いに時折立ち止まる事があります。
例えば、『井、滎、兪、經、合』の”滎”が”榮”となっていたり。
「ん?」となってしまう時です。
今回は”噯”と”曖”について
口へん、日へんの微妙な違いなのですが。
噯(あい)
1⃣いき。あたたかい氣。
2⃣おくび。
曖(あい)
1⃣かげる。かげって、ハッキリしない。
2⃣くらい。暗くて見えない。
↓
例:曖昧(あいまい)ハッキリしない。紛らわしい。
つまりゲップは
”噯氣(あいき)”であって”曖氣(あいき)”ではないのですが、この漢字の入れ替えが多いように思います。
因みに
”噫気(あいき)”もゲップ。
噫氣(あいき)
1⃣吐き出すいき。呼氣。
2⃣おくび。食べた過ぎた時など、胃にたまったガスの口腔外に出るもの。
噯氣(あいき)
1⃣おくび。吹呿。噫気。
噯の意味より、噫氣よりも噯氣の方が少し温度が高いゲップに感じるのは気のせいでしょうか。
【参考文献】
『大漢和辞典』(株)大修館書店
気になった文章、歴史
気になった文章
「小腹控睾。引腰脊。上衝心。邪在小腸者。連睾系。屬于脊。貫肝肺。絡心系。
氣盛則厥逆。上衝腸胃。燻肝。散于盲。結于臍。故取之盲原以散之…」
霊枢 四時気第十九
大変勉強になりました。
天台烏薬散が使われるシーンに近い気がします。
また、これも更に探っていくと別の原因にも繋がってくるので、治療方法は変えていかないといけないとも思いました。
歴史
歴史を追うと、太素が幕末の偉い人達に与えた影響は大きそうで、これを踏まえて色々見ていっています。
色々繋がってくるので面白いです。
全く別物の認識がゴロゴロ出てきて勉強になります。
フロー状態
フロー状態とは深く集中して周りが見えなくなるほど没頭した状態を言うらしいです。
このフロー状態に入っている時は、感情や思考が生じにくい。
イライラ・焦り・がっかりなどのストレスに通じる感情が生じにくく、日頃の心の奥底にある気になっていることも一旦忘れられる利点があります。
なのでフロー状態を終えた後は、気分が良くなって、ストレスが軽減されます。
実際にフロー状態の時に、血液を採取してみると血中にドパミンやオキシトシン、セロトニンなどの幸せホルモンが増えることがわかっているとのことです。
代表的な幸せホルモン
エンドルフィン→高揚感・満足感・幸福感を高める
オキシトシン→愛情を形成、心に安らぎをもたらす
ドパミン→達成感・爽快感・集中力を引き出す
セロトニン→精神を安定、不安・ストレスを和らげる
〜NHK きょうの健康より〜
いかに日常的にフロー状態に入る頻度を高めるかが、心の安定や幸せ度を高める鍵になりそうです。
一番手っ取り早いのは、好きなことをすることでしょう。
好きな本や漫画を読む
好きなドラマや映画を観る
ネットサーフィン、ネットショッピング
友達とのおしゃべりなどもいいと思います。
私の友達はストレスが溜まると料理をするそうです。料理をしている時はその他のことは忘れ、心が整理され、気分がスッキリすると言います。同じ意味で掃除をする友達もいます。
家事がストレス解消になるなんて羨ましいです。
そうでなくても日常的にできるアイテムがいくつかあると便利ですね。
ただひとつ気をつけないといけないのは、長時間しない方がいいみたいです。1時間以内がベストなようです。集中度が切れるとかえってストレスになってしまうみたいです。
尺膚診で混乱中
最近は黄帝内経をじっくり読もうと思って勉強中です。
霊枢から始めているのですが、邪気蔵府病形篇まで進めると一つの大きな難関が待ち構えていました。
尺膚診です。
まだ理解できていませんが現時点での解釈をアウトプットしていきます。
『現代語訳 黄帝内経霊枢 邪気蔵府病形篇』 P89
<そもそも病人の顔色と、脈のようす、尺膚のようすはみな疾病と一定の相応関係があり、あたかも太鼓とばちとが相応じるように、一致しないではいられないものなのです。>
→相関関係があるなら尺膚の様子から脈の予想を立てる事も可能なのではないでしょうか。
どの様な関わりがあるのかを見ていきます。
『現代語訳 黄帝内経霊枢 邪気蔵府病形篇』 P 92
<脈状が急であれば、尺部の皮膚もまた緊張しています。脈状が緩であれば、尺部も弛緩しています。脈状が小であれば、尺部もまた痩せ、脈状が大であれば、尺膚も大きく隆起しております。脈状が滑であれば、尺膚もまた潤滑、脈状が濇であれば、尺膚も枯れてまいります。>
『現代語訳 黄帝内経霊枢 邪気蔵府病形篇』 P 102
<「五臓が病変を表わす六種の脈状、鍼を刺す方法はどのようか。」
「およそ脈状が緊急であるようなら、多くは寒邪であり、脈状が緩であるようなら、多くは熱であり、脈状が大であるようなら、多く気が有余で血が不足です。脈状が小であるようなら、多く気血がどちらも不足です。脈状が滑であるなら、陽が盛んで、僅かに熱があります。脈状が濇であるようなら、瘀血であり気が虚であって、微かに寒があります。…」>
→文字が多いので簡単にすると
脈 尺膚 病変
急 緊張 寒邪
緩 弛緩 熱
小 痩せる 気血両虚
大 隆起 気が有余で血不足
滑 潤滑 陽盛、僅かに熱
濇 枯れる 瘀血・気虚・微かに寒
となります。
しかし実際尺膚診の運用を見てみると
『鍼灸治療 上下左右前後の法則』 P 63
<尺膚診の出典は、『霊枢』論疾診尺、『素問』脈要精微論などにあり、森立之の『素問攷注』中に、尺膚診の資料が掲載されています。『霊枢』論疾診尺の尺膚診に関わる部分をみていきましょう。>
とあり、邪気蔵府病形篇の内容はあまり反映されていない模様。
両篇を読んでもしっくりこない…
私の認識が不足している可能性も大いにあるので、一旦置いておいて先に読み進めていこうと思います。
参考資料
現代語訳 黄帝内経霊枢 上巻・下巻 東洋学術出版社 南京中医薬大学編著
鍼灸治療 上下左右前後の法則 メディカルユーコン 藤本蓮風著
診病奇侅(01)
中脘
脾部中脘塞り、中脘水分に動あり、
又脾塞り、水分に動ありても、中脘に動なきは、食にあらず、
《私議》
中脘と水分について感じるところあり、考察を深めたいと思います。
【参考文献】
『診病奇侅』医道の日本社
















